マーケティングフレームワークとは?18種類の一覧と使う順番

【テンプレ付き】マーケティングフレームワークとは?代表的な18種類と選び方を解説!

「マーケティングフレームワークには、どのようなものがあるのか…」「マーケティングの精度を上げるために、どのフレームワークを利用すべきなのか…」と悩んでいませんか?

今回はマーケティングフレームワークについて解説します。この記事では「マーケティング戦略」「顧客分析」「課題解決」「消費者行動プロセス」など利用シーン別に代表的なフレームワークをご紹介しています。

各フレームワークの使い方まで詳しく解説しているため、マーケティング強化を図りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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マーケティングフレームワークとは

マーケティングフレームワークとは、情報を決まった型に当てはめて整理し、分析や意思決定を早めるための思考の枠組みです。

「マーケティング戦略」「顧客分析」「課題解決」「消費者行動プロセス」など、目的ごとにあらかじめ用意された型に情報を当てはめることで、ゼロから考える手間を省き、抜け漏れなく整理できます。

マーケティングフレームワークの役割は、複雑なビジネスの状況を整理することです。上手く活用して市場や競合他社、自社優位性を理解すれば、効果的なマーケティング戦略を練ることができます。

メリット

マーケティングフレームワークを活用するメリットは、論理的に物事を考えられるようになり、迅速な判断ができるようになることです。

マーケティング会議で意見交換する際も論点がブレずに意見の交換が行えて、合意形成を取りやすくなります。そして、限られたリソースを適切に配分できるようになるでしょう。

また、フレームワークを活用して情報整理する際に、顧客にアンケート調査やインタビューを行うと、顧客をより深く理解できる機会となります。

デメリット

マーケティングフレームワークを活用するデメリットは、フレームワークが万能ではないことです。

使う目的に合わないフレームワークを選ぶと、かえって分析の質を落としてしまいます。また、ビジネス環境が変化すれば、従来のフレームワークが通用しなくなることもあります(具体例は本記事の「マーケティングフレームワークを活用する際の3つの注意点」で解説します)。

また「市場」「顧客」「競合他社」は常に変化しているため、定期的にマーケティング戦略を見直す必要があります。 

目的別のマーケティングフレームワーク一覧

マーケティングフレームワークにはさまざまなものがあります。「マーケティング戦略」「顧客分析」「課題解決」「消費者行動プロセス」で活用できるフレームワークを、目的・わかること・使う順番とあわせて早見表にまとめました。

マーケティングフレームワーク一覧表
目的 わかること フレームワーク 使う順番
マーケティング戦略 マクロ環境分析 PEST分析 ①
  ミクロ環境分析 5フォース分析 ②
  業界環境分析 3C分析 ③
  戦略目標 SWOT分析 ④
  基本戦略 STP分析 ⑤
  具体的施策(企業視点) 4P分析 ⑥
  具体的施策(顧客視点) 4C分析 ⑦
顧客分析 顧客をランク分けする RFM分析 −
  サイトやアプリユーザーの動向を把握 コホート分析 −
課題解決 ロジカルシンキング MECE −
  問題を特定する ロジックツリー −
  物事を改善する PDCA −
  変化に適応する OODA −
消費者行動プロセス 認知から購入まで AIDMA(アイドマ) −
  認知から購入、満足まで AIDCAS(アイドカス) −
  インターネット上の行動プロセス AISAS(アイサス) −
  SNS上の行動プロセス SIPS(シップス) −
  AISASの詳細版 AISCEAS(アイシーズ) −

※「使う順番」はマーケティング戦略の7種類のみに付与しています。顧客分析・課題解決・消費者行動プロセスの各手法は、目的に応じて個別に使うため、決まった順番はありません。

