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アドエクスチェンジって何?アドネットワークやSSPとの違いとは?

作成者: 【TECH+マーケティング責任者】武本 大平|Nov 30, 2022 6:09:25 AM

【1】アドエクスチェンジについて

まずはアドエクスチェンジとはどのようなものなのか、理解を深めていきましょう。

アドエクスチェンジとは

アドエクスチェンジとは、広告配信を可能にしているさまざまなメディアや、広告掲載枠を持っているWebサイトをまとめ、広告配信したい広告主の代わりに広告掲載媒体と広告主をつなげる役割をする仕組みです。

Web広告枠をまとめているネットワークのことを「アドネットワーク」と呼んでおり、それらアドネットワークをまとめて広告配信の仕組みを統一させ、幅広いネットワークの中で広告配信を円滑に進められるようになった仕組みのことを言います。

アドエクスチェンジが生まれたことで、RTBという仕組みが生まれました。

RTBとは、リアルタイム入札のことで、さまざまな広告媒体を巡って、さまざまな広告主が広告配信したいと考えており、その広告媒体ごとにリアルたむで広告配信の入札が行われており、それを実現しているのがRTBであり、その土台にあるのがアドエクスチェンジとなります。

アドエクスチェンジが生まれたことで、アドネットワーク間のやり取りが実現し、その結果、アドネットワークを超えて広告媒体の「広告枠」を巡って入札が可能になり、リアルタイムで入札ができるようになりました。

アドネットワークとの違い

アドエクスチェンジとアドネットワークの違いは、広告配信の入札体系にあります。

アドネットワークとは、広告枠を持つWebサイトやメディアをネットワークでつなぎ、ひとつのアドネットワークへの配信依頼をした場合、そのアドネットワーク上にある広告配信媒体の枠に対して広告配信を行う仕組みとなります。

一方、アドエクスチェンジは、アドネットワークの域を超えてそれぞれが持つWebサイトやメディアの広告枠一つ一つに対しての配信入札となるため、アドネットワークには実現できないRTBを実現していることが大きく違う点と言えるでしょう。

歴史的な話をすると、アドエクスチェンジはアドネットワークが生まれてすぐに作られた仕組みとなり、アドネットワークの方が初めに世に出てサービス提供を行っています。

しかし、アドネットワークでは実現できなかったRTBを実現するべく、アドエクスチェンジは生まれ、現在でも多くの企業や個人事業主の方に活用されている方式となります。

 

アドネットワークはこちら!

下記の記事でアドネットワークについて詳しく解説しています。
アドネットワークとは?仕組みやメリット、代表的な媒体を6選ご紹介!

 

 

SSPやDSPとの違い

アドエクスチェンジと検索をすると、さまざまなサイトで出てくる言葉として、アドネットワークのほかに「SSP」や「DSP」という言葉を目にすることでしょう。

このSSPやDSPとの違いについてご紹介いたします。

SSPやDSPは、RTBを実現するための仕組みの一つで、RTBを実現するためにはアドエクスチェンジだけでは難しく、アドエクスチェンジはあくまでもアドネットワークの枠を超えて入札者と媒体側をつなげる仕組みです。

SSPは、RTBを実現するためにメディア側(媒体側)に最大の収益が出るように広告主を探す役割を持っており、入札のオークションが行われる際に広告主の中でも一番の入札額を出している企業を見つけ、広告配信を行う仕組みとなっています。

また、DSPは、入札をしたい広告主が最適な広告枠にて広告配信できるように広告枠を探し、SSPから受け取る入札リクエストに合わせて入札額を掲示し、ユーザー属性などターゲットに合った広告枠を勝ち取り広告配信するというものです。

つまり、SSPもDSPもアドエクスチェンジでRTBを実現する仕組みの一つであるということです。

 

SSPについてはこちら!

下記の記事でSSPについて詳しく解説しています。
SSPとは?仕組みやDSPとの連携方法など詳しくご紹介

 

DSPについてはこちら!

下記の記事でDSPについて詳しく解説しています。
DSPとは?仕組みやメリットからおすすめのDSP広告までご紹介!

 

RTBについてはこちら!

下記の記事でRTBについて詳しく解説しています。
RTB(リアルタイム入札)とは?仕組みやメリットをご紹介

【2】アドエクスチェンジで実現する「オーディエンスターゲティング」

アドエクスチェンジを語るうえで外せないのが「オーディエンスターゲティング」です。ここでは、オーディエンスターゲティングとはどのようなものかを確認していきましょう。

オーディエンスターゲティングとは

オーディエンスターゲティングとは、広告配信する際にどのようなユーザーをターゲットとして広告配信するかを決めることです。

昔からあるテレビコマーシャルや新聞の折り込みチラシなど、マス媒体を利用して広告配信をするだけでは、自分たちの商品やサービスに興味を持たないユーザー(消費者)にも広告配信をすることになり、非効率です。

しかし、Webマーケティングが広がってからは、これらの「誰に対して広告を出すか」というのが実現できるようになり、それぞれの媒体が持つユーザーの特性に合わせて広告配信をすることが可能になりました。

具体的には、人生のイベントを迎えているユーザーや、類似しているユーザー、既に一度サイトに訪れているユーザー、場所を特定したユーザー、大学生や子供がいるなど特定の共通点があるユーザー、購入を前向きに検討しているほかのサービスを調べているユーザーなど、絞って広告配信ができるようになっています。

このようなターゲットを絞った広告配信の仕組みや手法を「オーディエンスターゲティング」と呼んでいます。

オーディエンスデータを活用するアドエクスチェンジ

アドエクスチェンジを利用した広告配信も、オーディエンスターゲティングを実現しています。その仕組みは、オーディエンスデータをアドエクスチェンジが利用し、広告主が希望するターゲティングに合わせて広告配信するというものです。

