【1】ウェビナーマーケティングとは
新型コロナウイルスの流行により、対面営業やイベント出展などが困難になりました。
この背景を受けて、注目を集めたのがウェブ(Web)で開催するセミナー(Seminar)「ウェビナー(Webinar)」です。
このウェビナーを活用するマーケティング活動をウェビナーマーケティングと言います。現代では、多くの企業がウェビナーマーケティングを推進し、集客や新規リードの創出をしています。
株式会社シャノンの調査によれば、「2020年と比較して、2021年はウェビナーの視聴頻度が増えた」と回答した企業担当者は7割以上であり、ウェビナーが定番の情報収集チャネルになっていると分かります。
今後もウェビナーマーケティングは、リード創出や育成における重要なチャネルとなり続けるでしょう。
【2】ウェビナーマーケティング4つのメリット
それでは、なぜ多くの企業担当者がウェビナーマーケティングに注目しているのでしょうか。
その理由は、下記4つのメリットにあります。
- 幅広い層にアプローチできる
- 低コストで行うことができる
- 業務量を削減できる
- 分析しやすいためPDCAが回しやすい
それぞれのメリットを見ていきましょう。
1.幅広い層にアプローチできる
インターネットやスマートフォンの発展により、消費者は自身で情報収集できるようになったことで、購買行動は変化しました。
アメリカの企業が発表した調査によれば、BtoB顧客の購買プロセスの57%が営業担当に会う前に終了していると判明しています。
この調査結果からも、顧客はある程度購入する製品を決めてから、企業に問い合わせをするようになったと言えます。
そのため、従来のセミナーでアプローチできるのは、比較検討段階の顧客であり、情報収集段階の顧客にはアプローチできません。
しかし、ウェビナーは気軽に参加できるという性質上、情報収集の場として参加する顧客が多数います。購買ファネルにおける「興味関心」「比較検討」層との接点を構築し、有益な情報を提供できるのは、ウェビナーならではの魅力です。
2.低コストで行うことができる
リアル開催のセミナーや展示会だと、以下のようなコストが発生します。
- 会場費用
- 人件費
- 会場を下見する際の交通費
- ノベルティーの購入
- アンケート印刷費用
- ご招待のハガキ
- 資料印刷費用
ざっと上げるだけでも上記のコストが発生します。
そのため、もし上手く思うような集客や顧客の育成ができなかった場合は、赤字になってしまいます。
オフラインのセミナーは、会場のレンタル費用やスタッフの人件費、配布資料の印刷費などで少なくとも30万円はかかると見積もっておくべきでしょう。
一方ウェビナーでかかる費用は、マイクやライトなどの初期費用がメインで、無料配信ツールを使えば2回目以降はほぼ無料で開催できます。
それでいてセミナーと同程度、もしくはセミナー以上の参加者を集められるため、費用対効果の高い施策だといえるでしょう。
3.業務量を削減できる
一般的に展示会やセミナーをリアル開催する場合、以下の業務が発生します。
- 会場選定
- 会場申込
- 人員の準備
- 配布資料の印刷
- 配布アンケートの印刷
- ノベルティーの準備
- 当日のオペレーション表
- 参加者への招待状の作成
- 会場の設営と撤収作業
このように、リアル開催だと業務量が多く、とても1人で実施することは不可能です。さらに上記の業務に加えて、基調講演者への出演交渉など外部とのやり取りが発生します。
しかし、ウェビナーであれば、業務を大幅に削減することができます。
例えば、会場は自社の会議室を利用すれば、選定する必要も設営、撤去する必要もありません。
また、アンケートの回答した方に投影資料をプレゼントするようにすれば、資料を印刷する手間もノベルティーを準備する必要もありません。
このようにウェビナーであれば、業務量を大幅に削減できるため人員の削減にも貢献できます。
4.分析しやすいためPDCAが回しやすい
利用するウェビナーの配信プラットフォームによって、以下を分析することができます。
- お申込からの参加率
- 視聴時間
- 平均視聴時間
- 離脱した時間
- アンケート回答率
- 行動データ
オンラインのため、リアル開催では取得できないデータを細かく分析することができます。そのため開催すればするほど、データを集める事ができ、ユーザーが求めているウェビナーのテーマやコンテンツなどを把握できます。
