ペルソナとは、自社商材の典型的なユーザー像です。一人の人物を思い浮かべるまで、年齢や職業、課題、価値観などを具体的に設定します。
ペルソナを作成することで、顧客理解を深められ、注力すべき施策の特定や既存施策の改善などを効果的に行えるようになるのです。
しかし、ペルソナは広く知られている概念ですが、意外とターゲットとの違いや作成手順などを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ペルソナの特徴やメリット、作成手順、注意点をご紹介します。
マーケティング
TECH+ マーケティング担当 [2023.02.03]
ペルソナとは、自社商材の典型的なユーザー像です。一人の人物を思い浮かべるまで、年齢や職業、課題、価値観などを具体的に設定します。
ペルソナを作成することで、顧客理解を深められ、注力すべき施策の特定や既存施策の改善などを効果的に行えるようになるのです。
しかし、ペルソナは広く知られている概念ですが、意外とターゲットとの違いや作成手順などを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ペルソナの特徴やメリット、作成手順、注意点をご紹介します。
ペルソナとは、自社商材の典型的なユーザー像もしくは理想のユーザー像です。年齢や性別などのデモグラフィックだけではなく、価値観や課題などのサイコグラフィックまで詳細に設定し、一人の人物を思い浮かべるまで具現性を高めなければいけません。ペルソナの作成により、営業やマーケティング施策のターゲット像が明確になり、顧客視点に立った施策展開ができるようになります。
ペルソナと混同されるのがターゲットです。ペルソナとターゲットの違いは具体性にあります。
ターゲットは「東京都在住30歳男性」のようにデモグラフィックを設定したものであり、不特定多数を示しています。一方、ペルソナは「田中一郎30歳。東京都在住。SaaS系企業のマーケティング部に所属。メールマーケティングで効果を出せないのが課題」のように一人の人物をイメージできるまで具体性を高めたものです。
ペルソナとターゲットは、どちらが良い悪いではなく、状況に応じて使い分ける必要があります。例えば、多くのユーザーにリーチできるディスプレイ広告を運用する場合、デモグラフィックを設定するターゲットがよいでしょう。
一方、課題や悩みの解決法を探しているユーザーにリーチできるリスティング広告の場合、顧客の課題を理解するためにもペルソナの作成が有効となります。
このように、ペルソナとターゲットの違いを理解したうえで、適切に活用するようにしましょう。
ペルソナを作成すれば、下記3つのメリットを得られます。
ここからは、各メリットの詳細を解説します。
ペルソナの作成過程で、顧客解像度を高められるため、顧客視点に立った施策展開が可能になります。詳しい作成手順は後述しますが、ペルソナはユーザーヒアリングやアンケート調査などで得られる一次情報で作成されなければいけません。
実在する顧客の声に耳を傾け、丁寧に分析すれば、リアルな顧客との接点や課題などを理解できるでしょう。結果的に、顧客視点に立って、価値ある情報を提供できるようになります。
もともとペルソナは、メンバー間の認識を統一するために作成された概念です。ペルソナがなければ、各ステークホルダーが自分たちの都合に合わせて、勝手なペルソナを思い描いてしまいます。
例えば、オンライン英会話のターゲットと一口に言っても、日常英会話を学びたいユーザーやビジネス英会話が必要なユーザー、英語入門者など様々です。ペルソナがなければ、あるステークホルダーは英語入門者を思い描き、他のステークホルダーはビジネス英会話を習いたいユーザーを思い浮かべるかもしれません。
このようにステークホルダー間のユーザー像がばらばらでは、一貫した施策展開は困難です。だからこそ、ペルソナを作成し、各部門と共有する必要があります。
先にも解説しましたが、ペルソナの作成によりユーザー視点での施策展開が可能になります。顧客が能動的に情報収集する現代においては、顧客にとって価値ある情報を提供し、顧客から選ばれなければいけません。そのためには、深い顧客理解は必須であり、ペルソナが大きな役に立ちます。
ペルソナの作成手順は以下の通りです。
ここからは、各ステップの詳細について見ていきましょう。
ペルソナ作成の基本は、ターゲット設定から始めて、徐々に具体性を高めることです。そのため、まずは施策のターゲットを設定しましょう。ターゲット設定では、主にユーザーの性別や年齢、居住地などを表すデモグラフィックを決めます。ターゲット選定をすることで、情報収集の効率化ができるでしょう。
ペルソナ作成で最も重要なポイントが情報収集です。可能な限り、ユーザーインタビューやアンケート調査などを実施して、実在する顧客の一次情報を集めましょう。質の低いデータを集めたら、実在しないペルソナや施策に活かせないペルソナが完成します。ペルソナ作成における有益な情報源は、後ほどご紹介しますので、ぜひそちらも参考にしてください。
十分な量の顧客データを集めたら、分析をして、共通する行動パターンや心理、接点、課題などを発見しましょう。この段階でよくあるミスが、担当者の思い込みや希望が混じってしまうことです。担当者の思い込みが入ると、ペルソナの質が大幅に低下します。必ずデータに基づいて、顧客の行動と心理を特定するようにしてください。仮説が生まれたら、そのたびに検証しましょう。
ペルソナに関する十分な情報を選定したら、エクセルやデザインツール、フォーマットなどを利用してペルソナの作成をします。ペルソナ作成で設定すべき主な項目は以下の通りです。
【デモグラフィック】
【サイコグラフィック】
ペルソナシート作成においては、誰もが理解できるデザインであることが重要です。また、時間の経過とともに顧客行動や心理が変わるため、ペルソナシートも定期的に改善しなければいけません。この点を踏まえると、ペルソナシートの作成に大きな時間を割く必要はないでしょう。見やすければ、エクセルやスプレッドシートで作成しても問題ありません。