マーケティング戦略に役立つフレームワーク7選

マーケティング戦略を策定する7種類のフレームワークの全体像

マーケティング戦略は「環境分析」「基本戦略」「具体的施策」の流れで策定していきます。ここでは、マーケティング戦略を立案する際に活用できるフレームワークを流れに沿ってご紹介します。

pest分析

cm01_PEST分析

PEST分析はマクロ環境を分析する際に活用するフレームワークです。マクロ環境とは、企業がコントロールできない外部環境をいいます。

企業がコントロールできない環境のため、「政治」「経済」「社会」「技術」の動向に目を配り、自社のビジネスに影響を及ぼさないかを把握するようにしましょう。

マクロ環境は自社がコントロールすることができないため、自社への影響を考えて新規参入や事業撤退などを考えます。 

要素 確認すること
政治(Politics)
国の政策や法律、税制の観点から自社のビジネスに影響を及ぼさないかを考える(例:法規制・規制緩和・税制の見直し・政府の動向など)
経済(Economics)
経済動向が自社のビジネスに影響を及ぼさないかを考える(例:景気・インフレやデフレの進行・為替・金利など)
社会(Society)
消費者のライフスタイルの変化やトレンドの変化が、自社のビジネスに影響を及ぼさないかを考える(例:人口動態、世帯数、世論や社会の意識、文化など)
技術(Technology)
新たな技術の登場が自社のビジネスに影響を及ぼさないかを考える(例:技術革新、特許、企業の投資動向など)

下記の記事でpest分析について詳しく解説しています。

5フォース分析

cm03_フォース分析

5フォース分析は、ミクロ環境を分析する際に活用するフレームワークです。ミクロ環境とは、自社のビジネスに影響を及ぼすものですが、働きかけによりコントロールできる環境を指します。

「業界内の競合他社」「代替品の脅威」「新規参入者の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」などの競争要因を分析して自社に影響を及ぼさないかを把握して、どのように対抗するか検討していきます。

ミクロ環境は自社の努力である程度コントロールできるため、5フォース分析をしたうえで、どのような戦略にするかの土台を作りましょう。 

5フォース分析の5つのポイント
要因 確認すること
業界内の競合他社
競合他社数が増えてきており、価格競争に巻き込まれる恐れがないかを把握する(例:競合他社の影響力、各社のシェア率など)
代替品の脅威
従来は競合他社と位置付けられていないものが、技術革新で競合となる恐れがないかを把握する(例:代替品の性能・価格、スイッチングコストなど)
新規参入者の脅威
新規参入が容易で資本力や技術力のある競合他社が参入してこないかを把握する(例:参入障壁の高さ、新規参入コストなど)
買い手の交渉力
顧客側が商品、サービスを選ぶ際に、どれだけの選択肢があるかを把握する(例:取引状況、顧客側の選択肢の数など)
売り手の交渉力
供給業者の数や原材料の希少性などから、どれだけ供給業者側が有利なのか把握する(例:供給業者の数、原材料の希少性など)

3C分析

3c-3c分析01

 

3C分析とは業界環境を分析する際に活用するフレームワークです。業界環境を分析することでビジネス機会や脅威を発見できます。また、競合他社と自社を比較して自社の優位性を発見したり、業界について理解を深めたりする際に活用します。

次のような情報を収集していき、業界について理解を深めていきましょう。

3C分析の3つのポイント
要素 確認すること
市場環境・顧客(Customer)
自社がターゲットとする市場環境や顧客について把握します(例:市場規模、成長性、市場状況の変化、顧客ニーズなど)
競合他社(Competitor)
自社の競合となる企業、製品の強みや弱みを把握する(例:業界内でのポジション、市場シェア、業界内の影響力など)
自社(Company)
自社の強みや弱みを把握する(例:商品の特徴、資金力、宣伝力、顧客数など)

下記の記事で3C分析について詳しく解説しています。

SWOT分析

sc-SWOT分析01

SWOT分析とは、目標を達成するための戦略を策定する際に用いるフレームワークです。自社の強みや弱み、機会や脅威を明確にしたうえでどのように目標を達成するか考えます。

SWOT分析で自社優位性を発見できれば、市場で主導権を握れるようになります。また、価格競争に巻き込まれにくくなります。このような効果が見込めるため自社優位性を発見しましょう。

