メルマガとは?配信方法から効果的な作り方、成功事例まで徹底解説!
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2023.11.17]
目次
- 【1】メルマガとは
- 1.メルマガの目的
- 2.メルマガの形式
- 1.テキスト形式
- 2.HTML形式
- 【2】メルマガのメリット・効果
- 1.低コストで実施できる
- 2.セグメント配信が行える
- 3.顧客と良好な関係を育成できる
- 4.プッシュ型のため即効性が見込める
- 【3】メルマガの配信方法
- 1.BCC送信を行う
- 2.ExcelとOutlookを利用する
- 3.GmailとGoogleサービスを利用する
- 4.メール配信システムを利用する
- 【4】メルマガ配信の5ステップ
- ステップ(1):目的を決める
- ステップ(2):ペルソナを定める
- ステップ(3):メルマガの作成
- ステップ(4):メルマガを配信する
- ステップ(5):効果測定を行う
- 【5】効果が出るメルマガの作り方
- 1.コンテンツの品質にこだわる
- 2.顧客ニーズを満たす
- 3.行動喚起を促す
- 【6】メルマガ配信するときの注意点
- 1.同意を得ていない人には配信ができない
- 2.配信停止できる機能を用意しておく
- 3.メルマガ購読者の個人情報を保護する
- 4.送信リスト数が少ないと効果が見込みにくい
- 5.HTMLに関する知識が必要になる
- 【7】メルマガの成功事例
- 【8】まとめ
【1】メルマガとは
メルマガとはメールマガジンの略称で、マーケティング手法の1つです。
メルマガ購読者に対して、役立つコンテンツや限定クーポンを配布して、良好な関係を築いていきます。チャットツールやSNSの登場で、メルマガは時代遅れと言われますが、正しく運用すれば効果が見込めます。
1.メルマガの目的
メルマガの目的は3つあります。
ナーチャリング |
メルマガ購読者に役立つコンテンツを配信して信頼関係を構築する |
WEBサイトへの送客 |
WebサイトやECサイトへ送客するためのプロモーション活動を行う |
販売促進 |
クーポンを配布したりキャンペーン情報を打って販売促進をする |
2.メルマガの形式
メルマガの形式には「テキスト形式」と「HTML形式」があります。
1.テキスト形式
テキスト形式は文章のみで作成したメールをいいます。記号を使用して飾りを付けたり、段落分けしたりすることで、見た目が良く読みやすいメールが作成できます。テキストメールの特徴は以下の通りです。
メリット |
デメリット |
|
|
2.HTML形式
HTML形式とはWebページを作成するプログラミング言語HTMLで作成したメールをいいます。専門知識が必要になりますが、テキストだけでなく、画像や動画を組み込んだリッチなメールを作成できます。HTMLメールの特徴は以下の通りです。
メリット |
デメリット |
|
|
【2】メルマガのメリット・効果
メルマガには4つのメリットがあります。
1.低コストで実施できる
メルマガを配信するときは、メルマガ配信システムを導入する必要があります。メルマガ配信システムを導入すれば、メルマガ配信に対する労力が軽減できます。メルマガ購読者に一斉メールを送ったり、指定日にメールを送ったりすることが可能です。
メール配信システムの料金も月額3,000円~30,000円と安価に利用できます。さまざまなマーケティング手法がありますが、その中でも低コストで実施できることがメリットです。
2.セグメント配信が行える
メルマガでは、顧客ニーズに合わせて送るメールを変えられます。このようなメルマガ配信方法をセグメント配信といいますが、メルマガ購読者をカテゴリー別にセグメント化し、メルマガを配信することでメール開封率を上げていけます。
セグメント配信の例
カテゴリー |
セグメント |
例 |
地理的変数 |
住まい |
東京 |
人口動態変数 |
年齢 |
35歳 |
心理的変数 |
ライフスタイル |
ドライブ、キャンプが趣味 |
行動変数 |
商品使用率 |
月1回商品を購入 |
下記の記事でセグメント配信について詳しく解説しています。
・セグメント配信とは?効果的な4STEPから成功事例まで徹底解説!
