【1】リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客(リード)に対して継続的なアプローチを行い購入意欲を高め、商談や購入に繋げるマーケティング施策になります。
購入までの検討期間が短い商材などに対しては行う必要がありませんが、導入までの検討期間が長いBtoBの商品・サービスや、購入金額が高くなる自動車、住宅などの商材に対しては有効な方法となっています。
具体的な手法については後述しますが、Web広告や展示会など実施したリード獲得施策の種類によって、リードの購入意欲は異なるため、それぞれの検討ステータスに合わせて適切なリードナーチャリングを行うのが成功への近道です。
そうすることによって、リードナーチャリングの最終的な目標である新規顧客の獲得に繋がります。
【2】BtoBマーケティング全体の流れ

リードナーチャリングをより深く理解するためには、BtoBマーケティング全体の流れを理解する必要があります。
BtoBマーケティングは大きくリードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションという3つに分類されます。
リードジェネレーションは、見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動です。潜在層や顕在層のうち、まだ顧客情報を獲得できていないリードに対してアプローチを行います。
リードナーチャリングは、顧客を獲得するリードジェネレーションと、検討度合いの高い顧客を選別するリードクオリフィケーションの間に行われるマーケティング活動です。
リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングにより検討度合いが上がった顧客を選別し、営業に引き渡すマーケティング活動がリードクオリフィケーションです。
マーケティング活動はこれら3つのプロセスを適切に運用することで、効率的に売上を上げることができます。
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【3】リードナーチャリングが注目されはじめた理由
その背景には、インターネットの普及や顧客の購買プロセスの変化があります。詳しく見ていきましょう。
1.インターネットの普及により、営業と顧客の関係性が変化

総務省の令和3年版 情報通信白書|インターネットの利用状況には、日本のインターネット利用率(個人)は83.4%となっており、13~59歳の年齢層では9割以上という結果です。
このデータから見て分かるように、インターネットの普及は近年加速しています。
インターネットが普及する前は、顧客は企業や営業から商品の情報が提供されるのを待っている状態でしたが、現代ではインターネットを利用して気になる商品に関する情報を能動的に探すようになりました。
多くの商品情報が顧客に届くようになり、競合製品との競争が激化している傾向にあります。
競争が激化している中、自社商品を購入してもらうためには、あらゆる手段で顧客に商品の情報を届け、競合比較に負けないようなアプローチを行う必要性がるため、リードナーチャリングが注目されています。
2.購買までのプロセスが複雑になり長期化

前述したインターネットの普及に伴い顧客が商品を購入するまでのプロセスは大きく変化してきました。
以前までは基本モデルと提唱されていたAIDMAモデルが基本的な購買プロセスでしたが、インターネットが普及した現代ではAISCEASモデルがよく理由されるようになりました。
AISCEASモデルでは、「I(興味)」の後に「S(検索)」が入り、「D(欲求)」に変わり「C(比較)」と「E(検討)」が追加され「M(記憶)」の代わりに「S(共有)」が追加されています。
このように、購入までの検討プロセスが長期化したため、複雑化する顧客の購買プロセスを正しく理解し、適切な細かいアプローチを実施することが求められるため、リードナーチャリングが注目されています。
3.休眠顧客の増加
一昔前は、テレアポや訪問営業などリード獲得の手法は限られていたため、獲得できるリードの総数には限りがありました。
そのため、獲得したリード一人一人に対してフォローをする事ができていました。
しかし、インターネットが普及した現代では、従来のオフライン施策に加えてオンライン上でもリードを獲得することが可能になり、一度の施策で獲得できるリードが増加しております。
その結果、営業部門のリソースでは処理しきれないリード数を抱えてしまい、顧客に適切なアプローチができずに休眠顧客を作り出してしまいます。
休眠顧客は放置していると、競合他社に流れてしまう可能性があるので、リードナーチャリングの考え方が注目され始めました。