SWOT分析の4つのポイント
要素 確認すること
強み(Strength)
競合他社と差別化できていて、顧客に選ばれる理由を把握する(例:目標達成に寄与する自社の特徴、自社の強みなど)
弱み(Weakness)
競合他社より劣っていて、自社が苦手としていることを把握する(例:目標達成の障害となる自社の特徴、自社の弱みなど)
機会(Opportunity)
自社にとってビジネスチャンスとなる外的要因を把握する(例:目標達成に貢献する外的要因、ビジネス機会など)
脅威(Threat)
自社にとって脅威となる外的要因を把握する(例:目標達成の障害となる外的要因、脅威など)

下記の記事でSWOT分析について詳しく解説しています。

STP分析

sc-stp分析

STP分析とは、競合他社に打ち勝つための基本戦略を策定する際に活用するフレームワークです。「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の順番に沿って、自社優位性を上手く活用した基本戦略を策定していきます。

 

1.セグメンテーション

セグメンテーション変数を用いて市場を細分化します。

セグメンテーション変数 細分化
地理的変数(ジオグラフィック変数)
地理的な要素を基準とする変数(例:国、都道府県、市区町村、人口密度など)
人口統計的変数(デモグラフィック変数)
個人の基本的な属性を指す変数(例:年齢、性別、職業、学歴、家族構成、世帯規模、収入など)
心理的変数(サイコグラフィック変数)
内面的な特性を指す変数(例:価値観、ライフスタイル、志向など)
行動変数(ビヘイビアル変数)
顧客の行動履歴や消費行動を指す変数(例:購買履歴、使用頻度、メルマガ登録の有無、返品の有無など)

2.ターゲティング

細分化した市場とマーケティング手法から市場の狙い方を決めます。

ターゲティングの種類
マーケティング手法 詳細内容
無差別型マーケティング
市場を細分化せずに商品を販売する(例:炭酸飲料水・アパレルなど)
差別型マーケティング
市場に合わせて商品・サービスを販売する(例:年齢別の化粧品など)
集中型マーケティング
1つの市場を絞り込みリソースを集中させる(例:ファミリー向け製品など)

3.ポジショニング

ポジショニングマップを作成して、市場内での自社の立ち位置を決めます。

<ポジショニングマップの作成方法>

  • 顧客の購買決定要因(価格・デザイン・機能・サポート体制など)を洗い出す
  • 自社と競合他社の購買決定要因を比較する
  • ポジショニングマップのタテ・ヨコ軸を決定する
  • マップに自社・競合他社をマッピングする

STP分析で市場内の自社の立ち位置を決めることで、市場競争力を上げていけます。 下記の記事でSTP分析について詳しく解説しています。

4P分析

cm05_4p分析

4P分析はマーケティング施策を検討する際に活用するフレームワークです。どのように商品やサービスを販売して顧客の購買意欲を高めるかを考えます。4P分析は企業視点で利益を確保できる施策を考える際に用いるものです。

4C分析と併用することで精度の高いマーケティング施策が打てるようになります。

  • Product(商品):どのような商品を提供するのか
  • Price(価格):どれぐらいの価格で販売するのか
  • Place(流通):どこで販売するのか
  • Promotion(販売促進):どのように販売するのか

サービス業の場合は4P分析に「People(人)」「Process(サービスのプロセス)」「Physical Evidence(物的証拠)」も含めて分析します。これを7P分析といいます。 

4C分析

cm07_4c分析

4C分析もマーケティング施策を検討する際に活用するフレームワークです。どのように商品やサービスを販売して顧客の購買意欲を高めるかを考えます。

4C分析は顧客視点で、どのように商品やサービスを販売すれば利便性を感じてもらえるか施策を考える際に用いるものです。4P分析と併用することで精度の高いマーケティング施策が打てるようになります。

  • Customer Value(顧客価値):顧客が求めている価値は何か?
  • Cost(顧客コスト):顧客が納得する価格はいくらか?
  • Convenience(利便性):どのような販売方法だと満足できるか?
  • Communication(コミュニケーション):どのようなコミュニケーション方法を求めているか? 

