タイアップ広告とは、メディアの一般記事と同じように、自然な形式で表示する広告のことです。第三者が制作するため信頼性を獲得しやすい、ユーザーの閲覧体験を邪魔せずに表示できるなどの特徴があります。
タイアップ広告をうまく活用すれば、リード獲得やブランディングなどを見込めます。しかし、多くのBtoB企業がタイアップ広告を利用していながらも、一般ユーザーには広く普及しているとは言えない状態のため、慎重にメディア選定やコンテンツ制作を進めなければいけません。
本記事では、BtoB担当者が理解しておくべきタイアップ広告のメリット・デメリットや料金相場、出稿までの流れを解説します。
タイアップ広告とは?有効なケース、効果を高めるコツから事例までをご紹介
認知拡大・ブランディング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.09.27]
目次
- 【1】タイアップ広告とは
- タイアップ広告が誕生した背景
- 【2】タイアップ広告の種類
- 1.レコメンドウィジェット型広告
- 2.インフィード型広告
- 【3】タイアップ広告のメリット
- 1.ユーザーの信頼を獲得しやすい
- 2.確度の高い顧客に読んでもらえる
- 3.メッセージのコントロール性が高い
- 4.検索上位表示や大きな拡散を狙える
- 5.あらゆる層にアプローチできる
- 【4】タイアップ広告のデメリット
- 1.公開まで時間がかかる
- 2.まとまった費用がかかる
- 3.アプローチできる層が限られている
- 4.ステルスマーケティングになるリスクがある
- 5.広告内容は完全にコントロールできない
- 【5】タイアップ広告が有効なケース
- 【6】タイアップ広告の料金相場
- 【7】タイアップ広告の効果を高めるコツ
- 1.インタビュー記事
- 2.対談/鼎談記事
- 3.導入事例
- 4.仮想事例
- 5.漫画/イラスト記事
- 6.レビュー記事
- 7.SEO記事
- 8.イベントレポート
- 9.アンケート活用
- 【8】タイアップ広告の事例
- 事例①(イラスト記事)
- 事例②(担当者インタビュー記事)
- 事例➂(SEO記事)
- 事例④(アンケート)
- 事例⑤(導入事例)
- 【9】タイアップ広告の出稿手順
- 1. 出稿メディアの選定
- 2. 企画立案
- 3. 作成
- 4. 公開
- 【10】まとめ
【1】タイアップ広告とは
タイアップ広告とは、メディアや媒体に自社製品の宣伝をしてもらう広告のことであり、ネイティブ広告の一種です。
代表例としては、雑誌に自社製品の活用事例を記事形式で掲載してもらうことが挙げられます。
近年、ニュースサイトやウェブサイトなどのウェブ媒体に掲載するタイアップ広告が増加しているため、オンライン広告にも該当します。
オンライン広告についてはこちら!
下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
ネイティブ広告の説明はこちら!
下記の記事でネイティブ広告について詳しく解説しています。
・ネイティブ広告とは? タイアップ記事との違いやメリットを解説
広告の種類の説明はこちら!
下記の記事で、より詳しく広告の種類について詳しく解説しています。
・広告の種類を網羅したガイドブック!効果や費用、選び方まで解説
タイアップ広告が誕生した背景
タイアップ広告が誕生した背景には、ユーザーの広告離れが挙げられます。インターネット広告が登場してから、バナー広告やディスプレイ広告が頻繁に出稿されるようになりました。
しかし、営業色の強い広告につきまとわれることで、ユーザーの広告離れや嫌悪が起きてしまったのです。広告が嫌われる状況の中、ユーザー体験を損なわずに、自然な形でプロモーションできる方法としてタイアップ広告が誕生しました。
ディスプレイ広告についてはこちら!
下記の記事でディスプレイ広告について詳しく解説しています。
・ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットなどの特徴、効果を解説!
