リードナーチャリングでリードの購買意欲を高めるためには、KPI設定をするといいでしょう。ナーチャリングの成果の分析が明確になり、商談につながりやすくなります。
ここではKPI設定の具体的な法やコツ、KPIを達成するときに意識したいポイントについて解説します。また、リードナーチャリングにおけるKPI設計例もあわせて紹介するので参考にしてください。
ナーチャリング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.06.27]
リードナーチャリングでリードの購買意欲を高めるためには、KPI設定をするといいでしょう。ナーチャリングの成果の分析が明確になり、商談につながりやすくなります。
ここではKPI設定の具体的な法やコツ、KPIを達成するときに意識したいポイントについて解説します。また、リードナーチャリングにおけるKPI設計例もあわせて紹介するので参考にしてください。
リードナーチャリングでは、KPIの設定は不可欠です。
なぜなら、KPIの設定がなければ、リードが自社の商品・サービスについて「どのくらい興味をもっているか?」という事が分かりません。
リードナーチャリングの目的は、獲得したリードに対して様々なアプローチを行い、ホットリードを創出することです。KPIという指標がなければ、ホットリードと判断することができません。
そのため、いつまでたっても営業に、リードをパスする事ができず見込み客が顧客に変わる事はありません。
ただし、KPIを設定するだけでは、リードナーチャリングは上手くいきませんので、リードナーチャリングの概要を理解する必要があります。
下記の記事でリードナーチャリングの基礎的な知識から方法を網羅的に解説しています。
・リードナーチャリングとは?メリットや効果的な手法、プロセスをご紹介!
下記の記事でホットリードについて詳しく解説しています。
・ホットリードとは?意味や定義から効果的な5つの獲得方法まで解説
リードナーチャリングを行うときには、KPI設計をするとナーチャリングの成果を把握しやすくなります。KPIは成果を分析するときの指標によく使われます。KPIとは、Key Performance Indicatorの略で重要業績評価指標のことをいいます。
KPIとあわせてよく使われるのがKGIです。KGIはKey Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標と訳されます。KGIはビジネスでの最終目標であり、リードナーチャリングを行う目的や目標でもあります。
KGIで最終的なゴールを設計してから、その目標を達成するための中間指標であるKPIを設計するといいでしょう。KPIはKGIを達成するために必要な中間地点で必ず達成しなければいけない目標です。
KGIを設計するときは、具体的な期限や数値を用いて設定します。
このようにわかりやすい指標にしましょう。
KGIは、マーケティングや営業部門だけの目標ではなく会社全体の最終的な目標なので、誰が見てもわかるよう数値で表せる明確で具体的な目標を設定するといいでしょう。
KGIを決めたら、次に達成に必要な要素は何かを分析していきます。
例えば期間を決めて売り上げアップを目標にした場合、リードを獲得する数を増やす、魅力的なコンテンツのメールを配信し開封率やクリック数を上げるなどが考えられます。
例その他、商談化率アップが目標の場合は、資料請求や問い合わせをしてきたリードに対してリードナーチャリングを行う、リードクオリフィケーションでスコアリングが85点以上のリードは、なるべく早く営業に引き渡すなどの施策が考えられます。
また、従来のリードジェネレーションやリードナーチャリングの手法を強化し回数を増やす、新たなリードナーチャリングの手法を取り入れてみるなど、施策の整理や改善も行えます。今までの施策の成果を分析しておく必要もあるでしょう。
KGI達成のための要素は、CSF(Critical Success Factor)といわれます。CSF(重要成功要因)にさらに何を加える必要があるのかを考えましょう。
KGI達成の要素の分解ができたら、その要素達成のための具体的なKPIを設計します。
KPIも数値や期間を決めます。
例えば、メールによる効果を上げることをKPIとすると、メールの開封率やメール内のリンククリック数を上げる、途中離脱を減少させるなどの具体的な目標が考えられるでしょう。
これらの目標を期間を決めて設定します。KPI設計には、スコアリングを用いるといいでしょう。
リードの行動をスコアリングして、自社にどの程度の関心を持つか見極めます。また、リードの属性もスコアリングできます。
スコアリングの結果を振り分けて、どのリードに優先的にアプローチするかを判断しましょう。
メール開封率やリンクのクリック数をKPIに設定し、それらの目標が達成できれば、リードナーチャリングがうまくいっていると考えられます。
スコアの高いリードが増えれば、商談につなげられる件数も増えていきます。
下記の記事でナーチャリングに必要なスコアリングの設定方法について詳しく解説しています。
・リードナーチャリングにはスコアリングが重要!点数を付ける項目とコツを大公開!