【4】リードナーチャリングを行う3つのメリット

ここでは、リードナーチャリングを行うことで得られるメリットを詳しく解説します。
1.新規リードのコストを削減できる。
リード獲得単価の相場は、ダイレクトメールの場合1000~10000円、セミナーや展示会の場合は8000~10000円程度(参考記事:【リード獲得単価の抑え方】相場、意識する6つのポイント、注意点、この記事で全部まるわかり!)と言われています。
新規顧客を開拓するために、新規リードの獲得ばかりに力を入れていると上記の費用が発生し、利益率が悪くなってしまいます。
ですが、リードナーチャリングを行えば、既に獲得し休眠顧客となっているリードにアプローチをする事ができます。そのため、新規リード獲得に力を入れなくてすむため、費用を削減することができます。
また、現在、休眠顧客になっているとはいえ、一度は自社の商品・サービスに興味をもっていた方達です。新規で獲得したリードよりも、商品・サービスを導入する可能性が高いため効率的なマーケティング施策だと言えます。
2.営業活動を効率化できる
営業部門がアプローチできるリード数には限りがあります。
商材にもよりますが、仮に営業部門が10人で構成されており、1日にこなせるアポイント数が3件〜5件の場合、1日に営業できるリード数は全体で最大50件です。
もしリードの総数が数百件〜数千件にのぼる場合、全てのリードにアプローチすることは不可能です。
この場合、リードの中からアプローチ先を厳選して営業活動を行うことになりますが、リードナーチャリングを行っていない場合、訪問先の顧客の検討度が低い可能性が発生します。
検討度の低い顧客に営業活動をしても、受注確率は低くアポイントすら取れないリスクがあるでしょう。
しかし、リードナーチャリングを行っていればリードの検討度が管理されるため、クロージングが有効なホットリードにのみ営業活動が行うことができ、営業活動を効率化できます。
3.機会損失を防げる
欧米のマーケティングコンサルティングファームであるSirius Decisionの調査では、獲得したリードを全て営業部門で対応しても、直近で案件化する割合は全体のリードの15%と言われています。
しかし一方で、リードへのフォローを何も行わなかった場合、80%のリードは2年以内に競合他社の商品を購入することが調査結果でわかっています。
このことからも、顧客への継続的なアプローチが必要であることは明確ですが、営業部門のリソースだけでは非効率であることがわかります。
解決策として注目されているのがリードナーチャリングの考え方です。
営業部門へリードを引き渡す前に、リードの検討度合いを高めることで機会損失のリスクを最小限に抑えることができます。
出典:Sirius Decision※欧米のマーケティングコンサルティングファーム

【5】リードナーチャリングに効果的な8つの手法

リードナーチャリングは、あらゆる手段で顧客と継続的なコミュニケーションを取ることが大切です。アプローチの方法は多岐に渡りますが、ここでは代表的な8つの手法について紹介します。
1.メール
メールは一度に多くのリードにアプローチできる点が特徴です。また、他の施策に比べて運用コストが低く、メール文面を作成するだけで実施できることから導入ハードルが低い点も魅力のひとつです。
メールには以下の種類があります。
・メルマガ
メルマガ登録者に対して定期的に発信する手法です。商品に関する豆知識や使い方のノウハウなど、リードが商品や企業を理解するために必要な情報を配信するケースが多いです。
・セグメント配信
特定のセグメントに顧客を分類して送るメールです。例えば、半年以上リピート購入が行われていない休眠顧客などをセグメントし、再購入を促すメールを送付するなどの活用方法が挙げられます。
・イベント開催告知メール
イベントの参加を促すためのメールで、イベントの開催時期に合わせて不定期に送信されるものです。
・イベント開催報告メール
イベント開催後にどのような内容だったかをメールで報告する手法もリードナーチャリングには有効です。当日イベントに参加しなかったリードに対してイベント報告を送ることで、次回の参加ハードルを下げる効果も期待できます。
・ステップメール
リード獲得後の一定期間に段階を踏んで送信するメールです。短期間で段階的にメールでアプローチすることで購入意欲を高めることを目的とします。
・自動返信メール
問い合わせやアンケートの回答などリードが起こしたアクションに対して、自動で返信するメールです。
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2.オウンドメディア
