BtoB(Business to Business)は企業間取引を意味します。つまり、BtoB広告とは企業の経営者や管理職など決裁権を持つ人をターゲットに訴求する広告をいいます。
BtoBビジネスの営業プロセスは長いため、マーケティング部門は営業部門やカスタマサポート部門と連携し合うことが大切です。
【BtoBビジネスの営業プロセス】
また、BtoB広告は目的で施策内容が変わります。比較・検討段階の顕在層へのアプローチに向いている広告と、自社商品を知らない潜在層へのアプローチに向いている広告があります。したがって、自社に見合うBtoB広告を選ぶことが大切です。
下記の記事でBtoBマーケティングについて詳しく解説しています。
・【完全版】BtoBマーケティングとは?全体プロセスから成功事例まで徹底解説!
BtoB広告 |
BtoC広告 |
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取引相手 |
企業 |
個人 |
重視されること |
費用対効果 |
趣味・嗜好 |
訴求方法 |
根拠を示す 魅力を伝える |
感情に訴えかける |
購入決定者 |
複数名 |
個人 |
成約に至るまでの期間 |
長期間 |
短期間 |
BtoC(Business to Consumer)とは個人との取引を意味します。つまり、BtoC広告は一般消費者向けにアプローチする広告を指します。
BtoB広告とBtoC広告の違いは上記の表の通りです。
BtoBビジネスの場合は、取引相手が企業で複数名の方の承認を得て契約してもらえます。そのため、成約に至るまで期間がかかり数か月になることもあります。
相手は製品を導入すると、どのような効果が得られるかに興味を持っているため、費用対効果が見込めるかどうかを説明しなければいけません。それらの根拠を示しながら、魅力を伝えることがBtoBビジネスでは重要となります。
このように、BtoB広告とBtoC広告には違いがあることを理解しておきましょう。
BtoB広告の種類は「オフライン広告」と「オンライン広告」に分類されます。オフライン広告とオンライン広告のどちらが良いかは以下の表を参考にしてみてください。
メリット |
デメリット |
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オフライン広告 |
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オンライン広告 |
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オフライン広告とはインターネットを介さない広告です。オフライン広告は5種類に大きく分類できます。
ここでは、それぞれの広告の特徴について簡単に説明します。
マスメディア広告とは「テレビ」「ラジオ」「新聞」「雑誌」の4媒体に掲載する広告をいいます。広告業界では「4マス広告」と呼ばれることも多いです。
マスメディア広告を配信すれば、不特定多数の視聴者に向けてアプローチできます。幅広い世代の視聴者に見てもらえるため認知度アップが期待できます。
また、マスメディア広告の掲載審査は厳しく、どの企業も広告掲載ができるわけではありません。このような特徴を持つマスメディアに広告を掲載すれば、企業イメージの向上も期待できます。
屋外広告とはビル壁面やロードサイトに掲示できる看板などをいいます。新商品の宣伝や認知度アップ、店舗誘導の効果が見込めます。
屋外広告は反復訴求ができるため、通行料が多い場所や人々に日常的に利用されている場所に掲示されることが多いです。インパクトのある看板を掲示すれば、通行人の目に留まり、SNSに書き込みされて波及効果が見込めます。
また、エリアを絞り込むことができるため、エリアプロモーションができることも屋外広告の魅力です。
交通広告とは、交通機関(電車・地下鉄・バス・新幹線・タクシー)などに掲示する広告をいいます。社内の中吊りや窓ステッカー、駅構内のデジタルサイネージ、車体ラッピングなど種類が豊富です。
通勤や通学などで日常的に利用する交通機関に広告を掲示すれば、知名度の低い商品の認知度を上げられます。とくに、通勤や通学の時間は同じであるため、反復訴求できることが交通広告の魅力です。それだけでなく、交通広告を掲示できる企業だと信頼が得られます。
下記の記事でタクシー広告について詳しく解説しています。
・タクシー広告とは?種類やメリットから出稿手順、ポイントまで徹底解説!
展示会とは、新製品や新サービスをPRするためのイベントをいいます。展示会のテーマが決められており、関連製品や関連サービスの開発会社が出展します。来場者も展示会のテーマに興味・関心を持っているため、展示会に出展すれば優良顧客になり得る顧客と出会えることが魅力です。
また、展示会の魅力は相手と接触できて、新製品や新サービスを体験してもらえます。見込み顧客の獲得だけでなく、営業活動ができることが展示会の魅力となっています。
下記の記事で展示会について詳しく解説しています。
・展示会とは?メリットから出展手順と成功のポイントまで徹底解説!
