リストマーケティングとは、顧客リストに掲載されている顧客に対してアプローチするマーケティング手法をいいます。 顧客リストには、以下のような個人情報が含まれています。
■顧客リストに含まれている個人情報
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顧客リストに掲載されている顧客に対してアプローチして、良好な関係を構築し続けると、顧客生涯価値(取引開始から取引終了までにもたらす利益)を最大化できて売上アップできます。 そのため、多くの企業で採用されているマーケティング手法です。
リストマーケティングには、3つのメリットがあります。
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
リストマーケティングのメリットは、不特定多数の人に一斉に商品提案ができることです。
メール配信システムを利用すれば、メール配信システムを利用すれば、メールの一斉送信ができて、1人1人の顧客にメールを送る必要もありません。
「新商品の発売情報」「サービスの導入事例」などのメルマガを一斉に送れます。
顧客情報を得るために、1件1件に電話をかけたり訪問営業したりするのは非効率です。
このような従来型の営業手法とは異なり、不特定多数の顧客に一斉にアプローチできることがリストマーケティングのメリットです。
リストマーケティングを利用すれば、顧客情報の獲得から商品販売までのマーケティング施策を効率化できます。
例えば、顧客情報の獲得でインターネット広告を利用すれば、広告の効果測定ができて改善施策を検討していけます。PDCAに取り組めば、インターネット広告で高い効果が見込めるようになるでしょう。
効果検証がしにくい訪問営業と比較すると、生産性を上げていきやすいです。また、見込み顧客の育成は、メルマガの一斉送信で効率化できます。
さらに、各顧客の行動履歴を見て、購買意欲の高い相手にアプローチすれば契約率を上げられます。
このように、業務効率化が図れることがリストマーケティングのメリットです。
リストマーケティングに取り組めば、コスト削減ができます。
例えば、商品を販売するために広告を打ち出し続けると、莫大な広告費を支払わなければいけません。
その一方で、顧客リストに掲載されている顧客にアプローチしていけば、広告を出さずに商品を販売していけます。とくに、既存顧客に定期的にアプローチすると商品を継続して利用してくれたり、他の商品を購入してくれたりします。
顧客生涯価値を最大化させることで、会社の売上が安定しやすくなるのです。
このように、コストをかけずに売上を伸ばしていけることも、リストマーケティングのメリットとなります。
リストマーケティングには、以下のような3つのデメリットもあるため注意してください。
ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
リストマーケティングは、顧客リストの獲得から始まります。
例えば、メルマガ会員登録で顧客情報を取得する場合、1日に10件の会員登録がされても1,000人の会員登録者を集めるには100日かかります。
また、顧客リストに掲載されている顧客へのアプローチ方法も考えなければいけません。マーケティングや営業に関する知識が必要とされ、リストマーケティングの仕組みづくりは難航しやすいです。
リストマーケティングで成果を出すためには、週1回メルマガを配信するなど、顧客に対して定期的にアプローチしなければいけません。
その理由は、定期的にアプローチしなければ、企業や商品、サービスの存在を忘れさられてしまうためです。
一度、興味や関心を失った相手の気持ちを取り戻すのは想像以上に難しいです。そのため、存在を忘れてもらわないためにも、定期的にアプローチする必要があります。
アプローチ方法は、顧客の状況に合わせて変えるようにしましょう。
【アプローチ方法】
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リストマーケティングに取り組む場合は、顧客リストの紛失やデータ誤操作などによる情報漏洩に注意しなければいけません。
日本ネットワークセキュリティ協会によると、情報漏洩の原因として「データ誤操作」「データ紛失」「資料の置き忘れ」「不正アクセス」「データ管理ミス」が挙げられます。
サイバー攻撃による不正アクセスなどで情報漏洩が起きると思われがちですが、社内の業務ミスが原因で情報漏洩している場合が多いです。
そのため、顧客リストの保存方法や管理方法についてルールを決めておき、セキュリティ対策もしておきましょう。
次にリストマーケティングの手順をご紹介します。
【リストマーケティングの手順】
それでは、各手順について詳しく解説します。
まずは、リストマーケティングのための顧客リストを作成していきます。そのため、顧客リストに記載する顧客情報を取得するための施策を考えていきましょう。
例えば、オウンドメディアを運営して会員登録者を募集すると、氏名やメールアドレスなどの個人情報が取得できます。
また、ホワイトペーパーのダウンロード時に個人情報を入力してもらえば、氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの情報が取得できます。
顧客情報を取得する施策は、オンライン施策だけではありません。店舗でアンケート用紙に記入してもらうなどの方法もあります。
詳しくは、以下を参考にしてみてください。
オンライン施策 |
オフライン施策 |
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下記の記事でメールマーケティングについて詳しく解説しています。
・メールマーケティングとは|取り組むメリットや手法、効果的に行うポイントを徹底解説
下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
下記の記事でウェビナーについて詳しく解説しています。
・ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!
