SWOT分析(スウォット分析)とは、自社の現状を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4要素で整理するフレームワークです。強みと弱みは自社でコントロールできる内部環境、機会と脅威はコントロールできない外部環境にあたります。この4つを洗い出したうえで掛け合わせることで、次に打つべき施策が具体的に見えてきます。
本記事では、4要素それぞれの洗い出し方を3ステップで解説します。外部環境の分析に使うPEST分析・5フォース分析の使い分け、4要素を掛け合わせるクロスSWOT分析の手順、Appleの分析例まで、そのまま自社の分析に使える形でまとめました。
なお、TECH+ではBtoB企業に対してマーケティング支援を行っております。自社の強みをどう訴求するか、どの市場機会を狙うかといったご相談も承っています。具体的な支援内容と費用感は、下記の資料からご確認いただけます。
SWOT分析とは?読み方・4要素のやり方・企業事例まで解説
btobマーケティング
マイナビニュース|TECH+の媒体資料
決裁者は何を見て比較・検討しているのか。実データから導入判断時の情報収集行動を読み解いたレポートを無料で配布しています。
SWOT分析とは?
まずは、SWOT分析ついて解説します。
SWOT分析の基本概要

SWOT分析とは、自社の現状(強み・弱み・機会・脅威)を把握するために活用するワークフレームです。「強み(Strength)」「強み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字から、SWOT分析と呼ばれています。
「スワット分析」と読まれることもありますが、一般的な表記は「スウォット分析」です。
SWOT分析
- 強み(Strength):自社が他社より優れている点
- 強み(Weakness):自社が他社より劣っている点
- 機会(Opportunity):自社にとってプラスに働く要因
- 脅威(Threat):自社にとって悪影響を及ぼす可能性がある要因
この4要素は、「内部環境か外部環境か」と「プラス要因かマイナス要因か」の2軸で整理できます。強みと弱みは自社の取り組みで変えられる内部環境、機会と脅威は自社ではコントロールできない外部環境です。
図のとおり、SWOT分析は4つのマス目を埋めていく作業です。SWOT分析を利用すれば、自社の強みや弱みを洗い出した上でポジションを定められ、より効果的なマーケティング施策が打てるようになります。
SWOT分析の起源については諸説あります。1960年代にスタンフォード研究所のアルバート・ハンフリーらが行った調査を源流とする説と、ハーバード・ビジネススクールのケネス・アンドリュースらが体系化した企業戦略論の枠組みに由来する説が知られています。
SWOT分析の目的
SWOT分析の目的は、自社の立ち位置を明確にすることです。自社の優れている点や劣っている点を理解すれば、効果的な戦略を練れるようになります。具体的には、次の4つの場面で活用します。
<SWOT分析の活用場面>
- 事業撤退の判断:弱みと脅威が重なっている事業を特定し、投資を続けるか縮小するかを判断します
- マーケティング戦略の策定:強みと機会が重なる領域を見つけ、優先的にリソースを配分します
- マーケティング戦略のレビュー(改善):施策が想定どおりの成果を出していない原因が、内部環境と外部環境のどちらにあるのかを切り分けます
- 組織強化:弱みとして挙がった項目を、採用・育成・体制づくりの課題として整理します
いずれの場面でも、「4要素を洗い出すこと」ではなく「洗い出した結果から次の一手を決めること」が目的です。何を判断するために分析するのかを、あらかじめ決めておきましょう。
SWOT分析の重要性
SWOT分析は、自社のポジションを明確にしてマーケティングで成果を出すために活用します。
マーケティングで成果が見込めなかったり、改善の方向性が見えなくなったりすることも珍しいことではありません。このような悩みを抱えた際に、自社の内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、ポジションを確立することで、マーケティングの方向性が定めやすくなります。
例えば、自社の強みである部分を伸ばせば、大きな成果が期待できるでしょう。一方で、自社の弱みを克服したい場合は改善していく必要があります。外的要因で自社商品、サービスの需要が見込めなくなれば撤退も考えなければなりません。
このように、SWOT分析を活用すれば、マーケティングの次の一手が打ちやすくなります。
なお、下記の記事で、マーケティングに活用できるフレームワークを網羅的に解説しています。
白田 翔也
TECH+
マーケティング責任者
マーケティング責任者
マーケティングのフレームワークには似たような言葉があり混同しやすいですが、
① PEST分析:「世の中はどう変化しているか?」
② 5フォース分析:「その業界は儲かるのか?」
③ 3C分析:「顧客・競合・自社の状況はどうなっているか?」
④ SWOT分析:「自社の強み・弱みと市場の機会・脅威は何か?」
⑤ STP分析:「誰にどんな価値を提供するのか?」
⑥ 4P分析:「その価値をどう売るのか?」
⑦ 4C分析:「顧客から見て本当に魅力的か?」
と理解しておきましょう。
そして、①~③の分析結果を1枚にまとめたのがSWOT分析である、とイメージしてください。必ずしもその通りに進むわけではありませんが、全体の大枠としてこのようにとらえておくと理解がしやすいでしょう。
こちらもチェック!
