まずは、ペルソナとは何かについてわかりやすく解説します。
ペルソナとは自社サービスを利用するであろう架空の顧客プロファイルを意味します。
氏名、年齢、家族構成、職業、出身、正確、趣味、使用デバイス、登録SNS、好きなもの(番組、雑誌、Webサイト)、1日の生活の流れをまとめておくことで、ペルソナの思考や消費行動が見えて、アプローチがしやすくなります。
マーケティング活動の場合は、ペルソナを設定しておくことで広告媒体の選定や広告戦略が考えやすくなります。そのため、マーケティング施策を打つ前にペルソナを定めましょう。
下記の記事で広告媒体について詳しく解説しています。
・【2024年最新版】広告媒体とは?選ぶべき媒体が分かる!事例付き
下記の記事で広告戦略について詳しく解説しています。
・広告戦略とは?年間100件以上、広告戦略を支援するプロが解説!
ペルソナもターゲットもマーケティングに活用されるもので方向性は同じですが、顧客プロファイルの深堀りの程度が異なります。
[ターゲット]
[ペルソナ]
つまり、ペルソナを作成すれば思考や消費行動が把握しやすくなります。
ペルソナは顧客プロファイルを指しますが、どこまで詳細の情報をまとめるべきなのでしょうか?ここでは、マーケティングで活用する際に必要となるペルソナの要素をご紹介します。
[検討すべき要素]
これらの要素を洗い出しておけば「どのような商品なら購入してもらえるのか?」「どのようなマーケティング施策が刺さるのか?」を考えやすくなります。
顧客プロファイルを作成するための情報の収集方法は5つあります。
ユーザーインタビューとは、商品やサービスに対する意見を既存顧客から聞き出すことをいいます。
このようなインタビューをすることで、顧客プロファイルに必要な情報を収集していけます。
ユーザーインタビューは、ロイヤルカスタマーを対象に実施することが多いですが、新規顧客を対象に実施すると、購買動機など鮮明に覚えていることが多いため、役立つ情報が収集しやすいです。
アンケート調査とは、顧客の意見を把握するために調査を行うことをいいます。既に多くの顧客を獲得している場合は、すぐにアンケート調査を実施できます。
アンケート調査は気軽に行えて定量的データが得られますが、顧客の本音を得にくいです。そのため、どのような傾向があるかを知る際に活用し、ユーザーインタビューなど併用するようにしましょう。
もし、自社の顧客数が十分ではない場合は、調査費用を支払う必要がありますが、調査会社へ依頼することをおすすめします。
解析ツールとは、Googleアナリティクスなどのツールをいいます。ホームページの閲覧状況など解析ツールで見ていけば「どの地域の人がアクセスしているのか」「デバイスは何を使用しているのか」「何時頃にホームページを見ているのか」などを、Web上のユーザー行動を把握できます。
分析結果データの数字からユーザー行動をイメージできるため上手く活用しましょう。
ペルソナを作成する際には、顧客接点のある部署(営業部門やカスタマーサポート部門、カスタマーサクセス部門)へヒアリングしましょう。これらの部署は、日頃から顧客とコミュニケーションを取っているため、顧客プロファイルに役立つ情報を持っている可能性が高いです。
マーケティング部門だけでペルソナを作成するのではなく、営業部門やカスタマーサクセス部門にも入ってもらい、ブレンストーミングしながらペルソナを作成すると、精度が高いものが作れます。
サービスの導入事例や顧客の口コミを収集すると、顧客が抱えている課題を把握できます。また、競合他社ではなく、自社サービスを選んだ理由が書かれていれば、自社の強みを把握できるでしょう。
SNSの登場で、顧客の口コミが収集しやすくなってきました。SNS上で、自社や競合他社の口コミがないかを調べて、自社の強み・弱みを把握するとマーケティグ施策が打ちやすくなります。
ペルソナがマーケティングの精度を上げるために必要なものです。
ペルソナを定めておけば、自社サービスを購入してくれる顧客の思考や購買行動が理解できるようになります。日頃「どのような媒体を利用して情報収集しているのか」「何時頃に広告を配信されば見てもらえるのか」が理解できるようになり、マーケティング精度が上げられます。
また、マーケティング業務はWeb広告やセミナー開催など幅広くチームで行うことが大半です。ペルソナを設定しておかなければ、マーケティング施策に一貫性がなくなってしまいます。このようなトラブルを避けるためにもペルソナの設定が必要となります。
ペルソナがマーケティング活動において重要であることを理解していただけたかと思います。次に、具体的にペルソナを活用したマーケティング手法についてご紹介します。
