リードリサイクルとは?失注リードを掘り起こし、受注獲得を最大化させる施策

リードリサイクルとは?失注リードを掘り起こし、受注獲得を最大化させる施策

インサイドセールスを実施するけど商談化しない、フィールドセールスにつなぐけど、なかなか成約に結びつかない……。

しかし、BtoBだとリードの数も限られており、闇雲にアタックしてしまうと、いずれアプローチリストは枯渇してしまいます。

こで有効な手段がリードリサイクルです。リードリサイクルとは、失注したリードをナーチャリング(育成)し、商談につなげる取り組みを指します。

本記事では、リードリサイクルのメリットと、実施手順について解説します。

【1】リードリサイクルとは?

リードリサイクルとは、インサイドセールスがフィールドセールスへつなぐ際に失注したリード、またはフィールドセールスがクロージング中に失注したリードをナーチャリング(育成)し、商談化・受注につなげる取り組みを指します。

失注理由は予算や導入時期、セールスの説明不備などさまざまです。失注理由を分析・整理した上で、再提案をすれば受注につながるケースは実は少なくありません。

【2】リード管理の3つのプロセス

リードリサイクルは、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションというプロセスの最後に位置付けられます。失注リードは、リードリサイクルされた後、リードナーチャリングに入り、リードクオリフィケーションへとたどります。

ここでまた、保留か失注の判断がなされ、また時期を見て、失注リードが同じサイクルで回っていきます。

リード管理とは?

リード管理とは、担当者の性別、企業名といった基本情報から商談履歴、商談回数などの情報を管理・共有し、それを活用して受注・成約までのプロセスを最適化する活動を指します。リード管理を実施することで、より正確で効果的なセールス・マーケティング活動を実現できます。

1.リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、リードを獲得するための取り組み全般を指します。具体的には、テレマーケティングや展示会への出展、新聞や雑誌広告、DM、近年はインターネットの発達によって、コンテンツマーケティング、SNS、メール、ウェビナー(セミナー)など、手法が多様化しています。

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下記の記事でリード獲得について詳しく解説しています。
リード獲得とは?効果的な14のリード獲得方法と重要なポイント!

 

2.リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、リードジェネレーションによって獲得したリードに対し、継続的にアプローチを行って購買意欲を高めて、受注や成約につなげる取り組みを言います。

見込み顧客の育成とも。具体的には、ステップメールやセグメントメールといったメールマーケティング、動画や音声、SNSやWebメディアによる情報発信、セミナー(ウェビナー)の開催、リターゲティング広告の配信といった手法があります。

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下記の記事でリードナーチャリングについて詳しく解説しています。
リードナーチャリングとは?手法やプロセス、効率的に行うポイントを解説!

 

3.リードクオリフィケーション

獲得したリードのなかから、購入意志のあるリードを選別する営業プロセスのことを指します。ただし、アプローチをかける優先順位付けを行うにとどまり、リードクオリフィケーションの段階において失注の判断は行いません。

リードクオリフィケーションは大きく、セグメンテーション、カスタマージャーニーの作成、スコアリングの3つのプロセスにわかれます。

具体的には、まずリードの業種や業態といった属性、担当者の役職や決裁権の範囲、興味・関心、ページの閲覧回数、メールの開封率などのデータをもとに、セグメンテーションします。

さらに、そのセグメントごとにカスタマージャーニーを作成し、顧客が受注・成約に至るまでの一連のプロセスを見える化します。

次に、カスタマージャーニーを通過した顧客がどうアクションしたか、例えば、資料ダウンロードで10点、問い合わせフォーム送信で30点など、それぞれの検討項目ごとでスコアリングを行い、顧客の検討段階を可視化します。

一定のスコアに到達したリードはフィールドセールスに引き継ぎ、クロージングを実施します。

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下記の記事でリードクオリフィケーションについて詳しく解説しています。
リードクオリフィケーションとは?重要性と導入のポイントをわかりやすく解説

【3】リードリサイクルが重要な理由

リードリサイクルが重要とされる理由は、大きく下記の3つになります。

1.リード数が限られているから

たとえ、マーケット規模が大きいからといって、新規でリードを獲得し続けることには限界があり、いずれ枯渇します。とりわけ、BtoBのサービスや製品であれば、検討期間は早くて数ヶ月、場合によっては半年や1年というケースもあり、むしろ失注と断定するのは早計です。

2.失注したリードの16%が再び商談化する可能性があるから

RIGHT HELLOの調査によると、実に失注リードの約16%が商談化する可能性があるということがわかっています。一般的に、セールスの受注率は30%前後、良い場合でも50%程度です。100%でない限り、必ず失注リードは発生します。チャンスを逃さないためにも、失注リードのニーズ変化をいち早く捉えることが肝心です。

3.BANT条件をクリアしているため、受注確度が高い

BANT条件とは、獲得見込みを図るための指標で、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)の4つの条件で構成されます。

そもそも、ナーチャリング後にクオリフィケーションしたリードは、「BANT条件を満たしているが、タイミングが合わなかったケース」のことが多いです。再アプローチを行うと、受注する確率が高いといえます。

【4】リードリサイクルのための下準備

失注基準が明確になっていなかったり、肝心のリードリサイクルを行う担当者が不在だったりと、下準備が甘いままリードリサイクルを進めると、期待していた以上の成果は得られません。まずは下記のポイントを押さえましょう。

