広告戦略とは、マーケティング戦略「4P」のプロモーションに該当します。
・マーケティング戦略の4P
Product(製品) |
どのような商品を売るか |
Price(価格) |
商品をいくらで売るのか |
Place(流通) |
どのように商品を届けるか |
Promotion(販促) |
どのように商品を知ってもらうか |
プロモーション活動は商品の認知度を上げて需要を喚起し、購買促進するための活動です。つまり、広告戦略とはより多くの人に商品を知ってもらうための戦略を指します。
プロモーションの目的である認知拡大について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
下記の記事で認知拡大にについて詳しく解説しています。
・認知拡大とは?施策立案の方法からプロモーション施策まで解説
広告戦略には「クリエイティブ戦略」と「メディア戦略」があります。
クリエイティブ戦略では「クリエイティブで何を伝えるか」を考えます。
例えば、商品画像を中心にしたクリエイティブは認知拡大に効果的ですが、即座に購買してくれる顧客の獲得には向きません。顧客の購買を促進するためには、ポイントアップキャンペーンを打ち出したり、期間限定のタイムセールを開催したりするとよいでしょう。
このように「クリエイティブで何を伝えるか」で、広告の効果は大きく変わります。
マイナビの求人サービスでは「働くすべての人に寄り添い、転職を含めた働き方のすべてをサポートする」という思いを込めてキャッチコピーとクリエイティブを作成しています。近年、ストーリーを作成して共感を得ることが極めて重要になってきています。
メディア戦略では「どの広告媒体に掲載するか」を考えます。どの媒体に広告を掲載するかで、相手に情報が届けられるかが変わってきます。
マイナビが取り扱っている媒体で、わかりやすく解説しましょう。例えば「マイナビ子育て」に広告を掲載すれば、育児をしているママ・パパに情報が届けられます。
その一方で「マイナビTECH+」に広告を掲載すれば、ITに強い興味を持つユーザーに情報が届けられます。つまり、情報を届けたいターゲットが愛読している媒体を選ぶことが大切です。
広告媒体は大きく「マスメディア」「Webメディア」「交通メディア」に分類できます。どのような広告媒体があるか詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
下記の記事で広告媒体について詳しく解説しています。
・【2024年最新版】広告媒体とは?選ぶべき媒体が分かる!事例付き
広告戦略は7STEPで立てられます。
ここでは、各手順について詳しく解説します。
まずは、広告の目的を決めましょう。広告の目的を決めることで「広告媒体」「クリエイティブ」を決めやすくなります。各企業で広告の目的は異なりますが、以下のようなものがあります。
例えば「商品・サービスの購買促進」と「商品・サービスの認知拡大」では行う広告手法が異なります。そのため、最初に広告の目的を決めましょう。
次に広告の予算を決めましょう。広告の予算を決めることで、利用できる媒体が絞られてきます。広告の予算の決め方には、いくつか方法があります。
月間の売上目標に3.5%の割合をかけて広告予算を計算します。例えば、月500万円を売り上げたい場合は月17.5万円の広告費が必要です。この方法であれば、簡単に広告予算が立てられます。
売上から原価を含む販売コストを引き、損益分岐点を超えないように広告予算を立てれば、赤字を防げます。
顧客の平均リピート回数から広告予算を計算する方法もあります。例えば、顧客が年3回リピートしてくれる場合を考えてみましょう。新規顧客の月間売上が10万円の場合、リピート購入を含めた30万円分を広告予算に充てられます。
次にターゲットを決めます。自社商品を購入してくれる顧客の属性を明確にすることで「どのような広告媒体に掲載すべきか」「どのようなクリエイティブなら刺さるか」が定まります。ターゲットを決めるときはモデル像(ペルソナ)があると、マーケティング部門での認識ズレがなくなるため描いておくようにしましょう。
・ペルソナ像
氏名 |
田中 花子 |
性別 |
女性 |
所在地 |
東京都 |
家族構成 |
夫、子ども(6歳) |
年収 |
1,000万円 |
学歴 |
大卒 |
悩み |
産後太りの悩みを抱えている |
ライフスタイル |
リモートワークでほぼ運動しない |
価値観 |
結果を重視する すぐに結果が出ないとモヤモヤする |
ペルソナ像の設定方法について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
下記の記事でペルソナ像について詳しく解説しています。
・ペルソナとは?概要から"4STEPでできる作成手順"まで解説!