オウンドメディアはストック型コンテンツと言われており、顧客が能動的に情報を収集した際に自社商品の情報に接触するよう待ち構え続けられる特徴があります。
ストック型コンテンツはSNSなどのフロー型コンテンツと異なり、流行や発信した日付に関わらずインターネット上にストックされるため、リードが必要なタイミングに情報を収集しやすい点がメリットです。
また、オウンドメディアでは自社商材に関する基本的な情報だけではなく、製品やサービスに対する企業の思いやこだわりなども発信するのに適しています。
特に、検討期間が長期化しやすい高価格帯の商品や、BtoBサービスなどではリードが購買するまでに積極的に情報収集する傾向があるため、オウンドメディアでのリードナーチャリングが有効だと考えられています。
オウンドメディアは単体での運用だけではなく、SEO施策やWeb広告に代表されるペイドメディアと組み合わせて実施することで集客力の底上げにつながり、より効果的な活用が見込めます。
さらに、リードの購買プロセスの中でオウンドメディアに接触する機会は複数回にわたる場合が多いことからも、商品や企業に関する情報を網羅的に掲載することもリードナーチャリングには必要な要素です。
注意点としては、あくまでもオウンドメディアは顧客との関係性構築を目的として設計することが重要です。
オウンドメディアで直接的なコンバージョンは狙いすぎず、顧客のニーズに応えられるように心がけましょう。
3.セミナー・展示会
セミナーや展示会を開催し、リードに対して商材の情報を深く共有することも有効な手段です。
セミナーや展示会では、来場者に対して自社商材を直接手に取ってもらえたり、アポイントを取る手間なく営業担当が顧客に対して直接商材の説明を行える点が魅力です。
さらに、来場した顧客は自社商材に興味を持っている顕在顧客である場合が多いため、具体的に商品の魅力を説明することで検討度が高まりやすい点も特徴です。
セミナーや展示会に来場してもらった顧客へは、それぞれ何を求めて来場したのかをきちんとヒアリングし丁寧なコミュニケーションを取ることが大切です。
また、セミナーの場合は個別にゆっくりと話す時間が取れない場合があります。
このような場合でも、顧客がきちんと来場した目的を果たせているかを確認するために、アンケートを配布したり、翌日以降に電話やメールでフォローアップするなどの行動を忘れずに行いましょう。
また、近年では新型コロナウイルスの感染流行に伴い、非対面で開催されるウェビナーも多く活用されています。
ウェビナーはオフラインで開催されるセミナーや展示会と異なり、移動のコストがかからず気軽に参加できる点がメリットです。
ただし、気軽に参加できるからこそ、検討度が高くない参加者が増える傾向にあります。適切なリードナーチャリングを行うために、ウェビナーでは必ずアンケートを配布し、各顧客の検討度を見極められるようにしましょう。
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4.SNS
FacebookやInstagram、Twitterに代表されるSNSアカウントを企業や商材で作成し、定期的にコンテンツを発信していくことは現代では欠かせないリードナーチャリングの方法です。
現代ではSNSを用いて情報収集するユーザーが増えており、SNSは、広告に比べて顧客にストレスを感じさせない特徴があります。
また、フォローやいいね機能、コメント機能を利用することで企業と顧客の両方向からもコミュニケーションできる点も魅力です。
SNSは一般的にBtoC商材との相性が良いと言われていますが、ターゲットの年代層などによってはBtoB商材でも活用できます。
SNSを用いてリードナーチャリングを行う場合は、SNSそれぞれの特徴を理解したうえで、自社商材に合うものを利用することが大切です。
例えば、Instagramでは写真や動画がメインになるため、商材の写真を掲載することで魅力をアピールできるものや、実際の使用感を動画や写真で伝えたほうが良い商材などに向いています。
FacebookではInstagramやTwitterに比べて利用する年代層が高く、ビジネス世代も多く利用していることからBtoB商材などに向いているでしょう。
SNSはフロー型コンテンツのため、こまめに情報発信を行わないとすぐに他の投稿に埋もれてしまいます。顧客との関係性を構築するためには長期的かつ継続的に運用できる社内体制を整備することが大切です。
5.リターゲティング広告
リターゲティング広告とはWeb広告の種類のひとつで、過去に自社サイトに訪れたユーザーに配信する広告のことです。
リターゲティング広告は過去にWeb広告やSNS、自然検索などを経由して自社サイトに訪れたユーザーのCookie情報を取得します。