ペルソナを作成することで、マーケティング施策全体の方向性が明確になり、単なるターゲット設定以上に顧客プロファイルを深く理解することが可能です。
ペルソナに基づいて広告を作成すると、コンテンツやメッセージが顧客のニーズや興味にぴったりと合致するため、反応率が向上します。例えば、シニア層向けの商品であれば読みやすいフォントや親しみやすいトーンを使うと効果的です。
ペルソナを参考にしてブログ記事やソーシャルメディアの投稿内容を設計することで、読者の関心を引きつけ、エンゲージメントを高められます。ペルソナの生活スタイルや趣味・関心を反映させたコンテンツはユーザーに響きやすいです。
ペルソナを設定することで、顧客が商品やサービスを利用する際の体験を具体的に想像し、改善ポイントを見つけやすくなります。例えば、BtoB向けのサイトであれば、顧客の閲覧コンテンツに合わせて、表示するホワイトペーパーを変更することによって、CV数を増加させることができます。
このように、ペルソナを活用することで、マーケティング手法の精度が上がり、効果的な施策を展開できるようになります。
ペルソナを作成するメリットは3つあります。
ペルソナを設定すると、プロジェクトメンバー間での認識ズレがなくなります。
マーケティング部門はWebサイト更新やメルマガ配信、Web広告、イベント開催などを複数のメンバーで分担して行っているケースが多いです。
マーケティング部門のメンバーは年齢もライフスタイルも価値観も異なります。そのため、20代女性をターゲットにすると決めても、想い浮かぶ人物像がバラバラになり、一貫性のあるマーケティング施策が打てなくなります。このようなトラブルを避けるために、ペルソナを作成しましょう。
また、ペルソナを作成しておけば、無駄なコミュニケーションが減らせます。マーケティング担当者を交代する場合でもスムーズに引き継げるようになります。
ペルソナを作成するためにユーザーインタビューや顧客アンケートを実施すれば、顧客が抱える課題や要望などニーズを明確に把握できるようになります。顧客のニーズを把握できれば、より良い提案ができるようになり、商品が売れやすくなります。
近年、さまざまな商品が溢れ返り、それに伴い顧客の価値観も多様化しています。不特定多数の人に訴求するために幅広いターゲットを設定してマーケティング施策を打っても刺さりません。そのため、ペルソナを作成するのです。
ペルソナを作成しておけば、どのような人に向けてマーケティング施策を打てるのかがわかります。また、ペルソナの思考や消費行動がわかるようになり「どのような広告媒体を選ぶべきか」「どのようなクリエイティブを好むか」を考えながら施策が打てるようになります。顧客目線でマーケティング施策を考えられるようになるため、相手に施策が刺さりやすくなるのです。
ペルソナを設定しておけば、マーケティング活動のコストを削減できます。例えば、マーケティング部門のメンバーで、どのような顧客を対象にアプローチを図るか共有しておけば、無駄なコミュニケーション、無駄な業務が減ります。
また、ペルソナを設定すれば、一貫性のあるマーケティング施策が打てるようになり精度が上がります。どのようなマーケティング施策が有効的であるか判断でき、無駄な広告を出稿せずに済むでしょう。このように、さまざまなコスト削減に繋がることも、ペルソナを設定するメリットです。
完成度の高いペルソナを作成するためにはコツがあります。そのため、ペルソナを作成する際の4つのコツと注意点を押さえておきましょう。
ペルソナを作成する場合は、担当者の主観や希望を排除しましょう。なぜなら、担当者の主観や希望が入ると、現実的とかけ離れたペルソナが完成してしまうためです。
「顧客はこのような課題を抱えているはずだ」「〇〇の媒体に広告を出稿すれば見てくれるはずだ」と主観で判断してしまうと、マーケティング施策を打っても成果が見込めないという事態を招いてしまいます。そのため、主観や希望は排除しましょう。
ペルソナを作成するときは、ユーザーインタビューやアンケート調査、Web解析などをして一次情報からデータを集めるようにしましょう。なぜなら、一次情報からデータを集めなければ、自社の顧客となり得る人物のプロファイルが歪んでしまう恐れがあるためです。
そのため、自社の商品を購入してくれた顧客にインタビューして、精度の高いペルソナを作成しましょう。
顧客ニーズは多様化してきており、時間の経過や状況に応じて移ろいやすいです。例えば、ペルソナを作成するために、ユーザーインタビューやアンケート調査などを行ったとしても、マーケティング施策を打ち出す頃には顧客ニーズが変わってしまうこともあります。