下記の記事で4C分析について詳しく解説しています。

顧客分析に役立つフレームワーク

顧客理解・顧客分析に役立つフレームワークには「RFM分析」と「コホート分析」があります。

RFM分析…適切なアプローチを行うために顧客をランク分けする

コホート分析…サイトやアプリユーザーの動向を把握する

ここでは、2つのフレームワークについて詳しく解説したうえで、あわせて使いたい手法もご紹介します。

RFM分析

RFM分析は顧客をランク分けして適切なアプローチをする際に用いられるフレームワークです。「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」の顧客データを取得していきスコアリングして、顧客をランク別に分類します。 

スコアリングの例
スコア 最終購入日(Recency) 購入頻度(Frequency)
購入金額(Monetary)
5点 1ヶ月以内 50回以上 30万円以上
4点 2ヶ月以内 40回以上 15万円以上
3点 3ヶ月以内 30回以上 10万円以上
2点 半年以内 10回以上
5万円以上30万円未満
1点 1年以内 10回未満 5万円未満
0点 1年超 − −

※上記のスコアは一例です。基準となる金額や期間、回数は業種や商材の単価によって大きく異なるため、自社の実績データに合わせて設定してください。

スコアリングしたうえで顧客を「優良顧客」「安定顧客」「休眠顧客」「新規顧客」とランク付けすることで、最適なアプローチができるようになります。例えば、スコア12点以上の優良顧客にはアップセルやクロスセルを提案し、スコア3点以下の休眠顧客には再利用してもらうためのキャンペーンを促すというようなアプローチが行えるようになります。 

RFM分析で最終購入日・購入頻度・購入金額の3指標をスコアリングし、顧客をランク分けする流れを示した図

コホート分析

登録月ごとに経過月数と継続率を並べたコホート表の例を示した図

コホート分析とは、サイトやアプリユーザーの動向を把握するために活用するフレームワークです。サイトやアプリユーザーを同じ時期に獲得した集団(コホート)に分け、時間の経過に伴う行動の変化を比較します。

例えば、4月に登録したユーザーと5月に登録したユーザーで、3か月後の継続率を比べる、といった使い方をします。同じ登録月のユーザーをひとまとまりとして追いかけることで、「どの時期の獲得施策が、長く使い続けてもらえるユーザーを集められているか」を判断できます。

サブスクリプションのビジネスモデルは、ユーザーにサービスを継続して利用してもらえなければ利益を得られません。そのため、サイトやアプリユーザーの動向を捉えて改善していく必要があります。その際にコホート分析を利用します。サイト・アプリの分析には、Googleアナリティクス4(GA4)を用いるケースが多いです。

コホート分析で継続率を追う際は、チャーンレート(解約率)もあわせて確認すると実態を把握しやすくなります。

あわせて使いたい手法

RFM分析とコホート分析は、いずれも「すでに獲得した顧客のデータ」をもとに分析する手法です。まだ十分なデータが蓄積されていない段階や、これから狙う顧客像そのものを具体化したい段階では、次の2つの手法もあわせて活用してください。

ペルソナ:自社が集客したい顧客の人物像を、年齢・職業・悩みなどの詳細な設定まで作り込む手法です。ターゲットが漠然としている段階で、関係者の認識をすり合わせるのに役立ちます。

カスタマージャーニーマップ:顧客が商品やサービスを認知してから購入・継続利用に至るまでの行動・思考・感情の変化を時系列で可視化する手法です。どの段階でどんな情報を届けるべきかを検討する際に使います。 

課題解決に役立つフレームワーク4選

課題解決に役立つフレームワークには「MECE」「ロジックツリー」「PDCA」「OODA」があります。

  • MECE:ロジカルシンキングで問題を把握していく
  • ロジックツリー:問題を要素に分解して原因を特定する
  • PDCA:マーケティング活動を継続的に改善していく
  • OODA:刻一刻と変化する現代で成果を得るための行動をする