その取得したCookie情報に広告を配信することで、見込みが高いリードに対し効率的にアプローチできる点が魅力です。
他のナーチャリング施策との大きな違いは、個人情報がわからないアノニマスリードでもアプローチできる点です。
過去に何らかの興味を持って自社サイトに訪れたことがあるリードに対して、広告の表示頻度を意図的に高められるため、最終的に顕在顧客となった際に自社商材を購入してもらえる可能性が向上します。
なお、リターゲティング広告に必要なCookie情報のうち、「サードパーティCookie」はSafariブラウザではすでに廃止されており、Googleが提供するChromeブラウザでも2023年後半から順次規制の対象になることが決定しています。
これまではサイトを横断してユーザーの行動履歴を追跡できていたサードパーティCookieのデータが利用できなくなります。
そのため、今後リターゲティング広告を活用する場合には自社サイトで収集した「ファーストパーティCookie」のみが利用できるため、これまでのリターゲティング広告よりも活用できるデータ数が少なくなる可能性を考慮する必要があります。
6.テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話を利用して顧客とコミュニケーションを取るマーケティング手法です。
テレアポとテレマーケティングはしばしば混同されることがありますが、アポイントを獲得することを目的としたテレアポと異なり、テレマーケティングはあくまでも顧客との関係性を構築するために活用されます。
テレマーケティングでは顧客の検討度や商材に対する好意度を、実際の会話を通して直接ヒアリングすることで、顧客が抱えている課題やニーズを細かく知れる点が大きな特徴です。
特に、メールやWeb広告などでは開封されなかったり、クリックされなければそのままコミュニケーションは途切れてしまいますが、電話ではこのような「アクションしなかった理由」についてもヒアリングできるため、他施策の問題点を見つけられる可能性があります。
また、対面でのアポイントと異なり移動にかかる時間がないことから、担当1人当たりが対応できる数も多く、効率的にリードとのコミュニケーションができる点もメリットです。
テレマーケティングは特にBtoB商材と相性が良いとされています。なぜなら、一度名刺交換を行っている顧客に対して電話をかけるケースが多く、顧客も名刺交換をした相手からの電話であれば応対してくれる確率が高いからです。
テレマーケティングでは検討度をこまめに確認しながらコミュニケーションを継続し続けられるため、ターゲットの絶対数に限りがあるBtoB商材には欠かせない手段です。
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7.MAツールの活用
MAツールは「Marketing Automation Tool」の略称で、マーケティング活動の一部の作業を自動化できるツールです。
MAツールでは、リードを獲得してから商談化するまでに必要なあらゆるナーチャリングプロセスを自動化できるため、効率的かつ適切なタイミングで顧客との関係性を継続できる点がメリットです。
MAツールで自動化ができる部分は主に、リードのリスト管理、メールマーケティングの配信、ホットリードの検出に分けられます。獲得したリードは獲得経路や検討度がそれぞれで異なるため、ただリスト化しただけでは適切にナーチャリングできる状態ではありません。
MAツールでは、顧客行動に応じてリードの検討度をあらかじめ定義した設定に合わせて自動で分類します。
さらに、顧客の行動をリアルタイムで検知し、検討度が高まったタイミングでステータスの変更も自動化できます。
さらに、メールマーケティングではステップメール配信や、セグメント配信、メルマガの配信などあらかじめ設計したシナリオに合わせて自動化できるため、メールの配信リストの作成や実際の配信作業を人の手で行う手間が省けます。
また、CRMツールやSFAツールと連動することで、ホットリードを分類し営業部門に引き継ぐまでを自動化できるものもあります。
MAツールを活用することでリード数が数百〜数千件ある場合でも、適切なタイミングですべてのリードにアプローチでき、業務効率化に役立ちます。
8.インサイドセールスの活用
これまで紹介した手法を利用し、顧客と継続的なコミュニケーションを取る役割を担うのがインサイドセールスです。
インサイドセールスは内勤営業とも呼ばれ、顧客と非対面でコミュニケーションを行い、関係性を構築することを目的とした営業部署です。
インサイドセールスでは先述したようなテレマーケティングやメールマーケティング、SNSの運用などの施策を通じて顧客と継続的にコミュニケーションを取りながら、検討度を高め、最終的に商談化するところまでを担当します。