そのため、ペルソナを作成して、それに従ってマーケティング施策を打っても効果が見込めない場合は再検討するようにしましょう。ペルソナは一度作ったら終わりではなく、定期的に再検討することが大切です。
ペルソナの要素を埋めるだけで満足せずに、写真や動画を活用してペルソナの解像度を上げましょう。例えば、ペルソナを想定した人物の1日の生活の流れを共有しておけば、新たな発見があるかもしれません。ペルソナをテキストだけで共有すると、認識ミスが起きて、マーケティング活動が円滑に進まない恐れがあります。そのため、ペルソナを作成する際は、写真や動画を活用して解像度を上げましょう。
ペルソナを作成するための手順は以下の通りです。
ここでは、各手順について詳しく解説します。
まずは、自社を分析して強みや弱みを把握していき、ユーザーにどのような価値が提供できるかを考えましょう。なぜなら、自社の強みや弱みを把握することで、どのような顧客にアプローチすべきか考えられるようになり、ペルソナが作成しやくなるためです。
自社を分析する方法には「3C分析」などがあります。3C分析は「自社」「競合他社」「市場」を以下のように分析していきます。
市場・環境 |
市場規模 市場の成長性 顧客ニーズ 顧客の消費行動 |
競合他社 |
シェア率 強み・弱み 業界ポジション |
自社 |
企業理念やビジョン 事業の現状 資本力や投資能力 リソース 強み・弱み |
次にペルソナで設定すべき要素を決めます。マーケティング活動に活用するのか、商品開発に活用するのかなどで、設定すべき要素が変わります。マーケティング活動に活用する場合は、繰り返しになりますが以下の要素が必要です。
[検討すべき要素]
ペルソナ設定に必要な要素を洗い出せたら、必要な情報を収集していきましょう。こちらも、繰り返しになりますが、情報の収集方法には以下のようなものがあります。
[情報の収集方法]
ペルソナの顧客プロファイルに必要な情報を収集したら、ペルソナシートへまとめていきましょう。ペルソナシートを記載するときは、端的にわかりやすく書きましょう。また、どのような人物かイメージできるように人物の写真を載せておくと認識ズレを防げるようになります。
ペルソナを設定したら終わりではありません。顧客の価値観は変わります。そのため、ペルソナを設定して「このような媒体を活用すれば情報が届けられるだろう」「このようなクリエイティブにすれば反応してもらえるだろう」と施策を打っても効果が見込めない恐れがあります。ペルソナを設定してマーケティング施策を打ち効果が見込めない場合は、間違っていないか見直すようにしましょう。
マイナビTECH+はペルソナ設定したことで、精度の高いマーケティングが行えるようになりました。ここでは、弊社のペルソナの活用事例をご紹介します。
マイナビTECH+はオウンドメディア「TECH+Blog」を運営するために、2023年にペルソナを設定しました。ペルソナを設定することで、どのようなキーワードでコンテンツを作成すれば良いかが明確になり、PCやCVを上げることに成功しました。
オウンドメディア運営8ヶ月目で月間100件以上のCVを獲得できるメディアへと成長しました。
マイナビTECH+では、タイアップ広告サービスを販売しています。タイアップ広告とは、メディアや媒体内で製品やサービスの宣伝できるサービスです。つまり、お客様の製品・サービスを取材、企画、執筆、アップなどの作業が必要で、タイアップ広告を出すまで2ヶ月程かかるのが一般的でした。
しかし、ペルソナを設定したところ「タイアップ広告を出したい人は、すぐに広告を打ち出して成果を得たいと考えている」「低コストで広告を出したい」ことに気づき、テンプレート型のタイアップ広告サービスを生み出すことに成功しました。
マイナビTECH+のサービスを定形タイアップ記事化したものが下記の記事です。
・記事広告の活用を検討するBtoB企業の課題を払拭! TECH+の「定型タイアップ」サービスとは
ペルソナを設定しておけば、どのような顧客にアプローチしていくかチームメンバーで共通認識が持てるようになります。
普段、どのような広告媒体を使用しているのか、何時頃にスマホを操作しているのか行動や思考などが理解できるようになり、マーケティングの精度を上げられます。このように、さまざまなメリットがあるため、マーケティング施策を打つ前にペルソナを設定しましょう。
マイナビTECH+では、BtoBマーケティング支援サービスを提供しています。ペルソナの設定から入り込み、最適なマーケティング施策を提案、実行していきます。そのため、BtoBマーケティングのノウハウ不足やリソース不足にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。