SaaSとは?メリット・デメリットからDX推進のためのサービスまで紹介!

SaaSとは?メリット・デメリットからDX推進のためのサービスまで紹介!

DX推進で業務変革を実現して従業員が働きやすい職場環境を作り上げ、働きがいのある職場を目指す企業が増えてきました。

また、2025年の崖について企業は考えなくてはいけません。

社内にある老朽化したシステムを利用し続けると、メンテナンスに対応できるエンジニアが少なくなり、保守費用が大きな負担となります。

このような背景により、社内業務を見直してDX推進に取り組む企業が増えてきました。

DX推進に取り組む上で欠かせないサービスが「SaaS」です。この記事では、SaaSのメリット・デメリットからDX推進におすすめのサービスまでご紹介します。

【1】SaaSとは

SaaS イメージ画像

SaaS(Software as a Service)とは、クラウドサービスの一種ソフトウェアサービスをいいます。

従来のソフトウェアは、包装された状態のパッケージソフトで販売されていました。PCにパッケージソフトをインストールして利用していたのです。しかし、SaaSの登場でソフトウェアの利用方法が大きく変化しました。

サービス提供事業者がクラウド上でソフトウェアを稼働し、ユーザーはインターネット経由でSaaSにアクセスすればソフトウェアが利用できるようになりました。SaaSサービスを契約して料金を支払えば、すぐにソフトウェアを使用できます。

1.ASPとの違い

SaaSとASPの違いは「共有モデル」です。

ASP(Application Service Provider)もインターネット上で提供されるサービスを指します。しかし、共有モデルはシングルテナントです。

シングルテナントとは、ネットワークを介したサービスのサーバーやデータベースを1社のみが専有するモデルをいいます。

その一方で、SaaSはマルチテナントを採用しています。マルチテナントとは、ネットワークを介したサービスのサーバーやデータベースを全員で共有するモデルです。マルチテナントを採用することで、バージョンアップやエラー発生時の保守対応がしやすくなりました。

マルチテナントで保守がしやすくなったため、SaaSサービスが普及しました。

 

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2.PaaSやIaaSとの違い

SaaSとPaaS・IaaSの違いは「サービス範囲」です。

 

SaaS

PaaS

IaaS

ハードウェア

仮想化ソフトウェア

OS

×

ミドルウェア

×

アプリケーション

×

×

PaaS(Platform as a Service)とは、クラウド上にあるプラットフォームサービスです。アプリケーション開発会社が、アプリケーション環境を利用してサービス開発する際に利用されます。

IaaS(Infrastructure as a Service)とは、クラウド上にあるネットワークサーバーサービスです。

IaaSを利用すれば、必要な分だけのストレージが利用できるようになります。

このように、「SaaS」「PaaS」「IaaS」はクラウドサービスで提供されていますが、サービス範囲が異なります。

3.クラウドとの違い

SaaSとクラウドとの違いは「定義」です。

クラウドサービスとはクラウド上に用意されたサービスで、ネットワーク経由で利用できるものをいいます。そのため、SaaSだけでなくPaaSやIaaSもクラウドに該当します。

SaaSはクラウド上にあるソフトウェアサービスのため、クラウドの一部のサービスと認識しておくと良いでしょう。

【2】SaaSサービスのメリット

クラウド上にあるソフトウェアサービス「SaaS」を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここではSaaSサービスのメリットについて解説します。

1.複数のデバイスで利用できる

SaaSサービスを契約するとアカウントが発行されます。

アカウントのIDとPassWordを入力すれば、さまざまなデバイス(PCやスマホ)でソフトウェアが利用できます。

パッケージ製品のソフトウェアの場合は、PCにインストールしなければいけません。そのPCでしかソフトウェアが利用できないため不便でした。このような問題をSaaSサービスで解決できます。

オフィス出社と在宅勤務で作業を行う場合、アカウントでログインすれば、各PCでソフトウェアが利用できます。

また、スマホで操作可能なソフトウェアもあり、外出先でも業務を行うことが可能です。このような特徴があるため、多様な働き方を実現している企業でSaaSサービスが利用されています。

2.複数人でデータ編集ができる

SaaSサービスはクラウド上でデータ編集するため、リアルタイムでデータが反映されます。

また、SaaSサービスの機能「共同編集」を利用すれば、複数名がドキュメントに加筆・修正を加えることも可能です。同時作業をすれば、作業時間を大幅に省けます。

これまでは、WordやExcelの作成後にドキュメント保存して「データを入力しました」と連絡するのが一般的でした。しかし、SaaSサービスを利用すればリアルタイムでデータが反映されるため、このような連絡の手間を省けます。

3.サービス容量を調整できてコストが抑えられる

SaaSサービスは買い切り型のパッケージ製品とは異なり、毎月の利用料金を支払うサブスクリプション型が多いです。ユーザーやストレージ容量で毎月の利用料金が決まります。自社に必要なユーザー数やストレージ容量で契約ができてムダが発生しない分コストが抑えられます。