インサイドセールスを活用することで、リードそれぞれの検討度を適切に把握でき、フィールドセールス部門がホットリードにのみアプローチできるようになります。
結果として営業効率が高まり、受注率の向上や不適切なコミュニケーションによる失注リスクも軽減できる点がメリットです。
効率的に成果を上げるためには、フィールドセールスとインサイドセールスでの密な情報共有が欠かせません。
リードとインサイドセールスでのコミュニケーション内容の共有や、引き継いだホットリードとの商談内容をフィールドセールスからフィードバックなどを行う機会を定期的に設けながら、それぞれの業務の精度を高めていくことが重要です。
情報共有には定期的な会議の開催だけではなく、CRMツールやSFAツールをうまく活用しながら、それぞれに必要な情報をスムーズに連携できるような工夫も必要です。
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【6】リードナーチャリングを行うプロセス
リードナーチャリングを効果的に行うためには、ただ顧客とコミュニケーションを取るだけではなく、決められたプロセスに従うことが重要です。ここでは必要なプロセスについて解説します。
1.リードの情報を一元管理する。
リードは獲得するチャネルによって得られる情報が異なるので、それぞれの情報を整理せずに保管するだけでは必要な情報に抜け漏れや、リストの重複が発生します。
そのため、まずは獲得したリードを一元管理しましょう。
もしリストを整理しないまま、ナーチャリング施策を実施すると1人の顧客に対して、繰り返し同じメールを送信してしまったり、何度も架電したりし作業が非効率になります。
また「電話やメールがしつこい」「獲得したリードの情報を管理できていない会社」という印象が付き、商談化率が悪くなってしまう可能性があります。
一元管理するためには、最低でも以下情報が分かるように情報を1つのフォーマットにしましょう。
- 獲得したリードの情報(お名前、会社規模、役職など)
- 獲得したチャネル
- 獲得した日、最後にコミュニケーションを取ったタイミング
リードの一元管理はExcelでも実現可能ですが、MAツールやCRMツールを活用する方法が効率的です。
なぜなら、リストの更新の手間が省けるだけではなくナーチャリング施策ごとの反応率や、それに伴うステータスの変化も自動で更新されるからです。
予算に余裕がある場合は、是非導入してみてください。
2.リードをセグメントする
リードの一元管理が完了したら、次に行うのがリードのセグメントです。
リードのセグメントとは、一元管理したリストから、ナーチャリングの対象となるリードを抽出することをいいます。
リードのセグメントをしないのと、自社の商品・サービスの購入に繋がる可能性が低いリードに対してアプローチを行ってしまうことがあるため非効率です。
そのため、リードのセグメントは必須になります。
セグメントを行う時の方法としては、自社のペルソナに当てはまるか?当てはまらないか?ということを考えて、対象のリードを抽出していきます。
もし、まだ自社でペルソナを作っていなかった場合は、以下記事を参考にしてペルソナの設定から行ってください。
ペルソナについてはこちら!
3.ナーチャリングのKPIを設定する
KGIとはナーチャリングの最終目標を数値で表したものです。
例えば、「今年度の新規顧客の売り上げを前年比120%にする」などが挙げられます。
KPIは重要業績評価指標とも呼ばれ、KGIを達成するためのプロセスの達成度合いを計測するための指標です。
KPIはKGIを達成するプロセスごとに数値目標を設定し、それぞれのプロセスでの達成度を測るために活用されます。
KPIはKGIを達成するためのプロセス全てに設定されるため、KGIひとつに対して複数のKPIが設定される場合がほとんどです。
リードナーチャリングのKGI・KPIだと以下のようなものがあります。
・KGIの例
商談数を前年比120%にする。
・KPIの例
(1)ホットリードの創出数を前年比120%にする。
(2)そのために、ウェビナーを開催しナーチャリングを行う。
このように、KGIから逆算し、KPIを設定しいきます。
設定しないと、どのプロセスでナーチャリング上手くいっているのか?いないのか?という事が分からず、闇雲に施策を実施することとなり予算と時間が必要以上に発生する可能性があります。そのため、必ずKGI・KPIを設定しましょう。
もし、まだリードナーチャリングのKPIがない場合は、下記の記事を参考に設定してみてください。
ナーチャリングのKPI設定についてはこちら!