ここでは、4つのフレームワークについて詳しく解説します。

MECE

MECE(ミーシー)は、物事を分解して問題を把握する際に活用するフレームワークです。

「Mutually(お互いに)」「Exclusive(重複せず)」「Collectively(全体に)」「Exhaustive(漏れがない)」の頭文字を取っています。2語ずつ組み合わせると「Mutually Exclusive(互いに重複せず)」「Collectively Exhaustive(全体として漏れがない)」という意味になり、これが本来の語順です。漏れなく、ダブりなく物事を把握するために用いるロジカルシンキングの手法です。MECEには、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチがあります。

トップダウンアプローチ

物事の全体像をとらえたうえで、大分類から小分類へ細分化する手法です。トップダウンアプローチは、物事の全体を把握できている場合に有効です。物事の全体を把握できていない場合に利用すると漏れやダブりが発生してしまいます。

ボトムアップアプローチ

思い浮かぶことを洗い出しておきグループ化して整理していく手法です。全体像が曖昧な場合におすすめの方法です。しかし、洗い出しが甘いと漏れが発生しやすくなります。

ロジックツリー

「なぜ」を繰り返して問題を階層的に分解するWhyツリーの例を示した図

ロジックツリーとは、マーケティングの課題を階層的に分解して整理していく際に活用するフレームワークです。問題を細かい要素に分解することで原因を特定したり、解決策を立案したりしやすくします。的確なアクションが取れるように活用するものです。

ロジックツリーには、いくつか種類があります。そのため、自社の目的に合ったロジックツリーを活用しましょう。 

ロジックツリーの種類
種類 使い方
Whyツリー
問題に対して「なぜ」と問いかけて原因を特定する
Howツリー
問題に対して「どのようにする」と問いかけて解決策を発見する
Whatツリー
選択肢をいくつか出して、どれを実施すべきかを決める
KPIツリー
どのようにして目標を達成するかを考える

PDCA

PDCAとは、マーケティング活動を継続的に改善していくために活用するフレームワークです。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の順番に沿ってマーケティング活動を改善していきます。 

P・D・C・Aそれぞれでやること
段階 やること
Plan(計画)
現状の分析/目標を策定/課題の検討/KPI設定/実行計画の策定
Do(実行)
タスクに落とす/事実を記録する/計画と現実のギャップを把握する
Check(評価)
計画通りに実施できたかを確認する/計画は妥当だったか/どんな成果が得られたか
Action(改善)
改善策を挙げる/改善策の優先順位を付ける/良かった点は次の計画に活かす/悪かった点は改善案を検討する

OODA

PDCA(計画から始まる)とOODA(観察から始まる)のサイクルを並べて比較した図

OODA(ウーダ)とは、刻一刻と変化する現代で成果を得るために活用するフレームワークです。変化が早い中でチャンスを得るために行動を改善していきます。「Observe(観察)」「Orient(方向づけ)」「Decide(意思決定)」「Act(行動)」の4段階で構成されます。

OODAを活用すれば、ビジネス環境の変化スピードがはやいVUCA時代にも適応できるようになります。PDCAは計画(Plan)から始まるのに対し、OODAは観察(Observe)から始まります。そのため、状況が刻々と変わる場面ではOODAのほうが素早く動けます。PDCAは事前に立てた計画の実行度合いを検証するサイクルに向き、OODAは計画そのものが立てにくい変化の速い状況に向いている、という使い分けです 

O・O・D・Aそれぞれでやること
段階 やること
観察(Observe)
情報を収集する
方向づけ(Orient)
観察した結果から現状の課題を洗い出す
意思決定(Decide)
課題を解決するための方法を考えて、計画を立てる
行動(Act) 計画に基づいて行動する

消費者行動プロセスを把握するフレームワーク

消費者行動プロセスを把握するためのフレームワークには「AIDMA(アイドマ)」「AIDCAS(アイドカス)」「AISAS(アイサス)」「SIPS(シップス)」「AISCEAS(アイシーズ)」があります。