 

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【3】SaaSサービスのデメリット

SaaSサービスはメリットだけでなく、次のようなデメリットもあります。

1.カスタマイズしにくい

SaaSサービスは提供事業者がクラウド上で稼働しているソフトウェアをインターネット経由で利用するものです。また、SaaSサービスは多くのユーザーで共有し合って利用しています。そのため、1人1人のお客様の要望に応じた細かいカスタマイズには対応してもらえません。

自社の要望を細かく反映してもらいたい場合は、社内に自社サーバーを置くオンプレミス型のサービスを選んでカスタマイズしてもらいましょう。

2.サービスの乗り換えが難しい

SaaSサービスを利用した後に、別のサービスに乗り換えるときは手間がかかります。なぜなら、データ移行が簡単に行えないためです。SaaSサービスによってはデータ移行ができない恐れがあるため注意してください。

また、従業員がSaaSサービスの操作に慣れたにも関わらず、別のサービスに乗り換えると操作方法を覚え直さなくてはいけません。このような労力がかかるため、サービスの乗り換えが難しいです。

3.ランニングコスト負担増になる恐れがある

SaaSサービスを利用する場合は月額料金を支払わなければいけません。初期費用は安くて負担が少ないですが、長期的に考えると月額料金が割高になる場合もあります。

例えば、大企業の場合は買い切り型のソフトウェアを導入した方がコストは抑えられます。このようなコスト面が気になる方は、パッケージソフトウェアが良いのかSaaSサービスが良いのかコスト計算をするようにしましょう。

【4】SaaSサービスの一覧表

カオスマップ(SaaSサービスを網羅した地図)を見ると、SaaSサービスの種類が豊富なことが分かります。そのため、DX推進に取り組むためにSaaSサービスを導入しようと思っても「どれを導入すべきなのだろうか…」と悩んでしまうかもしれません。そのような方向けにDX推進でおすすめのSaaSサービスをご紹介します。

1.コーポレートサイト制作ツール

コーポレートサイト制作ツールを使用すれば、Webサイト制作に必要な専門的な知識がなくても、コーポレートサイトが制作できます。一般的にはWebサイト制作するためには、HTMLやCSSなどプログラミングの知識が必要になり、1ページ制作するにも手間がかかってしまうでしょう。

しかし、コーポレートサイト制作ツールを使用すれば、ブラウザ上で直接テキスト入力したり、画像をアップロードしたりするだけでコーポレートサイトが制作できます。

代表サービス:ferret One 

フェレットワン 
出典元:『ferret One

ferret Oneは、1,000社以上の導入実績を保有するコーポレートサイト制作ツールです。BtoB企業のサイトリニューアルで簡単にコーポレートサイトが制作できます。

プログラミング知識がなくても、Webデザインをはじめ、お問い合わせフォームやボタンの設置などができます。それだけに留まらず、獲得したリードのナーチャリングの自動化が可能です。

2.メール配信システム

メール配信システムを導入すれば、自社会員に向けてメールを一斉送信したり、購買プロセスの段階を踏まえたステップメールを送信したりできます。メール送信を自動化するだけでなく、メールの開封率を確認したり、装飾したメールを作成したりなどもできるようになります。

ダイレクトメールで、マーケティングを効率化したいと考えている企業から選ばれているシステムです。

代表サービス: AutoBiz

オートビズ出典元:『AutoBiz

AutoBizは18,000社以上に導入されているメール配信システムです。月額1,815円から利用できるリーズナブルな料金プランでありながら、メルマガとステップメールを送れることで人気を集めています。お客様が資料請求や商品購入した日を起算日として、事前に設定したスケジュールに沿ってメール配信ができます。

3.労務管理システム

労務管理システムを導入すれば、従業員の社会保険手続きや福利厚生の加入管理を効率化できます。

従業員に労務関係で必要な情報をスマホ上で入力してもらい、それらのデータを参考にして書類が作成できて電子申請まで完結できます。労務関係の書類は煩雑しやすいですが、システム上に保管しておけば、書類を探す手間を省くことも可能です。

代表サービス:SmartHR

スマートHR出典元:『SmartHR

SmartHRは50,000社以上の企業で利用されており、4年連続シェアNo.1の労務管理システムです。人事・労務関連の書類をペーパーレス化して、年末調整や雇用契約、人事評価などの書類回収の工数が削減できます。

SmartHRにデータを集約するため、住所変更や扶養変更など常に最新の情報が登録できます。それだけでなく、蓄積したデータを分析して人材マネジメントを行うことも可能です。人事・労務管理の業務効率化をしたい方におすすめのサービスです。

4.採用管理システム

採用管理システムを導入すれば、複数の求人媒体の応募情報を一元管理できて、応募別の採用率、通過率、辞退率を分析できます。また採用サイトを作成したり面接日程を管理したりなど、採用業務を効率化できます。