3.顧客と良好な関係を育成できる
メルマガ購読者が求めている情報を定期的に提供すれば、良好な関係を構築していけます。自社のサイトに訪問した見込み顧客が、商品を購入してくれるまで時間がかかることもあるでしょう。
このような見込み顧客に有益な情報を提供していけば信頼され、単純接触効果で親近感を持ってもらえるようになり、商品の購入意欲が高まったときに最初に声かけてもらいやすくなります。このように、顧客と良好な関係を育成できることもメルマガの魅力です。
4.プッシュ型のため即効性が見込める
メルマガはプッシュ型のマーケティング手法です。企業が見込み顧客に対してアプローチしていき、良好な関係を構築しつつ販売促進していくためにメールを送ります。
自社商品、サービスのニーズを持っている顧客に遭遇すれば、その場で商談、受注に至ることがあります。また、企業から見込み顧客にアプローチしていけば、知名度の低い商品を売り込むことも可能です。このように、プッシュ型のマーケティングで即効性が見込めることもメルマガのメリットです。
下記の記事でプッシュ型とプル型について詳しく解説しています。
・プッシュ型とプル型の違い3つ!メリット・デメリット・施策を紹介
【3】メルマガの配信方法
メルマガの配信方法には、いくつかの方法があります。
1.BCC送信を行う
メールにある「TO」「CC」「BCC」を使い分ければ、不特定多数の人にメルマガを配信することができます。
TO |
O、CC、BCCに指定されたメンバーのメールアドレスが共有される |
CC |
TOに送信履歴を共有したいメールアドレスを入力する |
BCC |
TOにもCCにも共有したくないメールアドレスを入力する |
つまり、TOにメール送信者のメールアドレスを入力し、BCCにメルマガ購読者のメールアドレスを入力すれば、個人情報を保護しながらメールの一斉送信ができます。
2.ExcelとOutlookを利用する
メルマガ購読者のメールアドレス情報をExcel上で管理しておき、Outlookにインポートすれば、メール一斉送信ができます。具体的な手順は以下の通りです。
- Excelで管理しているメルマガ購読者のメールアドレスのセル範囲をコピー
- メールアドレスを新規ブックに貼り付ける
- ExcelのデータをCSVファイル形式で保存する
- Outlookを開く
- 「ファイル」「開く」「インポート/エクスポート」を選択して「他のプログラムまたはガイドからのインポート」をクリックする
- メールの宛先にペーストする
3.GmailとGoogleサービスを利用する
Gmailを使用している場合は、GoogleスプレッドシートとGoogleドキュメントを使用してメルマガ配信ができます。完全無料で労力をかけずにメルマガを配信できますが、Googleが開発したプログラミング言語「GAS」の知識が必要になります。
そのため、社内にプログラミングに詳しい方がいる場合、GmailとGoogleサービスを利用してメルマガ配信していくことを検討しましょう。
4.メール配信システムを利用する
メール配信システムは、メルマガ購読者にメールを一斉送信するためのシステムです。メール配信システムには、以下のような機能が搭載されているため、メール配信業務が効率化できます。
ターゲット配信 |
見込み顧客の中から対象を絞り込んでメールを配信できる |
オプトアウト |
メルマガの配信停止ボタンを設置して、メルマガ配信の停止が行えるようにする |
エラーアドレス分析 |
メルマガが届かないエラー要因を分析する 条件に応じてメルマガの配信を停止する |
配信スケジュール予約 |
指定した日時にメールを配信する |
ステップメール配信 |
経過日数などから異なるメールを複数配信する |
メール承認 |
メールの誤送信を防ぐために、送信前に決裁者の承認を行う |
HTMLメール作成エディタ |
HTMLメールの作成をクリック&ドロップで作成する |
レスポンシブデザイン対応 |
PCやタブレット、スマホで見れるHTMLメールを作成する |
属性差し込み |
「〇〇様」などの氏名情報をデータベースから拾って差し込む |
組み換えメッセージ |
ユーザーの属性情報に応じてコンテンツを変えて配信する |
開封率測定 |
メールの開封数を確認できる |
URLクリック率 |
測定メール内のリンクのクリック率を測定できる |
ABテスト |
異なるメールの文章やボタン配置、レイアウトのメールを試して、どちらが効果が高いかを測定できる |
【4】メルマガ配信の5ステップ
メルマガ配信は5ステップで行えます。
- 目的を決める
- ペルソナを定める
- メルマガを作成する
- メルマガを配信する
- 効果測定を行う
ここでは、配信手順について詳しく解説します。
ステップ(1):目的を決める
まずは、メルマガ配信の目的を決めます。メルマガ配信の目的を決めなければ、どのような相手にどのようなメッセージを送るかが定まりません。
- 見込み度の低い顧客に有益な情報を提供して、見込み度を上げたい
- キャンペーン情報やクーポン配布をして、販売促進を狙いたい
- 新商品のお知らせをして、既存顧客、新規顧客に購入してもらいたい
上記のような目的がありますが、なぜメルマガを配信するのか考えましょう。
ステップ(2):ペルソナを定める
メルマガ配信の目的を決めたら、ペルソナを定めていきます。
ペルソナとは、メルマガ配信の相手の具体像です。年齢や性別、年収、家族構成などのデモグラフィックだけでなく、ライフスタイルや価値観などのサイコグラフィックまで定めておきましょう。
ペルソナを定めることで、相手に興味・関心を持ってもらえるメールが作成しやすくなり、開封率を上げていけます。ペルソナを定めたら、該当者をメルマガ配信リストにまとめておきます。
下記の記事でペルソナについて詳しく解説しています。
・ペルソナとは?メリットや作成手順をたった4ステップで解説!
