指名検索とは?一般検索との違いや対策手順を解説!
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2023.02.06]
目次
- 【1】指名検索とは
- 1.一般検索との違い
- 【2】指名検索の対策をするメリット
- 1.確度の高い顧客にリーチできる
- 2.流入数のアップを見込める
- 3.検索アルゴリズムの影響を受けにくい
- 【3】指名検索の対策をしないデメリット
- 1.意図の異なるページが表示される
- 2.機会損失のリスクがある
- 【4】指名検索の対策手順を4ステップで解説
- STEP1:自社と関連性のあるキーワードの洗い出し
- STEP2:キーワード選定
- STEP3:既存記事もしくは新規記事の作成
- STEP4:内部リンクの設置
- 【5】指名検索を増やす方法6選
- 1.リスティング広告の出稿
- 2.SNSマーケティング
- 3.プレスリリースの配信
- 4.セミナーや展示会の開催
- 5.キャッチーな名前を付ける
- 6.製品サービスの質を高める
- 【6】まとめ
【1】指名検索とは
指名検索とは、ブランドや商材名をキーワードに実施される検索です。例えば、名刺管理ツールを提供するSansanの場合は「Sansan」や「Sansan 名刺」、CRMツールを提供するHubSpotなら「hubspot 料金」や「hubspot 事例」などが指名検索となります。簡単に言えば、自社ブランドや商材名を含んだキーワード検索のことを指名検索と言います。
1.一般検索との違い
一般検索とは、特定のブランドや商材名を「含まない」キーワード検索のことです。例えば、「sansan 名刺管理ツール」が指名検索なのに対し、「名刺管理ツール」は一般検索となります。
指名検索と一般検索ではリーチできる顧客層が異なります。指名検索は自社製品への興味関心が強い確度の高い層にリーチできるのに対し、一般検索では自社を認識していない潜在層へのリーチが可能です。指名検索と一般検索はどちらかが優れているというわけではなく、バランスよく対策しなければいけません。
【2】指名検索の対策をするメリット
多くの企業は一般検索の対策をしていますが、指名検索の対策もすることで、下記のメリットを得られます。
- 確度の高い顧客にリーチできる
- 流入数のアップを見込める
- 検索アルゴリズムの影響を受けにくい
ここからは、それぞれのメリットの詳細について解説します。
1.確度の高い顧客にリーチできる
指名検索対策をする最大のメリットは、確度の高い顧客にリーチできることでしょう。多くの方が、特定の企業の商材の購入を検討し、指名検索をした経験があるのではないでしょうか。指名検索をするユーザーは、自社に大きな興味関心を持っているため、購入や資料問い合わせなどのコンバージョン率向上を見込めます。
2.流入数のアップを見込める
指名検索が増えれば、流入数の増加も見込めます。例えば、「sansan」や「sansan 料金」などの指名検索をしたユーザーは、他社サイトではなく、Sansanのサイトを訪問するはずです。「製品情報を知りたい」「料金を知りたい」など明確な目的のもと指名検索をするユーザーは、高確率で自社サイトに訪問します。
3.検索アルゴリズムの影響を受けにくい
SEO対策が困難な理由の一つに、定期的に実施される検索アルゴリズムの変更があります。検索アルゴリズムの変更により、上位表示されていた記事がランク外になるケースは珍しくありません。しかし、検索アルゴリズムの影響を受けやすいのは一般検索です。指名検索の場合、アルゴリズム変更による影響を受けにくいため、安定した集客効果を見込めます。
【3】指名検索の対策をしないデメリット
Googleで自社に関する指名検索をしてみて、自社サイトが上位表示されない場合は、すぐに指名検索対策をするべきです。ここからは、指名検索対策をしないデメリットをご紹介します。
1.意図の異なるページが表示される
指名検索の対策をしなければ、自社の意図と異なるページが表示される可能性があります。ニールセン・ノーマン・グループの調査によれば、ユーザーはWebページ訪問から10〜20秒で有益な情報を見つけられなければ、ページを離脱すると分かっています。意図しないページが表示されて、購入意欲の高いユーザーを逃すのは、大きな機会損失となるでしょう。
2.機会損失のリスクがある
指名検索対策をしなければ、確度の高いユーザーを取りこぼすことになります。例えば、指名検索対策を怠ることで、意図と異なるページが表示されたり、最悪の場合は競合他社のページが表示されたりするのです。このような機会損失を防ぎ、確度の高いユーザーをコンバージョンに導くためにも、指名検索対策は必須です。
【4】指名検索の対策手順を4ステップで解説
指名検索対策は下記4ステップで行います。
STEP1:自社と関連性のあるキーワードの洗い出し
STEP2:キーワード選定
STEP3:既存記事もしくは新規記事の作成
STEP4:内部リンクの設置
ここからは、各ステップの詳細を見ていきましょう。
STEP1:自社と関連性のあるキーワードの洗い出し
まずは自社と関連性のあるキーワードを洗い出します。「ブランド名×製品名」、「製品名×特徴・機能」などユーザーが検索する指名検索ワードをブラインストーミングで考えてみましょう。
すでにリスティング広告やSEOを運用している場合は、Googleサーチコンソールで実際に検索されているキーワードを確認するのも有効です。また、ラッコツールズなどのキーワードツールを用いて、ブランド名や製品名の関連ワードを抽出するのもおすすめ。
洗い出したキーワードは、エクセルやスプレッドシートにまとめましょう。
STEP2:キーワード選定
洗い出したキーワードの順位確認をします。基本的に、上位表示できていないキーワードで指名検索対策をします。キーワードの順位確認で、意図しないページが上位表示されている場合、そのページはリライト対象になります。
STEP3:既存記事もしくは新規記事の作成
