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【入門者向け】DSPとは?仕組みからDSP広告までご紹介!

作成者: 【TECH+マーケティング責任者】武本 大平|Nov 24, 2022 7:27:18 AM

【1】DSPとは

DSP(Demand-Side Platform)とは、広告主が複数の広告在庫(Webサイトにおける広告スペース)の買い付けや入札、ターゲティング、掲載面などを一括管理できるようにするツールのことです。

運用型広告を運用する際に有効なツールで、DSP上でターゲティングや予算設定、クリエイティブの出稿などの基本操作をするだけで、自動で広告効果を最大化する配信が実施されます。

運用型広告の説明についてはこちら!

下記の記事で運用型広告について詳しく解説しています。
運用型広告とは?メリットや種類、導入時のポイントを解説!

【2】DSPとアドネットワーク・ディスプレイ広告SSPの違い

DSPと混同されることが多いのが、アドネットワーク・ディスプレイ広告・SSPの3つです。ここからは、それぞれの違いについて解説します。

1.アドネットワークとの違い

アドネットワークとは、広告枠のあるWebサイトやアプリ、SNSなどを集約した広告配信管理システムです。広告主はアドネットワークを利用すれば、複数の広告媒体に一括で広告配信できます。

アドネットワークの場合、そのアドネットワーク内にある広告媒体にしか広告は配信できません。一方、DSPは複数のアドネットワークを横断して、最適なタイミングで、最適なユーザーに広告を届けられるのです。

こちらの記事も要Check!

下記の記事でアドネットワークについて詳しく解説しています。
アドネットワークとは?仕組みやメリット、代表的な媒体を6選ご紹介!

 

2.ディスプレイ広告との違い

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ内にある広告枠に、画像や動画などで表示する広告のことです。ディスプレイ広告が広告の種類であるのに対し、DSPはディスプレイ広告の運用を最適化するツールとなります。

 

ディスプレイ広告についてはこちら!

下記の記事でディスプレイ広告について詳しく解説しています。
ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットなどの特徴、効果を解説!

 

3.SSPとの違い

DSPの理解を深めるうえで、SSPの知識は欠かせません。SSP(Supply-Side Platform)とは、媒体の広告枠の販売や広告収益の最大化を支援するツールです。SSPを導入すれば、収益性の高い広告の自動選定と配信ができるようになります。

DSPが広告主の収益を最大化するツールであるのに対し、SSPは広告媒体の収益を最大化するという違いがあります。

 

SSPについてはこちら!

下記の記事でSSPについて詳しく解説しています。
SSPとは?仕組みやDSPとの連携方法など詳しくご紹介

 

【3】DSPの仕組みと誕生の背景    

アドネットワークの誕生で、広告主は多くのWebサイトに一括で広告を配信できるようになりました。しかし、多くの媒体に広告を配信しても、自社と関連性の低いユーザーばかりにリーチしていては、事業成長につながる結果は出ません。

そこで広告主は広告パフォーマンスの向上を目指し、入札単価やオーディエンスターゲティング、配信面などの最適化を望みますが、これらを人の手で行うのは不可能です。そこで誕生したのがDSPとなります。

DSPの登場により、広告配信する媒体やオーディエンス、入札単価などの最適化が自動で行えるようになったのです。それでは、DSPはどのような仕組みで機能しているのでしょうか。

ユーザーが広告枠のあるWebサイトに訪問すると、ユーザー属性や行動履歴などをもとに、WebサイトがSSPに広告リクエストを送信します。リクエストを受信したSSPは、複数DSPに広告オークションの実施を要請。各DSPがSSPにオークション結果を送信し、SSPは入札額やクリエイティブの品質などを分析します。配信する広告が決まったら、Webサイトに結果を伝えます。この一連の流れが、0.1秒位以内に実施されます。

【4】DSPのメリット

DSPを使うメリットは以下の通りです。

  • オーディエンスに基づいたターゲティングができる
  • 類似ユーザーにもアプローチできる
  • 広告効果の最適化を見込める

それぞれのメリットをご紹介しましょう。

1.オーディエンスに基づいたターゲティングができる

DSPを活用すれば、GoogleやYahoo!広告では設定できない、詳細なターゲティングでユーザーにリーチできます。

例えば、BtoB企業が通常のディスプレイ広告ターゲティングで効果的に見込み客にリーチするのは困難ですが、DSPならIPアドレスの照会で特定の企業に広告を配信できるようになるのです。ピンポイントでの広告配信が可能になるため、認知度の拡大やコンバージョン率の増加に期待できます。