ダイレクトメールは、宣伝目的で企業宛てに送る印刷物をいいます。ダイレクトメールは「はがき」「封書」が選べて、紙のサイズやデザイン、内容を自由に決められます。
特定の顧客のみにダイレクトメールを送れば、特別感を演出することも可能です。気持ちを込めるほど大切な顧客であると伝えられます。
また、顧客からのレスポンスをもらいたい場合は、返信用ハガキを同封すると返信がもらいやすくなります。インターネット広告ではリーチできない層にアプローチできるとして利用されている広告です。
オンライン広告とはインターネットを介する広告です。オンライン広告は6種類に大きく分類できます。
ここでは、それぞれの広告の特徴について簡単に説明します。
出典元:『Yahoo!JAPAN広告』
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索結果に表示されるテキスト形式の広告です。別名「検索型連動広告」と呼ばれます。
検索エンジンでキーワード検索するユーザーは「〇〇を購入したい」「〇〇へ行きたいなど」のニーズを持っています。このようなニーズを持つ顕在層に訴求することを得意としている広告です。上手く広告運用していけば、受注確度が高い顧客を獲得できて売上アップなどが期待できます。
下記の記事でリスティング広告について詳しく解説しています。
・リスティング広告とは?特徴や運用のやり方、成功事例を全て解説!
ディスプレイ広告とは、GoogleやYahoo!JAPANが提携するメディアの広告枠に表示される広告をいいます。テキストだけでなく画像や動画も使用できるため、視覚的に訴えかけられて認知度拡大の効果が見込めます。
ディスプレイ広告は、潜在層に訴求することを得意としている広告です。潜在層とは「商品やサービスを知らないユーザー」「興味はあるけれど、具体的に調べていないユーザー」をいいます。さまざまなメディアの広告枠に広告が表示できるため、知名度拡大の効果が期待できます。
下記の記事でディスプレイ広告について詳しく解説しています。
・ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットなどの特徴、効果を解説!
リターゲティング広告とは、自社サイトやECサイトに訪問したことがあるユーザーに対して配信できる広告です。サイトを離脱した後にユーザーを追跡できることが魅力となっています。
自社サイトに訪問して商品を即購入する人は少ないです。なぜなら、世の中にモノが溢れているため、類似商品が比較・検討されるためです。このような比較・検討の途中で、自社商品の存在が忘れられてしまわないように、リターゲティング広告を配信します。
ブラウザを通じてサイト閲覧履歴のデータを保存しているため、自社サイトを訪問したユーザーに広告が配信できます。
SNS広告とは「Facebook」「Twitter」「Instagram」「LINE」のSNSに配信できる広告です。タイムライン上に広告が自然に溶け込むため、広告色が薄く、ユーザーに受け入れやすい傾向があります。
画僧や動画だけでなく、カルーセルやコレクションなど掲載フォーマットが豊富。それだけでなく、年齢や性別、趣味のデモグラフィックデータだけでなく、SNS上の行動データを参考にして詳細なターゲティングが行えます。
「30代女性で育児をしている女性」「都内在住で営業職をしている男性」など細かくターゲティングができます。さらに、SNSは投稿が拡散されやすいため、知名度アップの効果が期待できる広告です。
記事広告とは、Webメディア記事の体裁で出稿してもらう広告です。他社のWebメディアの情報伝達力を借りるため「タイアップ広告」とも呼ばれます。
Webメディアの一記事として掲載されるため、メディアを好む読者に読み飛ばされにくいです。他の広告より多くの情報が提供できることが記事広告の魅力です。
また、第三者の立場で商品を紹介してもらえるため、信頼されやすい傾向があります。Webメディアの選定を正しく行えば、見込み度の高い顧客が獲得できます。
下記の記事でタイアップ広告について詳しく解説しています。
・タイアップ広告とは?有効なケース、効果を高めるコツから事例までをご紹介
純広告とは特定のWebメディアの広告枠を買い取り掲載する広告を指します。Yahoo!JAPANの場合はトップページの広告「Yahoo!JAPANブランドパネルビジョン」を販売しています。
Yahoo!JAPAN以外にも、東洋経済オンラインや日経クロストレンドなどの媒体で純広告枠が販売されているため、自社商品に見合う媒体選びをすることが大切です。
多くのユーザーが見込める媒体の純広告は商品のキャンペーンに向いています。その一方で、自社商品と関連性の高い媒体の純広告はブランディングに向いています。自社商品を知らない潜在層に訴求したいときに使用する広告です。
下記の記事で純広告について詳しく解説しています。
・純広告とは?種類や費用形態、メリット・デメリットを徹底解説
BtoB広告の種類をご紹介しましたが、成果を出すためにBtoB広告運用のコツを押さえておきましょう。
まずは広告の目的を定めます。なぜなら、広告の目的に応じて向いている手法が異なるためです
このように、どのような目的で広告運用するかで取るべきアプローチ方法が変わってきます。そのため、何を目的に広告を出すのか明確にしておきましょう。
次に「誰に」「どのタイミングで」「どのような広告を届けたいか」を整理していきます。広告をクリックしてお問い合わせして欲しいユーザー像(ペルソナ)を設定しましょう。ペルソナを設定する場合は、1人の架空人物を想定して具体的に決めていきます。
BtoBの場合は、決裁者をイメージして「役職」「会社の規模」「会社名」「業界」「課題」「実現したいこと」「情報収集方法」を細かく決めていきます。ペルソナを具体化すれば、広告戦略の方向性がブレずにビジネスを推進していけます。
下記の記事でペルソナについて詳しく解説しています。
・ペルソナとは?メリットや作成手順をたった4ステップで解説!