指名キーワードで上位表示ができるように、既存記事のリライトもしくは新規記事の作成を行います。上位表示を狙うキーワードに関するコンテンツがない場合、新規記事の作成をするのがよいでしょう。ただ、既存記事を301リダイレクトで統合・リライトするという手段もあります。
また、取り組む順番としてはコンバージョンに近いコンテンツを優先するのがおすすめです。具体的には、製品詳細ページや料金ページ、活用法ページ、事例ページなどの最適化に取り組みましょう。これらのページを検索するユーザーは、すでに自社製品の購入を決めている可能性が高いため、コンバージョン率の増加を見込めます。
STEP4:内部リンクの設置
内部リンクを設置することで、ユーザーに関連性の高い情報を提供できるだけではなく、SEOにもいい影響を得られます。例えば、検索エンジンがコンテンツ内容を正確に理解できたり、検索エンジンに発見される時間が短くなったりするのです。指名検索を狙うページにおいては、下記3つのいずれかに内部リンク設置をするとよいでしょう。
- ナビゲーションバー:トップナビゲーションとフッターの両方もしくはどちらか
- 重要ページ:公式サイトのトップページなど流入が多いページ、機能ページなど関連遷移の高いページ
- 関連性の高いページ:キーワードと関連性の高いブログ記事やLPなど
実際に指名検索に強い企業は、上記3つのページに内部リンクを設置し、効果的にユーザーを誘導する流れを構築しています。
【5】指名検索を増やす方法6選
指名検索を増やす方法を簡潔に言えば、認知度の向上です。自社ブランドや製品の認知度を高める施策を展開すれば、指名検索も増えます。それでは、どのように認知度を拡大できるのでしょうか。ここからは、指名検索増加につながる6つの施策をご紹介します。
1.リスティング広告の出稿
リスティング広告とは、検索結果画面の上部に配信する広告です。自然検索よりも上部に表示される、スマートフォンの場合は画面の半分以上を占めることもできるため、認知度の拡大やコンバージョン率の向上を見込めます。
上記画像は、キーワード「名刺管理」で検索した際の検索画面です。赤枠部分がリスティング広告ですが、PCのファーストビューもリスティング広告が占めているとわかります。リスティング広告は、ユーザーの検索ワードに応じて配信されるため、最適なキーワード戦略を立案できれば、大きな認知度拡大を見込めます。
また、リスティング広告は広告品質と入札単価が良ければ、すぐに上位表示できるのも特徴です。費用こそかかりますが、高確率で指名検索の上位表示を見込めるため、指名検索ワードでのリスティング広告出稿もおすすめです。
下記の記事でリスティング広告について詳しく解説しています。
・リスティング広告とは?特徴や運用のやり方、成功事例を全て解説!
2.SNSマーケティング
ICT総研の「2022年度SNS利用動向に関する調査」によれば、国内SNS利用者は8,270万人以上で、SNS普及率は82%にも及びます。SNSマーケティングを実施すれば、あらゆる層にリーチできるため、効果的に認知度を拡大できるでしょう。
SNSマーケティングといえば、バズ狙いの投稿をイメージされる方が多いですが、安定してバズを生み出すのは難しいです。予算に余裕がある場合は、SNS広告を運用するとよいでしょう。SNS広告を運用すれば、各プラットフォームに広告を配信できるため、フォロワー数が少なくとも、効率よく自社ブランドをアピールできます。
まずは自社商材の特徴やターゲットを明確にしたうえで、最適なプラットフォームを検討しましょう。
3.プレスリリースの配信
プレスリリースとは、メディアに向けて発表する自社情報です。プレスリリースを配信すれば、多くのユーザーを抱える媒体で、自社情報を発信できるため、効果的に自社の宣伝を行えます。特に、企業関係者に発信できる性質上、BtoB企業におすすめの手法です。
4.セミナーや展示会の開催
セミナーや展示会を開催すれば、自社に関連するテーマに興味関心を持つ多くの潜在層との接点を作れます。潜在層の集客を目的にする場合は、製品の機能や活用法を紹介するセミナーではなく、ゲストスピーカーによる登壇や他企業と合同セミナーの開催などがよいでしょう。
特に、オンライン上で開催するウェビナーや展示会は、ユーザーは気軽に参加できるため、多くの潜在層の集客を見込めます。BtoB企業はセミナーや展示会が重要な集客チャネルとなり、積極的に開催するようにしましょう。
下記の記事でウェビナーについて詳しく解説しています。
・ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!
下記の記事で展示会について詳しく解説しています。
・展示会とは?メリットから出展手順と成功のポイントまで徹底解説!
5.キャッチーな名前を付ける
認知度拡大施策ではありませんが、指名検索を増やすためには、覚えやすいブランドや商材名をつけるのが有効です。例えば、長くて印象に残らない製品名の場合、指名検索は増えないでしょう。今後、新製品やサービスを発表する場合は、印象に残る名前を付けるようにしてください。
6.製品サービスの質を高める
製品サービスの質が良くなければ、指名検索の数は増えなければ、増えたとしてもコンバージョンやリピート購入にはつながりません。まずは製品サービスの質を高めるようにしましょう。製品サービスが良ければ、口コミや評判が広まり、指名検索数が増えるだけではなく、製品紹介記事などに引用されることでドメインパワーのアップも見込めます。
【6】まとめ
指名検索とは、自社ブランドや商材を含むキーワード検索です。指名検索をするユーザーの購買意欲は非常に高いため、指名検索対策をし、確度の高い見込み客を取りこぼさないようにしましょう。ただし、指名検索だけに注力するべきではありません。まずはコンバージョンに近い部分の指名検索対策をし、一般検索で潜在顧客から顕在顧客まで集客するようにしましょう。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。