カスタマーサクセスの担当者、もしくはこれから取り組む方の中には、「カスタマーサクセスに関する知識を身に着けたい」や「自社にノウハウがなくて困っている」と考えている方はいるでしょう。
そのような方には、短時間で深い知識を得られる本で学習することをおすすめします。
しかし、カスタマーサクセスに関する本は多く出版されている、かつ求められるスキルは広範囲にわたるため、本選びで迷ってしまうのではないでしょうか。
そこで本記事では、カスタマーサクセス担当者が読んでおくべき本10選をご紹介します。
マーケティング
【TECH+マーケティング責任者】谷合 祐馬 [2022.11.10]
カスタマーサクセスの担当者、もしくはこれから取り組む方の中には、「カスタマーサクセスに関する知識を身に着けたい」や「自社にノウハウがなくて困っている」と考えている方はいるでしょう。
そのような方には、短時間で深い知識を得られる本で学習することをおすすめします。
しかし、カスタマーサクセスに関する本は多く出版されている、かつ求められるスキルは広範囲にわたるため、本選びで迷ってしまうのではないでしょうか。
そこで本記事では、カスタマーサクセス担当者が読んでおくべき本10選をご紹介します。
カスタマーサクセスとは、顧客の成功を支援する取り組みや組織を示します。
具体的な取り組み内容は、顧客データを分析し、顧客の課題を先回りして解決することです。
カスタマーサクセスの目的は、新規顧客の獲得ではなく、既存顧客との関係性の維持となります。
カスタマーサクセスが正常に機能すれば、チャーン率(解約率)の低下やアップセル/クロスセルの増加、LTV(顧客生涯価値)の向上などにつながります。
下記の記事でカスタマーサクセスについて網羅的に詳しく解説しています。
・カスタマーサクセスとは?具体的な業務内容から成功のポイントまで解説!
カスタマーサクセスが重要視される背景には、顧客が製品の所有ではなく、成果ベースに価値を測定するようになったことが挙げられます。
従来はBtoB・BtoC共に、買い切り型の製品が中心でした。つまり、製品購入後にも顧客との関係性が継続することはありませんでした。
しかし、SaaSやサブスクリプションモデルの普及により、製品購入後にも顧客との関係性が継続されるようになったのです。
実際に数多くの調査やシミュレーション、事例などでチャーンを抑えた企業の成長率が高いと分かっています。
また、国内においては急速な人口減少が一因となって、新規顧客の獲得が困難な状況になっています。
こういった背景により、既存顧客の成功を支援し、チャーンを抑制しながら売り上げを伸ばすカスタマーサクセスが重要視されるようになったのです。
カスタマーサクセスについて学べる本を見ていきましょう。
まずはカスタマーサクセスのバイブルと言っても過言ではない必読本3選をご紹介します。
カスタマーサクセスソフトウェアを提供するゲインサイト社のCEOニック・メータ氏による本です。
本書の前半部分では、カスタマーサクセスの歴史やその重要性、提供方法などの基礎知識が書かれています。
前半部分でカスタマーサクセスの基礎知識を身に着けてから、後半部分の実践パートで理解を深められる仕様です。
後半部分は、有名企業のCIOやカスタマーサクセス担当上級副社長などのカスタマーサクセスの第一人者たちによる10の成功原則が紹介されています。
実際にカスタマーサクセスに取り組まないと得られない知見やノウハウを学べる点が本書の最大の魅力です。
カスタマーサクセスに取り組めば、成功原則パートは何度も読み返すことになるでしょう。
カスタマーサクセスに取り組んでいる、これから取り組む方は本書を持っておくと重宝します。
先に紹介した「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」は海外企業関係者による執筆や事例ばかりのため、初めての方は自分事化できないかもしれません。
そこでカスタマーサクセスの完全入門者におすすめしたいのが本書です。
著者の弘子ラザヴィ氏は、シリコンバレーで築いたネットワークや知見を活かし、カスタマーサクセスに取り組む日本企業を支援する経営コンサルタント。
本書の特徴は、とにかく分かりやすくカスタマーサクセスについて解説されている点です。
また、先ほど紹介した本とは異なり、国内視点でのカスタマーサクセスの重要性や国内事例が載っているため、簡単に理解できるでしょう。
ただし、カスタマーサクセス中級・上級者の場合、本書では少し物足りなさを感じるかもしれません。
カスタマーサクセス入門者は、本書でカスタマーサクセスにおける全体像を把握したのち、「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」で実践的な知識を獲得するのがおすすめです。
本書の著者は、ゲインサイト社のCCO(最高顧客責任者)とチーフストラテジストです。
ここまで紹介した2冊が入門書ならば、本書は実用書と言えます。
本書の特徴は、カスタマーサクセス担当者に求められるスキルや考え方、実践ポイントなどを重点的に解説していることです。
つまり、本書のメインターゲットはカスタマーサクセス現場担当者やカスタマーサクセスへの転職を考えている人となります。
カスタマーサクセスの実務についてなら、本書が最も詳しく解説していると言っても過言ではありません。
カスタマーサクセスの概念や知識ではなく、具体的な実行方法や人材育成方法、キャリアパスなどについて学びたいなら本書がおすすめです。
