【入門編】アカウントマネジメントとは?意味や重要性、成功させる2つのポイントをご紹介
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2023.01.31]
【1】アカウントマネジメントとは
ここでいう「アカウント」とは顧客を意味しています。マネジメントは管理、運営のことです。アカウントマネジメントでは、顧客の課題を解決するための提案を行い、課題解決に導きます。顧客と近い立場で顧客と一緒にビジネスを成功に導く、というのがアカウントマネジメントの考え方です。
1.アカウントマネージャーとの違い
アカウントマネージャーは、アカウントマネジメントを牽引する担当者のことをいいます。アカウントマネジメントは自社の商品・サービスではなく、顧客の課題解決にフォーカスしています。
そのため、アカウントマネージャーは誰でもいいというわけではなく、ヒアリング力、提案力、コミュニケーション力など総合的なスキルを兼ね備えた人材を選ぶことが重要です。
2.アカウントエグゼクティブとの違い
アカウントエクゼクティブは、新規顧客の開拓業務を牽引する担当者のことです。見込み顧客であるリードにアプローチし、リードから顧客へと変える役割を担っています。アカウントエグゼクティブが獲得した新規顧客をアカウントマネージャーが引き継ぎ、長期的な顧客との関係を管理します。
【2】アカウントマネジメントの業務内容
アカウントマネジメントの目的は顧客との関係構築・発展です。アカウントマネジメントでは以下のような業務内容が該当します。
- 営業戦略の立案
- プロモーション施策の提案
- マーケティング施策の提案
- 顧客のフォロー
業種や会社によって追加で発生する業務もあり、アカウントマネジメントの業務は多岐に渡ります。
【3】アカウントマネジメントの重要性
アカウントマネジメントが重要視されている背景には、顧客ニーズの多様化があります。今では、インターネットの普及に伴い人々のニーズが多様化し、インターネットを使って誰でも気軽に商品やサービスについて調べることができるようになりました。
多様化する顧客ニーズに応えるためにも、顧客ごとの課題やニーズを正確に把握する必要があります。そのため「自社商品・サービスを買って終わり」という従来の営業から「顧客の課題を解決するためには何をすべきか」という、長期的な顧客との関係を重視した営業に切り替え始めている企業も少なくありません。
また、インサイドセールスに取り組む企業が増えていることも要因として挙げられます。インサイドセールスでは専門性の高い少数精鋭のメンバーを配置することで、高い営業力を担保しています。そのため、契約後の顧客フォローも専門性を持った人材・部署が取り組む必要があるのです。
【4】アカウントマネジメントを実施する3つのメリット
アカウントマネジメントを実施することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここではアカウントマネジメントを実施する3つのメリットを紹介します。
1. 営業やマーケティング活動を最適化できる
アカウントマネジメントではターゲットとなる顧客に合わせた施策を展開するため、営業やマーケティング活動を効率的に実施できるのがメリットです。顧客の目的やニーズをもとにやるべきことを整理し、業務活動を最適化できます。
また、PDCAを回す際もABテスト等の効果測定や改善がしやすく、精度の高い業務につなげることができます。アカウントマネジメントで蓄積された知識やノウハウは、似たような課題や悩みを抱える企業に活かすことが可能です。ノウハウを蓄積することで、営業・マーケティング業務のさらなる効率化につながります。
2. 利益(LTV)を高めることができる
LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で、顧客が生涯を通して企業にもたらす利益を数値化したものです。
アカウントマネジメントでは顧客の課題やニーズを抽出し、それらに合った自社の商品・サービスを提供します。アップセルやクロスセルにつなげやすいため。自社のLTVを向上させることが可能です。
3. 顧客との良好な関係性を保てる
顧客との良好な関係性を保てるのも、アカウントマネジメントを実施するメリットの一つです。顧客にとってアカウントマネージャーは「自社の良き理解者」です。アカウントマネジメントでは顧客の課題を正確に把握した上で提案するため、顧客からの信頼を向上させるのに役立ちます。