ステップ(3):メルマガの作成
ペルソナに興味・関心を持ってもらえるメールを作成していきましょう。まずは、読みやすいメールの基本構成を守ります。
メールの基本構成
- ヘッダー:会社のロゴ
- リード文:挨拶
- 本文:メルマガの内容
- フッター:メルマガ送信者の情報、メルマガ配信解除フォーム
その次に、ペルソナにメールを開封してもらえて、満足してもらえる文章を考えていきます。
メルマガの作り方のコツ
- メルマガタイトルはわかりやすくする
- メルマガタイトルにベネフィットや限定感を出す
- メルマガの本文は件名の補足をする
メルマガの作り方のコツについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてみてください。
下記の記事でメルマガのタイトルの作り方について詳しく解説しています。
・40サンプル付き!開封率を高めるメルマガタイトル(件名)の作り方
下記の記事でメルマガテンプレートについて詳しく解説しています。
・クリック率を高めるメルマガテンプレート作成ポイントとおすすめのツール
ステップ(4):メルマガを配信する
メールを作成し終えたら、メルマガ配信をしていきます。メルマガを配信するときは、配信する曜日と時間にこだわりましょう。なぜなら、配信時間や曜日はメール開封率に直結するためです。
MailerMaikerのマーケティング調査レポートによると、メルマガ開封率は1時間以内が最も高く、それ以上の時間が経過すると、少しずつ開封率が下がります。そのため、ペルソナのライフスタイルを想像しながら、メールを読んでくれそうな曜日、時間を目掛けてメルマガを配信しましょう。
下記の記事でメルマガ配信時間について詳しく解説しています。
・メールマーケティングとは|取り組むメリットや手法、効果的に行うポイントを徹底解説
下記の記事でメルマガ配信頻度について詳しく解説しています。
・メールマーケティングとは|取り組むメリットや手法、効果的に行うポイントを徹底解説
ステップ(5):効果測定を行う
メルマガは配信したら満足せず、効果を測定して改善することで成果が出るようになります。メルマガの効果測定をするときは、以下の数値に注目してみましょう。
[メルマガのKPI]
- メール配信数
- メール到達数
- メール開封率
- メールクリック数
- メールからのCV数
【5】効果が出るメルマガの作り方
メルマガの配信方法をご紹介しましたが、成果を出すためのコツを押さえておきましょう。
1.コンテンツの品質にこだわる
メルマガ購読者にメールを開封してもらい、満足してもらうために品質を大切にしましょう。高い品質のコンテンツを作るコツには、以下のようなものがあります。
- 顧客が得られるメリットを訴求する
- コストパフォーマンスの良さを訴求する
- 顧客が抱えている課題を解決できることを述べる
- 自社商品、サービスを利用しているお客様の声を載せて信頼を得る
- 権威性のある情報を含める
- 顧客の共感を集める情報を含める
- なるべく数字を入れて具体性を持たせる
2.顧客ニーズを満たす
メルマガ配信しても、顧客ニーズを満たさないと満足してもらえません。企業がメルマガ購読者に対して一方的にメールを送ると、興味・関心の湧かないメールが送られてくると、メール配信が解除されてしまうかもしれません。
このような事態を防ぐためにも、メールを作成するときは顧客ニーズを満たしているかを意識しましょう。また、顧客目線を意識してメールを作成すると親近感を持ってもらいやすくなります。
3.行動喚起を促す
メルマガが開封されても、Webサイト遷移やセミナー参加など行動に移してもらえなければ意味がありません。そのため、メルマガにお問い合わせボタンを設置して行動喚起を促しましょう。
メールにお問い合わせボタンやテキストリンクを入れておけば、クリックしてもらいやすくなります。テキストよりバナーやボタンなどの方がクリックされる傾向があるため、なるべくリッチなメールを作るようにしましょう。
【6】メルマガ配信するときの注意点
メルマガ配信するときは、3つの点に注意してください。
1.同意を得ていない人には配信ができない
メルマガ配信する際に知っておきたい法律として「特定電子メール法」があります。特定電子メール方は迷惑メールを規制するための法律です。この法律では、以下の内容が定められています。
- メルマガ配信先から同意を得ること