なお、本書と「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」の著者はゲインサイト社に務めているため、2冊読むことでカスタマーサクセスに関する統一した知識を得られます。
ここからは、カスタマーサクセスについて学んだり、求められるスキルを身に着けたりする人におすすめの本7選をご紹介します。
本書は2019年に発売されて以来、多くのビジネスパーソンに支持されています。
著者の福田康隆氏は、カスタマーサクセスを確立したセールスフォースドットコムで長年シニアバイスプレジデントを務めました。
本書の内容は、セールスフォースドットコム社に根付く営業の分業体制についてです。
THE MODELでは、営業活動をマーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの4段階に分けています。
つまり、各部門が一つの目標に向かって協力するのがTHE MODELなのです。カスタマーサクセスの成功においては、他部門の協力は欠かせません。
THE MODELを読むことで、他部門間の連携の重要性や各部門が協力し合える環境構築のヒントを得られます。
著書の山田ひさのり氏は、優れたカスタマーサクセスを提供するSansan株式会社でカスタマーサクセス部シニアマーケティングマネージャーを務めます。
本書では、Sansanの社内資料ではないかと思うほど、Sansanのカスタマーサクセスの取り組みが詳細に紹介されている点です。
カスタマーサクセスにおける幅広いテーマを扱っていますが、特にオンボーディングの項は、Sansanの成功の定義法や自動化するポイントが書かれているため、非常に参考になります。
カスタマーサクセスの基礎はもちろん、一から実践する方法まで学びたい方におすすめです。
カスタマー・エクスペリエンスとは、顧客体験のことです。カスタマーサクセスとカスタマーエクスペリエンスは密接な関係にあります。
なぜなら、カスタマーエクスペリエンスが向上することで、チャーンの低下やアップセル/クロスセル向上などの、カスタマーサクセスの目標が達成されるためです。
本書は、カスタマーエクスペリエンスの豊富な事例とともに、実践や成功ポイントが解説されています。感動的な顧客体験の設計方法が分かるため、カスタマーサクセスにも大いに役立つでしょう。
パレードの法則をご存知でしょうか。
マーケティングにおけるパレードの法則とは、顧客全体の2割である優良顧客が8割の売り上げに貢献していることです。新規顧客の獲得が困難になった現代、既存顧客を優良顧客に変える施策の重要性が高まっています。
本書を読めば、既存顧客をファン(優良顧客)に変えるポイントを学べます。
ファン作りに関するコンテンツは曖昧な説明のものが多いですが、本書は具体的かつ論理的にファンの作り方を解説しているのです。
正しい顧客を選ぶことや顧客への傾聴など、カスタマーサクセス業務で参考になるポイントが多々あります。
カスタマーサクセスには、コンサルタントのように論理的な思考法に基づき、顧客の課題を解決することが求められます。
論理的な思考法を学びたいなら、本書がおすすめです。著者の照屋華子氏は、マッキンゼーで論理構成や日本語表現のアドバイスをするエディターを務めています。
本書を読めば、考えやアイデアを論理的に整理できるだけではなく、論理的にアイデアを伝えるスキルも身に着けられるでしょう。
ビジネスコミュニケーションが苦手な方や顧客に上手く考えを伝えられないと悩んでいるカスタマーサクセス担当者におすすめの本です。
カスタマーサクセスを成功させるためには、顧客理解を深める必要があります。
特に、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチごとにペルソナの作成と共有をし、メンバー間の認識を揃えるのは有効でしょう。
本書は、自社にとって最適な一人の顧客を深く知ることの重要性やその手順が解説されています。
カスタマーサクセスではデータを基にした意思決定が重要ですが、それと同じくらいデータの裏にある顧客心理を理解することも大切です。
特に、顧客起点での考え方が身につくため、真の意味で顧客に寄り添った支援を提供できるようになるでしょう。
カスタマーサクセス担当者は、顧客の課題を解決することが重要な任務ですが、顧客が複数の課題を抱えているケースは多々あります。
そのため、複数の課題の中から本質的な問題「イシュー」を正確に見極めなければいけません。
本書は、ビジネスパーソンのバイブルとも言える大ベストセラーであり、イシューの見極め方が解説されています。
本書を繰り返し読むことで、顧客の課題を正確に把握できるようになり、価値の提供や業務の効率化などを実現できます。
すでにカスタマーサクセスに取り組んでいる方、これから取り組む予定の方は、まずは本でカスタマーサクセスの理解を深めるのがおすすめです。書籍選びで迷ったら、まずは記事でご紹介した必読書を選んでみましょう。
また、カスタマーサクセス担当者にはロジカルシンキングや課題を解決するスキル、データ分析、自社/クライアント製品・市場への知見などが求められるため、常に学ぶ姿勢を持つようにしましょう。
【TECH+マーケティング責任者】谷合 祐馬
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級を保有。
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