継続的に顧客のニーズに応えた施策を実施できれば、顧客と長期的に良好な関係を築くことができ、安定した業績につながります。
【5】アカウントマネジメントを成功させる2つのポイント
アカウントマネジメントはただ実施すればいいわけではありません。アカウントマネジメントを実施する際のポイントを把握し、効率的に実施していく必要があります。アカウントマネジメントを成功させるためのポイントは以下の2つです。
- 目標設定を明確に行う
- コミュニケーションを頻繁に取る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標設定を明確に行う
まずはアカウントマネジメントの目標を決めましょう。目標を設定することで、活動の進捗度が明確になり、現状に応じて施策や改善案を立てやすくなります。時間をかけてでも、曖昧な目標ではなく明確な目標を決めることが重要です。
アカウントマネジメントの場合、いつまでにどのような状態にしていくかを決めます。短期営業とは異なり、アカウントマネジメントは長期間に渡ります。期間は業界によって異なりますが、平均的に1〜2年が目安とされています。
また、目標を設定する際は自社の利益を優先させるのではなく、どのようにすれば顧客の課題を解決できるのかを考えることが大切です。
コミュニケーションを頻繁に取る
アカウントマネジメントでは顧客とのコミュニケーションが非常に重要です。顧客にとって最適な提案を行うためにも、顧客の状況をしっかりとヒアリングしなければいけません。
顧客からの情報や指示を待ってから動く受身の姿勢ではいけません。定期的に連絡したり訪問したりするなど、顧客との接点を増やすようにしましょう。ただし、時期によって繁忙期など忙しいタイミングもあるため、顧客の都合や状況を見てコミュニケーションを取ることも忘れてはいけません。
また、アカウントマネジメントは顧客とのコミュニケーションだけでなく、担当部署、関係部署との連携をスムーズに進めることが大切です。顧客のニーズや活動進捗などを共有することもコミュニケーションの一環に入ります。
【6】アカウントマネジメントの実行に求められるスキル
最後に、アカウントマネジメントを実行する上で必要なスキルを詳しく見ていきましょう。
ヒアリング力
顧客の現状・課題を把握するうえで、ヒアリング力は重要なスキルです。ヒアリングなくして最適な解決策は提案できません。
顧客の課題やニーズを引き出すためにも、顧客が話しやすい雰囲気を作ったり、質問を投げかけたりするなどのスキルが求められます。また、適切なヒアリングを行うことで現状の課題だけでなく潜在的な課題を洗い出すことが可能です。
提案力
提案力とは、データから課題を発見する力、提案を考える力、論理的に説明するスキルのことです。顧客によって課題やニーズは様々。ヒアリングで得た情報をもとに、いかにして顧客を課題解決に導いていくかが重要です。
顧客の現状、業界、課題など理解したうえで、分かりやすく伝える能力が求められます。
推進力
立案・提案だけでなく、施策を推し進める力も重要です。ビジネスにおいてはスピーディーな意思決定が求められます。顧客の課題を解決するためにはまず行動を起こし、結果を調節し、効率よく解決していかなければいけません。
俯瞰力
俯瞰力とは、広い視野をもって物事や思考を眺められるスキルのことです。アカウントマネジメントでは、企業全体の目標を基準に最適な提案をおこなったり、競合企業やトレンド情報も常に把握しなければいけません。
1つの考え方に固執せず、広い視野を持って物事に取りくむ柔軟性が求められます。
【7】まとめ
今回の記事では、アカウントマネジメントについて紹介しました。顧客のニーズが多様化する中で、アカウントマネジメントは重要な業務の一つと言えます。アカウントマネジメントを実施することで、営業やマーケティング活動の最適化、LTVや売上の向上といったメリットがあります。アカウントマネジメントを成功させるためには、
- 目標設定を明確に行う
- コミュニケーションを頻繁に取る
などを組織的に行っていくことが重要です。また、顧客に適切な商品・サービスを提供していくためにも、自社が貢献できるターゲットに絞り込むことが重要です。
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【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。