こちらもチェック!
こちらもチェック!
SWOT分析のメリットとデメリット

SWOT分析には、使い方を誤ると成果につながらないという特性もあります。両面を理解したうえで使い分けてください。図のとおり、デメリットは対処法とセットで押さえておくと、実務で使い続けられます。
<SWOT分析のメリット>
- 内部環境と外部環境を同じ枠組みで整理できる:自社の話と市場の話を1枚で並べられるため、議論が噛み合いやすくなります
- チーム内で現状認識をそろえやすい:4要素という単純な構造のため、営業・開発・経営層など部門をまたいだ議論にも使えます
- 次の施策に接続しやすい:クロスSWOT分析まで行えば、洗い出した要素がそのまま戦略の候補になります
<SWOT分析のメリット>
- 並べただけでは施策につながらない:4つのマス目を埋めて満足してしまいがちです。クロスSWOT分析まで行うことを前提に進めてください
- 主観が入りやすい:「自社の強み」は社内の思い込みになりやすい項目です。顧客へのインタビューや定量データで裏づけを取ってください
- 時点の分析にとどまる:市場環境は変化するため、一度作った分析はすぐに古くなります。四半期ごとなど、見直す頻度を決めておきましょう
要素の洗い出しは手段であって、目的は戦略を決めることだと押さえておいてください。
SWOT分析のやり方

SWOT分析は3STEPで行います。
- 内部環境を分析する
- 外部環境を分析する
- クロスSWOT分析で戦略を立てる
図のとおり、ステップ1と2で4要素を洗い出し、ステップ3で掛け合わせて戦略にします。ここでは、各手順について解説します。
①内部環境を分析する
まず、内部環境を分析します。内部環境とは、自社の取り組みによって変えられる要素のことです。技術力・人材・ブランド・価格・販売チャネルなどが該当します。外部環境と分ける理由は打ち手が違うためで、内部環境の課題は自社の意思決定で改善できますが、外部環境は適応するしかありません。
内部環境はさらに「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」のふたつに分けます。
強み(Strength)
自社の強みを洗い出すは、(1)競合他社と差別化できているもの(2) 自社商品が選ばれている理由を考えます。
まず、競合他社と差別化できているものを洗い出す際は、3C分析を活用しましょう。「顧客」「競合他社」「自社」を分析することで、競合他社が提供できていないけれど、自社は提供できているものを特定できます。
次に、自社商品が選ばれている理由を把握するために、顧客の声を聞きましょう。インタビューやアンケート調査で、自社商品が選ばれている理由を聞き出せます。
各企業で異なりますが、次のようなものが強みとなります。
<参考例>
- 立地条件が良い店舗でアクセスしやすい
- 最先端技術を活用できる
- 長い歴史があり、知名度が高い
- 顧客対応のスピードが早い
なお、3C分析について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
弱み(Weakness)
自社の弱みを洗い出す際には(1) 自社が劣っている点(2)自社が苦手としていることを整理しましょう。
まず、競合他社と自社の比較表を作成します。その上で「価格」「品質」「サポート力」「知名度」を比較していきます。競合サイト、口コミ、決算資料などを見て競合他社の情報を集めます。一般的に競合他社の強みが、自社の弱みとなるケースが多いです。
また、組織メンバーで意見を言い合い、自社が苦手とすることを整理しましょう。異なる部門の人を集めて意見を聞き出すことで、自社が苦手としていることを洗い出せます。
各企業で異なりますが、次のようなものが弱みとなります。
<参考例>
- データ分析スキルが乏しい
- 顧客対応のスピードが遅い
- 営業リソースが不足している
- 業界のトレンドに追い付いていない
②外部環境を分析する