より戦略的に行いたいマーケターにピッタリの施策と言えるでしょう。
【3】ウェビナーマーケティングで成果を出す9つのポイント
ウェビナーマーケティングで成果を出すポイントを解説します。
1.ペルソナを作成する
ウェビナーマーケティングの企画を考えたら、まずは誰向けにウェビナーを開催するのか明確にしましょう。例えば、興味関心段階の顧客と比較検討段階の顧客では、前者が最新トレンドやノウハウを求めるのに対し、後者は製品説明や事例などを求めます。
また、大企業と中小企業、経営層と現場などでは求める情報が異なります。だからこそ、初めにペルソナを作成して、ペルソナが抱える課題やニーズを把握し、最適なコンテンツを作成しなければいけません。
作成したペルソナはチーム間で共有し、顧客像に関する認識を統一しましょう。そうすれば、誰もが顧客視点に立ったコンテンツを企画できるようになります。
2.配信機材に投資する
極論を言えば、スマートフォンさえあればウェビナーは開催できます。
しかし、どれほどウェビナーコンテンツが素晴らしくとも、映像や音声の品質が悪ければ、成果につながりません。また、企業主催のウェビナーのクオリティが低いと、ブランド毀損のリスクも生じます。ウェビナーマーケティングに取り組むのなら、配信機材に投資しましょう。
初期投資するべき機材は、カメラとマイクです。カメラは、大きくデジタルカメラとWebカメラに分けられます。おすすめは、高品質な映像を提供できる安価な業務用デジタルビデオカメラもしくは一般のハイクラス機種です。また、HDMI出力に対応でき、カメラに表示されるバッテリー残量などの文字情報を消せるものを選びましょう。もう一つ揃えておきたいのがマイクです。
スマートフォンやPCに内蔵されたマイクの場合、スピーカーとマイクの間に距離が生じるため、雑音やノイズが混じる可能性があります。外部マイクを使用する際は、マイクの音声情報をデジタルに変換するオーディオインターフェイスが必要になります。
複数人が登壇するウェビナーを開催する予定なら、ハウリングの防止や音量/音質の安定化ができるマイクミキサーがいいでしょう。配信機材に投資をして、十分なクオリティを確保しましょう。
3.ウェビナーの背景に拘る
ウェビナーは投影資料だけでなく、発表者の背景画像にも拘るのがオススメです。
自社のロゴやイメージカラーを使用して作成した背景画像を使用すれば、ウェビナーを通して自社のブランディング活動も同時に行うことができます。
また、参加者にインパクトを与えることができ、ウェビナーへの集中力が高まり意欲的に参加してもらえる可能性があります。
参加者の頭の片隅に少しでも企業のロゴや製品・サービスの印象が残っているだけで、今後、営業活動をする際に安心感を与えることができるので、余裕があれば作成をしましょう。
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4.参加者との一体感を醸成する
ウェビナーに参加したことがある方ならご存知だと思いますが、参加者が見えるのは主催者の顔のみで、参加者同士の顔は見えません。
参加者は場の雰囲気を感じにくいため、ながら聞きや途中離脱の可能性が生じます。
このデメリットを防ぐためには、リアルタイムの投票機能やチャット機能、質疑応答を活用して、積極的に参加者とコミュニケーションを取るのが有効です。
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5.スムーズな運営体制を整える
例えばウェビナーマーケティングで使用するコンテンツが良かったとしても、ウェビナーの司会がスムーズでなければ参加者は集中して聞いてくれません。
また「事前準備をちゃんとできない会社」という印象を与えてしまい、企業のイメージダウンにも繋がります。
その印象がついてしまうと、商品・サービスを見てもらえず機会損失に繋がる可能性があります。
そのため、ウェビナーを実施する際は事前に、司会台本や当日のスケジュール表を作成しスムーズな運営ができるように入念に準備を行いましょう。
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6.アンケートを実施する
ウェビナー終了後は、必ずアンケートを実施しましょう。
