メールマーケティングの成功は、タイトル(件名)にあります。
タイトルは購読者が受信トレイで目にするものであり、メールを開くかどうかを決定するものだからです。
そのため、良い件名を作成しなければ、メールマーケティングが無駄になる可能性があります。
本記事では、開封率を高めるメルマガタイトルの作成手順やポイント、すぐに使えるテンプレートをご紹介します。
ナーチャリング
【TECH+マーケティング責任者】谷合 祐馬 [2022.12.26]
メールマーケティングの成功は、タイトル(件名)にあります。
タイトルは購読者が受信トレイで目にするものであり、メールを開くかどうかを決定するものだからです。
そのため、良い件名を作成しなければ、メールマーケティングが無駄になる可能性があります。
本記事では、開封率を高めるメルマガタイトルの作成手順やポイント、すぐに使えるテンプレートをご紹介します。
メルマガのタイトル(件名)が重要な理由は、ユーザーが初めに目にする箇所だからです。受信ボックスに表示されるのは、送信者名とタイトル、本文の一部のみであり、ユーザーはこれら3つの要素を確認して、メールを開封するかどうか決めています。
一般社団法人日本ビジネスメール協会の調査によれば、社会人の1日平均メール受信数は平均66.78通と非常に多いです。しかし、受信したすべてのメールを読むということはありません。Adobeの調査では、企業からのプロモーションメールで思わず開きたくなるほどの関心を引くメールの割合はわずか20%と判明しており、多くの購買者はメールを開封していないのです。
それでは、購買者はメルマガを開封するのかどうか、どのように判断しているのでしょうか。
Benchmark社の「メールマガジン購読状況調査 2022年度版」によると、購読者の50.8%は件名・タイトルを見て開封するかどうか判断しており、次いで多いのが送信元名の19.1%です。メルマガ登録ユーザーは、企業に対してある程度の信頼感や安心感を持っているため、タイトルでユーザーの興味関心を高める必要があります。
下記の記事でメルマガのタイトルについて詳しく解説しています。
・クリック率を高めるメルマガテンプレート作成ポイントとおすすめのツール
メルマガのタイトルを作成する際は、4Uの原則を意識しましょう。
4Uの原則とは、アメリカの天才マーケターと称されるマイケル・マスター氏が提唱した原則であり、4Uは有益性(Useful)・緊急性(Urgent)・具体性(Ultra Specific)・独自性(Unique)を意味します。
ここからは、競合他社と差別化できるように、4Uの原則について解説します。
メルマガのタイトルにおける有益性とは、ユーザーがメールを開封するべき理由やメリットです。具体的なメリットをタイトルで訴求できれば、ユーザーの興味関心を高められます。また、ユーザーの潜在ニーズを訴求するのも有効。
ユーザーのどのような悩みや課題を解決するのかをタイトルで提示することで、ユーザーはもっと知りたいと思い、メールをクリックしてくれます。
緊急性とは、ユーザーに今すぐメルマガを開封しなければいけない理由を訴求します。例えば、「今だけ」や「期間限定」、「12月29日まで」などの期間を限定する単語を使えば、「今行動しなければ手に入らないかもしれない」という焦りを生み出します。
緊急性を件名に出せば、ユーザーの興味関心を高められ、開封されるだけではなく、コンバージョン率の向上も見込めます。
具体的なタイトルは、細部にまでこだわっています。数字を入れたり、手順を示したり、明示的または独占的な情報を特定したり、専門的な用語を記載することで、具体性を高められます。
例えば、Chatworkは「エクセル・ワードよりも情報共有に最適なナレッジ管理ツール」と「エクセル・ワード」と具体的な製品名を出すことで、ユーザーの興味関心の醸成に成功しています。
先にご紹介した調査が示すように、読者は多くの企業からメルマガを受信しています。似たようなメルマガの中から、競合他社と差別化をするためには、新しい視点や表現方法で独自性を出すことが有効です。
開封率を高めるメルマガタイトル作成のポイントは、下記のとおりです。
ここからは、各ポイントの詳細について解説します。
メルマガのタイトルで表示される文字数は30文字前後のため、基本的に30文字以内に収めるようにしましょう。また、Yahoo!ニュースが実施した調査によれば、記事内容を正確に理解できる見出しの長さは15~16文字と判明しています。この調査を踏まえると、メルマガの冒頭15文字にキーワードやメッセージ、訴求内容を伝えるのが有効だと言えるでしょう。
パワーワードとは、訴求力の高い単語のことであり、広告コピーや記事の見出し、CTAボタンなどいたるところで使われます。海外の動画マーケティングプラットフォームを提供する海外企業WISTIAによれば、特に以下4つのパワーワードは効果が高いそうです。
日本語の場合、「あなた」の使用頻度は少ないですが、それ以外の3単語はよく使用されます。上記画像のAmazonのメールタイトルは、ユーザー名(あなたの代わり)+無料という2つのパワーワードの使用に加えて、緊急性(12/26まで)とベネフィット(100ポイントがもらえる)と強力な要素を豊富に含んでいます。
特に、消費者の多くはパーソナライズ体験を好むことが複数調査で判明しているため、ユーザー名をタイトルに入れるのは開封率の向上につながるでしょう。メルマガタイトルで使える主なパワーワードは以下の通りです。
マーケティングツールを提供する海外企業Yeswareが、120万通のメールの件名を分析した調査によれば、数字を含む件名は平均開封率よりも45%高い開封率を達成するとわかりました。件名に数字を用いることで、具体性や信頼性を高められます。件名を作成したら、数字に置き換えられる箇所がないか確認しましょう。
メルマガのタイトルに社名やサイト名を入れると、開封率が下がる可能性があります。株式会社WACULの調査によれば、社名やサイト名をタイトルに含むメールの開封率は低い傾向にあると判明。
