リードナーチャリングには、メールやオウンドメディア、SNSなど様々な手法があります。
手法を知るだけだと、具体的なイメージが付かず実際にどう行ってよいかが分かりません。
そのため、実際にリードナーチャリングをして成功した企業の事例と、その手法を知る事によって自社のリードナーチャリングに活かすことができます。
下記の記事で、ここでは紹介できなかったリードナーチャリングの手法について詳しく解説しています。
・リードナーチャリングとは?メリットや効果的な手法、プロセスをご紹介!
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・BtoB企業向けリードナーチャリングサービス
リードナーチャリングはアメリカ発祥のマーケティング手法ですが、近年では日本でも注目を集めています。
その背景には、インターネットの普及により顧客の購入プロセスが多様化していることが関わっています。
これまでの購入プロセスはAIDMAが一般的だったように、顧客の購入プロセスは単純で予想しやすいものでした。
しかし現代では、検索を考慮したAISASモデルやSNSでの拡散を考慮したSIPS、口コミを起点として顧客行動を定義したVISASモデルなど、さまざまな購買プロセスが登場しています。
これらの顧客行動全てに対応するためには、リードの購買意欲を分析し、状況に合わせた長期的な関係性の構築が必要不可欠になってきました。
このことから、リードナーチャリングが重視される傾向が高まり、日本企業でもリードナーチャリング施策に取り組む企業が増えてきています。
リードナーチャリングは、これまで自社で保有していた名刺などの顧客情報を有効活用し、顧客との関係性を構築するのに有効な手段です。ここでは、実際にリードナーチャリングを実施している企業の成功事例を種類別で、効果的な施策の実施方法や得られた成果について紹介していきます。
自社でリードナーチャリングを実施する際の参考として、ぜひ活用してください。
株式会社マイナビでは、マーケティング部門、インサイドセールス部門、フィールドセールス部門の連携をより強化し、リードナーチャリングに成功しました。
行った具体的な取り組みとしては、2点です。
まず以前までは、資料を○件DLした方をホットリードと定義していましたが、マーケティング部門が、インサイドセールス部門に「どんなリードが商談に繋がったのか」をヒアリング、フィールドセールス部門に「顧客がどんなきっかけで商談を使用と思ったのか」をヒアリングし、ホットリードの定義を見直しました。
次に行ったのがリードのリサイクルです。BtoB商材の場合、市場にターゲットが少ないため、いつか頭打ちをしてしまいます。そのため、新規リード獲得ではなく、既に保有しているリードを中心にナーチャリングを行うマーケティング施策に変更しました。
上記の2つを実施することにより、商談数を前期の1.5倍ほど増加させる事に成功しています。
・インサイドセールスを設立しナーチャリングに成功した事例
NECは2009年から、マーケティング部門とフィールドセールス部門の連携にインサイドセールスを活かす取り組みを試行しており、2016年9月には全社プロジェクトとしてインサイドセールスの体制作りを拡大しています。
マーケティング活動の主軸をインサイドセールスに設定し、CRM部門からインサイドセールス部門、さらにフィールドセールス部門へスムーズに連携が取れるよう機能を強化している点が特徴です。
今まではリードに対して担当部署が電話でアプローチしたり、外部にナーチャリングを委託するなど会社内でも対応がバラバラでしたが、インサイドセールスを設立したことに伴い、リードへの対応を全て集約しました。
その結果、現在ではCRM本部に設置されているマーケティング部門とインサイドセールス部門が連携し、リードジェネレーションからリードナーチャリング、さらにリードクオリフィケーションまでを担当しています。
この過程を踏まえ、検討度が高まったリードをフィールドセールスに引き渡し、クロージング営業を行うことで効率的なマーケティング体制が実現しています。
出典:ネクスウェイ http://www.nexway.co.jp/case/scene/new_case23.html
・メールマーケティングによってナーチャリングに成功した事例
シンフィールドでは、展示会や自社開催のセミナーに加え、普段の営業活動などで取得した名刺に対してリードナーチャリングを実施しています。
ナーチャリング活動ではメールマーケティングをうまく活用しており、2週に1度のお役立ちメールで顧客との関係性を構築し、不定期でテキストメールによる引き上げ施策を実施しています。
