SaaS企業向けマーケティング戦略!成功事例の施策まで大紹介

SaaS企業向けマーケティング戦略!成功事例の施策まで大紹介

SaaS企業のマーケティング部門で「現在より成果を出すにはどうすれば良いのだろう…」と悩んだとき、どこを見直せば良いのでしょうか?

このような悩みを抱えた方向けに、SaaS企業向けのマーケティング戦略をご紹介します。

この記事を読めば、マーケティングの手順を見直せて、どのような工夫をすれば成果を伸ばしていけるかが分かるようになります。

マーケティング施策の成功事例まで紹介しているため、成果を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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【1】[はじめに]SaaSとは

SaaS(Software as a Service)はソフトウェアのサービスです。従来のソフトウェアサービスはCD-ROMなどパッケージ製品で販売されていました。しかし、クラウドの登場によりインターネット経由でソフトウェアをダウンロードできるようになり、定期購読など一定期間の利用権に対して料金を支払うサブスクリプションにビジネスモデルが変わりました。

SaaSは長期的サービスを利用してもらうことで、利益が出るビジネスモデルです。そのため、SaaS特有のマーケティング戦略を考えていく必要があります。

SaaSについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。

SaaSの詳細はこちら!

下記の記事でSaaSについて詳しく解説しています。
SaaSとは?メリット・デメリットからDX推進のためのサービスまで紹介!

 

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【2】SaaS企業のマーケティングの手順

SaaS企業は定期購読のサービスを提供しているため、長期的に利用してもらう必要があります。そのため、他の業種とマーケティング手法が異なります。ここでは、SaaS企業特有のマーケティングの手順をご紹介します。

1.ゴールを定める

まずはマーケティングが目指すべきゴールを定めます。

  • リードの獲得:SaaSサービスの認知度を上げて顧客情報を獲得する
  • リードの育成:獲得した顧客情報に有益な情報を提供し購買意欲を高め顧客化する
  • 解約の防止:SaaSサービス契約者に長く愛用してもらうために施策を考える
  • 顧客単価アップ:SaaSサービスのプレミアムプランの利用を促す施策を考える

どのようなゴールを定めるか、マーケティング部門だけで決めるのではなく営業部門やカスタマーサクセス部門と考えましょう。

2.ターゲットを明確にする

マーケティング施策は「どのような企業」「どのような人」に向けて実行するか決めないと期待する効果は見込めません。そのため、マーケティング施策のターゲットを明確にしましょう。BtoB企業とBtoC企業でターゲット詳細内容は異なります。

BtoB

BtoC

  • 企業の売上
  • 企業の従業員数
  • 企業の資本金
  • 企業の業界
  • 担当者の役職
  • 企業が抱えている課題
  • 企業が実現したいこと
  • 年齢
  • 性別
  • 所在地(地域)
  • 家族構成
  • 職業
  • 年収
  • 趣味
  • 価値観
  • 休日の過ごし方
  • 悩んでいること

例えば、BtoB向けのSaaSサービスの場合、「売上100億円の不動産会社で営業のブラックボックス化が課題と悩んでおり、決裁権は営業部長が持っている」とターゲットを決めておき、想定する悩みを解決するための広告を配信すれば興味を持ってもらえるようになります。

 

3.カスタマージャーニーマップを作成する

次にカスタマージャーニーマップを作成します。BtoBビジネスはサービスの認知から契約まで長い期間がかかります。それだけでなく、サービスを長期間利用してもらわなければいけません。

そのため「認知」「理解」「検討」「商談」「契約後」とステージを分けて、顧客がどのような状態かを考えていきましょう。そして、有効なマーケティング手法は何かを考えていきます。

■カスタマージャーニーマップの例

認知

〇〇の課題を抱えて情報収集している

  • オウンドメディア
  • オンライン広告
  • 業界紙の広告
  • 交通広告
  • テレビCM
  • 飛び込み営業

理解

〇〇の課題解決の事例を知る

  • 事例セミナー
  • 登壇セミナー

検討

課題解決に××が使えるか比較検討する

  • ××システム体験会
  • 個別相談会

商談

××にお問い合わせする

  • 営業商談

契約後

××を利用する

  • QAサイト

 

カスタマージャーニーの詳細はこちら!

