【1】展示会アンケートのテンプレート例
まずは、最初にTECH+で実際に使用した展示会のアンケートの例文をご紹介させていただきます。
その後、作成手順やポイント、注意点を詳しく解説させていただければと思います。
完全版は下記よりDL可能です▼
本日は○○ブースにお立ち寄りいただき誠にありがとうございます。よろしければ、下記アンケートにご協力ください。
ご提供いただいた個人情報は、株式会社○○より製品やセミナーのご案内をお送りする際に利用させていただきます。また、ご記入いただいた情報は、お客様の許可なく第三者に開示することはありません。
会社名:
部署名:
役職:
氏名:
電話番号:
E-mail:
Q1.弊社ブースにお立ちよりいただいた目的についてご選択ください
情報収集、導入を検討中、その他()
Q2.興味のある製品をご選択ください(複数選択可)
製品A、製品B、製品C、製品D
Q3.貴社が抱える課題についてご選択ください
コストカット、業務効率化、リードの獲得、データ活用、その他()
Q4.「導入を検討中」と回答された方へ。導入時期についてご選択ください
3か月以内、4~6か月以内、1年以内、未定
Q5.弊社からお届けする情報で希望するものをご選択ください
セミナー案内、事例、製品活用法、その他()
Q6.本日ご紹介した製品のご要望についてご選択ください
見積もり、デモ、商談、その他()
その他、ご意見・ご要望があれば自由にご記入ください
ご協力いただきましてありがとうございました。
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【2】展示会アンケートとは
展示会アンケートとは、自社ブースに訪問した来場者に記載してもらうアンケートのことです。展示会でアンケート調査を実施すれば、見込み客の確度や課題を把握でき、その後の商談や見込み客ナーチャリングを効果的に実施できるようになります。
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【3】展示会アンケートが重要な理由・目的
展示会に出展したら、下記2つの理由によりアンケート調査を実施しましょう。
- 来場者の購買フェーズを把握するため
- 来場者の課題やニーズを把握するため
ここからは、各理由の詳細を解説します。
1.来場者の購買フェーズを把握するため
来場者にアンケートを取れば、見込み客の購買フェーズや確度を把握できます。来場者と一口に言っても、情報収集が目的の方や製品検討段階にある方などさまざまです。来場者の購買フェーズを把握すれば、展示会後のお礼メールやフォローなどをパーソナライズ化できるようになります。
例えば、アンケート調査で見積もり希望にチェックが入っている見込み客には、当日もしくは翌日に営業が電話を入れ、そうでない見込み客にはお礼メールでメールマーケティングを開始し、徐々に信頼関係や購買意欲を醸成するなどです。
見込み客の購買フェーズに適したマーケティング施策を展開するためにも、アンケート調査を実施することをおすすめします。
2.来場者の課題やニーズを把握するため
見込み客の課題やニーズを把握すれば、見込み客一人ひとりに適したメッセージを届けられるようになります。アンケートに「貴社の抱える課題についてお聞かせください」という設問を設置すれば、見込み客の課題を効果的に把握できます。
アンケートで分かった課題やニーズを基に、例えばお礼メールで「○○様は業務効率に課題を抱えているとのことですが、我々には解決できるノウハウがあります。お時間のある時に詳しくお話を伺いたいのですが、いかがでしょうか」のようにスムーズに商談へと誘導できるようになるのです。
【4】展示会アンケートの作成手順
展示会アンケートの作成は下記ステップで実施します。
- 目標設定
- セグメント分け
- 項目のリストアップ
- 設問の作成
以下では、各ステップの詳細について解説します。
1.目標設定
まずは展示会に出展する目標を設定します。目標設定の結果、アンケート調査が不要と判明するかもしれません。展示会に出展する主な目標は以下の通りです。
- 認知の拡大
- 新規リードの獲得
- 新規商談の獲得
- 既存顧客との関係性を強化
- ユーザーニーズの把握
5つの目標の中で、アンケート調査が適しているのは「新規リードの獲得」「新規商談の獲得」「ユーザーニーズの把握」の3つです。これら3つのいずれかを目標設定にする場合は、アンケート調査の準備をしましょう。
2.セグメント分け
展示会出展前に、自社ターゲットを「確度の高い見込み客」「まだ確度は高くない見込み客」「確度が低い顧客」の3つにセグメント分けし、それぞれの定義を明確にしましょう。例えば、「商談希望」にチェックした顧客は確度の高い見込み客、「導入予定時期が半年以内」ならまだ確度は高くない見込み客などです。
あらかじめ各セグメントの定義を明確にしておくことで、アンケートを基に効果的に来場者をセグメント分けし、迅速にフォローアップができるようになります。
3.項目のリストアップ
アンケートの設問を作成する前に、まずは把握したい項目を考えましょう。展示会アンケートの場合は、「導入時期」や「商談希望の有無」、「参加目的」、「興味のある機能やトピック」などが一般的です。先に項目を考えることにより、特定のトピックへの偏りをなくしたバランスのいいアンケート設計ができます。
4.設問の作成
先のステップで考えた項目を設問に落とし込みます。設問作成のポイントの詳細は後述しますが、見込み客の回答負担を減らす設計が重要です。例えば、自由回答形式が多い場合、見込み客の負担が大きくなり、信頼性の高い情報を得られません。
「回答しやすいだろうか?」や「特定の回答に誘導する設問になっていないだろうか」などの視点を持って、設問数や設問形式、設問順序などを設計しましょう。
【5】回答率を高める展示会アンケートの作成ポイント
回答率を高めながら、フォローアップに有益なアンケートを作成するために、下記ポイントを抑えましょう。
- BANTに沿ってアンケートを設計
- 選択方式を導入
- 質問・設問は15問以内に収める
- 営業と連携して作成
以下では、それぞれのポイントの詳細について解説します。
1.BANTに沿ってアンケートを設計
BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決済権)」「Needs(ニーズ・需要)」「Time frame(導入時期)」の頭文字をとった略語であり、受注確度を上げるために用いられる営業フレームワークです。下記のような設問を入れることで、BANTをアンケート設定に活用できます。
- 予算:予算的にはいかがでしょうか?予算はどのくらいでしょうか?
