【リード獲得単価の抑え方】相場、意識する6つのポイント、注意点、この記事で全部まるわかり!
リード獲得
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.05.31]
目次
- 【1】リード獲得単価(CPL)とは?
- 【2】リード(見込み客)獲得とは?
- 【3】リード獲得単価の算出方法
- 【4】リード獲得単価の相場
- 【5】3STEPでできるリード獲得単価のKPI設定
- STEP1:ターゲットを明確にする
- STEP2:リード獲得単価の相場を知る
- STEP3:リード獲得単価を設定する
- 【6】単価を抑えるために意識する6つのポイント
- ポイント(1)マーケティングファネルを明確にする
- ポイント(2)インバウンドマーケティングに力を入れ自社サイトへの問い合わせを増やす
- ポイント(3)SNSを活用し、潜在層へアプローチをする
- ポイント(4)自社でウェビナーを行う
- ポイント(5)MAツールを利用し効率化を図る
- ポイント(6)オンライン広告を利用する
- 【7】3つの注意点
- ポイント(1)結果を分析する
- ポイント(2)獲得したリードを放置しない
- ポイント(3)常に適切なリード獲得単価を設定する
- 【8】まとめ
【1】リード獲得単価(CPL)とは?
リード獲得単価(CPL)とは、リードを獲得するときに必要なコストをいいます。
CPLはCost Per Leadの略で、リード一人当たりにかかる費用を指し、マーケティングの効果を測る指標としてよく利用されます。リード獲得単価(CPL)は、営業の手法によっても変わります。
CPLに似た言葉にCPAがあります。CPAは、1件のコンバージョンを獲得するときにかかる費用のことで、問い合わせや申し込み、新規の契約などによって変わります。
そのため、リード獲得単価がCPAとなるケースもあります。
【2】リード(見込み客)獲得とは?
リードとは見込み客のことをいい、将来自社の製品やサービスを購入してくれる可能性の高い顧客を意味します。リード獲得は、リードジェネレーションとも呼ばれ、リードを見つけて獲得する施策です。
オンラインではWebサイトへの問い合わせや資料請求、テレアポによる資料請求や訪問の約束、オフラインの場合は展示会へ来場し名刺交換をする、セミナーに参加するために連絡先情報を登録する、などがリード獲得の対象になります。
効率よくリードを獲得できれば、営業成果が挙がりビジネスを拡大しやすくなります。
▼リード(見込み客)獲得ついては下記の記事で詳しく解説しています。
リード獲得とは?効果的にリードを獲得する14の方法を解説!
TECH+ではテレマーケティングによるリード獲得サービスも行っております。
・BtoB企業向けリード獲得サービス
【3】リード獲得単価の算出方法
リード獲得単価は、リード獲得にかけるコストをリード獲得数で割って算出します。具体的には、リード獲得を目的としたマーケティング施策に100万円のコストをかけたとします。
これによるリード獲得件数が50件だった場合、リード獲得単価は100万円÷50件=2万円ということがわかります。
リード獲得単価を算出するタイミングは、アプローチリストを入手した直後です。また、算出には正確なデータが必要になります。
自社でリードデータベースを保有している場合はすぐにリード獲得単価が出せますが、ない場合はデータ収集・構築から行わなければいけません。
【4】リード獲得単価の相場
リード獲得単価の相場を詳しく見ていきましょう。リード獲得単価の相場は、利用するツールによって変わります。これはどのようなメディアや手法を使うかの違いです。
例えば、セミナーや展示会などで獲得した顧客リストをリードとする場合は単価が低くなります。その逆もあり、商談に直接つながるような見積もり依頼などのリード獲得は単価が高くなる傾向があります。
リード獲得単価は、定義によって大きく差が出ることを理解しておきましょう。
具体的にはダイレクトメールなどの場合は、リード獲得単価は約1,000円〜10,000円程度、セミナーや展示会の場合は、8000円〜10,000円程度が相場といわれています。
【5】3STEPでできるリード獲得単価のKPI設定
リード獲得単価のKPI設定について詳しく解説します。KPIとはKey Performance Indicatorの略で、重要業績評価指数と訳されるものです。
ビジネスで最終目標を設定したときに、その目標まで順調に進んでいるかどうか過程を検証するための中間目標がKPIです。
設定したKPIを過去の数値と比較しながら、客観的に分析し、改善の必要性があるところは適宜変更を行いながらゴールに向かってアプローチを進めていきます。
KPI設定では、「SMART」を意識するといいと言われています。SMARTは、以下の項目の頭文字を取ったものです。
・Specific:明確性
部員ひとりひとりのモチベーションを上げるため、また社内で共通の目標を目指すためにも明確性が大切です。
・Measurable:測定可能
目標までの進捗を把握し、業務が適切に行われているかをチェックするために、具体的な数値など測定できる値でKPIを設定しましょう。今ある課題を把握しやすくなります。数値化できないKPIを設定すると、目標達成度の正確な把握が難しくなります。
・Achievable:達成可能
達成が難しいKPIを設定してしまうと、社員のモチベーションを保つのが難しくなります。達成の可能性が高いKPIを設定しましょう。
・Related:関連性
KGIはKPIと深い関係があります。もしKPIが適切でなければ、企業全体の目標を達成できなくなる場合もあります。KPIはKGIに関連したものでなければいけません。