先に解説した通り、ペルソナ作成では質の高い顧客情報を集めなければいけません。しかし、「どこで顧客データを獲得できるのか分からない」と悩む方もいるでしょう。そこでここからは、ペルソナ作成で活用できる有益な情報源を5つご紹介します。
ペルソナ作成でぜひ実施してもらいたいのがユーザーインタビューです。ユーザーインタビューでは、下記項目を尋ねましょう。
これら3つを理解することで、顧客の課題や訴求ポイント、注力すべきチャネルなどが判明します。
また、ユーザーインタビューでは、ロイヤルカスタマーだけを対象にする方が多いですが、新規顧客にもインタビューをしてみてください。なぜなら、ロイヤルカスタマーは顧客歴が長いため、記憶が曖昧になっている可能性があるからです。
それに対して、新規顧客は抱えていた課題や自社と接点を持ったチャネル、購買動機などを鮮明に覚えている傾向にあります。ペルソナ作成においては、正確なデータが欠かせないため、ロイヤルカスタマーよりも新規顧客へのインタビューを重視するべきでしょう。
アンケート調査をすれば、定量的な顧客データを収集できます。すでに多くの顧客やリードを獲得している場合は、自社でアンケート調査を実施できます。それに対して、十分な顧客数を抱えていない場合は、費用こそ掛かりますが調査会社に依頼するのがおすすめです。
アンケート調査は定量的なユーザーの声を得られる一方、顧客の本音やインサイトは得られないデメリットがあるため、ユーザーインタビューや他の情報源と併用するようにしましょう。
オウンドメディアやWeb広告、メールマーケティングなどを実施している場合、Googleアナリティクスなどの解析ツールでユーザー行動を分析すれば、インサイトを発見できる可能性があります。アクセス解析をする際のポイントは、数値からユーザー行動をイメージすることです。
アクセス解析ツールの良い点は、あらゆるユーザー行動が数字として可視化されること。しかし、数字からユーザー行動や心理を見出せなければ、インサイト発見にはつながりません。「なぜコンバージョンユーザーはこのページを見ているのか」「なぜ離脱率が高いのか」などの視点を持って、ユーザー行動と心理を考えましょう。
ペルソナ作成はマーケティング部門だけで行われることが多いですが、営業やカスタマーサポート、カスタマーサクセスなどの顧客と直接接点を持つ部署のメンバーに協力してもらうのもおすすめです。
これらの部門のメンバーは、日々顧客とコミュニケーションをとっているため、顧客以上に顧客について理解している傾向にあります。また、顧客解像度の高いメンバーが加わることで、良いアイデアやインサイトが共有され、質の高いペルソナ作成が可能になるのです。積極的に顧客接点のある部署へのヒアリングやブレインストーミングへの協力をしましょう。
事例や口コミは、顧客のリアルな課題や自社ならではの強みを見つけるのに役立ちます。特にBtoB企業で、インタビューやアンケートに協力してくれる顧客が少ない場合、自社と他社の事例記事が参考になります。事例記事を読むことで、顧客の課題や自社/他社を選定した理由などの理解ができます。
また、SNSや製品比較サイト、ECサイトなどで自社と他社の口コミを見れば、競合他社の課題や自社ならではの強みが見つかる可能性があるでしょう。
ここまでペルソナの作成手順や有益な情報源を見てきましたが、作成方法を誤ると、ペルソナで成果を出すのは困難になります。そこでここからは、ペルソナ作成時の3つの注意点を解説します。
ペルソナは、デモグラフィックとサイコグラフィックで構成されますが、サイコグラフィックの作成に注力しましょう。デモグラフィックの役割は、顧客理解を深めることではなく、顧客像をイメージしやすくすることです。極論を言えば、デモグラフィックは必要不可欠な要素ではありません。
一方、ユーザーの課題や悩みなどを示すサイコグラフィックは、顧客理解の核となります。ペルソナ作成に大きな時間はかけられないため、サイコグラフィックに注力して、デモグラフィックは素早く設定しましょう。
ペルソナは実在する顧客をベースにしなければいけません。実在しない顧客をベースにした場合、正確な接点チャネルや課題などの理解ができないため、施策混乱の原因となります。そして、担当者の主観や希望が入ることで、実在しないペルソナが完成してしまいます。
「自社の顧客はこんな課題を抱えているはず」「きっとSEOで自社と接点を築いてくれているのだろう」などの根拠のない主観や希望は徹底的に排除しなければいけません。顧客データに基づいたペルソナ作成をしましょう。
ペルソナは作成して終わりではありません。自社の認知度や顧客のフェーズによって、課題や悩み、流入経路などは異なるため、定期的にペルソナは改善しましょう。また、ターゲットが複数になる場合、ペルソナも複数作成します。特にBtoB企業においては、購買における意思決定者が複数にわたるため、複数のペルソナ作成は欠かせません。
ペルソナ作成をすれば、顧客理解を深められるため、最適なチャネルで最適な情報やメッセージを届けられるようになります。ペルソナの設定項目は多々ありますが、特に重要なのがペルソナの課題と購買動機です。精度の高いペルソナを作成するためにも、良質な顧客データを集めるようにしましょう。また、作成したペルソナは他部門と共有し、カスタマージャーニーマップにも反映させると効果的に施策展開できます。
TECH+ マーケティング担当
2015年入社後、WEBのコンテンツ制作を一貫して担当。広告やリードジェネレーションに関してのマーケティングも経験し、2020年にTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はインバウンドマーケティング部門の責任者として、コンテンツの設計から、各種マーケティングアクティビティの立案・実行まで一気通貫で担当している。保有資格:マーケティングビジネス実務検定3級、SEO検定1級
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