マーケティングにおいて見込み客を指すリードにはいくつか種類があり、アノニマスリードもその一種です。
アノニマスリードはまだ個人が特定されていない潜在的な顧客を指す言葉であり、企業が有望顧客を獲得するために理解しておくべき重要なワードです。
今回の記事では他のリードとの違いをはじめとして、アノニマスリードで取得できる情報や特定方法などを解説します。
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.09.21]
マーケティングにおいて見込み客を指すリードにはいくつか種類があり、アノニマスリードもその一種です。
アノニマスリードはまだ個人が特定されていない潜在的な顧客を指す言葉であり、企業が有望顧客を獲得するために理解しておくべき重要なワードです。
今回の記事では他のリードとの違いをはじめとして、アノニマスリードで取得できる情報や特定方法などを解説します。
アノニマスリードとは、まだ個人が特定できない見込み客のことを指します。アノニマス(Anonymous)は「匿名の」という意味を持ち、リード(Lead)とはマーケティング用語で「見込み客」です。
アノニマスリードは、氏名や電話番号などの連絡先がわからないため、直接的なアプローチはできませんが、将来有望な顧客になる可能性を秘めています。
アノニマスリードに似た言葉でコールドリードがあります。コールドリードはアノニマスリードと違い、個人が特定できているものの商品やサービスに対する関心が低く、購入や成約につながる可能性が低い顧客を指します。
また、コールドリードより1段階見込み度合いが高い状態を「ウォームリード」、さらに上の状態を「ホットリード」と呼びます。
ホットリードの対象となるのは、ホームページへ頻繁にアクセスしPDF資料のダウンロードやメルマガ購読などを行なっている顧客です。ホットリードは自社に対しての興味・関心が高いことから「今すぐ客」とも呼ばれています。
また、MAツールを使って上記のようなリードの仕分け作業を自動化すれば、より効率的なマーケティング活動ができるのでおすすめです。
リード管理の方法については以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
参考記事:リード管理の方法とは?プロセスやツールに必要な機能、注意点、導入ポイントを徹底解説
関連記事:インサイドセールスとは?業務内容、メリット、体制づくりのポイント~事例までわかりやすく解説
アノニマスリードで取得できる情報は限られていますが、訪問者の行動を分析するための重要な情報が含まれています。
アノニマスリードで取得できるのは、訪問者が閲覧した自社のページ情報、日時、IPアドレスですが、Cookie情報の取得を訪問者が許可している場合は、訪問者がサイトでどのような行動をとったのかがわかります。
また、MAツールを用いて訪問者の行動履歴などを追えば、アノニマスリードであっても顧客の詳しい動向をチェックできるようになります。
近年では個人情報の取り扱いにおいて規制厳しくなっているため、インターネット上に表示される広告をクリックしたユーザー情報や、サイト閲覧データからIP情報やCookie情報などは収集できますが、個人情報の獲得までは難しいのが現状です。
また、スマートフォンの普及に伴い、購買時の顧客行動にも変化が見られています。現代では商品を購入する前に、まずはインターネットで情報収集することが主流となってきています。見込み顧客が情報収集段階で自社やサービスに興味を持つようになれば、成約率が高くなる可能性があります。
つまり、今後はインターネット上に多く存在するアノニマスリードに向けたマーケティング活動がさらに重要となります。ホットリードやコールドリードよりも多く存在しているアノニマスリードに効果的なアプローチをすることで、より自社のマーケティング成果を上げられるようになるでしょう。
通常はアノニマスリードから個人を特定することは難しいものの、適切な方法を用いることで情報を入手することも可能です。
ここでは一例を紹介しますが、さまざまな方法を試し自社に合った方法を見つけていきましょう。
アノニマスリードに対し、ホワイトペーパーのダウンロードやセミナーなどへの参加を促し、フォームへ情報を入力してもらうことで個人を特定できます。ホワイトペーパーは、自社製品のメリットや導入事例が記載された資料のことです。
自社のホームページ内などでホワイトペーパーを取得してもらう際に、個人情報の入力を必須としてフォームを設置しておけば、おのずとアノニマスリードの情報を取得できます。
また、アノニマスリードをターゲットとしたセミナーなどの開催を企画すれば、その告知画面に参加者用のフォームを設置して情報を入力してもらうことも可能です。
展示会やイベントなど、オフラインの場で多くの人間と名刺交換ができれば、アノニマスリードの個人情報を獲得するチャンスです。
なぜなら、交換した名刺に記載されているメールアドレス宛に、自社サイトの情報を送信しURLをクリックしてもらえれば、アノニマスリードの特定に繋げやすいからです。
リード獲得の戦略を立てる場合、いくつか有効な方法が存在します。ここでは、ターゲット企業をアノニマスリードから有望顧客にする手法として有名なリードジェネレーションやリードナーチャリングについて、簡単に説明します。
リードジェネレーションはリードの情報を獲得するまでの活動で、リードナーチャリングはリード情報を獲得した後の顧客の質を高める活動のことをいいます。BtoBのビジネスを行う企業などの場合、見込み顧客の名前や連絡先、会社名の情報を手に入れなければ営業活動が開始できません。そのため、リード情報が非常に重要となります。
リードジェネレーションについては以下の記事でも詳しく解説しているので併せてご覧ください。
参考記事:リード獲得とは?効果的な14のリード獲得方法と重要なポイント!
参考記事:リードナーチャリングとは?手法やプロセス、効率的に行うポイントを解説!
企業指定広告とは、ターゲットとなる企業の社員にのみ広告を展開する広告手法です。ターゲティング広告に類似していますが、企業を特定している分、よりピンポイントに展開できるため、効果が出やすいのが特長です。
ただし、特定の企業をターゲットにすると、全体的なインプレッションは下がるリスクがあることもあらかじめ把握しておくことが大切です。
企業指定のほかにも、業種や職種などで絞れるほか、従業員規模や売上規模を基準として広告を出すこともできるので、自社に合ったターゲティング広告を実践するといいでしょう。
インテントデータ(intent data)とは、Web上における顧客の興味・関心度を指し、マーケティング活動をする際の行動分析データとして用いられます。
マーケティングにおいて、インテントデータはサードパーティデータ(第三者データ)を指すことが多く、専門のベンダーなどが提供する精度の高いものが多いのが特徴です。
そのため、インテントデータをうまく活用できれば、ターゲット企業の需要や心理を読み解くことも可能になります。インテントデータからの読み解きに成功し需要がわかれば、ターゲット企業に対する効果的なアプローチの方法が導き出せます。
一定の企業をターゲットにする場合はサイト全体のインプレッションを下げる分、より高いリードの獲得率が求められます。そのため、効率良く成果をあげるためにも、インテントデータのような企業の意図を読み取るための情報を積極的に活用するようにしましょう。
アノニマスリードは個人の特定はされていないものの、マーケティングのやり方によっては、将来的に有望顧客となる可能性を持っています。インターネットの利用はこれからさらに増えていくことが予想されるので、オンライン上のアノニマスリードを獲得することは各企業共通の課題となるでしょう。
アノニマスリードの獲得やアプローチに関する様々な手段を試し、自社に合った手法を見つけていきましょう。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。
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