4.スコアリングを設定しホットリードの定義を明確にする
ホットリードとは、自社の商品・サービスへの興味が高く購入する可能性が高いリードのことをいいます。
ホットリードの定義を決める際に使用するのがスコアリングです。
スコアリングとは、リードの属性、興味、行動に応じて点数を加点/減点し、購入意欲を数値化する作業をいいます。
例えば、メルマガを開封した顧客は5点、資料請求した顧客は20点など行動に点数をつけていきます。
点数設定は顧客の購入意欲の高さに応じて適切に付与することが重要です。
なぜなら、Web広告をクリックしたリードと、電話で問い合わせをしたリードを比較した場合では、電話で問い合わせしたリードの方が購入意欲が高いと予想できますが、この2つの行動の配点が同じ10点だった場合、適切にリードの購入意欲が評価されなくなってしまいます。
スコアリングの設定が完了したら、スコアが○点以上に到達したリードをホットリードと定義し営業にパスをします。
もし、定義付けを行わなかった場合、検討度が高くないリードを営業部門に引き渡してしまい、受注率に悪影響があるので必ず定義は決めましょう。
また、ホットリードの定義はリードの質や状況により変化するため、定期的に営業部門とインサイドセールス部門、さらにはマーケティング部門で状況を共有し、現在の定義付けが適切か検証し改善することも必要です。
ホットリードの定義とスコアリングの設定方法に関して、詳しく知りたい方は下記の記事で、より具体的に解説しています。
ホットリードの定義についてはこちら!
スコアリングの設定についてはこちら!
5.リードの検討度を把握する
先ほど解説したスコアリングを設定後、リードが自社の商品・サービスに対し、どのくらい検討度があるのかを把握しましょう。
リードは検討度に応じて、提供する情報、アプローチ方法が異なってきます。
例えば、点数が低く、自社の商品・サービスに関するページを見ていない場合は、ノウハウ系のWPを提供し、その分野に対しての専門知識があることをアピールし、点数が高く、もう少しでホットリードになりそうな場合は、導入事例や他社との比較資料、キャンペーン資料などを送付します。このように、アプローチ方法を変える事でリードナーチャリングは効率的に進める事ができます。
6.ナーチャリング用のコンテンツを作成する
リードを検討度で分割した後、検討度ごとに利用するコンテンツを作成しましょう。
点数が低いリードに対しては、サイト訪問数を増やすために、ブログでノウハウ系コンテンツを作成し点数が平均的なリードに対しては、ウェビナーでナーチャリングするためにウェビナー用のWPを作成、点数が高いリードに対しては、導入事例を紹介するページを作成します。
このようにナーチャリングには様々なコンテンツが必要です。
また、コンテンツは一度作ってしまえば終わりというわけではありません。
継続的に新しいコンテンツを提供しなければ、サイトへの訪問率やメールの開封率が下がってしまい、顧客が離れてしまいます。
ですから、事前に毎月〇本のコンテンツを拡充するというKPIも設定しておきましょう。
どのようなコンテンツを作ればよいか分からない方は、下記の記事を参考にナーチャリング用のコンテンツを作成してみてください。
ナーチャリング用コンテンツの作り方はこちら!