- 決裁権:部署名と役職名を記入する欄を設置
- ニーズ:弊社ブースを訪れた目的をについてご選択ください
- 導入時期:実施/導入予定時期についてご選択ください
BANTに沿ったアンケート設計することにより、効果的に見込み客の優先順位付けやカスタマージャーニーの現在地などの必要な情報収集をできるようになります。
2.選択方式を導入
展示会アンケートの主な回答方式は以下の通りです。
- 単一回答:選択肢よりひとつだけ回答を選ぶ形式
- 複数回答:選択肢より複数の回答を選ぶ形式
- 自由回答:自由にコメントを書く形式
展示会アンケートの作成においては、単一回答と複数回答を中心に設計しましょう。自由回答には見込み客の重要な声や意見を得られるメリットがある一方、回答負担が大きいデメリットがあります。そのため、自由回答形式は1問に収めておくのがおすすめです。
選択方式を利用する際の注意点は、十分な数の選択肢を用意することです。選択方式の場合、見込み客は選択肢の中からしか回答を選べません。自分にあった選択肢を選んでもらえるように、網羅的に選択肢と「その他」の選択肢を用意しましょう。
3.質問・設問は15問以内に収める
アンケートの回答負担は、設問内容と設問数で決まります。多くの設問を設置して、見込み客のデータを詳細に把握したいところですが、設問数は少なめにした方が賢明なようです。
SurveyMonkeyが10万件のアンケートを分析したところ、設問数が15問を境目に離脱率が急上昇したと判明。ただし、15問でも多いと感じる方はいるため、展示会アンケートは選択形式の設問を5~7問ほどに抑えるのがいいでしょう。つまり、最小限の設問数で必要な情報を得られるアンケート設計をしなければいけません。
4.営業と連携して作成
マーケティングと営業の連携が手薄であれば、営業は見込み客に関する十分な情報を得られないため、効果的な商談を行えません。そこでおすすめしたいのが、営業と連携して展示会アンケートを作成することです。
具体的には、アポイントや商談時に営業が知っておきたい情報をヒアリングし、その情報をアンケートで得られるように設計しましょう。また、営業は顧客と直接コミュニケーションをとる性質上、マーケティング部よりも顧客解像度が高い傾向にあります。一度作成したアンケートを営業に見てもらうことで、必要もしくは不要な設問が判明するかもしれません。
営業と連携することで、質の高いアンケート作成が可能になります。
【6】展示会アンケートを作成する際の注意点
1.個人情報の利用目的を明記する
アンケート回答者の不安を解消し、回答率を上げるために、収集した情報の利用目的を明確に記載しましょう。また、アンケートの管理方法についても詳しく説明することで、来場者は安心して回答できます。
2.集計しやすい形式にする
紙のアンケートは集計に時間と手間がかかります。スマホやタブレットで回答できるようにすることで、効率的にデータを集めることができます。
3.専門用語を避ける
専門用語を多用すると、質問の理解に時間がかかり、来場者の負担が増えます。直感的に理解できる簡単な言葉を使いましょう。
【7】ツールで展示会アンケートの作成や管理を効率化
展示会で多くのアンケートや名刺を獲得しても、管理方法が適切でなければ、それらを有効活用することはできません。株式会社ハンモックの調査によれば、全体の41.2%が展示会で獲得した名刺を使いこなせていないと回答しています。
展示会で獲得したアンケートや名刺を活用するためには、ツールの導入がおすすめです。例えば、MAツールを導入すれば、高度なアンケート作成から集計まで簡単に行えます。また、名刺管理ツールと連携すれば、スキャンした名刺データをMAツールに反映できるため、見込み客一人ひとりを紐づけたアンケート配布やメールマーケティングの実施が可能です。
展示会に出展する最大の強みは、多くの見込み客の連絡先や名刺を獲得できること。しかし、貴重なデータも活用できなければ意味がありません。ツールを活用して、展示会準備からデータ管理と分析を効果的にしてみてはいかがでしょうか。
【8】まとめ
展示会アンケートは、ブースに訪問した見込み客の確度や課題を把握するのに最適なツールです。適切なアンケート設計をすれば、効果的に展示会後のフォローアップができるようになり、商談へとつながる可能性が高まります。展示会で獲得した見込み客の選定をするという意識で、アンケート作成から管理までしましょう。