ターゲットを定めたら、顧客が商品の存在を知ってから購入に至るまでのプロセスを図式化しましょう。カスタマージャーニーマップを作成すれば「認知」「理解」「検討」「商談」「購入」の段階で、どのような広告でアプローチすれば良いかわかるようになります。
下記の記事でカスタマージャーニーマップについて詳しく解説しています。
・【5分で作り方が分かる】カスタマージャーニーマップとは?事例付き
次に広告媒体を決めます。広告媒体の特徴を理解した上で最適なものを選ぶようにしましょう。
オフライン |
オンライン |
|
メリット |
不特定多数の人に訴求できる ブランドイメージが向上する |
細かなターゲティングができる 効果測定ができる 広告費用が安い |
デメリット |
費用が高い 効果測定が難しい |
ブランドイメージが落ちる恐れがある 広告運用のノウハウが必要 |
例えば、マスメディアや交通メディア、Webメディアも特徴は異なります。
テレビや新聞などのマスメディアを使用すれば、不特定多数の人に訴求できます。各機関の広告審査を通過しなければいけません。また広告費用も高いため「テレビ広告が打ち出せる企業の商品なら安心して購入できる」とブランドイメージを向上させられます。
その一方で、少額の予算で始めやすいのがWebメディアです。細かなターゲティング、改善もしやすいですが、ノウハウがないと誤った箇所に広告が配信されてしまい、ブランドイメージが毀損する恐れがあります。
下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
下記の記事でオフライン広告について詳しく解説しています。
・オフライン広告とは?オンライン広告の違いや12種類の施策費用まで紹介!
次に広告クリエイティブを作成します。広告クリエイティブを作成するときに大切なことは4つです。
広告デザインが描けないという方でも、デザインツールやテンプレートを使用すれば、プロ顔負けのデザインを制作できます。
広告戦略は練り直すことが大切です。広告を掲載して一定の期間が経過したら、効果検証しましょう。目標数値を達成できている場合は、別の施策を組み合わせて、更に販路を拡大させます。
しかし、目標数値を達成できていない場合は、どこに問題があったか振り返って、広告媒体の選定やクリエイティブ作成を見直しましょう。効果検証して改善することで目標が達成できるようになります。
広告戦略の立て方をご紹介しましたが、成果を出すための4つのポイントを押さえておきましょう。
広告戦略を立てるときは、イメージを統一させることが大切です。
「広告」「販促物」「商品パッケージ」「店舗の雰囲気」「接客・言葉づかい」など一貫性が保たれていないと、会社の存在を忘れられてしまい、広告を掲載しても成果が見込めません。
イメージを統一することで、多くの人に商品・サービスを覚えてもらえるようになります。そのため、会社のイメージやコンセプトなどを参考にしてイメージを統一するようにしましょう。
相手に刺さるクリエイティブを作成するためには、要点を明確にすることが大切です。そのため、クリエイティブ作成前にフレームワークを活用して要点を整理しましょう。
3C分析 |
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)を分析する ⇒自社の強みを明確にできる |
STP分析 |
Segmentation(市場細分化)、Targeting(ターゲットとする市場の選択)、Potisioning(自社の立ち位置の明確化)を分析する ⇒自社のポジショニングを明確にできる |
PEST分析 |
Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の外部環境を分析する ⇒自社に影響を与えそうな外部環境を洗い出せる |
5Forces分析 |
競合他社や業界の収益構造を調べて、自社の利益が伸ばせるか分析する ⇒自社の伸びしろを測定する |
広告戦略はノウハウを蓄積していくたびに成果を上げていけます。そのため、広告に関する書籍を読んだり、セミナーに参加をして学習したりしましょう。
マイナビBOOKでは、Webマーケティングや広告に関する書籍を出版しています。もし、ご興味がある方は本を読んでみてください。
また、下記の記事ではBtoBマーケティングにおすすめの本をピックアップしています。
下記の記事でBtoBマーケティングにオススメの本ついて詳しく解説しています。
・【2023年版】BtoBマーケティングにおすすめの本10選
