SaaS企業でリード獲得するためには?必要な考え方と基本的な4つの施策
リード獲得
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.05.31]
【1】リード(見込み客)獲得とは?
リード獲得とは、将来的に新規顧客になる可能性がある見込み顧客を獲得するためのマーケティング施策やセールス活動のことを指します。
リード獲得の方法には大きくオフライン施策とオンライン施策に分けられ、効率的にリードを獲得するためには、ターゲットに合わせた最適な施策を選ぶことが大切です。
▼リード(見込み客)獲得ついては下記の記事で詳しく解説しています。
リード獲得とは?効果的にリードを獲得する14の方法を解説!
TECH+ではテレマーケティングによるリード獲得サービスも行っております。
・BtoB企業向けリード獲得サービス
【2】SaaS企業がリードを獲得する時の基本点な考え方
SaaS企業は、BtoC向けの商材と比べてリード獲得の難易度が高く、獲得コストも高くなる傾向があります。なぜなら、ターゲット層の母数がそもそも少ないことと、検討期間が長くなる傾向があることが理由として挙げられます。
少ないターゲットを取りこぼさず成果を最大化するためには、ターゲットの検討フェーズに合わせて最適なコミュニケーションを取ることが求められます。
また、現時点でコールドリードに分類されたリードに対しても継続的なコミュニケーションを行うことで、長期的な視点で自社商材への興味を育成することが重要です。
BtoC商材と違い、SaaS商材ではターゲットが年齢とともに入れ替わる可能性が少なく、一度リードを取り逃がしてしまうと営業先がその分少なくなってしまうことを念頭に入れ、獲得したリードが自社商材を購入するまで、定期的に連絡を接点を持てるようナーチャリングを続けることが必要です。
下記の記事ではSaaS企業に必要なリードナーチャリングについて詳しく解説しています。
・リードナーチャリングとは?メリットや効果的な手法、プロセスをご紹介!
下記の記事でSaaSについて詳しく解説しています。
・SaaSとは?メリット・デメリットからDX推進のためのサービスまで紹介!
【3】リード獲得を始める前に準備すること
リード獲得を効率的に行うためには、施策を実施する前の事前準備が重要です。詳しく見ていきましょう。
ペルソナの設定
獲得したリードがターゲット層と大きく乖離しないためにも、ペルソナの設定をあらかじめ行いましょう。
ペルソナとは、サービス・商品の代表的なユーザー像のことを指します。自社商材のターゲットとなる人物像について、性別や年齢だけではなく、職業や住んでいる地域、ライフスタイル、趣味、家族構成なども含め詳細にイメージしていきます。
この際、理想像をペルソナに設定するのではなく、自社商材の最重要顧客(ブランドパートナー)をイメージして設定していくことで、施策の選定時にも実在のターゲットとの乖離が生まれにくくなります。
カスタマージャーニーの設定
カスタマージャーニーとは、顧客が商材を購入するまでにたどる行動を表したものです。基本的には自社商材の認知をスタートとし、購入をゴールとした上で、その間にたどる顧客の行動を検討フェーズや心理状況ごとに分類していく作業です。
カスタマージャーニーで設定する行動はできるだけ数値で判断できる内容にすることで、実際のターゲットが現状どのフェーズにいるか判断がつきやすくなります。
例えば、「オンライン広告を1週間に2回クリックしたリードは自社商材を認知した顧客と定義する」などが挙げられます。
下記の記事でカスタマージャーニーについて詳しく解説しています。