・Time-bounded:適時性
KPIには期限を設けましょう。期限のないKPIを設定すると、業務が後回しにされてしまう場合があります。期限を決めることで、具体的にいつ何をすればいいのか、業務の計画が立てられます。
STEP1:ターゲットを明確にする
KPI設定をするときには、まずターゲットを明確にする必要があります。KPIは、特定の部署だけでなく社内全体で共有するものです。そのため誰がみてもわかるような明確なターゲットを設定しましょう。
ターゲットを具体的に設定することで、どんなアプローチをすればいいのか取るべき手法がわかるだけでなく、強みや課題となる問題なども把握できます。
ターゲットを設定する場合によく用いられる指標は、売上高やマーケットのシェア、売上総利益、営業利益、貢献利益などがあります。自社の商材や取得できる顧客データに基づいて適切な指標で設定しましょう。
また、自社が市場をどの程度占有しているのかは、具体的な商品やサービスを取り扱う企業にとって、他社との比率を見分ける重要な指標です。
STEP2:リード獲得単価の相場を知る
獲得単価の相場は、実施する施策により異なります。
メール
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1,000~10,000円
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ホワイトペーパー
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3,000~5,000円
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メディア広告
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5,000~10,000円
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展示会
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8,000~10,000円
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セミナー開催
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8,000円~
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お問合せ
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30,000~100,000円
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相場を参考にしながら、自社の製品やサービスに合う手法を検討してみてください。また相場だけでなく、リード獲得後の成約についても考えてみましょう。リード獲得の手法によって、CVR(成約率や購入率)が大きく変わることがあります。
STEP3:リード獲得単価を設定する
リード獲得単価の相場を知り、CVRを考慮してリード獲得単価を設定しましょう。
リード獲得単価が安くてもCVRが低いと、リードをいくら獲得しても売り上げや利益には繋がらないことになり得ます。CVRを考えた上で適切なリード獲得単価を決めてください。
【6】単価を抑えるために意識する6つのポイント
リード獲得単価を抑えるための6つのポイントをお伝えします。
CVRを考慮して適切な手法を用いる必要はありますが、そのうえでさらにリード獲得単価を抑えられれば、利益率を高めてビジネスを拡大することができます。
ポイント(1)マーケティングファネルを明確にする
リード獲得単価を抑えるポイントとしてマーケティングファネルを考えることがあげられます。
マーケティングファネルとは、リードが商品やサービスを知ってから実際に購入に至るまで、どのような行動を取ったかのプロセスをステップごとに分けて定義したものです。
マーケティングファネルを分析すれば、どのフェーズのリードにどんなアプローチをすれば効果的かがわかります。
リードは商品やサービスを認知した後に興味や関心を持ちます。さらに他社の商品やサービスと比較・検討を行い購入するかどうかを決めます。
それぞれのステップでのリードの心理状態など細かく分析し、適切な営業手法を用いることで、最終的なリード獲得単価を抑えられます。
ポイント(2)インバウンドマーケティングに力を入れ自社サイトへの問い合わせを増やす
現在のリード獲得ではインターネットの活用が不可欠です。
自社のコーポレートサイトだけでなく、オウンドメディア、ソーシャルメディアなどさまざまなツールを使ってリードにアプローチすることでより認知を獲得でき、リード獲得数増加やリードの質向上に繋がります。
リードにとって魅力的なコンテンツの充実やコミュニケーションを意識しましょう。また、リードが自社製品やサービスに興味を持った際に、対応できるコールセンターやチャット、メールなどの問い合わせ機能を充実させましょう。
インバウンドマーケティング経由で問い合わせをしたリードを獲得し、育成しやすくなります。
インバウンドマーケティングは、リードを獲得するまでの時間がアウトバウンドマーケティングよりも長くかかりますが、自社にアクセスしてきた時点でリードの関心が高いため、少しのアクションで成約につながる場合も少なくありません。
そのため最終的には、リード獲得単価を安く抑えられ継続的に集客できます。
ポイント(3)SNSを活用し、潜在層へアプローチをする