  • AIDMA:消費者が商品を認知から購入するまでの行動プロセスを把握する
  • AIDCAS:消費者が商品を認知から購入、満足するまでの行動プロセスを把握する
  • AISAS:消費者が商品を認知から購入、口コミ共有するまでの行動プロセスを把握する
  • SIPS:ソーシャルメディア上の消費者の行動プロセスを把握する
  • AISCEAS:AISASに「比較」「検討」の段階を加え、消費者が商品を認知から購入、口コミ共有するまでをより詳細に把握する

ここでは、5つのフレームワークをご紹介します。また、消費者行動プロセスに関するフレームワークとあわせて覚えておきたい理論の「ZMOT」についても解説しています。

5つのモデルの違い

5つのモデルの違いは、どの段階まで扱うか、どのメディアを前提にしているかにあります。AIDMAが最も古く基本的な型で、以降のモデルはインターネットやSNSの普及にあわせて段階を追加・変更したものです。段階を横に並べて比較すると、違いが一目で分かります。

各フレームワークの頭文字の意味
モデル 1 2 3 4 5 6
AIDMA Attention Interest Desire Memory Action −
AIDCAS Attention Interest Desire Conviction Action Satisfaction
AISAS Attention Interest Search Action Share −
SIPS Sympathize Identify Participate Share&Spread − −
AISCEAS Attention Interest Search Comparison Examination Action/Share

AIDMAからAISAS、AISCEASへと消費者行動モデルが変化してきた流れを示した図

AIDMA(アイドマ)

AIDMAは消費者が商品を認知から購入するまでの行動プロセスを把握するために活用するフレームワークです。インターネットが普及する前から、消費者行動プロセスを把握するために利用されていました。

消費者が商品を購入するまでに至るプロセスを「Attention(注意)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」と分解することで、顧客がどの段階にいるかを見極めて、適切なコミュニケーションを取るために活用します。

段階 目標 顧客接点
Attention(注意) 認知向上
TVCM、広告など
Interest(興味・関心) 評価育成
広告、パンフレット、クチコミなど
Desire(欲求) ニーズ喚起
広告、店舗、クチコミなど
Memory(記憶) 動機の提供
店頭販促、クチコミなど
Action(行動) 購入機会の提供
店舗、ECサイトなど

AIDCAS(アイドカス)

AIDCASとは、消費者が商品を認知から購入、満足するまでの行動プロセスを把握するために活用するフレームワークです。ユーザーが商品を購入して満足することをゴールと定めているため、カスタマーサクセス部門を立ち上げている企業などで利用されます。顧客がどの段階にいるかを見極めてより良い顧客体験を提供していきます。

段階 目標 顧客接点
Attention(注意) 認知向上
TVCM、広告など
Interest(興味・関心) 評価育成
広告、パンフレット、クチコミなど
Desire(欲求) ニーズ喚起
広告、店舗、クチコミなど
Conviction(確信) 決断の促進
認証取得、クチコミなど
Action(行動) 購入機会の提供
限定、特典、保証など
Satisfaction(満足) リピート購入
クーポン、キャンペーンなど

AISAS(アイサス)

AISASとは消費者が商品を認知から購入、口コミ共有するまでの行動プロセスを把握するために活用するフレームワークです。2004年に電通が提唱し、2005年に商標登録されたフレームワークで、インターネットの発展で急激に変化した消費者行動を把握でき、顧客がどの段階にいるかを見極めて、適切なコミュニケーションを取れるようになります。

段階 目標 顧客接点
Attention(注意) 認知向上
TVCM、広告など
Interest(興味・関心) 興味・関心の醸成
TVCM、広告など
Search(検索) 自社優位性の訴求
Webサイト、SNSなど
Action(行動) 不安の払拭
配送日、配送方法、決済方法、保証など
Share(共有) 評価の獲得
クチコミ、レビューなど