・カスタマージャーニーマップとは?必要性や作成手順、事例まで解説
ユーザーのフェーズ合わせたコンテンツの拡充
カスタマージャーニーが完成したら、設定した行動ごとに、どのような施策・コンテンツがあれば購入まで促しやすいかを検討し、適切な施策案を配置していきます。
この際に、現在実施している施策を配置しても不足がある場合には、必要とされるコンテンツを拡充したり、マーケティング施策を追加しながら、全体のマーケティング施策に過不足がない状態を作ります。
ここまでが事前準備です。この作業を行うことで、顧客の検討フェーズごとに適切なアプローチができるため、効率的に新規顧客を獲得しやすくなります。
【4】SaaS企業がユーザーのフェーズに合わせて使う5つ基本的な施策
SaaS企業では前述したとおり、リード獲得までのプロセスが長く、長期的なコミュニケーションを継続することが大切です。
リードにストレスを感じさせずコミュニケーションを取り続けるためには、検討フェーズに合わせてアプローチ方法をうまく使い分ける必要があるでしょう。
ここでは、SaaS企業が用いるべき基本的な4つの施策について解説します。
テレマ型リード獲得サービス
TECH+のテレマ型リード獲得プランでは、PullアプローチであるWeb掲載にくわえて、マイナビニュース名義で実施するテレマーケティングによるPushアプローチの施策もご案内が可能です。普段デジタルメディアをご覧にならないユーザーも対象に、会員に限らない幅広いお客様層へのアプローチを実現します。
一般的なWEB施策との違いとして、以下の特徴がございます。
1.特定ターゲットへの訴求
経験豊富な専門部隊によるテレマーケティングを駆使してリード獲得を行います。ターゲットを絞ってアプローチするため、属性情報に100%セグメントしたリード提供が可能です。
2.メディア名義でのコール
営業目的の電話ではなく、メディアからの最新記事紹介という形で架電するためベンダー名義のコールと比較すると、代表電話の突破率及びリード獲得率が高いことが特徴です。
3.最新の在籍情報
会員情報ではなく、お電話にてお伺いした最新の在籍情報をご納品するため、部署名・肩書などがフレッシュなリード情報の提供が可能です。
オウンドメディア
オウンドメディアを運用することで、リードが自発的にサービスについて情報収集した際に自社商材を訴求できます。
オウンドメディアには自社サイトだけではなく、LP(ランディングページ)やブログの運用なども含まれます。
その中でも自社サイトとランディングページはオンライン広告などを出稿した場合のゴールとしても設定できるため、オンライン上でマーケティング活動を行う上では、必要不可欠です。また、自然検索からの流入を狙うにはSEOを実施することも重要です。
SEOとは、検索エンジン最適化とも呼ばれ、ユーザーが自然検索を行った際にオウンドメディアが検索上位に表示されることで、リードに自社商材の強みなどを訴求できる施策です。
SEOには大きく内部施策、コンテンツ施策、外部施策がありますが、オウンドメディアの目的や対象キーワードを選定し、ユーザーの検索意図を把握した上でそれぞれの施策を行うことが大切です。
オウンドメディアを運用する場合は、自社の商材の強みをリードが適切に理解できる構造になっているかを確認しながら作成しましょう。また、リード獲得のためには、最終的なアクションを促す必要があります。メルマガ配信への登録や資料請求フォーム、問い合わせフォームなどをサービスの特性に応じて設置しましょう。
▼WEBサイトでのリード獲得ついては下記の記事で詳しく解説しています。
すぐ実践できるWEBサイトでリードを獲得する方法5選!