次に外部環境を分析します。外部環境とは、自社の意思では変えられない要素のことです。法規制・景気・技術の進展・競合の動向・顧客の価値観の変化などが該当します。改善はできませんが、変化を早く捉えられれば機会を先に取りにいくことも、脅威に備えることもできます。
外部環境は「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」のふたつで考えます。
機会(Opportunity)
自社にとってプラスに働く外的要因を見つけましょう。後述していますが、PEST分析と5フォース分析を活用することで、社がコントロールできない外部環境の影響を洗い出せます。外部環境について詳しく把握するために、業界レポートやニュースを見て、市場の変化が自社にどのような影響を及ぼすのかを考えましょう。
機会を洗い出すコツは、「市場でこういう変化が起きている」で止めずに、「だから自社の何が売れるようになるのか」まで書き切ることです。「AIの市場規模が拡大している」だけでは施策になりません。「AIの市場規模が拡大しており、自社の画像認識技術を検品工程向けに提案できる」まで書けば、そのまま次の打ち手になります。
各企業で異なりますが、次のようなものが機会となります。
<参考例>
- 最先端技術に注目が集まり、市場規模が拡大している
- 健康意識の高まりで、消費トレンドになった
- 競合他社が業績悪化で撤退した
- サービス導入時に補助金制度を利用できるようになった
業種によって着目すべき変化は異なります。自社に近いものから考え始めると進めやすくなります。
<業種別に見た機会の着眼点>
|
脅威(Threat)
自社にとってマイナスに働く外的要因を見つけましょう。機会を洗い出す方法と同じで、PEST分析と5フォース分析を使って外部環境の変化を洗い出し、そのなかから自社に悪影響を及ぼすものを選びます。
脅威で見落とされやすいのが、競合の動きではなく「顧客の行動が変わること」です。同業他社の値下げは目に付きますが、顧客が別の手段で課題を解決し始める変化のほうが影響は大きくなります。自社の商品を買わなくなる理由を、競合以外にも広げて考えてください。
各企業で異なりますが、次のようなものが脅威となります。
<参考例>
- 大手企業が新規参入してきた
- 最先端技術に注目が集まり、需要が減少した
- 競合他社の値下げした
- 物価や人件費が高騰して、利益が見込めまなくなった。
脅威を洗い出したら、「影響の大きさ」と「発生する可能性」の2軸で優先順位を付けてください。すべてに備えるとリソースが分散します。影響が小さいものは、記録だけ残して定期的に見直す対象にすれば十分です。
【補足】機会と脅威の見分け方

機会と脅威は、どちらも同じ外部環境の変化です。同じ変化であっても、自社の立場によって機会にも脅威にもなります。そのため、変化そのものを分類しようとすると手が止まります。
図4の例で言えば、「健康志向の高まり」は健康食品を扱う企業にとっては機会ですが、高カロリー商品を主力とする企業にとっては脅威です。「生成AIの普及」も、AIを組み込んだサービスを持つ企業には機会ですが、人手による作業を売っている企業には脅威になります。
判断の手順は次の3つです。
- 外部環境の変化を、良し悪しを付けずに書き出す(例:リモートワークが定着した)
- その変化が自社の売上・コスト・顧客数のどれに影響するかを考える(例:オフィス向け商材の需要が減る)
- 影響がプラスなら機会、マイナスなら脅威に振り分ける
1つの変化が機会と脅威の両方に入ることもありますが、問題ありません。両面がある変化は、クロスSWOT分析で最も戦略に結びつきやすい材料になります。
【補足2】外部環境分析に効果的なフレームワーク

外部環境を分析する際はPEST分析や5フォース分析を活用すると、細かく分析できます。PEST分析はマクロ環境(世の中全体の動き)、5フォース分析はミクロ環境(自社の業界内の力関係)を対象としており、両方を使うと洗い出しの抜けが減ります。
