【2024年版】認知広告とは?認知拡大に効果的な広告から、ポイントまで解説!
認知拡大・ブランディング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.11.24]
【1】認知広告とは
認知広告とは、自社の商品やサービス、ブランドに対する認知度を高めるために使用する広告のことです。
認知広告のターゲットは既存顧客ではなく、自社の商品やサービスを全く知らない顧客や名前は知っているものの詳しくは知らない顧客など、いわゆる見込み客をターゲットとしており、認知度を高めることで見込み客の集客につなげることを目的としています。
なお、認知広告はただ名前を知ってもらうだけでなく、名前を知ってもらったうえで、自社商品やサービス、ブランドにどのような価値があるのか理解してもらうことが大切です。
1.認知広告の重要性
業種や業態に関係なく認知広告は重要なものです。
これは、消費者が購買行動を起こす際に「認知」の段階があるためです。
顧客の購買プロセスを説明する「AIDMA」と呼ばれる消費者行動モデルでは、消費者はまず商品やサービスを認知したうえで、その後興味・関心→欲求→記憶→行動という行動を起こすとされています。
認知は最初にくる行動であり、そもそも商品やサービスを認知してもらえていなければ、その後の行動につながらないため、商品の購入、サービスの申し込みなどにはつながらないのです。
だからこそ、認知してもらうための第一歩として認知広告を活用することが企業にとっては重要なものとなっています。
2.認知広告と獲得広告の違い
認知広告と獲得広告の違いを明確に理解しておかないと、設定するKPIにズレが生じる可能性があります。ここでは、両者の違いを簡単に解説します。
認知広告とは、自社の製品やサービスの認知度を向上させるための広告です。主にブランドの知名度を高めることを目的としています。
一方、獲得広告は具体的な成果を目指す広告です。BtoBの場合はリードの獲得、BtoCの場合は商品やサービスの購入数を増加させることを目的としています。
以下の比較表を参考に、両者の違いを理解しましょう。
目的 |
KPI |
|
認知広告 |
製品・サービスの認知度の向上 |
|
獲得広告 |
製品・サービスの売上の増加 |
|
下記の記事で認知拡大について詳しく解説しています。
・認知拡大とは?施策立案の方法からプロモーション施策まで解説
【2】認知広告がWebとの相性がいい理由
認知広告はさまざまな媒体で見られますが、中でもWebとの相性がいいとされています。
ここでは、なぜ認知広告とWebの相性がいいのか、その理由を解説します。
1.接点の多さ
今や年代を問わず、多くの人がインターネットを利用しています。
何か知りたいときはまずインターネットで情報を調べ、何か買うときもオンラインショッピングを利用し、動画配信サービスでドラマやバラエティ、映画を視聴するなど、日常生活でインターネットは欠かせないものとなっています。
つまり、Web上は多くの顧客と接点を持てる場所であり、そこに認知広告を出稿することで、さらなる認知拡大が期待できるのです。
2.効果測定が簡単にできる
オフラインの広告に比べて、Webに出稿する広告は効果測定が簡単にできる点が特徴です。
例えば、Web上に出稿した広告は、誰がいつ広告を見たのか、広告を見た後どのような行動をとったのか、いつ広告から離脱したのかといった情報が自動的に集計されるため、分析も容易に行えます。
一方で、CMなどのマス広告はどのくらいの人が見たのかはある程度把握できますが、その後の行動を把握することができません。
出稿だけでなく、その後の分析によって広告の質を高めることで、さらなる認知拡大につなげることができるでしょう。
3.ターゲティングが可能
一般的にWeb上に出稿する広告は、ターゲティングが可能です。
ターゲットを絞ることで自社商品やサービスに興味を持ちそうな顧客に効率良くアプローチできます。
年齢や性別、居住地など細かく設定できるため費用対効果は高いといえるでしょう
下記の記事でターゲティング広告について詳しく解説しています。
・ターゲティング広告とは?特徴、運用方法、成功事例まで網羅して解説
3.コストを抑えられる
Web広告にはさまざまな課金形態があり、自社にあった方法で課金できるため、無駄なコストを抑えることができます。
例えば、広告が見られて課金される形態や、クリックされて初めて課金される携帯などがあります。
マス広告の場合、ユーザーの目にとまっていなくても費用が発生するため、コストを抑えたい企業、予算が少なくて余裕がない企業であればWebの利用がおすすめです。
【3】認知広告に活用できる広告の種類
ここでは認知広告に活用できる具体的な広告を紹介します。
認知広告と一言でいってもその種類はさまざまです。
どのような広告があって、どのような特徴を持っているのか、それぞれ理解しておきましょう。
1.純広告
純広告とは、特定のメディアの広告枠に出稿するタイプの広告です。
例えば、Yahoo! JAPANのトップページの右上には広告が掲載されていますが、これも純広告です。
どのようなメディアの広告枠を購入するかにもよりますが、広告を出稿することで多くの人の目にとまる可能性があるため、認知拡大にも効果的だといえます。
ただし、基本的にはターゲティングができないケースが多いため、出稿先のメディアのユーザーがどのような層なのか把握したうえで適切なメディアを選ぶことが大切です。
下記の記事で純広告について詳しく解説しています。
・純広告とは?種類や費用形態、メリット・デメリットを徹底解説
2.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリなどに設置されている広告枠に出稿する広告のことです。
バナー広告と呼ばれることもあります。ディスプレイ広告は、画像だけでなく、動画やテキスト形式による広告も出稿できます。
Webサイトを訪れた人の目に留まりやすいため、こちらも認知拡大に貢献してくれます。また、純広告とは異なり、ターゲティングができる点も特徴です。
ユーザーの基本属性や興味・関心、さらには過去に検索したキーワードなどに基づいてターゲットを絞ることができます。
下記の記事でディスプレイ広告について詳しく解説しています。
・ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットなどの特徴、効果を解説!