オンライン広告
オンライン広告では、自社商材を認知していないものの、サービスに対する興味がある潜在顧客に対してアプローチするのに有効です。
オンライン広告では掲載場所を特定せずに出稿するアドネットワーク広告を初め、Facebook広告や動画広告などさまざまな種類があります。
また、課金体系もいくつかの種類があり、リード獲得を目的とする場合には広告がクリックされ、LPへ遷移した時点で課金される「CPC課金」が適切です。
また、掲載するメディアを指定して出稿する「純広告」では、ホワイトペーパーDLを成果ポイントとした成果課金型のオンライン広告を提供している場合もあります。運用型広告に比べて出稿単価が高いものが多いものの、リード獲得には有効な手段でしょう。
さらに、過去にWeb広告をクリックしたものの、リード獲得には繋がっていない「アノニマスリード」をうまく獲得するためには、Web広告をクリックしたことがあるユーザーにのみ広告を再度配信できる、「リターゲティング広告」が有効です。
いずれのオンライン広告を活用する場合でも、出稿先にアクセスするユーザーが自社商材やサービスにマッチしているかをあらかじめ確認することが重要です。
また、運用型広告では、ターゲティング機能をうまく利用し適切なターゲットに訴求できるよう工夫しましょう。
下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
▼TECH+ではオンライン広告サービスも行っております。
BtoB企業向けオンライン広告サービス
メール
メールを利用したリード獲得では、自社商材に合ったメールリストに対して自社商材をメールで訴求します。メールによるリード獲得は企業からターゲットに対してアプローチする「アウトバウンド型」に分類されるマーケティング手法です。
メールはテレマーケティングや飛び込み営業とは異なり、時間や場所に限りがない点が特徴です。また、メールを送る際に自社商材のサービス資料を添付することも可能なため、口頭だけでは説明が難しいSaaS商材でもサービス内容をしっかりと伝えられる点が特徴です。
ただし、メールによるリード獲得は検討段階が浅い場合が多く、送付内容でターゲットにどのようなベネフィットがあるか明確に伝えないと反応率が悪くなる懸念があります。
メールでリード獲得を行う場合は、1回の送付で成果を上げようとはせず、定期的なメルマガ配信を行うとよいでしょう。
さらに、リードの検討フェーズが上がるタイミングでキャンペーン訴求をするなど、戦略的な送付設計が求められます。
▼メールでのリード(見込み客)獲得ついては下記の記事で詳しく解説しています。
【図で分かる】メールでリードを獲得する4つの手順+効果的な3つの手法
SNS
FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSアカウントを企業で開設し、フォロワーに対して情報を発信することもリード獲得につながります。
アカウントを運用する場合でも、どのようなターゲットに対してコンテンツを発信するかを明確にし、コンテンツの方向性が統一されるよう工夫が必要です。
アカウントの内容に一貫性がある方が、狙うターゲットにフォローされやすく、その後のリード獲得にもつながります。また、SNS運用で特に注意したいのが商品を直接売り込まないことです。
ユーザーがSNSを利用する際は、商品の購入が目的ではなく、商品やサービスに対しての情報収集を目的としている場合が多いためです。
そのため、自社の商品を売り込む意図ではなく、あくまでも「ユーザーが知りたい情報」を継続的に発信し、購買意欲を高めてもらうことを意識して運用することが大切です。
さらに、SNS運用からリード獲得を行うためには、アカウントのフォロワー数を増やすことだけではなく、その後の問い合わせなどにつながるよう、プロフィール欄に問い合わせURLなどを設置しましょう。
【5】SaaS企業に効果的な戦略
先述したようにSaaS企業は獲得できるリードの母数が少なく検討期間も長い場合が多いです。そのため、より効率的にマーケティング戦略を進める必要があります。
効率的に進める戦略でオススメなのがABM(Acount Based Marketing)です。ABMは、自社への利益貢献が高い企業を選定し、その企業を中心にマーケティングをする手法です。
SaaSは、BtoBビジネスのため意思決定者が複数人いる可能性が高いため、企業単位で戦略を練る方法が最適です。
▼ABMについては下記の記事で詳しく解説しています。
ABMとは?意味、ツール、施策実施に必要なプロセスをご紹介
【6】まとめ
効率的にリードを獲得するためには、自社が狙うターゲットをペルソナに落とし込んだ上で、リードを取りこぼさないよう綿密なマーケティング施策をカスタマージャーニーに沿って設計していくことが大切です。
また、一度設計したマーケティング施策でも時間が経てばターゲットの状況が変化することも考えられます。
継続的に効果を上げるためには、定期的にマーケティング施策の全体像や施策ごとの効果を見直し、PDCAを回すことも忘れないようにしましょう。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。