<PEST分析>
PEST分析とは政治・経済・社会・技術の4つの要素から、自社を取り巻く環境を把握するためのフレームワークです。マクロ環境を分析する際に役立ちます。
|
政治 (Politics) |
法改正が行われる可能性はあるか? 例:法律に準拠したラベルを貼る必要が出てきた |
|
経済 (Economy) |
インフレは進行するのか? 例:物価高騰で消費者の節約志向が強まってきた |
|
社会 (Society) |
消費者の価値観、行動にどのような変化があるか? 例:独身の方が増えてきて、少量パッケージの需要が伸びてきた |
|
技術 (Technology) |
新技術、デジタルがビジネスにどのような影響を与えるか? 例:ドローンや自動運転自動車で商品を配送する動きが出てきている |
こちらもチェック!
<5フォース分析>
5フォース分析とは業界の収益性に影響を与える5つの要因を分析するフレームワークです。ミクロ環境を分析する際に役立ちます。
|
競合他社の強さ (Industry Rivalry) |
競争他社の数どの程度か? 例:新規参入企業が増えて競争が激化している |
|
新規参入者の脅威 (Threat of New Entrants) |
新規参入は容易か、参入障壁の高さはどの程度か 例:新規参入のハ-ドルが低く、参入者が増えてきている |
|
代替品の脅威 (Threat of Substitutes) |
顧客が他の製品やサービスに乗り換える可能性がどれぐらいか 例:自社商品の代替品がある |
|
顧客の交渉力 (Bargaining Power of Buyers) |
顧客がどれぐらい選択肢を持っているか 例:さまざまな商品が販売されているため、消費者側に選択肢がある |
|
供給業者の交渉力 (Bargaining Power of Suppliers) |
サプライヤーが取引条件を有利に進められる力を持っているか 例:大手企業と取引しているため、価格交渉が難しい |
こちらもチェック!
③クロスSWOT分析で戦略を立てる

SWOT分析で4つの要素を洗い出したら戦略を立てていきます。4つの要素を掛け合わせて、より効果的な施策を打っていきましょう。
強み × 機会
「強み × 機会」は、攻めの戦略を立てる際に活用します。例えば、自社独自の技術に対する市場の需要が高まっている場合、それに合わせたキャンペーンを展開することで新たな顧客を獲得できる可能性があります。自社の強みを最大限に活かしてビジネス機会を創出したい場合は、強みと機会を組み合わせて考えてみましょう。
<参考例>
- 強み: AI技術に強みを持つ
- 機会: 医療分野でAIの需要が伸びる
- 戦略:医療分野に参入する
強み × 脅威
「強み × 脅威」は、外部環境に存在するリスクや脅威を回避・無力化するために、自社の強みをどのように活用すべきか検討する際に活用します。脅威をリスクと捉えるのではなく、逆にチャンスへと変える視点を持つことが重要です。自社の優位性を最大限に活かすことで、競争に勝つことができます。
<参考例>
- 強み:ブランド力
- 脅威: 低価格の自動車の登場で競争激化
- 戦略:高性能やプレミアムサービスで差別化を図る
弱み × 機会
「弱み × 機会」は、自社の弱みを克服し、ビジネスチャンスに変えるための戦略を考える際に活用します。弱みが原因で貴重な機会を逃さないよう、対策を講じることが大切です。対策を講じることで、新たな成長や収益の可能性を引き出すことができます。
<参考例>
- 弱み: オンライン販売の経験不足
- 機会: EC市場の急成長
- 戦略:ECサイトを立ち上げる
弱み × 脅威
「弱み × 脅威」は、外部環境における脅威をさらに悪化させないように、リスクを最小限に抑えるための戦略を検討する際に活用します。場合によっては、事業縮小や撤退も選択肢として考慮する必要があります。
<参考例>