下記の記事でカスタマージャーニーについて詳しく解説しています。
カスタマージャーニーマップとは?必要性や作成手順、事例まで解説

 



4.マーケティング施策を実行する

カスタマージャニーマップを作成すると、「どのステージ」「どのような施策」を優先的にすべきか明確に分かるようになります。そのため、どのステージの顧客にアプローチするかを決めて、マーケティング施策を実行していきましょう。

後述しますが、メールを自動送信するMAツールを利用すれば、マーケティング業務を効率化できます。

5.マーケティング施策の効果検証する

マーケティング施策は運用実績データを蓄積して効果検証しましょう。PDCAサイクルを回して施策を改善していくことで、費用対効果が見込めるようになります。

PDCAサイクルとは

  • Plan…現在の課題を把握して目標を設定して、目標達成のためのマーケティング施策を考える
  • Do…考えたマーケティング施策を実行する
  • Check…マーケティング施策の運用実績データを蓄積して成功事例と失敗事例を分類する
  • Action…効果的なマーケティング施策は何なのかを考えて改善していく

 

【3】[事例解説付き]SaaS企業のマーケティング手法

SaaS企業のマーケティングは、ステージ別でアプローチ方法を変えていく必要があります。そのため、どのようなアプローチ手法があるかを把握しておきましょう。

1.コンテンツマーケティング

フェレット

出典元:『ferret One

コンテンツマーケティングとは、潜在層の顧客に役立つ情報を提供して自社の存在を知ってもらうためのマーケティング施策です。また、自社の存在を知っている顕在層の顧客と良好な関係を築くために役立つ情報を提供するためのマーケティング施策でもあります。

株式会社ベーシックはBtoBマーケティングツール「ferret One」を提供しているSaaS会社です。自社のオウンドメディア「ferret」では、Webマーケティングに関する情報を発信して、マーケティングに興味がある読者の顧客化に成功しています。

 

コンテンツマーケティングの詳細についてはこちら!

下記の記事でコンテンツマーケティングについて詳しく解説しています。
コンテンツマーケティングとは? 実践手順や成功させるコツを解説!

 

2.オンライン広告

free

出典元:『株式会社freee

オンライン広告には、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「YouTube広告」など幅広いものがあります。これらのオンライン広告を上手く運用していけば、潜在層や顕在層の顧客にアプローチしていけます。

株式会社freeeはクラウド会計「freee」を導入してもらうために、YouTube広告でCMを流しました。YouTube動画CMでは、実際にfreeeを導入している企業の声を流して、どのような問題を解決できたのかを知らせることで興味・関心を向けられてシェア拡大に成功しました。

 

オンライン広告の詳細はこちら!

下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説

 

 3.交通広告

スマカン

出典元:『スマカン

交通広告とは、電車やバス、各駅などの掲示板などに広告を出稿することをいいます。最近では、駅にデジタルサイネージが設置されたり、座席にモニターが設置されたりして動画配信ができるようになりました。

交通広告の中でも、SaaS企業と相性が良い広告が「タクシー広告」です。その理由は、タクシー移動する経営者層が多く移動中にCMを見てもらえるためです。

クラウド人事管理システム「スマカン」を提供している株式会社スマカン株式会社や現場DX支援ツール「セーフィー」を提供しているセーフィー株式会社が交通広告を出稿して成果を出しています。

 

タクシー広告の詳細はこちら!

 

4.純広告

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出典元:『TECH+

SaaS企業で認知度が低いと悩んでいる場合は、ITニュースサイトやITメディアの純広告を購入する方法もあります。純広告には「バナー広告」と「タイアップ記事広告」があり、自社の商品について詳しく伝えられます。

第三者のメディア運営者がSaaSサービスを紹介してくれるため「メディアが紹介するなら信用できるSaaSサービスだ」と信用されやすいです。

サイバーリーズン・ジャパン株式会社は、EDRを中心とするエンドポイントセキュリティソリューションを提供しており、知名度を上げるためにITニュースサイトのタイアップ記事広告を使用しました。知名度を誇るITニュースサイトに記事を公開したことで認知され、見込み顧客の獲得に成功しました。

純広告枠は、株式会社マイナビが運営するITメディア「TECH+」でも提供しています。

 

SaaS向け広告の詳細はこちら!

下記の記事でSaaS向けの広告について詳しく解説しています。
SaaS企業におすすめの広告7選!質の高いリードを獲得できる媒体を紹介

 

5.セミナー

セールスフォース

出典元:『Salesforce オンデマンドWebセミナー

潜在顧客は悩みを解決できる方法があると知れば、具体的な情報を収集していきます。そのため、解決事例など役立つセミナーを開催すれば、顧客と接触できるようになります。

株式会社SalesforceはSFAツール「Salesforce」を販売しており、お客様から圧倒的な支持を集めて市場獲得に成功している企業です。同社は「オンデマンドWebセミナー」をやっており、ビジネスに役立つ情報を提供し、見込み顧客をファン化して売上アップに成功しています。

 

ウェビナーの詳細はこちら!

下記の記事でウェビナーについて詳しく解説しています。
ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!