2.類似ユーザーにもアプローチできる

DSPは自社サイトの訪問ユーザーはもちろん、コンバージョンユーザーと属性や行動、興味関心が似たユーザーにも広告配信できるため、コンバージョン率の改善に期待できます。

3.広告効果の最適化を見込める

DSPを導入すれば、機械学習がユーザーの行動履歴を分析し、コンバージョン率が最大化されるように入札単価や配信量などを自動調整します。広告効果の最適化を実現できるほか、運用担当者の業務負担が軽減されるため、クリエイティブの改善に注力できるようになるのです。

【5】DSPのデメリット

DSPには次のようなデメリットがあります。

  • 初期費用がかかる
  • 配信先の透明性が低い

それぞれのデメリットを考慮したうえで、DSP導入の検討をしましょう。以下では、DSPのデメリットについて解説します。

1.初期費用がかかる

検索連動型広告やSNS広告など初期費用無料で開始できるWeb広告が多い中、初期費用が発生するDSPが多くあります。また、毎月の最低出稿金額が指定されているDSPもあり、その額は数十万円に及ぶため、予算に余裕がない企業は利用が難しいかもしれません。

2.配信先の透明性が低い

広告の配信先を明示していないDSPサービスはいくつかあります。配信先が不透明な場合、自社と関連性の高いユーザーにリーチできるのか、ブランド毀損リスクにつながるサイトに配信されているのかどうかの判断がつきません。DSPの選定段階で、配信先を尋ねておくといいでしょう。

 

【6】DSPを導入時の手順             

ここからは、DSP導入の手順を解説します。

1.目的の明確化

DSPを導入する最大のメリットは、細かなターゲティング設定により、特定のユーザーにピンポイントでアプローチできるようになることです。このターゲティング精度を活かすためには、広告運用の目的を明確にしたうえで、ペルソナとカスタマージャーニーを作成しましょう。

ペルソナとは、自社製品を使う典型的な顧客像のことで、一人の具体的な人物が思い浮かべられるまで詳細に設定します。ペルソナを作成したら、必要なターゲティング機能が判明します。また、ペルソナのカスタマージャーニーを作成することで、ペルソナとの接点が明らかとなり、広告の配信先の選定に役立つのです。

まずは目的・ペルソナ・カスタマージャーニーの3つを明確にしましょう。

 

ペルソナの詳細はこちら!

下記の記事でペルソナについて詳しく解説しています。
ペルソナとは?メリットや作成手順をたった4ステップで解説!

 

カスタマージャーニーの詳細はこちら!

下記の記事でカスタマージャーニーについて詳しく解説しています。
カスタマージャーニーマップとは?必要性や作成手順、事例まで解説

 

2.各社DSP広告の比較

DSPと一口に言っても、DSP広告の種類によって強みや弱みが異なります。特に、対応デバイスとターゲティング方法は要チェックしましょう。DSPの中には、スマートフォンもしくはPCのみにしか配信できないものがあります。両デバイスに配信できたとしても、ターゲティング精度や配信量などに偏りが生じることは少なくありません。

また、ターゲティング手法は各DSPの違いが顕著になる部分です。やはり顧客理解を深めたうえで、ペルソナを作成し、ペルソナに合ったターゲティングと対応デバイスを提供するDSPを選定する必要があります。

【7】オススメのDSP広告一覧

ここからは、DSP選定で悩んでいる企業担当者に向けて、おすすめのDSP広告8選の特徴をご紹介します。

1.MicroAd BLADE 

 

MicroAd BLADEとは、サイバーエージェントのグループ会社マイクロアドが運営するDSP広告サービスです。国内最大級のユーザーデータを保有するMicroAd PIXELと連携しており、高精度のAIがユーザーデータを分析し、最適なターゲットに広告を配信します。また、静止画や動画、ネイティブアド、ダイナミックバナーなどのあらゆるフォーマットに対応。認知度の拡大や売上アップなどの目的を支援してくれるでしょう。