KPIを設計するときのコツをお伝えします。SMART の5つのポイントを抑えて設計するといいでしょう。
・Specific:具体的
SはSpecificの頭文字で、具体的という意味です。KPIの目標を決めるときは明確性を意識しましょう。KPIに関わるすべての人が同じ解釈ができるようにします。また担当者が変わっても、すぐにKPIを理解できるような設定にしましょう。
・Measurable:測定可能
Mは、Measurableの頭文字です。測定可能という意味があります。KPIは測定可能なものにしておきます。定期的にKPIを測定し評価分析することで、目標達成への道が近くなります。
・Achievable:達成可能
AはAchievableで、達成可能なという意味です。KPIは現実的に達成できるものにしましょう。達成可能な目標を設定することで、関係部署のスタッフからの合意が得られモチベーションの維持が期待できます。
・Relevant:上位目標と関連する
Rは関係するという意味のRelevantです。KGIと関連のあるKPIを設定する、個人の目標と関連性のある会社の目標を設定し、スタッフがKPIを通して最終目標のKGIも正しく理解できるようにします。
・Time-bound:明確な期限
TはTime-bound、明確な期限を決めることです。KPIの期限が設定されていないと、スタッフがモチベーションを維持することが難しくなり、目標達成ができなくなる場合があります。明確に期限を設定すれば、集中して目標達成に向けて取り組めます。
具体的なKPIの設計例を紹介します。リードナーチャリングの方法には、メールマーケティングやテレマーケティングなどさまざまありますが、一般的でよく用いられている手法から設計例を見ていきましょう。
メールでのリードナーチャリングは、低コストであまり手間をかけずに行えるため、広く取り入れている手法です。メールマーケティングでKPI設計できるものはいくつかあります。
・メール配信のリスト数
メール配信のリスト数は、メール配信する宛先のリストです。営業活動に力を入れて、リードのメールアドレスを多く入手すれば、それだけコンバージョン数も増えます。
・メールの開封率または開封数
メールの開封率または開封数は、リードが受け取ったメールを開封する数や割合を表します。メールの開封数をKPIに設定した場合、差出人や件名、メールの冒頭に書く文章を変更することで開封率の変化を見られます。
・リンクのクリック数
リンククリック数は、配信するメールの中に自社製品やサービスの紹介サイト、価格を記載してあるURLを貼り付けておおいてリードを誘導しクリックさせます。リードがどの程度自社に関心や興味を持っているのかがわかります。クリック数を上げるためには、メールを開封した後すぐにCTAボタンを目に入る場所に設置してみるといいでしょう。
・コンバージョン数
コンバージョン数とは配信したメールの数に対しどの程度リードのアクションがあったかを表すもので、メールマーケティングの最終的な指標です。コンバージョンの設定は、商談や問い合わせなどさまざまあります。コンバージョン数を見れば、配信したメールがリードに適切であったかどうかの判断ができます。
下記の記事でメールでのナーチャリングについて詳しく解説しています。
・リードナーチャリングをメールで行う6つの方法
テレマーケティングはリードに直接話が聞けるため、リードの持つ課題や考え、購入に対する温度感がわかるメリットがあります。テレマーケティングのKPI設定には次のようなものがあります。
・リスト数
リスト数は、電話をかけるリードの数です。リストはエリアや年代、性別、何回めの架電か、などさまざまな属性で仕分けられます。自社の製品やサービスに適したリストをどのくらい揃えられるかによって商談の数や成果にも影響が出ます。
・架電数
架電数は、リードに電話をかけた数です。今までの架電数を分析してリードと電話がつながりやすい時間帯や曜日を工夫することで、アプローチの確率も高くなります。
・通話時間
通話時間もKPIに設定できます。リードとどのくらい話ができたのかは、リードがどの程度自社に関心を持っているかの指標になります。また、電話がつながっても一方的に商品やサービスの情報を話すだけではなく、リードの課題や希望などの話を聞く時間も取ることが大切です。
