カスタマーエクスペリエンス(CX)とは|意味や重要性、向上させるメリット・方法を解説
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2023.01.31]
目次
- 【1】カスタマーエクスペリエンス(CX)とは
- 1.ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い
- 2.カスタマーサティスファクション(CS)との違い
- 【2】カスタマーエクスペリエンス(CX)の重要性
- 【3】カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる3つのメリット
- 1. リピーター・ファンを獲得することができる
- 2. ブランディングの向上につながる
- 3. 優良顧客による口コミで宣伝になる
- 【4】カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる5つの方法
- 1. アンケート等で顧客からフィードバックをもらう
- 2. 顧客のニーズや行動履歴に基づいてカスタマージャーニーマップを作成する
- 3. KPIを策定する
- 4. 顧客の属性ごとに最適な施策を実施する
- 5. PDCAサイクルを回す
- 【5】カスタマーエクスペリエンス(CX)を効率的に向上させる3つのポイント
- 1. オムニチャネル化を検討する
- 2. コンタクトセンターなどのオペレーションを最適化する
- 3. ツールを活用する
- 【6】カスタマーエクスペリエンス(CX)が低下してしまう3つの原因
- 1. 顧客に関わるスタッフの育成不足
- 2. 商品やコンテンツが全くパーソナライズされていない
- 3. カスタマーサービスが充実していない
- 【7】まとめ
【1】カスタマーエクスペリエンス(CX)とは
カスタマーエクスペリエンス(CX)は日本語で「顧客体験」「顧客体験価値」を意味します。CXは商品やサービスの購入前から購入後、およびその間のすべてのポイントにおいて、顧客がどのように関わっているかを示すものです。
1.ユーザーエクスペリエンス(UX)との違い
ユーザーエクスペリエンス(以下、UX)は商品・サービスの利用を通して得られるユーザー体験のことをいいます。一方のCXは商品・サービスの認知、購入の検討、購入など、企業と顧客の一連の流れで得られるすべての体験のことを示しています。UXはCXに内包されているものと考えていいでしょう。
2.カスタマーサティスファクション(CS)との違い
CSは顧客満足度のことで、顧客が商品・サービスに対してどれくらい満足したかを数値化したものです。CXに対する顧客からのフィードバックがCSになります。企業が継続的に利益を出していくためには良い顧客体験を提供し、CSを維持・向上させることが重要です。
【2】カスタマーエクスペリエンス(CX)の重要性
インターネットやスマホの普及により、商品やサービスの情報を気軽に入手できるようになりました。そのため、商品やサービスの機能、性能、価格といった訴求だけでなく、販売促進や購入後のサポートなど、全体を通してより良い顧客体験の提供が求められるようになりました。
CXを高めることでLTVの向上につながったり、リピーターとなった既存顧客が、口コミ等により新規顧客を獲得してくれたりなどメリットがあります。他社との差別化・利益の安定化のため、カスタマーエクスペリエンスは多くの企業にとって重要な指標の一つとなっています。
【3】カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる3つのメリット
ここではカスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる3つのメリットを紹介します。
1. リピーター・ファンを獲得することができる
新規顧客を獲得するのは、既存顧客の5倍のコストがかかると言われています。売上やLTVを上げるためにも、リピーター・ファンの獲得は必要不可欠です。
CXを向上させ顧客からの評価が上がれば、リピーターやファンがつきやすくなります。継続して商品・サービスを利用してもらえる可能性が高くなり、売上の安定化につながるでしょう。
2. ブランディングの向上につながる
ファンが増えることでブランドイメージの向上にもつながります。ブランドイメージが向上することで、他社との差別化が図れます。また、ブランドイメージが定着することで企業や商品の認知度も向上し、広告にかけるコストを削減できるメリットもあります。
3. 優良顧客による口コミで宣伝になる
CXが向上しファンが付けば、SNS等で口コミを発信してくれます。優良顧客による口コミは宣伝として効果的です。口コミによって良い評判が広まれば多くの人に商品・サービスを知ってもらうことができ、新規顧客獲得につながります。
【4】カスタマーエクスペリエンス(CX)を向上させる5つの方法
ここでは、カスタマーエクスペリエンスを向上させるための方法を5つ紹介します。
1. アンケート等で顧客からフィードバックをもらう
CXの質を高めるためには、顧客視点に立って考えることが重要です。まずは顧客の声を集め、ニーズを把握するようにしましょう。
2. 顧客のニーズや行動履歴に基づいてカスタマージャーニーマップを作成する
カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスの購入に至るまでのプロセスを可視化したものです。顧客によってニーズやアクションは様々。情報の組み合わせや伝え方によって、CXは変わります。
カスタマージャーニーマップを作成することで、最適な施策を考えることが可能です。フィードバックや顧客のニーズをもとに、最適なカスタマージャーニーを作成しましょう。
下記の記事でカスタマージャーニーについて詳しく解説しています。
・カスタマージャーニーマップとは?必要性や作成手順、事例まで解説
3. KPIを策定する
カスタマーエクスペリエンスを実施する際は、進捗や達成率を可視化できるKPIを設定し、定期的に計測していくことが重要です。明確な目標を定めることで施策・改善を立てやすくなります。CXでは以下のようなKPIが重要視されます。
- LTV(ライフタイムバリュー)
- 解約率(チャーンレート)
- NPS®︎(ネット・プロモーター・スコア)
下記の記事でチャーンレートについて詳しく解説しています。