アンケートを実施することで、自分では気づくことができなかった参加者の見えないニーズや不満を知ることができます。
また、そのアンケート結果を元にコンテンツの修正や配信テーマの変更、開催時間の調整など様々なことを改善することができます。
しかし、オンラインのため、アンケートに回答しなくても、その場から退出できるため回答率は低くなる傾向があります。
そのため、アンケートに回答していただいた方には、セミナーで使用した資料をプレゼントをするなどの工夫が必要になります。
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7.アフターフォローで商談化率を高める
ウェビナーマーケティングの集客ができたとしても、リードを受注につなげられなければ、ビジネスの目的は達成できません。ウェビナーリードを顧客化するためにも、顧客の温度感が高まっているうちにフォローアップをしましょう。フォローアップの流れは以下の通りです。
- 参加者をセグメント化する
- セグメントに合わせたアプローチ
- 営業へ引き渡し
まずは参加者のアンケートや視聴データなどをもとに、顧客をセグメント化します。ただし、アンケートで情報収集中という回答があっても、1か月以内に自社サイトに数回訪問した顧客と訪問歴のない顧客では状況が異なります。MA/CRMツールを活用すれば、高い精度で顧客のセグメント化を実施できます。
セグメント別に最適なメール配信も自動で行えるため、スムーズに顧客のフォローアップが可能です。顧客をセグメント化したら、最適なアフターフォローをしましょう。
例えば、興味関心度の低い層にはメールマガジンで関係構築をし、高い層にはインサイドセールスによるアポイントコールなどです。
また、フォローアップではスピードが重要です。ウェビナー参加者の感度が下がらないうちに、迅速にフォローアップを実施しましょう。理想は1か月以内にクロージングさせることです。
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8.データを分析・効果測定をする
Zoomなどのウェビナー配信プラットフォームとMA/CRMツールを連携すれば、参加者の詳細なデータを解析できます。
例えば、ZoomとCRMツールHubSpotの連携で、平均出席時間や途中離脱の有無などの詳細なデータ確認が可能です。 ただし、このようなデータから参加者の熱意までは測定できません。
最後までウェビナーを視聴していても、実は他の作業をしながら視聴していた可能性もあります。そのため、問い合わせや製品ページの閲覧などの効果指標も設定したうえで、アンケートの項目の設定やデータの分析に取り組みましょう。
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9.動画は限定コンテンツとして公開する
ウェビナーのメリットの一つとして、セミナー内容を録画し、再活用できることがあげられます。
動画コンテンツは、YouTubeでの公開やメールマガジンからの遷移など様々な活用法がありますが、リード獲得には限定コンテンツとして公開するのが有効です。
動画コンテンツの公開日時を限定すれば、顧客のスクリーニングができ、確度の高い顧客のみを集客できます。
【4】ウェビナーマーケティングの事例
著名人を活用したウェビナーマーケティング
日本に参入したばかりの外資系企業で、国内での認知度が低く集客に困っていました。
そのため、TECH+のウェビナー企画・運営サービスを利用。
TECH+の有名メディアという立場を活かし、基調講演者に出演してもらい、目標人数より2.5倍ほど多く集客をすることができました。
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【5】まとめ
今やウェビナーマーケティングは、重要なマーケティング施策の一つとなっています。
ウェビナーは低コストで取り組める一方、成果を出すには工夫が必要です。顧客視点に立ったうえで、自社ならではの価値を加えた良質なコンテンツや集客、徹底したアフターフォローなどが求められます。
自社でウェビナーマーケティングの推進が困難な場合は、運用代行を活用するのもおすすめです。
TECH+では、年間100件以上ウェビナーを開催しているためウェビナーマーケティングに必要なノウハウを熟知しています。
ご興味のある方は、下記より詳細をご確認ください。