引き上げ施策で送信するメールにはコンバージョンポイントとなるURLを記載し、URLをクリックしたリードに対しては電話によるフォローアップを実施することで、効率的な営業を実現しています。
引き上げメールに反応したリードは通常のテレアポに比べ反応が良く、アポイントの成功率が10~15%ほどと高い効果が出ています。
また、フォローコールはURLをリードがクリックした当日から翌日までには実施することで、リードの興味が薄れないうちにコミュニケーションを取っています。
リードの獲得から成約に至るまで、運用コストも抑えられていることから、費用対効果も高く中小企業でも活用しやすい点も特徴のひとつでしょう。
出典:メールマーケティングラボ https://mailmarketinglab.jp/case-study-of-leadnurturing-shinfield/
・コンテンツマーケティングによってナーチャリングに成功した事例
マックスプロデュースは企業総会や全社イベントなどのプロデュースサービスです。
年に数回の実施のため、ターゲットとなる幹事は通常別の業務に従事しており、しっかりした検討期間を設けない場合が多いことから、新規顧客の開拓にハードルを感じていました。
特にターゲット層は、イベントの開催に関しては初心者である場合が多いため、これまで依頼していた既存の外注先に依頼するケースが多い点も課題でした。
そこで自社コラムを解説し、イベント開催までの手順やノウハウを解説するコンテンツを通してリードナーチャリングを行うことで、幹事が情報収集する機会に自社を認知してもらえるような施策を実施しました。
幹事が求める情報をコラムを通して提供していくことで関係性を構築し、費用や会場のレイアウトなどの具体的な情報はホワイトペーパーで提供することで、効率的に新規リードを獲得することに成功しています。
獲得したリードは全社イベントの実施が確定している顕在顧客である場合が多いため、営業部門がアプローチをかけることで効率的に新規顧客を獲得できる体制が確立できました。
出典:Knowus https://knowus.41web.jp/blog/2017/02/26/112
・ブログマーケティングによってナーチャリングに成功した事例
イベントレジストは、イベントの作成や参加者の管理などをオンライン上で実施できるサービスを提供していますが、基本機能は無料で利用できることから、プレミアム機能の営業に課題を感じていました。
ターゲットとなる企業はイベントの開催日時がすでに決定している場合が多く、問い合わせが来た時点でプレミアム機能に関して時間をかけて営業する機会がないケースがほとんどでした。
そこで、リードとのコミュニケーション機会を問い合わせが来る前の「情報段階」に設けることを考え、その手段としてブログの活用を開始しました。
ブログの内容は担当者が疑問に感じている悩みや、イベント企画に関するノウハウを解説するお役立ち記事を中心にし、「いますぐサービスを利用したい」ではなく「とりあえず話を聞いてみたい」という問い合わせを増やすことを目的に運用しました。
結果として記事が100件ほど掲載されたことから問い合わせが増加し、見込み客数がブログの運用前と比較して7倍以上に増加しました。
出典:hubspot https://blog.hubspot.jp/7-effective-lead-nurturing-tactics
・MAツール、テレマーケティング、SNSによってナーチャリングに成功した事例
BtoBのソーシャルメディアを管理するプラットフォームサービスを提供しているOktopost Technologies社はメールや電話、SNSを通じたリードナーチャリングを実践しています。
まず、Eメールは自社商材のトライアル版を利用しているリードを使用前と使用中、さらに使用後(未購入)のセグメントに分類しMAツールを用いて、それぞれのセグメントに適切なコンテンツを配信しています。
さらにそこからホワイトペーパーのダウンロードなど、アクションを起こしたリードに対して電話でフォローアップを行うことで、受注率を高める取り組みを行なっています。
さらに、トライアル登録をしたリードに対し、SNSでコミュニケーションを取る手段もナーチャリング施策として実施しており、利用中の疑問などはSkypeなどのチャットツールでリアルタイムに解決する体制を整えています。
代表的なナーチャリング施策であるリターゲティング広告は、それぞれのニーズに合わせたコンテンツを提供することで、購入までのリードタイムを低減する目的で運用しています。
・ウェビナーによってナーチャリングに成功した事例