アドエクスチェンジを利用したオーディエンスターゲティングの広告配信は、サイトへの訪問履歴やユーザーデータなどを利用して広告主がオーディエンスに対して入札を行い、オーディエンスデータを持つデータエクスチェンジを通して入札が行われています。つまり、入札される際に、インプレッションなどの媒体情報だけではなく、オーディエンス情報も加わり、入札が行われるというものです。

 

 

【3】アドエクスチェンジの仕組みとは 

次に、ここからはアドエクスチェンジの仕組みについて確認していきましょう。

広告主が広告入札額を決める

まずは、広告主が広告入札額を決めます。このときの入金額の単位はインプレッションとなり、1インプレッションごとの金額を決めて入札を行います。

アドエクスチェンジは複数のアドネットワークを確認

アドエクスチェンジは入札された額をもとに、複数のアドネットワークを確認し、最適な広告枠を探します。アドエクスチェンジは複数のアドネットワークを横断できるため、アドネットワーク内に置かれているそれぞれのWebサイトやメディアの広告枠を確認し、最適な広告配信ができる枠を選択します。

インプレッション課金型にて広告配信

入札額と広告枠側が持つ情報を参照して、それぞれの広告主と広告媒体をマッチングさせ、実際に広告を配信します。広告配信に関する費用はインプレッション課金型に統一され、広告主はインプレッションごとに課金を、広告枠側は広告が配信されたことで収益を得ることができます。

【4】アドエクスチェンジのメリット

次に、アドエクスチェンジを利用するメリットについて確認していきましょう。

課金形態が統一

アドエクスチェンジを利用するメリットの一つに、課金形態が統一されるという部分があります。複数のアドネットワークを利用する場合、課金形態がインプレッションごとだったりクリック課金だったりとさまざまな方法での課金形態となります。

しかし、アドエクスチェンジでは課金形態が統一され、「インプレッション単位の課金形態」となっているため、メディアごとに課金形態が異なるという心配がありません。

このような課金形態が統一されることによって、これまでWeb広告に前向きではなかった企業も、Web広告配信に対してのハードルが下がり、出稿しやすくなったと言えるでしょう。

複数のアドネットワークを一元管理

アドエクスチェンジを利用することで、複数のアドネットワークを一元管理できるようになったこともメリットでしょう。

アドエクスチェンジが生まれる前は、アドネットワークごとに入札を行い、アドネットワークが持つWebサイトやメディアの広告枠に対して広告配信するようになっていたため、アドネットワークごとに入札を行ったり取引を行ったりすることが必要でした。

アドエクスチェンジを利用することで、複数のアドネットワークを一元管理し、アドネットワークごとを横断して広告配信することができるため、広告主にとっては一元管理され広告配信の管理がしやすくなったと言えるでしょう。

RTBが実現

アドエクスチェンジ最大のメリットはRTB方式で入札ができるようになったことです。

複数のアドネットワークを横断し、リアルタイムで入札が行われ、それぞれの広告枠に対して最大の利益が出るよう、広告主にとって配信したいターゲットに合わせて広告配信が最適化されるようになったことは、アドエクスチェンジが生まれた最大のメリットと言えるでしょう。

セカンドプライスビッディング

セカンドプライスビッディングとは、広告配信を行う際に、入札額を下げることができる仕組みです。一番入札額が高い金額で広告配信されるのが普通ですが、それだと高い金額を入札した広告主はそのままの額で広告配信をしなければなりません。

そのような高額入札にならないように、1番入札額が高かった広告主は、2番目の入札額にプラス1円の額で実際には広告配信できる仕組みとなっています。

これが、セカンドプライスビッディングであり、アドエクスチェンジを利用するメリットの一つとなります。

【5】アドエクスチェンジの代表的なサービス

ここからは、アドエクスチェンジの代表的なサービスを簡単にご紹介していきます。

Facebook AdExchange

Facebookを提供しているMetaが提供しているアドエクスチェンジサービスです。

Facebookは元々オーディエンス情報が豊富に入っているサービスのため、オーディエンスターゲティングには向いているプラットフォームと言えるでしょう。

また、Facebookを利用しているユーザーは全世界に多くいるため、世界中の人々にターゲティングが行えます。

◆提供会社:Meta(メタ)

Microsoft Advertising Exchange

Microsoftが提供する広告配信プラットフォームです。Microsoftは日本においても多くのビジネスシーンに利用されているツールを提供しており、検索エンジンも独自で開発しています。このMicrosoftが提供するプラットフォームへの広告配信となるため、信頼性の高い広告配信となります。

現在名称が「Microsoft Advertising」となっているようです。

◆提供会社:マイクロソフト

Double Click AdExchange

Double Click AdExchangeはGoogleが提供するアドエクスチェンジです。検索大手のGoogleが提供しているサービスとなるため、多くのユーザーが利用しているサービスです。

現在では「Google Ads」「Google Marketing Platform」「Google Ad Manager」と名称を変更しています。

◆提供会社:Google

Yield One

Yield Oneは、博報堂グループが提供する国産のアドエクスチェンジです。国内だけにとどまらず、国内外のDSPやアドネットワーク、アドエクスチェンジと連携して、広告配信のサービスを提供しています。

◆提供会社:Yield One

【6】まとめ

ここまで、アドエクスチェンジとはどのようなものか、メリットはどんなところにあるのかなどをご紹介していきました。アドエクスチェンジが生まれてから、広告主にとっても、広告配信メディアにとっても有益になったことは間違いないでしょう。これから広告配信したいと思っている広告主や広告枠を提供したいと思っているメディア側の方は、ぜひ参考にしてください。