・チャーンレートとは|種類や平均値、算出方法、改善のポイントをまとめて解説
4. 顧客の属性ごとに最適な施策を実施する
顧客によって価値観や考え方は様々。顧客一人一人に寄り添ったOne to Oneマーケティングを実施していく必要があります。One to OneマーケティングによりユーザーごとのCXが高まれば、リピーターやファンの増加、ひいてはLTVの最大化が期待できます。
One to Oneマーケティングでは以下のような手法が用いられます。
- レコメンデーション
- リターゲティング広告
- LPO(ランディングページ最適化)
下記の記事でOne to Oneマーケティングについて詳しく解説しています。
・One to Oneマーケティングとは?主な手法や国内企業の成功事例を紹介
5. PDCAサイクルを回す
しっかりと計画と準備を行ったとしても、計画通りにうまくいくとは限りません。施策を実施して終わりではなく、PDCAなどの効果検証を行い効果を最大化させていくことが大切です。
PDCAは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(確認)→Act(改善)の4段階を繰り返すことで業務を最適化する考え方です。営業・マーケティングなど様々な局面で活用されています。CXにおけるPDCAでは、以下のように実施されます。
- Plan(計画):顧客データをもとに、LTVやNPS®︎など目標を設定、達成するための方法を決める
- Do(実行) :広告やキャンペーンなど顧客に応じた施策を実施する
- Check(確認):目標値と実数値を比較する
- Act(改善):目標を下回っていた場合は原因を究明し、改善案や追加施策を立てる
【5】カスタマーエクスペリエンス(CX)を効率的に向上させる3つのポイント
以下の方法は時間やコストがかかるものの、取り入れることで効率的にCXを向上することが可能です。必要に応じて検討してみましょう。
- オムニチャネル化を検討する
- コンタクトセンターなどのオペレーションを最適化する
- ツールを活用する
1. オムニチャネル化を検討する
オムニチャネルとは、企業と顧客との複数の接点(チャネル)を連携することで、最適な顧客体験を提供するマーケティング戦略です。
例えば、店舗に行ったときに在庫がないとします。このようなとき、ECサイトから購入できたり、商品の受け取りを実店舗で行ったりなど、顧客の好きなタイミングで利用できるようにする戦略がオムニチャネルなのです。
オンラインとオフラインをシームレスにつなぐことで顧客の利便性が高まり、CXの向上に貢献してくれます。
2. コンタクトセンターなどのオペレーションを最適化する
コンタクトセンターでは日々様々なお客様から問い合わせが寄せられ、スピーディーな対応が求められます。CXを向上させるためにも、コンタクトセンターのオペレーションを最適化することが大切です。コンタクトセンターを最適化する方法は以下の通りです。
- 経験や適性に応じて人員を(再)配置する
- 単純な作業はツールを使って自動化する
オペレーションを整備することでスタッフやコストの負担軽減になり、結果的にCX向上にもつながります。
3. ツールを活用する
カスタマーエクスペリエンスでは一人ひとりの顧客に具体的なアプローチを行うため、担当者の負担が大きくなってしまいます。そんなときはツールの活用がおすすめです。
MAやCRMなどのツールを活用することで顧客情報や進捗率を一元管理できるため、業務の効率化が期待できます。なお、CXを向上させるツールは複数あり、各ツールによって機能や特徴が異なります。目的や予算、使いやすさなど考慮しながら、自社に合ったツールを活用しましょう。
【6】カスタマーエクスペリエンス(CX)が低下してしまう3つの原因
カスタマーエクスペリエンスは、低下してしまう可能性もあります。以下3つの要因に注意して、業務に取り組みましょう。
1. 顧客に関わるスタッフの育成不足
1つ目の原因は、スタッフの育成不足です。たとえ良い商品・サービスがあっても、スタッフの対応がイマイチではCXを下げてしまう場合があります。
経験者やスペシャリストを確保できればいいのですが、なかなか難しいのが実情です。
優秀な人材を育てるためにも、下記のような育成環境を整える必要があります。
- 研修やOJTを行う
- 新人や部下とコミュニケーションをとる機会を増やす
また、職場環境を整えたり、福利厚生を用意するなど優秀な人材に定着させるための環境づくりも重要です。
2. 商品やコンテンツが全くパーソナライズされていない
パーソナライズとは顧客の属性・行動履歴に基づき、適切な商品・コンテンツを提供する手法です。
今やインターネットの普及によって、誰もが自由に情報を得られるようになりました。全員に同じ商品・サービスや同じ売り方で提供しても、すべてのユーザーには刺さるとは限りません。商品やコンテンツごとにパーソナライズができていないと、競争優位を獲得するのが難しくなっているのが現状です。
適切な商品・コンテンツを提供するためにも、顧客ごとの属性・行動履歴を把握することが重要です。
3. カスタマーサービスが充実していない
売上を上げることはもちろん重要ですが、カスタマーサービスを整えることも忘れてはいけません。カスタマーサービスが充実していないとCXが低下し、売上機会の損失につながってしまいます。以下のようなカスタマーサービスを設置し、顧客対応できる環境を整備しましょう。
- Webサイト・よくある質問ページ
- 問い合わせフォーム
- チャットボット
- SNS
【7】まとめ
今回の記事ではカスタマーエクスペリエンスについて紹介しました。カスタマーエクスペリエンスとは、商品・サービスの利用や購入における顧客が感じる体験・価値のことです。カスタマーエクスペリエンスを向上させることで、
- リピーター・ファンを獲得することができる
- ブランディングの向上につながる
- 優良顧客による口コミで宣伝になる
といったメリットがあります。カスタマーエクスペリエンスを意識しながら、顧客視点で施策や改善を進めていくことが重要です。また、良質な顧客体験を提供するためにも、リード獲得の段階で自社のターゲットに沿ったリードを獲得していくことが重要です。
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【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。