7.リードの検討度に応じた施策を実施する
コンテンツの作成が完了したら、最後に検討度で分類したリードに対して、適切なコンテンツを適切な手法で提供しましょう。
例えば、検討が低いリードに対しては商材に興味を持ってもらうために「お試しキャンペーンというコンテンツ」を「メールという手法」で提供し、検討度が高く、もう少しでホットリードになる場合は「テレマーケティングという手法」で、購入を決めきれないポイントや不安を解消します。
リードの検討度に応じた適切な情報を提供するためには、過去に購入した顧客のプロセスを分析したり、リード本人にヒアリングをしながらどのようなアプローチが最適か日々検討する努力が必要です。
MAツールなどでコミュニケーションを自動化している場合でも、定期的にプロセスの効果検証や見直しを欠かさずに行いましょう。
【7】リードナーチャリングの分析方法
リードナーチャリングは実施するだけでなく、施策の分析を行うことが大切です。
分析方法は大きく2つあります。
詳しく見ていきましょう。
1.提供した情報の反応確認
ひとつは、リードが反応しているかをきちんと確認することです。リードナーチャリングでは複数のコンテンツを同時並行で運用する場合が多く、効果検証が十分にできないケースもしばしば発生します。
しかし、顧客が反応しているかを確認しなければ、適切なコミュニケーションが取れているかの判断ができなくなってしまいます。
もし提供したコンテンツが顧客のニーズとずれている場合、態度変容が起きず効果が十分に得られないリスクも考えられるでしょう。
施策全体が形骸化しないためにも、それぞれのコミュニケーション施策に対する反応率や顧客からの意見をこまめに確認し、検証できる体制を整えましょう。
また、反応率や顧客の意見は担当している部署だけではなく、営業部署やマーケティング部署、インサイドセールス部署など関連する部署全員が確認できるよう情報を管理するようにしましょう。
2.営業へのパス数の確認
ナーチャリングがいつまでも完了せず、営業部署にリードがパスできていなければ成功とは言えません。
顧客とコミュニケーションを取ることだけに意識を向けず、定期的に営業に引き継げたリードの数をカウントし、スコアリングが適切かを見直すことも大切です。
営業への引き継ぎがきちんと行われているかを判断するためにも、KPIに毎月の引き継ぎ数を設定するとよいでしょう。
日々の業務だけではなく、月に1度程度現在の施策が効果的かを定量的に判断する機会を設けましょう。
この記事も要Check!
【8】リードナーチャリングを効率的に行うポイントは?
手法やプロセスを確立し分析することによって、ナーチャリングの精度が上がり効率的に行うようになってきます。
しかし、より効率的に行うためにはナーチャリングがしやすいリストを確保するのが大事です。
株式会社マイナビが行ったアンケート調査の「ナーチャリングがやりやすいと思う獲得チャネルは?」という設問では、49%の方が「メディアのホワイトペーパー出稿を通じて獲得したリスト」と回答しています。

参照:【調査レポート】204名のテレマ担当から今を読み解く
この結果から分かるように、ナーチャリングをより効率的に行うためには、メディアのホワイトペーパー施策でリストを拡充するのが有効と言えます。
【9】ナーチャリングがしやすいリストの確保ならTECH+
先述したように、ナーチャリングの効率性を高めるには、メディアでのホワイトペーパー施策が有効です。
そこで、解決策の一例として、ご紹介したいのがTECH+のリード獲得サービスです。
TECH+では、Pullアプローチであるホワイトペーパー施策だけでなく、Pushアプローチであるテレマーケティング施策も同時に行い、よりナーチャリングがしやすいリードを獲得します。
1.100%のセグメントが可能
企業様の要望に合わせて100%のセグメントが可能です。ターゲットでないリードを獲得する可能性がありません。そのため、ナーチャリング対象のリードか、対象外のリード化を見極める必要がないので効率的にリードナーチャリングを行うことが可能です。
2.高い電話接続率を実現
個人情報を取得する際、2度の営業許諾(Opt-in)を取得しています。そのため、電話接続率が高いためナーチャリングを効率的に行えます。
3.最新の名刺情報を取得
個人情報を取得する際、コールを行い、ご担当者様へヒアリングを行います。そのため、常に最新の名刺情報を取得することができます。ホワイトペーパー施策の欠点ともいえる担当者情報が最新でないという点をカバーしております。
4.リードナーチャリングサービスも可能
「リードナーチャリングを実施したいが、人的リソースが足りないためできない。」そんな企業へは、別途オプションで、テレマーケティングでのナーチャリングサービスを実施することが可能です。つまり、リード獲得からナーチャリングまで一機通関でご支援が可能です。
実際にリード獲得からナーチャリングまで、ご支援させていただいた企業様の導入事例があるので、宜しければご確認ください。
導入事例はこちら!
【10】まとめ
今回は、リードナーチャリングの基本的な知識から手法、プロセスなどをご紹介させていただきました。
リードナーチャリングを行えば営業活動の効率化、機会損失の防止、新規リード獲得費用の削減を期待することができます。自社の売り上げを最大化したい場合は実施すべき施策と言えるでしょう。
ナーチャリングをより効率的にするためには、ナーチャリングをしやすいリストの確保が必要です。特に最近はナーチャリングを実施している企業が増えているため、より効率的なナーチャリングが求められます。
解決策としてTECH+のリード獲得サービスを検討してみては、いかかでしょうか?
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