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニーマップを作成していきます。カスタマージャーニーマップとは顧客の購買プロセスを時系列(認知・理解・検討・商談)に見える化したものです。顧客との接点方が洗い出しやすくなり、どの広告が最適か判断できるようになります。
下記の記事でカスタマージャーニーについて詳しく解説しています。
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どの広告手法が最適かを判断したら、競合他社と自社を比較して強みを明確にしておきましょう。なぜなら、競合他社より自社の秀でている強みをアピールすれば、広告がクリックされやすくなり、お問い合わせにも繋がりやすくなるためです。
また、自社の強みを明確にすれば、どの広告媒体を選ぶべきかを判断できるようになります。
最後に広告予算を決めます。広告予算は売上目標から予算を逆算して算出しましょう。月の売上の目標金額に割合をかけて広告予算を決めていきます。
例えば、広告費に充てる割合を5%と決めた場合、売上目標を1000万円に設定すると広告予算は月額25万円となります。
最後にBtoB広告で成果が見込めた企業事例をご紹介します。
株式会社ブイキューブは、テレワーク向けのソフトウェアを開発・販売している企業です。同社はソフトウェアの販売促進をするために、記事広告を利用して大きな成果を上げました。
記事広告では「お客様事例インタビュー」を掲載。お客様事例インタビューには、お客様のプロフィール、抱えていた課題、解決の取り組みとして製品を導入したこと、導入後の効果を記載しました。
記事広告を読む読者は、ITに少なからず興味を持っているわけですから、記事を読んでもらえます。お客様事例インタビューを見た読者に「自社でもソフトウェアを導入して、快適なテレワークを実現したい」と思ってもらえる記事内容にして、800件以上のお問い合わせを獲得することに成功しました。
株式会社ベーシックは、サイト更新やメール配信、リード獲得の戦略設計まで行えるBtoBマーケティングツール「ferretOne」を提供している企業です。
タクシーに乗車する人の多くは、経営者や決裁者だと判断して関東圏に配信エリアを絞り込みタクシー広告を利用しました。その結果、タクシー広告を利用する前と比較して、社名検索数が2倍、リード獲得数2倍、商談数1.5倍と増えて目標受注数を達成することができました。
成功の秘訣は、決裁者に接触できる広告を選んだことだけでなく、ターゲットのニーズを的確に捉えたクリエイティブを用意できたことも影響しています。媒体選定とクリエイティブ選びで成功した事例です。
出典元:『TECH+』
株式会社マイナビは広告事業を展開している企業です。
同社は、最新のITとテクノロジーに関する最新ニュースやレポートなどを発信するBtoB向けメディア「TECH+」を運営しており、記事広告(タイアップ記事)を提供しています。
これまで、マーケティングコミュニケーションを活用して、以下のような企業様の集客支援をしてきました。
BtoBマーケティングはオフライン広告とオンライン広告に大きく分類できます。それぞれの広告の特徴を理解して、上手く広告を使い分けるようにしましょう。
また、広告で効果を見込むためには、広告配信の目的を明確にして、ペルソナを設定することが大切です。
ペルソナを参考にしてカスタマージャーニーマップを作成すれば、どのように顧客に接触すべきかが分かるようになります。このような広告戦略をすると、期待通りの成果が出ます。ぜひ、これを機会にBtoB広告を見直してみてください。