SNSは積極的に活用しましょう。ターゲットにする層によってもアプローチの仕方は違いますが、現代は多くの人が新しい製品やサービスを利用する前にSNSから情報を収集し、口コミを検証します。
SNSを使って自分の欲しい情報を探しているユーザーも多いため、SNSによって潜在層へアプローチができるだけでなく、直接リードと交流することも可能です。また、SNSのアカウントを作成・運営は比較的簡単で低コストで実施できるため、社内の人間でも十分に対応できます。
SNSはWeb広告と異なり、広告費などをかけずとも自然に拡散する(バズる)可能性がある点が特徴です。オーガニック投稿が拡散されれば運用コストだけで多くのリードを獲得できるでしょう。
ただし、SNSでは炎上に注意する必要があります。担当者の発言や発信がきっかけで炎上してしまうと、企業ブランドや信用度にまで大きな影響を与えてしまいます。
SNSを始める前に、発信ポリシーやネットリテラシーを十分に整えておきましょう。
ポイント(4)自社でウェビナーを行う
自社でウェビナーを開催して質の良いリードを獲得するのも効果的です。ウェビナーとは、オンライン上の展示会やセミナーをいいます。
コロナ対策のため、オンラインでのミーティングやイベントなどが増えました。パソコンやスマートフォン、タブレットなどがあれば、どの場所からでも参加できるためリード獲得施策として非常に便利です。
主催者は、対面の展示会やセミナーよりも多くの人に参加してもらえるメリットがあり、参加者もどこにいても気軽に参加できるメリットがあります。
展示会やセミナーに参加する人は、良質なリードである可能性が高く、成約に繋がりやすいのでCVRも高くなります。
リアルな展示会やセミナーは、感染症対策や場所代、人件費、当日までの準備などさまざまな面でコストと手間がかかりますが、ウェビナーなら低コストで良質なリードを獲得できます。
下記の記事でウェビナーについて網羅的に解説しています。
・ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!
ポイント(5)MAツールを利用し効率化を図る
MA(マーケティングオートメーション)を活用し、マーケティングを自動化、効率化しましょう。
生産性の向上により、リード獲得単価を抑えられます。
MAツールはWebフォームなどを利用した個人情報が分かるリードの獲得だけでなく、ブラウザ情報による匿名のリードの獲得も可能です。
匿名のリードは、外部サイトまたは広告などに訪れたユーザーをCookie情報から判別します。
データベースに匿名の情報として蓄積できるので、個人情報が分からなくても行動履歴をたどって最適なコンテンツを提供する、リターゲティング広告などのアプローチを行うといった施策が行えます。
匿名のリードを育成しながら、適度なタイミングで問合せフォームなどに誘導すれば、個人情報の獲得も可能です。
ポイント(6)オンライン広告を利用する
オンライン広告の活用でもリード獲得単価を抑えられます。広告種類ごとの特徴を理解し、商材やリード定義にあった手法を選ぶことが重要です。
ここでは4つ紹介します。
・リスティング広告
ユーザーがネットで検索したキーワードに合わせて表示される広告で、自社製品やサービスに近いものに関心を持っているリードにアプローチができます。
・ディスプレイ広告
広告掲載枠のあるWebサイトのコンテンツ表示されるため広告です。Webサイトや動画サイトなどに、画像、動画、テキスト、テキストなどの形式で掲載します。
・Facebook広告
Facebook内で表示される広告で、ユーザー数の多さやターゲティングの精度が高いことがメリットです。
・YouTube広告
YouTube動画を再生している間に入り込む広告です。
リーチ数が多い点がメリットで、Googleデータを使ってエリア、年齢、性別などさまざまなキーワードでターゲティングできます。
下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
TECH+ではオンライン広告サービスも行っております。
・BtoB企業向けオンライン広告サービス
【7】3つの注意点
リード獲得単価を抑えるための3つの注意点をお伝えします。
ポイント(1)結果を分析する
リード獲得単価やKPIを設定した後は、必ず結果を分析しましょう。
今後改善の余地がある課題やマーケティングの方針や戦略などが分かります。適宜最適な対策を取ることで、リード獲得単価を抑えながらビジネスを拡大できます。
ポイント(2)獲得したリードを放置しない
リードを獲得したら放置しないようにしましょう。
メールアドレスや電話番号、住所、会社などの情報を獲得しても、その後時間が経ってしまうと変更されている場合があります。
部署異動で職責が変わったり、退職で連絡が取れなくなってしまう可能性もあるので、リードを獲得したらなるべく早く次のアクションを起こして育成、成約まで繋ぎましょう。
ポイント(3)常に適切なリード獲得単価を設定する
CVRを考慮した適切なリード獲得単価を設定しましょう。リードの定義によりCVRが異なり、適切な単価設定も変わります。
いくつかのリード獲得手法を試してみて、単価を最適化しながらどこに予算をかけるか見極めていくこともおすすめです。
【8】まとめ
リード獲得単価は、効果的にリードを獲得するために重要な指標です。ただし、適切な設定を行わないと、効果が見られず結果的に高いコストがかかってしまう場合があります。
KPI設定などを行い、適切なリード獲得単価を決めることが大切です。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。