2.ADMATRIX DSP

出典:ADMATRIX DSP

ADMATRIX DSPは、BtoB企業向けのDSPです。国内で初めて動的IPアドレスの特定する技術を用いて、中堅・中小企業を含むあらゆる企業に向けて、ピンポイントで広告配信ができます。そのほか、オーディエンスやリマーケティング、天気連動配信などの豊富なターゲティング手法が用意されています。

ネイティブアドや動画広告、リッチアドなど様々な形式のクリエイティブに対応。国内の主要なSSPとRTB取引接続をしているため、多くのユーザーにリーチ可能です。BtoB企業におすすめのDSPと言えます。

3.Red

出典:株式会社フリークアウト

Redは、国内初の独立系DSPベンダーである株式会社フリークアウト提供のプラットフォームです。月間約8,500億インプレッションの広告在庫を保有しており、モバイル・PC・コネクテッドテレビに対応しています。

また、最先端の機械学習を搭載しているため、ターゲットに最適な媒体に広告を配信することが可能です。対応クリエイティブは、バナー広告やネイティブ広告、動画広告、ダイナミックリターゲティング広告、アプリプロモーション広告となります。

4.Criteo

出典:Criteo

Criteoはフランスのパリで創業したDSPのグローバル企業です。2014年の時点で、月のリーチ数9億2,400万を達成しています。これはGoogleディスプレイネットワークに次いで2番目に多い数字となりました。

Criteoの強みは、高精度のターゲティングです。特に、膨大なユーザーデータをAIが分析し、自動的に確度の高い見込み客のみにターゲティングをする「類似オーディエンス」は、コンバージョン率の最適化に貢献します。新規顧客の獲得が目的なら、Criteoが有効な選択肢となるはずです。

5.Amazon DSP

出典:Amazon DSP

Amazon DSPは、Amazonが提供するDSPであり、Amazon内外で最適なユーザーに広告を配信できるようになります。Amazon内で商品を出品していなくとも、利用することは可能です。ディスプレイ広告と動画広告のほか、音声広告を出稿できる特徴があります。

また、爆発的に成長を見せているライブストリーミング市場のリーダー各Twitchに広告配信できるのは大きな魅力です。若年層へのリーチや新規顧客の獲得が目的なら、Amazon DSPが向いています。

6.MarketOne

出典:MarketOne

MarketOneは、広告主の要望に柔軟に応じて広告を配信するDSPです。国内外のSSPと連携しており、主要Webメディアへの配信だけではなく、TVerやGYAO、Spotify、radikoなどの動画・オーディオ媒体を買い付けして配信することもできます。

また、国内最大級のDMPと連携することで、多彩なデータを組み合わせ、広告主のニーズに最適なターゲティングや買い付けを実施。アドフラウド対策やブランドセーフティ対策にも取り組んでいるため、安心して広告配信ができるでしょう。

7.ScaleOut

出典:ScaleOut

ScaleOutは、スマートフォン向けの広告配信において国内最大級のシェアを誇るDSPです。グループ会社や協力会社と密な連携をすることで、信頼性の高い豊富なデータを蓄積しており、緻密で確実なターゲティングができる点が強み。

また、広告主が保有する独自データと連携すれば、既存顧客へのアプローチだけではなく、ScaleOutの保有データとかけ合わせたセグメント配信も可能となります。広告在庫は約2,200億インプレッションのため、多くのユーザーに広告を届けられるでしょう。

8.AD delivery

出典:cinarra

AD deliveryは、株式会社cinarraが提供するDSPです。通信キャリアデータの活用による位置情報ターゲティングが大きな特徴。居住地や平日活動エリア、鉄道などでターゲティングできます。年代別や趣味嗜好、生活リズムなどでのターゲティングにも対応しています。

また、電波強度・営業時間帯・滞在時間の3つで来店計測できるため、広告効果を店舗集客という面で可視化できるのです。店舗集客が目的の場合におすすめのDSPです。

【8】まとめ                

DSPを導入する最大のメリットは、詳細なターゲティング設定により、特定のユーザーにピンポイントでリーチできることです。

この強みを生かすためには、具体性の高いペルソナ作成が欠かせません。DSPを導入する場合は、ペルソナを作成して、各DSPの機能やコストを比較しましょう。

そうすることで、適切なユーザーに広告を届けられるようになります。