SIPS(シップス)

SIPSとは、ソーシャルメディア上の消費者の行動プロセスを把握するために活用するフレームワークです。2011年に電通の社内組織「サトナオ・オープン・ラボ」がSIPSを提唱しました。

ソーシャルメディア上の投稿に対する共感から始まることが大きな特徴で、ユーザーがリポストなどで情報拡散することで信用を上げたい場合などに用います。

段階 目標 顧客接点
Sympathize(共感する) 共感の獲得 SNS、広報
Identify(確認する) 信頼の獲得
タイアップ広告、クチコミなど
Participate(参加する) 行動喚起
来店、ECサイト、キャンペーン参加、レビュー投稿依頼など
Share&Spread(共有・拡散する) 評価の獲得
クチコミ、リポスト、レビューなど

AISCEAS(アイシーズ)

AISCEASとは、AISASに「比較(Comparison)」と「検討(Examination)」の段階を加え、消費者が商品を認知から購入、口コミ共有するまでの行動プロセスをより詳細に把握するために活用するフレームワークです。

インターネット時代の消費者行動プロセスの把握にはAISASが用いられることが多かったですが、検討期間の長い商材の実態を捉えるためにAISCEASが誕生しました。BtoBビジネスのように、商品・サービスの比較・検討期間が長い場合に活用するものです。

段階 目標 顧客接点
Attention(注意) 認知向上
TVCM、広告など
Interest(興味・関心) 評価育成 広告、SNSなど
Search(検索) 情報提供
広告、Webサイト、パンフレットなど
Comparison(比較) 自社優位性のPR
比較資料、ランディングページなど
Examination(検討) 検討度合いを上げる
キャンペーン、営業対応など
Action(行動) 不安の払拭
保証、サポートなど
Share(共有) 評価の獲得
クチコミ、レビュー投稿など

あわせて知りたいZMOT

ZMOTは、2011年にGoogleが提唱した理論で「消費者は商品に関する情報を収集して、店舗を訪れる前に購入を決めている」というものです。ここまでご紹介した5つは消費者行動を段階的に把握するフレームワークですが、ZMOTは購買決定の瞬間に着目した理論という位置づけです。

もともとは「FMOT」「SMOT」「TMOT」の理論がありましたが、ZMOTは消費者の心理の核心を突いているとして知れ渡りました。消費者の行動プロセスを把握できたら、興味・関心など顧客育成をしていくことが大切です。

消費者が商品の購入を決める瞬間に関する各理論は、以下のとおりです。

理論 意味
FMOT(First Moment of Truth)
消費者は店舗で商品を見て購入するか決める
SMOT(Second Moment of Truth)
商品を購入した後に継続して利用するかを決める
TMOT(Third Moment of Truth)
消費者が商品に愛着を持つとリピートするようになる
ZMOT(Zero Moment of Truth)
商品に関する情報を収集して、店舗を訪れる前に購入を決めている

マーケティングフレームワークを活用する際の3つの注意点

マーケティングフレームワークを活用する際は3つの点に注意しましょう。フレームワークはあくまで思考を整理するための型であり、型に当てはめること自体が目的になってしまうと、かえって判断を誤ります。「適切な型を選べているか」「客観的に使えているか」「型そのものが古くなっていないか」の3つを意識してください。

より適切なフレームワークがないかを検討する

この記事でご紹介したマーケティングフレームワークは汎用性が高いものですが、時代の変化により陳腐化する可能性もあります。

例えば、消費者行動プロセスを把握するためのフレームワークAIDMA(アイドマ)は、インターネット時代には合わない、時代遅れだと言われています。そのため、AISAS(アイサス)やAISCEAS(アイシーズ)などが活用されるようになったのです。

陳腐化したマーケティングフレームワークを利用するとミスリードにつながるため、フレームワークが適切かどうか、もっと適切なフレームワークがないかを検討するようにしましょう。