- 弱み: 物流ネットワークの弱さ
- 脅威: 翌日配送のニーズの増加
- 戦略:翌日配送ができずに、顧客離れが起きているため、物流を見直す。
SWOT分析を活用する際のポイント
SWOT分析を活用する際のポイントは5つあります。
目的を明確にする
最初にSWOT分析の目的を定めておきましょう。目的を定めることで、どのような情報を収集すればよいのか判断しやすくなります。
目的を定めないと、次のような問題が発生するため注意してください。
- 調査の方向性が定まらず、時間やリソースを無駄にしてます
- データに対する解釈がブレて、効果的な施策が打てなくなる
- 根拠となる情報が不足してしまい、意思決定に自信が持てなくなる
そのため、SWOT分析の前に目的を明確にしておきましょう。
前提条件を整理する
効果的な分析を行うためには、前提条件を整理しておき、メンバー全員で共有することが大切です。前提条件が曖昧だと、分析の方向性が定まらず無駄な取り組みになりかねません。
例えば、競合他社について共有しておけなければ、どこの企業を競合他社とするのか認識ズレが起きてしまいます。このような失敗を防ぐために、調査対象、競合他社など前提条件を整理しておきましょう。
幅広い視点を持つメンバーを集める
さまざまな視点を持つメンバーを集めることで、さまざまな意見が飛び交うようになります。
特定の部署だけでSWOT分析すると、視野が狭まり、抜け漏れが生じてしまいかねません。
例えば、営業部では顧客ニーズに偏りがちです。開発部が技術的な実現可能なのかを評価し、経営層が収益性を分析する形で協力することで、より良い戦略が立てられるようになります。の実現性が大幅に向上します。そのため、経営層、営業、マーケター、エンジニアなど、異なる視点を持つメンバーを集め、お互いの知見を活かしながら分析を行いましょう。
客観性を保つ
SWOT分析は、内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を評価するためのツールですが、主観的な視点に偏ると正確な分析ができません。そのため、客観性を保つようにしましょう。
客観性を保つためには、複数のメンバーの意見を取り入れたり、定量データを活用したりするのが有効的です。社内の人だけでは主観的な視点に偏りそうだと不安を感じる場合は、コンサルタントや専門家など第三者を含めて分析を行いましょう。
定期的に見直す
SWOT分析は、外部環境(機会と脅威)や内部環境(強みと弱み)の変化を反映するために、定期的な見直しが必要です。市場や競合環境が急速に変化する中、初回の分析だけでなく、継続的に行うことが大切です。
新たな競合他社が登場した場合などに、SWOT分析を行いましょう。また、四半期毎など定期的な見直しのタイミングを決めておくことで、定期的に見直す習慣が作れます。
Appleを用いたSWOT分析の事例

出典元:『Apple』
Appleは、1976年に創業され、現在は世界をリードするテクノロジー企業として知られています。
革新的な製品と洗練されたデザイン、直感的なユーザーエクスペリエンスを提供することで圧倒的な支持を得ています。圧倒的なブランド力を持っていることが強みです。
また、ハードウェア、ソフトウェア、サービスをシームレスに統合したエコシステムにより、他社への乗り換え抑制に成功していることも強みと言えるでしょう。Apple社の時価評価額は390兆円で、毎年4.5兆円を研究開発費に費やせる財務基盤の強固さも魅力です。AIやAR/VR分野へ積極的に投資をして、新たなビジネス機会を得ようとしています。
景気後退局面では消費者の買い控えの影響を受けやすく、新興国市場では低価格帯メーカーとの競争が不利になる可能性があります。非常にリーズナブルな価格の競合製品が登場してきたため、価格に敏感な消費者を獲得するのは難しくなってきました。