【2】タイアップ広告の種類
ここでは、タイアップ広告の主な種類をご紹介します。
1.レコメンドウィジェット型広告
レコメンドウィジェット型広告とは、記事を読み終えた際、最下部に「オススメ記事」「こちらの記事に関連する記事」などと言った言葉と共に表示される広告の事です。記事を最後まで読んだユーザの目に触れる表示形式なので、クリック率が高い傾向にあります。
2.インフィード型広告
インフィード型広告とは、メディアのコンテンツの間に挟まれて表示される広告の事です。PR表記はついていますが、コンテンツと似たフォーマットで表示されているため、広告色が薄く自然な形でユーザーの目に入ります。
【3】タイアップ広告のメリット
タイアップ広告を出稿するメリットは以下の5つです。
- ユーザーの信頼を獲得しやすい
- 確度の高い顧客に読んでもらえる
- メッセージのコントロール性が高い
- 検索上位表示を狙える
- あらゆる層にアプローチできる
それぞれのメリットを見ていきましょう。
1.ユーザーの信頼を獲得しやすい
タイアップ広告は、リスティング広告やバナー広告などとは異なり、第三者であるメディアが制作します。例えば、企業が「私たちの製品は素晴らしいです」と言っても、信頼性に欠けますよね。
ところが、知人やメディア、もしくは口コミが「これは素晴らしい製品です」と言っていれば、購入を検討する方は多いのではないでしょうか。
タイアップ広告は、第三者が製品に関する知りたいことをユーザー目線で制作するため、信頼を獲得しやすいメリットがあります。
そのため、自社の商品・サービスの認知広告やブランディング広告として活用すると効果的です。
認知広告の説明はこちら!
下記の記事で認知広告について詳しく解説しています。
・認知広告とは?認知拡大に効果的な広告の種類から、ポイントまで解説!
ブランディング広告の説明はこちら!
下記の記事でブランディング広告について詳しく解説しています。
・ブランディング広告とは?メリット・必要性から、効果的な広告手段やポイントまで解説!
認知拡大についてはこちら!
下記の記事で認知拡大について詳しく解説しています。
・認知拡大とは?施策立案の方法からプロモーション施策まで解説
2.確度の高い顧客に読んでもらえる
タイアップ広告を掲載するメディアによって、ユーザー層は異なります。
自社の顧客とユーザー層が似ているメディアを選定すれば、確度の高い顧客にアプローチが可能です。
3.メッセージのコントロール性が高い
タイアップ広告は掲載メディアが主体となって制作するものの、自社が関与できないわけではありません。公開前に広告の確認をできれば、事前に訴求ポイントやメッセージを伝えられるのです。
主体性と客観性をバランスよく交えたコンテンツを制作できるのは、タイアップ広告ならではの魅力でしょう。
4.検索上位表示や大きな拡散を狙える
タイアップ広告を提供しているメディアは、ドメインパワーが強いです。
ドメインパワーとは、Googleが検索順位を決定する上で評価する重要要素の一つであり、運用歴の長さや更新頻度、コンテンツの充実度などで決まります。自社サイトでは上位表示が困難でも、ドメインパワーの強いサイトでなら、タイアップ広告で上位表示を狙える可能性が高いです。
また、多くのファンを抱えているメディアに依頼すれば、SNSでの大きな拡散に期待できます。
5.あらゆる層にアプローチできる
タイアップ広告の形式は、イベント記事やインタビュー記事、事例広告など様々です。
そのため、購買ファネルの興味関心層や比較検討層など幅広い層にアプローチできます。
例えば、潜在顧客との接点の構築が目的ならばイベント記事、リード創出が目的なら事例記事などが有効です。特に、信頼性の高いメディアに広告を出稿できるため、比較検討段階の顧客に強く訴求できます。
潜在層と顕在層の違いはこちら!
下記の記事で潜在層と顕在層の違いについて詳しく解説しています。
・【一目で分かる】潜在層と顕在層の違いを解説!ターゲット別のアプローチ方法と事例!
【4】タイアップ広告のデメリット
多くのメリットがある一方、タイアップ広告には知っておくべきデメリットが4つあります。
デメリットも理解したうえで、タイアップ広告を出稿するかどうか検討しましょう。
1.公開まで時間がかかる
リスティング広告やSNS広告と比較すると、タイアップ広告は公開までに時間がかかります。タイアップ広告制作までの主な流れは以下の通りです。
- ヒアリング
- 企画立案
- 企画提案
- キックオフミーティング
- 撮影/ロケ
- 執筆編集
- 広告確認
- 公開
企画から公開までにかかる期間は1〜2か月です。また、人気のメディアほどタイアップ広告の案件を多く抱えているため、数か月待ちという可能性もあります。
基本的にタイアップ広告は、すぐに公開できないため、期限の迫ったイベントや商品などのプロモーションには向いていません。期日に余裕を持ったうえで、タイアップ広告の制作依頼をしましょう。
2.まとまった費用がかかる
詳しくは後述しますが、タイアップ広告の出稿には少なくとも100万円はかかります。
少額出稿できないため、顧客単価1万円以下の商品で、費用対効果を上げるのは難しいです。顧客単価が低い商品を取り扱う場合は、リスティング広告やディスプレイ広告の方がいいでしょう。