主観が入らないように注意する

データ分析をする際には主観が入らないように注意しましょう。

誰もが認知バイアスを持っているため、SWOT分析で「自社の製品は品質が高いから選ばれている」という思い込みを前提に顧客アンケートを読んでしまい、価格やサポート体制が決め手だったという事実を見落とす、といったことが起こりえます。

このようなバイアスがあることを意識していないと、客観的にデータ収集、分析が行えなくなるため気をつけてください。バイアスに気をつけるのはもちろん、可能な限り、さまざまな人を巻き込んでデータ収集、分析を行って客観的に物事を捉えるようにしましょう。

定期的に見直す

ビジネス環境は目覚ましく変化しています。マーケティングフレームワークを活用して情報整理していきマーケティング戦略を練っても、数年後には戦略が通用しなくなっている場合もあります。

そのため、マーケティング戦略は定期的に見直すようにしましょう。四半期に一度はマーケティング戦略を見直すなどルール化しておくと見直しやすくなります。

また、見直す際には、他に適切なフレームワークが登場していないかを確認してアップデートして効果を得るようにしましょう。

マーケティングフレームワークに関するよくある質問

マーケティングのフレームワークとは?

市場や顧客の情報を決まった型に当てはめて整理し、分析や意思決定を早めるための枠組みです。目的ごとに使うフレームワークが決まっており、外部環境の分析にはPEST分析や5フォース分析、戦略の方向づけにはSWOT分析やSTP分析、具体的な施策の検討には4P分析や4C分析を使います。

3C、4P、SWOTはどの順番で使いますか?

一般的には、3C分析で市場・競合・自社の状況を整理し、その結果をもとにSWOT分析で強み・弱み・機会・脅威を洗い出して戦略の方向を決めます。そのうえで、STP分析で狙う市場と立ち位置を定め、4P分析で具体的な施策に落とし込みます。外部環境から先に分析し、自社の施策は最後に決めるのが基本の流れです。

フレームワークの具体例は?

本記事では18種類を紹介しています。マーケティング戦略にはPEST分析・5フォース分析・3C分析・SWOT分析・STP分析・4P分析・4C分析、顧客分析にはRFM分析・コホート分析、課題解決にはMECE・ロジックツリー・PDCA・OODA、消費者行動プロセスの把握にはAIDMA・AIDCAS・AISAS・SIPS・AISCEASが使われます。

顧客を理解するためのフレームワークはどれですか?

既存顧客の購買データがある場合は、RFM分析で顧客をランク分けする方法が使えます。サービスの継続利用を見たい場合は、コホート分析で登録時期ごとの継続率を比べます。まだ顧客像が定まっていない段階では、ペルソナやカスタマージャーニーマップで顧客の人物像と購買までの行動を具体化する方法もあります。

マーケティングフレームワークを使う際に注意することは?

3つの点に注意してください。1つ目は、より適切なフレームワークがないかを検討することです。フレームワークは時代の変化で陳腐化することがあります。2つ目は、主観が入らないように注意することです。誰もが認知バイアスを持っているため、客観的なデータ収集・分析を意識してください。3つ目は、定期的に見直すことです。ビジネス環境は変化し続けるため、四半期に一度など見直すタイミングをルール化しておくと効果的です。

まとめ

マーケティングフレームワークとは、情報を決まった型に当てはめて整理し、分析や意思決定を早めるための思考の枠組みです。

マーケティングフレームワークを活用すれば論理的に物事を考えられるようになり、迅速な判断ができるようになります。マーケティング会議で意見交換する際も論点がブレずに意見交換でき、合意形成も取りやすくなります。

今回は「マーケティング戦略」「顧客分析」「課題解決」「消費者行動プロセスの把握」で活用できる18種類のフレームワークをご紹介しました。まずは目的別の早見表で自社の課題に近い項目を探し、該当するフレームワークから試してみてください。

マーケターが覚えておくと便利なフレームワークのため、これを機会に利用してみてください。もし、マーケティングフレームワークを活用してもマーケティング課題を解決できない際は、マイナビTECH+までお問い合わせください。

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