 

6.メール

認知、理解、検討、商談、契約などの、どの段階でも顧客育成にメールは有効的です。その理由は、顧客のステージ別に役立つメールを送付すれば顧客育成ができるためです。

しかし、1人1人の顧客にメールを送るのは大変な作業です。そのため、メールの送信はMAツールを活用して効率化しましょう。

株式会社マイナビは、BtoB商材の市場は頭打ちになると捉えており、新規リード獲得だけでなく既存顧客と良好な関係を構築するリードナーチャリングに注力しています。メールで役立つ情報を提供したり、インサイドセールス部隊を立ち上げて、顧客に定期的にコンタクトしたりなど心がけ、商談数を1.5倍伸ばすことに成功しました。

 株式会社マイナビが運営する「TECH+」では、SaaS企業様向けに「リードナーチャリングサービス」を提供しています。

 

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【4】SaaS企業のマーケティングを成功させるコツ

SaaS企業のマーケティング手順をご紹介しましたが、成果を上げるためのコツも押さえておきましょう。ここでは、SaaS企業のマーケティングを成功させるコツをご紹介します。

1.プラン内容を見直してみる

定額購入のSaaSサービスを提供している場合は、プラン内容を見直してみると、見込み顧客の情報が得やすくなります。プラン内容の見直し方には、次のようなものがあります。

SaaSサービスのビジネスモデルの例

  • フリーミアム:基本的な機能を無料で使用でき、高度な機能を使いたい場合は有料にする
  • 使用量プライシング:使用する容量によって料金を変動させる
  • 定額プライシング:月額料金を支払い続ければ全てのサービスを利用できる

 

2.デジタルツールを有効活用する

デジタルツールを上手く活用して業務効率化しましょう。例えばダイレクトメールを送る場合は、営業リストを作成しなければいけませんが、デジタルツールを活用すれば対象企業の情報を簡単に収集できるようになります。

また、獲得した見込み顧客を育成して商談化していくナーチャリングは、MAツールを活用してメールの自動送信をすれば簡略化できます。

マーケティング部門は見込み顧客を商談化する役割を担い、営業部門と連携していかなければいけません。このような情報共有もCRMシステム(顧客管理システム)で強化できます。

3.マーケティング部門で優秀な人材を採用する

マーケティング部門で成果が見込めない理由が社内体制が整っていないであれば、優秀な人材を採用することで解決できます。SaaS企業のマーケティングに向いている人は、マーケティング系プロジェクトや販売経験を持っており、次のようなスキルを持っている人です。

  • データ収集・分析スキル:ユーザーの行動履歴や広告の効果検証ができる
  • 企画・発想力:他人が思いつかないようなマーケティング戦略を立案できる
  • プレゼンテーションスキル:上層部に提案できるスキル

【5】SaaS企業でマーケティングを行う際の注意点

SaaS企業のマーケティング戦略をご紹介しましたが、気をつけなければリードを獲得しても売上が見込めないという事態を招くため注意してください。最後にSaaS企業でマーケティングを行う際の注意点をご紹介します。

1.リード獲得件数だけを目標にしない

マーケティング部門の主な役割は、見込み顧客に役立つ情報を提供し、商談化させて営業部門に引き継ぐことです。そのため、リード獲得件数を目標に設定しがちです。

しかし、マーケティング部門だけで目標を定めてしまうと、営業部門に渡したリードの質が低いなどの問題が発生します。質の低いリードで、営業が頑張っても成約が取れなければ、組織全体の売上が見込めません。

そのため、マーケティング部門全体の目標を掲げながらも、組織全体の目標も達成できるかを大切にするようにしましょう。

2.他部門連携をして細かなデータ分析が必要となる

マーケティング部門でマーケティング施策を立てる場合は、ターゲット顧客を定めて、どのようなニーズがあるかを考えていきます。これは仮説のため、マーケティング施策で効果が出るとは限りません。

そのため、営業部門やカスタマーサポート部門と連携して情報共有しながら、どのようなターゲットであれば自社サービスが売れるのか、マーケティング戦略を立てていくことが大切です。

3.マーケティング手法をアップデートする

さまざまなデジタルツールが登場しているため、マーケティング手法をアップデートしていく必要があります。

例えば、テレビCMは効果測定ができないと言われていましたが、近頃は運用型のテレビCMが登場しています。このようなデジタルツールを利用すれば、従来は難しかったTVCMの効果測定ができるようになり新たなマーケティング戦略が立てられるようになるでしょう。

【6】まとめ

今回はSaaS企業のマーケティング戦略をご紹介しました。最後にマーケティング戦略を簡単にまとめます。

【SaaS企業のマーケティング戦略】

  • 他部門から情報をもらい顧客分析をする
  • マーケティングの目指すべきゴールを定める
  • ターゲットを明確にする
  • カスタマージャーニーマップを作成する
  • 顧客のステージ別のマーケティング手法を選択する
  • マーケティング施策の効果測定をする
  • マーケティングの目標だけでなく、組織全体の目標達成を大切にする
  • デジタルツールを有効活用して業務効率化する
  • プラン内容を見直してみる
  • 優秀な人材を採用して部門体制を整える

ぜひ、これを機会にSaaS企業のマーケティングを見直してみてください。

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