3.アプローチできる層が限られている
タイアップ広告でリーチできる主な層は、掲載メディアの読者です。
SNSで大きく拡散されない限り、メディアの読者以外にアプローチするのは難しいでしょう。多くの潜在顧客と接点を作りたい場合は、他のWeb広告を検討しましょう。
4.ステルスマーケティングになるリスクがある
ステルスマーケティングとは、宣伝と気づかれないように自社製品やサービスを宣伝する手法のことです。
ステルスマーケティングは、消費者をだます行為であり、発覚すれば信頼の低下やブランド毀損などにつながります。
タイアップ広告は、自然な形で自社製品を宣伝する手法のため、ステルスマーケティングとみなされる危険性があります。そのため、必ずADやPR、スポンサード表記を記載するようにしましょう。
5.広告内容は完全にコントロールできない
メディア側に広告内容のリクエストを出すことはできますが、それが必ずしも反映されるとは限りません。
不祥事や虚偽のあるコンテンツを制作すれば、メディア側の信頼が損なわれるからです。
だからこそ、タイアップ広告は時間をかけて丁寧に制作され、メディア側による厳しいチェックが行われます。訴求したいポイントが100%反映されるとは限らないことは、留意しておきましょう。
【5】タイアップ広告が有効なケース
タイアップ広告のメリット・デメリットを見てきたところで、タイアップ広告が有効なケースをご紹介します。
1つめのケースが、現在の施策が頭打ちになっているときです。顕在層にアプローチできていながらも、コンバージョン数が伸び悩んでいる場合は、タイアップ広告で潜在層・準顕在層にアプローチするのが有効な施策となります。
2つめのケースが、製品サービスを短期間で広めたい場合です。認知拡大を目的とするとき、ディスプレイ広告がよく使用されます。しかし、タイアップ広告はディスプレイ広告よりも多くの情報を含められ、第三者からの評価も得られます。ディスプレイ広告よりも費用はかかりますが、短期間での認知度拡大とコンバージョンを見込めるでしょう。
3つめのケースが、競合と差異化が難しい製品を取り扱っている場合です。競合他社と類似の製品サービスを扱っている場合、ブランドやストーリーが差異化のポイントになります。タイアップ広告を出稿すれば、第三者であるメディアがストーリーやインタビュー形式などで魅力的に製品を紹介してくれます。競合他社と類似製品を取り扱っている、ネガティブな口コミが多い、市場にはない新製品を投入するときはタイアップ広告がおすすめの施策です。
【6】タイアップ広告の料金相場
タイアップ広告の料金相場は、記事制作とメディア掲載のセットで100~200万円ほどです。
ただし、月間PV数やフォロワー数の多いメディアなどは、200万円以上の費用がかかる可能性があります。
見込めるPV数やコンバージョン数を確認したうえで、予算にあったメディアを選定しましょう。
【7】タイアップ広告の効果を高めるコツ
タイアップ広告を掲載したからといって必ず効果が出るとは限りません。
重要なのは目的に応じて記事の切り口を変える事です。
記事の切り口には大きく9種類あります。1つずつ見てきましょう。
1.インタビュー記事
もっともスタンダードなパターンの記事で、各種認知向上に役立てられます。スケジュールや内容をコントロールしやすいのが特徴です。
2.対談/鼎談記事
一方通行の訴求になりにくく、記事にさまざまな意見・考えを取り入れられます。特に有識者との対談は、取り上げる貴社製品 / サービスに説得力を持たせられます。
3.導入事例
貴社の製品 / サービスについて、顧客が実際に導入した背景~展望を記事化します。BtoB企業の場合、導入後のイメージが膨らみやすいためオススメです。
4.仮想事例
事例記事を作りたくても、新しい商材なので導入先がなかったり、商材によっては導入先の協力が得られにくい場合は、仮想の企業や担当者を想定した事例記事を作成できます。
5.漫画/イラスト記事
マンガやイラストを活用することで、親しみやすい記事を作成できます。イラスト(特にマンガ)は作成にやや時間がかかり、確認の手間が発生します。
6.レビュー記事
第三者に貴社の製品 / サービスを実際に使ってもらい、使い勝手や機能に関する評価・感想を記事に落とし込みます。
7.SEO記事
特定の検索キーワードで上位に上がるための記事や、そこから任意サイトへの流入を図るための記事を作成します。
8.イベントレポート
展示会やセミナーの様子を、当日来場できなかったユーザーに伝えられます。講演動画を元にした記事作成が可能で、スケジュール調整がしやすいのもメリットです。
9.アンケート活用
アンケートを行うことで、第三者が取得した客観的データをもとに記事を構成できます。
【8】タイアップ広告の事例
タイアップ広告の具体的な活用イメージができるように、記事の切り口別にTECH+のタイアップ広告サービスの事例をご紹介します。
事例①(イラスト記事)
イラストを活用し、自社の新商材の説明、強みなどを分かりやすく表現しております。イラストを用いる事で漫画のようなストーリーが生まれるため、高い読了率を達成することができました。
事例の詳細はこちら!