1.失注の基準を明確にする

失注の基準を明確にします。もっとも良くないのは保留状態のリードが増えてしまうことです。たしかに、BtoB向けのセールスでは受注までに数ヶ月、長くて半年以上かかりますが、失注基準は設けておくべきです。

保留のリードが溜まってしまうと、担当者がもつリードの数が多くなり、営業効率に悪影響を及ぼします。

2.リードリサイクルを行う担当者を決めておく

リードリサイクルの担当者を決めましょう。失注リードの掘り起こしには多くの工数が必要になるため、基本的にマーケティング部門やインサイドセールス部門で引き取ることが好ましいです。

3.追客の期限を設定する

一般的に、リードタイムで失注かどうかの判断を行いますが、顧客の検討に時間がかかっているなどの理由から保留にすることもあるかもしれません。

しかし、その場合でもいつまで追客をするか期限を設けておきましょう。

4.リードリサイクルの型化

リードリサイクルにおける再アプローチの効果にばらつきが出ないよう、型化しましょう。各々にやり方を委ねると、属人化してしまい、リードリサイクルの取り組みが広がっていきません。

誰が実施しても、一定の成果が出るように失注リードの管理を型化します。

具体的には、失注リードの管理をチェックリスト形式にし、フォーマットを統一する、失注リードのカテゴライズにおけるルール設計、失注後のアプローチにおけるメールや架電のスクリプト作成などが挙げられます。

5.MA/SFAの導入

MAツールやSFAの導入はマストではありませんが、MAツールやSFAを導入すると、営業プロセスの可視化や施策の自動化ができ、より効率的に営業活動やマーケティング活動を行えます。

【5】リードリサイクルを進めるポイント

ここでは、リードリサイクルの進め方について、3つのポイントにまとめて解説します。

1.失注理由や商談内容の整理・分析

まずは、失注理由や過去商談記録などの整理・分析を行いましょう。

単に失注理由だけをみるのではなく、流入経路、ニーズ、決算月、商談回数、商談担当者など、細かく整理・分析をします。どこかの項目に説得材料となるヒントが眠っているからです。

2.失注リードのカテゴライズ

より効率的にリードリサイクルを実施するために、失注リードをカテゴライズします。まったく興味なし(完全な失注)、興味・関心層(優先度が低い)、比較検討層(優先度が高い)の3つくらいの粒度で分けると良いでしょう。

3.アプローチ方法・内容の選定

比較検討層(優先度が高い)は受注期待値が高いリードになるため、ナーチャリング後、好意的なリアクション(ステップメールの開封や、メールで送ったURLクリック)などがあれば、メールまたは架電でアプローチをかけましょう。

なお、架電にしか反応しないリードも存在します。「メールに対するレスポンスが遅い」「架電をしたら、検討がスムーズに進んだ」などの商談記録がある場合は、未開封であっても架電のプロセスを行いましょう。

興味・関心層(優先度が低い)については、ナーチャリングを行い、購買意欲を高めましょう。

【6】有効なアプローチ方法

最後にリードリサイクルで、有効なアプローチ方法について解説します。

1.アンケートの依頼

警戒心を持たれずにアプローチできる方法の1つが、アンケート依頼です。売り込み要素が薄く、返信率も比較的高い傾向にあります。

アンケートでは、業務と関連性の高い質問項目を入れておきましょう。そうすることで、顧客が抱える課題や製品やサービスへの関心度をチェックでき、次の打ち手に対するヒントを得られるからです。

2.ウェビナーの案内・招待

アンケート同様に、ウェビナーの案内や招待も嫌味なく相手へアプローチできる方法です。

「Shopifyの使い方」「Web集客ができるコンテンツを量産するコツ」など、ウェビナーのテーマが明確であるほど、顧客の課題を把握できます。

また、ウェビナーのコンテンツの一部に、自社製品やサービスの使い方やデモのパートを入れておくと、より顧客の購買意欲を向上させることができます。

ウェビナーについてはこちら!

下記の記事でウェビナーについて詳しく解説しています。
ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!

 

3.アポ打診のメール

上記2つと比べると、よりダイレクトなアプローチ手法です。主に比較検討層に行います。なお、テンプレートで一斉送信していると思わせないよう、下記のポイントに留意しましょう。

  • 売り込みは厳禁
  • 個人名・個人の会社アドレスから送付
  • メールを送る理由も必ず添える
  • 提供できる価値・メリット
メールはこちら!

下記の記事でメールマーケティングについて詳しく解説しています。
メールマーケティングとは|取り組むメリットや手法、効果的に行うポイントを徹底解説

 

4.架電

主に比較検討層に対して実施する方法です。こちらも、メールと同様に、売り込み色を減らし、あくまで顧客の状況確認、情報提供にとどめ、リアクション次第で商談打診につなげましょう。

先にも述べたように、なかには「メールは返ってこないが、架電するとスムーズに検討が進む顧客」もいます。過去の商談記録を参考に、架電が適切な手段か判断しましょう。

テレマーケティングはこちら!

下記の記事でテレマーケティングについて詳しく解説しています。
テレマーケティングとは?目的やメリット、進め方、成功させるポイントを徹底解説

【7】まとめ

今回は、リードリサイクルの概念からメリット、実施におけるポイントについて解説しました。

リードリサイクルを実施すれば、過去に失注したリードの掘り起こしができ、結果的に営業活動やマーケティング活動の効率化を実現できるでしょう。

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