BtoB向けのソフトウェアを販売しているSAP社では、自社のソフトウェアプログラムであるSAP HANAの販売拡大を目的として、「SAP HANA Customer Spotlight Program」というプログラムを実施しています。
SAP HANA Customer Spotlight Programは既存顧客の導入事例を紹介するコンテンツの名称です。コンテンツは顧客への1時間のインタビューをもとに作られており、SAP HANAを導入したことでどのようなメリットがあったかをウェブキャストで紹介しています。
SAP HANA Customer Spotlight Programでは、コンテンツの発信に加えて隔週でリアルタイムで開催するイベントも実施しており、イベントでは参加者からの質問をチャットで受け付けることで、製品についての理解を深めてもらう工夫をしています。
なお、イベントは全て録画しておりオンデマンド機能を利用してユーザーがいつでも閲覧できるよう公開しています。
SAP HANA Customer Spotlight Programには2,600以上のユーザーが登録しており、このプログラムの運用を通してリードへ自社商材の魅力を十分に伝えることで、現在では10億ドルの売り上げを実現できるようになっています。
ナーチャリングに成功している企業には一定の法則があります。
ここでは、そのポイントをご紹介いたします。
獲得したリードのターゲティングができていないのか、商談化率が悪いのか、フィールドセールスの受注率が悪いのか、企業によって課題は様々です。
成功事例では、自社の課題に合わせてウェビナーの開催やブログによるコンテンツマーケティング、メールマーケティングなど様々な手法でナーチャリングを行っています。
課題によって行う施策、使用するツールが異なってきますので、成功した企業の事例を元に自社の課題を明確にすることがナーチャリングを成功する初めの一歩です。
下記の記事ではリードナーチャリングに効果的な手法について解説しています。自社に合ったナーチャリング施策をお探しの方は是非、参考にしてみてください。
・リードナーチャリングとは?知っておきたいナーチャリングの意味やプロセス、効果的な手法を解説!
成功事例を見て分かるように、ナーチャリングのためにインサイドセールスの立ち上げやブログ機能の導入など、社内にて継続してナーチャリングを行える体制を仕組化しています。
ナーチャリングはすぐに結果が出にくいため、社内のリソースを割く事を嫌う企業もいますが、しっかりと社内のリソースを割き、仕組みをしなければ結果はでません。
そのため、自社にて確保できる人員、仕組化をするために必要な費用などを予め決め計画的に行うことをオススメします。
ナーチャリングを実施するだけでは、商談率の向上、新規顧客の向上に繋がりません。
ナーチャリングに成功している企業は必ず、ホットリードの定義を明確にしています。この基準がなければ、最適なタイミングで顧客にアプローチができないからです。
一方で定義を見誤ると、商談率、受注率の低下につながるため、注意が必要です。
定義づけにはスコアリングを用いるのがオススメです。社内にて「どんな状態をホットリードとするか?」「定義見直しのタイミングはいつするか?」と話し合いをしましょう。
下記の記事でホットリードについて詳しく解説しています。
・ホットリードとは?意味や定義から効果的な5つの獲得方法まで解説
下記の記事でホットリードの定義を決める際のスコアリングについて詳しく解説しています。
・リードナーチャリングにはスコアリングが重要!点数を付ける項目とコツを大公開!
今回はリードナーチャリングの具体的な施策と6社の成功事例をご紹介させていただきました。
リードナーチャリングは多くのリードに効率的にアプローチすることができ、継続的なコミュニケーションを通じて購買意欲を高める手段として注目が高まっています。
メールマーケティングやSNSの運用、ホワイトペーパーの運用などさまざまな手段がありますが、効率的に成果を上げるためには、自社商材やターゲットに合わせて適切な方法を選択することです。
加えてリードの検討度をきちんと把握し、購買意欲が高まったタイミングで営業部署からクロージングできるよう、インサイドセールス部門と営業部門での細やかな情報共有が求められます。
是非、他社の成功事例を元に自社にあるナーチャリング施策を見つけていただければと思います。
しかし運用を自社で全て実施するのには、体制作りから運用方針の決定に至るまでの検討コストや、人員の確保が必要です。
もし自社で全ての対応が難しい場合は外部サービスを利用するのも選択肢のひとつでしょう。
Tech+ではBtoB向けのナーチャリング支援サービスを提供しています。自社のリードナーチャリングに課題を抱えている場合は、ぜひ一度ご相談ください。