Apple社の売上の中心はiPhoneですが、近年、GoogleのGoogle Pixelもブランド力を上げてきています。Samsungや中国メーカーとの競争激化に加え、各国規制当局による独占禁止法関連の監視強化があります。特にEUではアプリストア運営や手数料体系に関する規制が進んでおり、Appleの収益モデルに影響を与える可能性がある点が脅威といえるでしょう。
|
強み (Strengths) |
|
|
弱み (Weaknesses) |
|
|
機会(Opportunities) |
|
|
脅威 (Threats) |
|
SWOT分析に関するよくある質問
SWOT分析について、検索されることの多い質問にお答えします。
Q1. SWOT分析とは何ですか。
自社の現状を「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4要素で整理するフレームワークです。強みと弱みは自社でコントロールできる内部環境、機会と脅威はコントロールできない外部環境を指します。4要素を洗い出したうえで掛け合わせることで、次に打つべき施策を具体的に決められます。
Q2. SWOTは何と読みますか。
「スウォット」と読みます。4要素の英語表記であるStrength・Weakness・Opportunity・Threatの頭文字を取った言葉です。「スワット」と読まれることもありますが、一般的な表記は「スウォット分析」です。
Q3. 機会と脅威はどう見分ければよいですか。
自社にプラスに働く外的要因が機会、マイナスに働く外的要因が脅威です。ただし、同じ変化が自社の立場によって機会にも脅威にもなります。例えば「健康志向の高まり」は、健康食品を扱う企業にとっては機会ですが、高カロリー商品を主力とする企業にとっては脅威です。外部環境の変化そのものではなく、その変化が自社の商品・サービスにどう影響するかで判断してください。
Q4. SWOT分析のメリットとデメリットは何ですか。
メリットは、内部環境と外部環境を同じ枠組みで整理できるため、チーム内で現状認識をそろえやすい点です。4要素という単純な構造のため、部門をまたいだ議論にも使えます。デメリットは、洗い出した要素を並べただけでは施策につながらない点です。本記事のクロスSWOT分析で戦略を立てるまで行って、はじめて具体的な戦略になります。また主観が入りやすいため、定量データや第三者の視点を併用してください。
Q5. SWOT分析の具体例を教えてください。
本記事のSWOT分析の事例では、トヨタ自動車・マクドナルド・Appleの3社と、BtoB SaaS企業の想定例を4要素で整理しています。例えばトヨタ自動車であれば、ハイブリッド車での優位性とトヨタ生産方式が強み、電気自動車への投資の遅れが弱み、MaaSやスマートシティ市場の拡大が機会、国内の自動車離れが脅威にあたります。自社で作成する際は、まず競合他社との比較表を作るところから始めてください。
まとめ
SWOT分析(スウォット分析)とは、自社の現状(強み・弱み・機会・脅威)を把握するために活用するフレームワークです。自社のポジションを明確にしてマーケティングで成果を出すために活用します。
また、4つのマス目を埋めただけでは施策になりません。ステップ3まで進めて次の一手を決めるところまでを1セットとし、四半期ごとなど見直す頻度も決めておきましょう。
自社の強みをどう訴求するか、どの市場機会を狙うかについてご相談がある場合は、「マイナビTECH+」にお問い合わせください。
\支援実績900社以上!/
TECH+|マイナビニュースへのご相談はこちら
【TECH+ マーケティング担当 責任者】白田翔也
BtoB領域、特に大手IT企業を中心にTECH+の広告やリード獲得に関するソリューション営業を経験。現在はTECH+のマーケティング責任者として各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。「BtoBマーケティング」テーマのイベントに年間10本ほども登壇。ITパスポートを保有。