顧客リストを作成したら、見込み顧客を育成して良好な関係を築いていきます。見込み顧客に定期的にアプローチして、有益な情報を提供すれば良い印象を与えられます。具体的な方法は以下を参考にしてみてください。
【例:メルマガの会員登録者向けのアプローチ方法】
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見込み顧客の育成のために定期的にアプローチをすると、メール開封率などから購買意欲の高い顧客かどうか判断できるようになります。
購買意欲が高い顧客を見つけたら、商品に関する詳細資料を配布したり、テレアポをしたり積極的にアプローチしていきましょう。
アプローチする場合は一方的に話すのではなく、顧客が抱えている悩み、要望を聞き出します。そして、自社商品を利用すれば悩みが解決できたり、要望を実現できたりすることを説明して契約を獲得していきます。
商品を購入してくれた既存顧客に対しても、定期的にアプローチしてアフターフォローをしていきます。
例えば、商品の使い方を説明したり、商品が使い終わるタイミングでリピート購入を促したりします。
手厚いフォローをすることで、既存顧客をファン化させられるので、忘れずにアフターフォローをしましょう。(※近年は、アフターフォローを強化するために、カスタマサポート部門を設ける企業も増えてきています。)
リストマーケティングの手順だけでなく、成果を出すためのポイントも押さえておきましょう。
【リストマーケティングで成果を出すためのポイント】
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
顧客リストに掲載する顧客は、商品を購入する見込みがある人でないと意味がありません。商品を購入する見込みがない人の個人情報を取得しても営業に役立ちません。
そのため、見込み度の高い見込み顧客を獲得するようにしましょう。
例えば、見込み顧客を獲得するために、LPでWeb反響を獲得する場合「自社商品は〇〇のような方向けです。一方で、〇〇のような方には向いていません。」のように、フィルターをかけておくと、質の高い見込み顧客が獲得できます。
見込み顧客1人1人に対してアプローチをすると、労力がかかります。そのため、顧客育成の業務は自動化しましょう。メール配信システムを利用すれば、見込み顧客に一斉にアプローチできます。
また、見込み顧客をセグメント化(条件でグループ分けする)して、グループ毎に異なるメールを送ることもできます。
リストマーケティングで成果を出すために、顧客リストの情報を定期的に更新しましょう。顧客リストが更新されなければ、メールの配信エラーが起きてしまいます。
また、見込み顧客に営業電話をかけても繋がりません。このような営業活動はムダで、時間ロスにつながってしまいます。そのため、生産性を上げるためにも、顧客リストの情報は定期的に更新しましょう。
リストマーケティングを活用すれば、営業活動に必要なコストを抑えながら、売上アップが見込めます。
その理由は、見込み顧客や既存顧客に効率的にアプローチしていけるためです。この記事では、リストマーケティングのやり方と成果を出すためのポイントをご紹介しました。
ぜひ、これを機会にリストマーケティングに取り組んでみてください。