また、社名やサイト名を入れることで、貴重な文字数の消費や宣伝感が生まれるなどのデメリットが生じます。社名やサイト名は差出人名に記載し、タイトルにはベネフィットやメッセージの訴求に注力しましょう。
膨大な受信ボックスの中から、ユーザーの興味関心をひけるタイトルを作成したいなら、絵文字の活用が有効です。2012年にSwiftpageが実施した調査によれば、タイトルに絵文字を入れたメールの開封率は29%向上するとわかっています。
ただし、絵文字の役割はユーザーの注意を惹くことにすぎません。悪いタイトルに絵文字を追加すれば、開封率や解約率の悪化などを招きます。まずは魅力的なタイトルの作成に注力しましょう。
ここからは、すぐに使える6つのメルマガタイトルのテンプレートをご紹介します。必要に応じてテンプレートをアレンジし、効果的なタイトルを作成してください。
開封率を高めるメルマガタイトルは、下記手順で作成します。
ここからは、詳しい手順についてみていきましょう。
メルマガの作成をする前は、必ずターゲットをしましょう。例えば、無料会員と有料会員、経営者と現場の社員ではニーズや課題が異なります。メルマガの購読リストにある顧客をセグメント分けし、セグメント別にターゲットを設定してください。
また、ターゲット設定で重要なポイントは、悩みや課題の把握です。ターゲットの悩みをメルマガのタイトルに反映させることで、クリック率を高められます。正確に課題を把握するためにも、ユーザーインタビューや営業など顧客と直接コミュニケーションをとる部門へのヒアリング、蓄積した顧客データの分析をしましょう。
ターゲットが決まったら、伝えたい要素を洗い出します。例えば、勤怠管理ツールの紹介が目的なら、「経営者」「人事」「勤怠管理の悩みを解決」「勤怠管理業務のミスをなくしたい」「申請手続きの簡易化」などの要素が考えられます。伝えたい要素を洗い出す際は、まずはメルマガの要約を考えましょう。要約を単語や短い文章単位で区切ると、効率よく要素を出せます。
要素を洗い出したら、要素を組み合わせてタイトルを作成します。ポイントは、最も伝えたいメッセージや訴求ポイントをタイトルの冒頭に持ってくること。 重要要素をタイトルの冒頭に固定し、残りの要素は自然な文章となるように入れ替えましょう。
メルマガのタイトル作成には、不要な要素の削除も欠かせません。例えば、「経営者の勤怠管理の悩みを解決!勤怠管理業務のミスがなくなる」というタイトルを作成したとしましょう。この場合、「勤怠管理の悩み=勤怠管理業務のミス」なので2つの要素が重複しています。
そのため、「勤怠管理業務のミスがなくなる」を削除し、「経営者・人事の勤怠管理の悩みをまるっと解決しませんか?」というタイトルに変更します。意味の重複や不要な単語、なくても伝わる表現、冗長な表現は遠慮なく削除しましょう。
メルマガタイトル作成では、単語の言い換えが有効です。例えば、「プレゼント」を「贈呈」にすることで3文字節約できます。たった3文字の違いと思われるかもしれませんが、3文字有効になることで【】や””、絵文字の追加などユーザーの注目を集める工夫ができます。メルマガは30文字、特に最初の15文字が重要なため、いかに無駄な文字を削除し、文字数を有効活用できるかが開封率向上のカギを握ります。
最後に完成したメルマガタイトルを見直しましょう。入れ替えや要素の削除、言い換えなどで、伝えたいメッセージや訴求ポイントが弱まることは多々あります。自然ながらも訴求力の強いタイトルを作成するためにも、記号などを用いながらタイトルを整理しましょう。
メルマガタイトルの効果測定は開封率で確認します。開封率が高ければ、効果的に訴求できているタイトルを作成できているということです。また、客観的な視点で効果測定するためにも、開封率の平均を理解しておきましょう。例えば、今月の開封率が18%で先月よりも4%上昇していたとしても、競合他社の開封率が28%ならば、18%は良い数値とは言えません。
最後にBenchmark社の調査より、業種別の平均開封率をご紹介します。ぜひこの数値を参考に、ABテストでタイトルの改善に取り組んでください。
業種 |
平均開封率 |
広告/マーケティング/PR/メディア/デザイン |
21.94% |
建築・建設 |
26.00% |
観光/エンターテイメント/ホスピタリティ |
26.86% |
教育(大学、社会人) |
29.02% |
コンサルタント/HR/人材 |
25.92% |
ファイナンス |
23.16% |
医療 |
25.92% |
保険 |
21.38% |
製造/物流/エンジニアリング |
20.49% |
NPO/行政サービス |
31.95% |
不動産 |
25.23% |
小売/消費サービス |
27.29% |
教育(小中高) |
36.00% |
テクノロジー/通信 |
25.33% |
フィットネス |
27.66% |
メルマガのタイトル作成のポイントは、初めの15文字でメッセージや訴求ポイントを伝えることです。まずはターゲットを設定し、課題や悩みを正確に理解しましょう。それらの解決策や潜在ニーズをタイトルで伝えることで、メールをクリックしてもらえる確率が高まります。
また、自分の受信箱を見て、どのメールを開いていたかを確認してみてください。自分がどのようなメールに興味を惹かれたのかを理解し、良い点は積極的に取り入れていきましょう。
【TECH+マーケティング責任者】谷合 祐馬
2018年から広告やリードジェネレーションに関してのソリューション営業を経験。 2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。 現在はTECH+マーケティング責任者として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。
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