・架電後の商談数
架電後の商談数は、テレマーケティングの最終目標になります。商談数が上がるよう会話の内容を分析、そして改善は不可欠です。
・架電後のメール開封率
架電後のメール開封率は、架電した後にフォローで送ったメールをリードがどのくらい見ているかを判断できます。メール内に貼ったリンクのクリック数もあわせて確認してみましょう。
下記の記事でテレマーケティングについて詳しく解説しています。
・テレマーケティングとは?目的やメリット、進め方、成功させるポイントを徹底解説
TECH+ではテレマーケティングによるナーチャリングサービスを行っております。
・BtoB企業向けリードナーチャリングサービス
コロナ禍においてオフラインではなくオンラインで行うウェビナーは、広く普及するようになりました。ウェビナーに参加するリードは、ある程度自社製品やサービスに興味を持っているため、さらに関心を高めてもらえる重要な機会です。
ウェビナーでのKPI設定は、次のようなものがあります。
・申込数
ウェビナーへの申込数を上げるためには、ウェビナー参加のメリットや特典をアピールして集客するといいでしょう。また、参加申し込みした人が当日必ず参加するとは限りません。申込数と参加人数を把握し、申し込みから参加までどれくらい離脱が発生するか確認できるようにしておきましょう。例えば申し込みから当日までに日数がある場合は、何日か前にリマインドを送ることで離脱を防ぐ効果が期待できます
・アンケートの回答率
ウェビナーで実施したアンケートの回答率が高ければ、多くのリードの情報を獲得できます。KPIを達成するためには、オープン型のウェビナーでもアンケートを実施するようにしましょう。
・タグのシェア数
ウェビナーに関するタグのシェア数とは、SNSでウェビナーに関するタグがどれだけ拡散されたかを示すものです。数が多ければ参加者の満足度が高く、ウェビナーが成功だったと判断できるでしょう。
・ウェビナー後の商談数
ウェビナー後の商談数は、ウェビナーを使ったリードナーチャリングが成功したかの目安になります。
下記の記事でウェビナー・展示会でのナーチャリングについて詳しく解説しています。
・リードナーチャリングをウェビナーで行う3つのメリットと効果的に行う3つのポイントを大公開
KPIを達成するときのコツについてお伝えします。KPI設定後もPDCAサイクルを定期的に行い、分析し改善を加えましょう。
・Plan:計画
まずKPIを設定したら、次はメールマーケティングやテレマーケティング、ウェビナーそれぞれのリードにアプローチするために必要な計画と準備を行いましょう。
・Do:実行
メールを配信する、リードに架電する、ウェビナーを開催するなど、KPI達成のためのプランを実行します。
・Check:評価
実行した後に必ずリードの反応を確認し、数値化して分析します。期待していたような効果が出なかった場合は、なぜうまく行かなかったのか原因を追求しましょう。
・Action:改善
実行の結果を踏まえて改善するべき点があるか、あればどこなのかを検討し、常に改善を加えましょう。
リードナーチャリングでは、KPIを設定し明確で実現可能な目標を目指して取り組む必要があります。KPIを設定するためには、まず最終的な目標であるKGIを設定し、関係する社員やスタッフ全員が共通の理解を持たなければいけません。
メールマーケティングやテレマーケティングなど、ナーチャリングの手法によってKPIの設定は変わります。期間を定めて目標達成に取り組みましょう。
KPI設定をした後も定期的にPDCAサイクルを回し、課題や改善すべき点がないか確認することで最終目標の達成にも近づくでしょう。
KPI設定してもなかなかナーチャリングの効果が見えない場合は、リードナーチャリングサービスを利用してみるのも戦略の1つです。Tech+では、リードナーチャリング支援サービスを提供しています。興味のある方はぜひ以下のサービスページをご覧ください。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。
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