下記の記事でタイアップ広告(イラスト広告)での導入事例を確認することができます。
・良質かつ明快なコンテンツでBtoB広告の課題を解消! 「定型タイアップ」で制作にかかるリソースを最小限に。
事例②(担当者インタビュー記事)
市場や自社製品に知見のある担当者にインタビューを行い説得力のあるコンテンツにしております。また複数名の担当者を登場させ、対談形式のような雰囲気を出しライブ感のある演出にし、最後まで読ませる工夫をしています。
事例の詳細はこちら!
下記の記事でタイアップ広告(インタビュー記事)での導入事例を確認することができます。
・記事広告の活用を検討するBtoB企業の課題を払拭! TECH+の「定型タイアップ」サービスとは
事例➂(SEO記事)
海外から参入した企業で日本での知名度を上げるブランディングのためにデータプラットフォーム系のキーワードでSEO記事を作成しました。狙ったキーワードで検索上位に記事が表示されるようになり、企業ブランディングに成功した事例になります。
事例の詳細はこちら!
下記の記事でタイアップ広告(SEO記事)での導入事例を確認することができます。
・「SEO対策を"手軽"に実施したい!」~特定のキーワードを検索する層に自社サービスを訴求~
事例④(アンケート)
定量的な情報を見せ、説得性を持たせるためにアンケートを活用した記事を作成しました。説得性を持たせることができ、読了率が高める事ができ、記事末のバナーから自社サイトへの流入数を増加させる事ができました。
事例の詳細はこちら!
下記の記事でタイアップ広告(アンケート)での導入事例を確認することができます。
・独自の「読者アンケート」とオリジナルの「イラスト」で製品の認知拡大と企業ブランディングを実現!
事例⑤(導入事例)
製品の認知と理解を高め、自社メディアのコンテンツとして拡充するために導入事例の作成を行いました。記事を掲載後は、営業資料としても活用し、見込み客に対し導入後のイメージを持たせる事に成功しました。
事例の詳細はこちら!
下記の記事でタイアップ広告(導入事例)での導入事例を確認することができます。
・オウンドメディアのコンテンツ拡充に貢献!~導入事例を通してお客様のニーズを発掘~
【9】タイアップ広告の出稿手順
最後にタイアップ広告出稿までの流れを解説します。
1. 出稿メディアの選定
タイアップ広告を出稿するメディアの選定ポイントは、自社ターゲットと類似する読者を抱えるメディアを選ぶことです。
極端な例ですが、テクノロジー系メディアにメイク用品のタイアップ広告を出稿しても、期待した成果にはつながりません。
まずはリサーチをして、自社ターゲットに近い読者を抱えるメディアを複数選定しましょう。その後、PV数や掲載期間、費用、二次条件の利用有無などを比較して、出稿先を絞り込みます。
2. 企画立案
タイアップ広告成功のカギを握るのは、企画と言っても過言ではありません。
出稿先を2~3社に絞ったら、タイアップ広告の企画提案をしてもらいましょう。企画比較の際、コンテンツの面白さに注目しがちですが、設定した目標を達成できるかどうかの視点で比較することが重要です。
3. 作成
タイアップ広告の作成は、主にメディア側が中心となって進めます。
スムーズに作成できるように、メディア側のリクエストには積極的に協力しましょう。作成段階における広告主の大きな仕事は原稿チェックです。タイアップ広告の魅力を活かすためにも、第三者視点で自社製品を訴求できているかどうかを確認してください。
4. 公開
タイアップ広告を公開したら、SNSやメールマガジンなどで宣伝しましょう。多くのメディアは公開から一か月をめどに、タイアップ広告の成果レポートを送ってくれます。
【10】まとめ
タイアップ広告の強みは、第三者が客観的視点で自社製品の広告記事を作成してくれるため、信頼性の獲得や競合との差異化をつけられる点です。
リッチな情報で、濃密な内容の広告を出したい方は、タイアップ広告を検討してみてください。タイアップ広告に興味があるものの、時間や費用をかけられないと悩む方もいるのではないでしょうか。
そのような方は、TECH+の「定型タイアップ」をご検討ください。事前打ち合わせ不要でタイアップ広告の制作ができ、通常よりも20万円安い80万円(初回のみ60万円)と割安価格でお試しいただけます。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。