下記の記事でバナー広告について詳しく解説しています。
・【入門編】バナー広告とは?基本から実践まで完全ガイド!
3.タクシー広告
タクシー広告とは、タクシー内にあるデジタルサイネージで動画を配信する広告の事です。タクシーは公共交通機関と比べ料金が高くなるため、経営者や富裕層がよく利用します。
そのため、BtoBや不動産など値段が高く決裁権を持った方に対して認知拡大を行いたい場合に有効な施策です。
下記の記事でタクシー広告について詳しく解説しています。
・タクシー広告とは?種類やメリットから出稿手順、ポイントまで徹底解説!
4.SNS広告
SNS広告とは、その名の通りSNSに出稿する広告のことです。
昨今ではさまざまなSNSがあり、多くの人がSNSを利用しているため、認知拡大を図りたい企業にとってはおすすめの広告だといえます。
主なSNS広告の種類とそれぞれの概要は以下の表の通りです。
|
・若い世代のユーザーが多い ・リツイートによる拡散力の高さが特徴 ・年齢や性別の判別が難しいため、興味や関心に応じた広告配信が効果的 |
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・本名や居住地、年齢などの基本属性を登録しているユーザーが多い ・高い精度のターゲティングが可能 ・若い世代よりも30代・40代以降のユーザーが多い |
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・画像や動画の投稿がメインであり若い世代のユーザーが多い ・Facebookの広告マネージャーを使用するため、精度の高いターゲティングが可能 ・ストーリーズを使った広告配信もできる |
LINE |
・世代を問わず幅広い層が利用しているため、リーチ力が高い ・他のSNSではアプローチできないユーザーにリーチできる ・詳細なターゲティングはできない |
5.リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンの検索結果に表示される広告のことです。
検索キーワードに沿って広告が表示されることから、検索連動型広告と呼ばれることもあります。
リスティング広告は、検索結果に表示される他のWebサイトと同じような形式で表示されるため、自然な形でユーザーの目にとまる点が特徴です。
例えば、「東京都 賃貸」というキーワードで検索すると、検索結果の1ページ目に東京都の賃貸物件を扱う不動産会社や不動産のポータルサイトなどの広告が表示されるイメージです。
ただし、リスティング広告には「広告」と表示されているため、ユーザーは広告とわかるとあえて避ける可能性もあります。
下記の記事でリスティング広告について詳しく解説しています。
・リスティング広告とは?特徴や運用のやり方、成功事例を全て解説!
6.タイアップ広告
タイアップ広告とは、認知拡大を図りたいメディアがメディアや媒体などに広告費を払って自社商品やサービス、ブランドを宣伝する方法のことです。
メディアが商品やサービスを記事にして宣伝することもあるため、記事広告と呼ばれることもあります。
記事形式で広告が表示される場合、他の通常記事と同じような形で広告が並ぶため、ユーザーは違和感なく広告にアクセスすることができます。
ただし、タイアップ広告の場合「PR」であることを明示しなければなりません。
そのため、リスティング広告同様PR記事をあえて避ける人もいるでしょう。
下記の記事でタイアップ広告について詳しく解説しています。
・タイアップ広告とは?有効なケース、効果を高めるコツから事例までをご紹介
7.動画広告
動画広告は、その名の通り動画を活用した広告のことです。
広い意味では、テレビに流れるCMや街中の屋外広告に表示される動画、電車内のモニターに流れる動画も動画広告といえますが、一般的にはWeb上に表示される動画形式の広告のことを動画広告と呼びます。
動画広告は、音や映像を使って視覚や聴覚にも訴えかけられる点が特徴です。
文字や画像だけでは伝えられない商品やサービスのディティールを伝えることができます。
また、商品の説明だけでなく、商品の開発ストーリーなどを伝え、ストーリー性を持たせることもできるでしょう。
動画広告の例としては、YouTubeやTwitterなどで表示される動画が挙げられます。
下記の記事で動画広告について詳しく解説しています。
・動画広告とは?種類ごとの特徴とメリット、成功ポイントまで徹底解説
【4】認知広告の成果を図る指標・KPI
広告は出稿して終わりではなく、出稿した後にどのくらいの成果をあげたのか効果測定をすることが大切です。
そこでここでは、認知広告の成果を図る際に使用する指標やKPIを紹介します。
1.インプレッション・リーチ数
インプレッション数・リーチ数は簡単にいうと、広告がどのくらい表示されたのかを示す指標です。
ただし、インプレッション数がユーザーに対して広告が表示された回数であるのに対して、リーチ数は実際に広告を閲覧したユーザーの数であり、微妙な違いがあるため注意してください。