広告戦略を練る上では他社の成功事例を参考にするのもおすすめです。なぜなら、他社の成功事例を参考にすれば、どのような広告が響くのか具体的にイメージでいるようになるためです。また、クリエイティブ作成に悩んだときのアイデアにもなります。そのため、他社の成功事例をチェックするようにしましょう。
広告戦略の立て方をご紹介しましたが「成功事例を参考に戦略を練りたい」「初めて広告を掲載するためノウハウがない」というお悩みを抱えたら、支援会社へ相談しましょう。
支援会社は広告運用の成功事例を豊富に持っているため、どのような戦略であれば成果が出せるかアドバイスをくれます。また、広告戦略の立案だけでなく、広告作成や広告運用もお任せすることが可能です。
マイナビでは、BtoBマーケティング支援サービスを提供しています。広告戦略の立案から実行、改善まで伴走型でサポートします。ぜひ、マーケティング支援会社に相談したい方は、お気軽にご相談ください。
広告戦略を練り成果を出している企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか?ここでは、広告戦略の成功事例をご紹介します。
引用:『資生堂』
資生堂は広告戦略により、新商品シャンプーTSUBAKIの知名度を上げることに成功し、たったの2週間でトップブランドに君臨しました。TSUBAKIが登場して10年以上経過していますが、現在でも資生堂のロングセラー商品となっています。
TSUBAKIのプロモーションはテレビCMで行われました。大人気アーティストの新曲をBGMで流し、黒髪が似合う女優さん6名を起用したことで注目を集めることに成功しました。テレビCMの中では「日本の女性は美しい」というキャッチコピーを流し、「髪のダメージケアをして女優さんのような艶髪になりたい」という欲求を刺激。
そして、1人でも多くの人にTSUBAKIを購入してもらえるように、ドラッグストアに大きなポスターを貼ったり目立つ場所に商品を陳列したりして、トップ商品となりました。
資生堂は宣伝・デザインが上手く、数々の賞を受賞しているため、気になる方はクリエイティブのチャックをしてみることをおすすめします。
引用:『スシロー』
スシローは全国531店舗を運営し、1年間の来店客数は約1億5,000万人と勢いがある飲食店です。多くのお客様に来店してもらえる理由は「今日は外食しよう」と考えたときに「すし=スシロー」と存在を思い出してもらえるような広告戦略のためです。スシローの広告戦略はファンコミュニケーション。
SNSで、どれだけスシローに関する投稿をしてもらえているかを常に確認しています。そのため、プロモーション活動では話題になりそうなものを選んでいるのです。
例えば、国民的お菓子の「きのこの山」「たけのこの山」とコラボレーションして話題を集めたり、人気アニメのノベルティを作成して話題を集めたりすることに成功しています。
引用:『SmartHR』
株式会社SmartHRは登録社数60,000社以上の労務管理クラウドサービスSmartHRを提供している会社です。同社は広告戦略で指名検索数を1年で2倍に伸ばすことに成功しました。
2019年頃あたりから、労務管理クラウドサービスの競合他社が増えて、機能や価格で比較されるようになったことに悩んでいました。機能や価格で差別化が難しくなってきたため、機能価値の訴求から情緒的価値の訴求へ転換し、顧客獲得に成功しました。
引用:『SmartHR』
俳優の木梨さんと伊藤さんを起用したテレビ広告では、労務管理クラウドサービスで業務効率化して、煩雑な業務から解放される喜びが表現されています。このテレビ広告は共感を呼び、シェア獲得に成功したのです。
製品の認知拡大と企業ブランディングを行うために、広告戦略を立案。一般的な商品やサービスを紹介する広告と差別化を図るために、アンケートを実施。
定量的なデータを元に説得性を持たせ、読者が共感できる読み物のようなコンテンツを作成し、「ハイブリッドワークに最適な製品を販売している会社」というブランディングを実現することができました。
「将来の夢」をテーマに、子どもたちに指定した文具を使って絵を描いてもらい、その絵をInstagramに投稿するキャンペーン企画を実施。
参加したコンテストのほぼ全員が、使用後のアンケートで文具の使用感に満足していると回答。
また、キャンペーン期間中には多くの人がSNSに投稿し、話題醸成を行えうことができました。
広告戦略とは、マーケティング戦略「4P」のプロモーションに該当し、「クリエイティブ戦略」と「メディア戦略」があります。ターゲットに刺さる広告を打ち出すためには、以下のような手順で計画を立てるようにしましょう。
この記事を読んでも広告戦略を立てるのが難しいと感じた場合は、マイナビにご相談ください。お客様の要望をお聞きした上で最適な広告戦略を提案させていただきます。