リクルート出典元:『HITO-Link リクルーティング

HITO-Link リクルーティングは、40種類以上の求人媒体と連携できる採用管理システムです。大手求人媒体をはじめ、業界特化型の求人媒体とも連携しているため、候補者の取り込み作業を大幅に効率化できます。

また、候補者との面接日程の調整、テンプレートによるメール送信などもシステム上で行えます。蓄積したデータを分析すれば、採用の課題を発見することも可能です。そのため、効率的に採用業務を行いたい方におすすめのサービスです。

5.会計システム

会計システムを利用すれば、データ入力、集計、仕訳、決算など会計業務を効率化できます。SaaSサービスであれば、インターネット環境であれば時間・場所を問わずに利用が可能です。また、法改正などのアップデートが自動でされるため安心して利用できます。

代表サービス:マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワード出典元:『マネーフォワードクラウド会計

マネーフォワードクラウド会計は、銀行・クレジットカード・電子マネー・POSレジなどの様々なサービスと連携することで、日々の取引データが自動取得されます。

また、一度登録した仕訳内容はAIが学習するため、使用するほど仕訳の精度が向上します。それだけでなく、日々の仕訳データをもとに決算書を自動で作成することも可能です。そのため、会計業務を効率化したい方におすすめのサービスです。

6.グループウェア

グループウェアを利用すれば、社内でスケジュールやプロジェクトの状況共有できて各自の状況を把握できるようになります。ワークフロー機能が搭載された機能であれば、グループウェア上で経費精算ができます。

代表サービス:deslnet’s NEO

NEO出典元:『deslnet’s NEO

deslnet’s NEOは国内最大級471万ユーザーに導入されているグループウェアです。スケジュール管理やファイル管理だけでなく、申請業務や労務業務に役立つ豊富な機能が搭載されています。また、グループウェアの活用の幅を広げるために拡張もできます。そのため、社内の情報共有を強化したい方におすすめのサービスです。

7.チャットボット

チャットボットを利用すれば、人が対応していたお問い合わせ業務を自動化できます。簡単なお問い合わせの回答はチャットボットにお任せして、難しいお問い合わせは人が対応するなど工夫をすれば、人手不足による業務過多を解決できます。

代表サービス:AI Messenger Chatbot

AI Messenger Chatbot出典元:『AI Messenger Chatbot

AI Messenger Chatbotは、ユーザーの疑問解決にこだわった回答精度の高いAIチャットボットです。100社以上で運用してデータを蓄積しており、回答精度を上げています。AIチャットボットの教育に不安を感じる方もいるかもしれませんが、担当者が業務効率化に向けて伴走してくれるため、安心して利用できるサービスです。

8.オンライン商談ツール

オンライン商談ツールを利用すれば、オンライン上で顧客と商談ができます。近年、コロナ禍の影響で従来の訪問型営業からオンライン営業への切り替える企業が増えてきました。オンライン営業に切り替えれば、移動コストが削減できます。また、遠方の企業への営業も行いやすくなります。

代表サービス:Zoom

ZOOM 出典元:『Zoom

ZoomはZoomビデオコミュニケーションズが提供しているオンライン商談ツールです。PC・スマホ・タブレットを使用してオンライン商談ができます。最大1,000名の同時接続ができ、画面上には49名まで映せます。

それだけでなく、商談データの録画や文字起こしも可能です。10年分のデータをアーカイブ化できるなど、多機能なオンライン商談ツールとして人気を集めています。

9.電子契約システム

電子契約システムを利用すれば、契約書の作成、契約締結、保管に至るまでのプロセスをクラウド上で完結できます。紙文書の代わりに電子データに電子署名とタイムスタンプを付与して契約を締結します。その効力は署名捺印のある紙文書と変わりません。

オンライン商談でも契約できるため、新たな契約スタイルとして広がりはじめています。

代表サービス:クラウドサイン

クラウドサイン出典元:『クラウドサイン

クラウドサインは、電子契約サービス市場で売上シェアNo.1を誇る電子契約システムです。導入社数130万社以上、1,000万件以上の電子契約を支援してきました。

クラウドサインは弁護士がサービスを監修しており、電子署名法に準拠しています。また、二要素認証や暗号化通信などセキュリティ面にもこだわっています。このように、安心・安全なシステムづくりを心掛けて作られているため支持を集めているサービスです。

【5】まとめ

SaaSとはソフトウェアサービスをいいます。サービス提供事業者がクラウド上でソフトウェアを稼働しており、ユーザーはインターネットでアクセスすればSaaSサービスが利用できます。

自社に必要なユーザー数やストレージ容量で契約ができてムダが発生しない分コストが抑えられたり、アカウント単位でサービスが利用できたりするため、画期的なサービスとして注目を浴び始めてきました。この記事では、DX推進に役立つSaaSサービスをご紹介しました。ぜひ、この記事を参考にしながらSaaSサービスを導入してみてください。

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