また、インプレッション数は、同じユーザーが広告を5回見たらインプレッション数も5となりますが、リーチ数はブラウザやデバイスなどからユーザーを識別したうえでカウントするため、同じユーザーが5回広告を見てもカウントは1となります。
2.シェア数クリック数
シェア数は、SNSにおいて、投稿がシェア・引用された数のことです。
シェア数が伸びていれば、情報が拡散されていることになるため、多くの人の目に広告がとまったことになります。Twitterのリツイートをイメージしてもらえればわかりやすいでしょう。
また、クリック数は、実際に広告がクリックされた回数です。
クリックされたということは、商品やサービスを紹介しているWebサイトに誘導できたということになります。
3.ダウンロード数
ダウンロード数とは、その名の通り資料などがダウンロードされた回数のことです。
1回のダウンロードが1ダウンロードとなるため、例えば同じ人が誤って2回ダウンロードするとダウンロード数は2となります。
SNSにおけるシェア数は主にBtoC向けの商品やサービスを取り扱っている企業のKPIとなりますが、BtoB企業の場合シェア数ではなくダウンロード数をKPIにしているケースが多くなっています。
資料をダウンロードしているということは、自社の商品に興味を持っていると考えられるため、顧客獲得につながる可能性が高いといえるでしょう。
4.指名検索数
氏名権作とは、自社の会社名や商品名、サービス名など具体的な名前で検索されることです。
ユーザーが指名検索をしているということは、特定の商品やサービスについて知りたいというはっきりとした目的があると考えられるため、そういったユーザーにアプローチできれば、顧客獲得に繋がりやすいでしょう。
自社サイトを訪れる人を増やすことが、顧客獲得の第一歩となります。効率よくサイトへの流入者を増やすためにも、指名検索を増やせるかどうかが重要です。
【5】認知広告成功のポイント
ここでは、これから認知広告を出稿しようとしている企業の担当者に向けて、成功のポイントを紹介します。
基本的なポイントですが、非常に重要な部分であるため、ぜひ参考にしてください。
1.ターゲティングを活用する
認知広告の中でも、Webを活用した認知広告はターゲティングが可能なため、積極的に活用しましょう。
ターゲティングを上手に活用できれば、自社サービスや商品に興味を持っている・持ってくれそうなユーザーに効率よくアプローチできるため、結果的に費用対効果も高くなるでしょう。
ターゲティングにあたっては、詳細なターゲット像つまりペルソナを意識することが大切です。
また、リスティング広告であればキーワード選定を慎重に行うこと、ディスプレイ広告であれば広告を掲載するメディアの選定などがポイントとなります。
下記の記事でペルソナについて詳しく解説しています。
・ペルソナとは?メリットや作成手順をたった4ステップで解説!
2.PDCAを回す
広告は出稿して終わりではありません。
出稿後に効果測定を行い、成果を把握したうえでPDCAサイクルを回し、改善につなげることが大切です。Webであればクリック数やシェア数、ダウンロード数など詳細なデータが集められます。
どのような成果を上げていて、どのような改善が必要なのか、どこでユーザーが離脱しているのか、広告の表現を変えたほうがいいのかなど、分析を通してさまざまなことが見えてくるはずです。
そのうえで、PDCAサイクルを回すことが重要です。
【6】認知拡大に成功した広告の事例
データプラットフォームサービスを提供する外資系ITベンダーの広告事例です。
この企業は、ニーズが顕在化している検索ユーザーとのタッチポイントを持つために、自社サイトでSEO記事を作成しようと考えていました。
しかし、SEOに関するノウハウがなく、自社のドメインパワーも弱かったため、TECH+の記事広告を利用しました。
その結果、TECH+のドメインパワーとメディアのノウハウを活かし、狙ったキーワードで検索上位を獲得できました。
また、20年以上のメディア事業で培ったコンテンツ力を活かしたライティングにより、継続的にPV数を獲得し、自社サービスの認知拡大に成功した事例となります。
出展元:『タイアップ広告の導入事例 ~特定のキーワードを検索する層に自社サービスを訴求~ │ 株式会社マイナビ』
【6】まとめ
今回は、認知広告の概要や認知広告とWebの相性がいい理由、認知広告の種類などについて解説しました。
認知広告は自社商品やサービス、ブランドの認知拡大を目的とした広告です。
商品やサービスの認知は、消費者の購買行動の最初のステップとなるものであるため、いかに消費者に認知してもらえるかは非常に重要なポイントだといえます。
Webを使った認知広告には純広告やディスプレイ広告、リスティング広告、SNS広告などさまざまなものがあり、効果的なターゲティングも可能です。
自社の商品やサービス、ニーズを踏まえたうえで適切な出稿先を選びましょう。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。