- メルマガ配信者の会社名または氏名を記載すること
- メルマガ受信拒否ができる旨を説明すること
特定電子メール法に違反してしまった場合は、刑事罰として1年以下の懲役または罰金(個人100万円以下、法人3,000万円以下)が科せられます。そのため、メルマガ配信先から必ず同意を得てからメルマガ配信しましょう。
2.配信停止できる機能を用意しておく
特定電子メール法では、メルマガ受信拒否ができる旨を説明することが義務付けられています。そのため、メルマガ配信を停止する方法を記載しておきましょう。
テキスト形式の場合は、メルマガ配信の停止を希望する場合の連絡先を記載しておきます。HTML形式の場合はメルマガ配信停止フォームを設けておきましょう。
3.メルマガ購読者の個人情報を保護する
個人情報保護法では、メルマガ配信リストの顧客情報を保護することが義務づけられています。顧客の個人情報は、本人から承諾を得ることなく第三者に提供してはいけません。
また、第三者の同意を得て個人情報を提供する場合は「いつ」「誰の」「どのような情報」「誰に」「何のやめに」提供したか記憶しておく必要があります。個人情報保護法を違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
4.送信リスト数が少ないと効果が見込みにくい
メルマガは送信リスト数が少ないと効果が見込みにくくなります。なぜなら、メルマガ開封率は低いためです。BENCHMARK社の独自調査レポート「平均メール開封率・クリック率レポート (2022年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報」では、メルマガの開封率は37.42%となっています。
つまり、おおよそ3人に1人がメルマガを読んでくれ、2人がメルマガを読んでくれません。商談化率になると数値は下がるため、リスト数が少ないと効果を感じにくいでしょう。送信リスト数が少ない場合は、多くの会員を抱える媒体のメルマガ広告サービスをおすすめします。
下記の記事でメルマガ広告について詳しく解説しています。
・メールマーケティングとは|取り組むメリットや手法、効果的に行うポイントを徹底解説
5.HTMLに関する知識が必要になる
HTML形式のメールを作成するには、HTMLに関する知識が必要になります。Webページを制作するために欠かせない言語ですが、プログラミング言語が難しいと感じてしまうかもしれません。
このような悩みを抱えた場合は、メール配信システムを利用するようにしましょう。HTML形式のメルマガテンプレートが用意されているメール配信システムを利用すれば、専門知識がなくてもクリック&ドロップだけでリッチなメールが作成できるようになります。
【7】メルマガの成功事例
マイナビTECH+は自社オウンドメディアで獲得したリードに対して、メルマガを配信しています。オウンドメディアで獲得したリードをセグメント化して、顧客が求めている情報を配信し、以下のようなKPIを策定して効果検証を実施しています。
- メール配信数
- メール到達数
- メール開封率
- メールクリック数
- メールからのCV数
メルマガ配信後に効果検証して、メールの内容を改善していくことで、1年間でメルマガ経由の商談数が2.5倍、売上を1.5倍に伸ばすことに成功しました。
【8】まとめ
メルマガとはメルマガ購読者に対して、役立つコンテンツやメルマガ購読者限定クーポンを配布して、良好な関係を築いていくためのマーケティング手法です。ナーチャリングやWEBサイトへの送客、販売促進などの効果が見込めます。
しかし、メルマガの開封率によって成果が変わってきます。そのため、メルマガ購読者に開封してもらえて、行動に移してもらえるメールを作成しましょう。この記事ではメルマガの作り方、配信方法を紹介したため、ぜひ参考にしながら取り組んでみてください。
もし、この記事を読んで「メルマガの配信方法がわからない」「メルマガで成果が出せない」という方は、マイナビTECH+にご相談ください。
マイナビTECH+は、マーケティング支援サービスを提供しています。「リード獲得」「リード育成」「商談化」までワンストップで支援しているため、支援サービスに興味がある方は下記より資料をダウンロードしてみてください。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。