【2024年版】運用型広告とは?広告支援をするプロが優しく解説!
認知拡大・ブランディング
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.10.27]
【1】運用型広告とは
運用型広告とは、広告の掲載枠が特に固定されておらず、予算やサイト、広告内容などとの関連性を踏まえたうえで最適な広告枠に広告が出稿される方法のことです。
予算や広告内容、キーワード、広告の出向目的などに応じた出稿ができることもあり、比較的柔軟な運用ができます。
運用型広告と似たものに予約型広告(別名:純広告)がありますが、予約型広告は掲載期間と表示回数が保証されている広告です。
運用型広告と同じ広告枠に出稿されることもありますが、運用型広告よりも優先的に配信される点が特徴です。
下記の記事で予約型広告について詳しく解説しています。
・純広告とは?種類や費用形態、メリット・デメリットを徹底解説
運用用型広告が注目を集める背景
運用型広告が注目を集める背景には、スマートフォンをはじめとしたテクノロジーの発展が挙げられます。
現在ではスマートフォンやパソコン、タブレット端末、ウェアラブル端末などさまざまな端末から情報にアクセスできるようになっており、テレビCMや新聞広告のような従来の広告枠だけでは効果的な広告をすることは難しくなっています。
消費者の使用する端末に応じた流動的な広告配信をするためには、予算や広告内容などに応じた配信が可能となる運用型広告が適しています。
このような情報との接点が多様化する状況もあり、運用型広告が注目を集めているといえるでしょう。
【2】運用型広告の仕組み
運用型広告は、オークションによって広告を配信する仕組みとなっています。
オークションは、広告枠に対して広告主が「入札したい」と手を挙げ、希望者の中から選ばれた広告が実際に配信されるというものです。
ただし、オークションの入札額が高いからといって必ずしも配信できるわけではありません。運用型広告の配信に当たっては、広告の品質や広告から誘導するサイトの内容、ユーザーの状況などが総合的に考慮されます。
そのため配信するためには、金額だけでなく広告の内容やWEBサイトの内容などにも注意しなければなりません。
課金方法
運用型広告は入札によって配信する広告が決まりますが、課金方法は以下のようにさまざまなものがあります。
- クリック課金(CPC型):広告がクリックされると費用が発生する
- インプレッション課金(CPM型):広告が表示されると費用が発生する
- 視聴課金(CPV型):広告が視聴されると費用が発生する
- フォロー課金(CPF型):SNSでアカウントがフォローされると費用が発生する
- インストール課金(CPI型):アプリがインストールされると費用が発生する
入札にあたっては、どのような課金方法なのか確認しておくことも大切です。
【3】運用型広告のメリット・デメリット
運用型広告を利用する場合、メリット・デメリットをそれぞれ理解しておくことが重要です。ここで具体的なメリット・デメリットを解説します。
メリット
まずは運用型広告のメリットを紹介します。主なメリットとしてコントロールしやすい、ユーザーの反応を把握しやすい、ターゲティングができるといったことが挙げられます。
1.配信頻度や配信内容をコントロールしやすい
運用型広告は、予算や広告の内容、配信頻度などを流動的にコントロールできる点が大きなメリットです。
一般的な広告は、予算、広告内容、配信頻度を決めたら基本的には変えられませんが、運用型広告は途中で予算を増やす、配信頻度を変えるといったことができます。
例えば、「今月は予算を増やせそうだから配信頻度を増やす」ことも可能です。
2.ユーザーの反応を把握しやすい
運用型広告は、ユーザーの反応を把握しやすい点も特徴です。
自分たちでは良い反応が得られると思っていた広告でも、実際に配信すると思ったほど成果が挙げられないといったケースは珍しくありません。
ユーザーの反応をリアルタイムで把握できれば、広告への反応が悪ければ途中で他の広告に切り替えることもできます。また、トレンドを取り入れた広告へ切り替えることもできるでしょう。
3.ターゲティングができる
運用型広告は、細やかなターゲティングにも対応しています。
年齢や性別、居住地域といった基本的な属性はもちろんのこと、興味・関心、WEBサイトへの訪問履歴などを踏まえたターゲティングもできるため、自社のターゲットにピンポイントでリーチすることも可能です。
また、自社商品・サービスに対する潜在層・検討層・顕在層など各購買ファネルに対する広告配信もできるため、より効率的な広告運用ができるでしょう。
下記の記事でターゲティング広告について詳しく解説しています。
・ターゲティング広告とは?特徴、運用方法、成功事例まで網羅して解説
デメリット
メリットの一方でデメリットも少なからず存在します。
主なデメリットとしては、手間がかかること、専門知識が必要なことなどが挙げられます。
1.手間がかかる
運用型広告は、柔軟性を備えている一方で、運用にあたっては手間や労力がかかる点がデメリットとなります。
運用型広告の場合、広告を配信する媒体はSNSや検索エンジン、WEBサイトなど選択肢が多くなります。
また、配信するタイミングや頻度、ターゲットの選定なども検討しなければなりません。
柔軟な対応ができる分、決めるべきこと、準備すべきことが多いため、手間がかかってしまうでしょう。
また、配信中もユーザーの反応次第では広告の調整が必要となります。簡単な広告手法ではないことを覚えておきましょう。
2.知識が必要
運用型広告は、細かいターゲティングや配信方法の選定などができるなど柔軟性が高いこともあり、効率よく運用しようとするには広告運用に関する知識が必要不可欠です。
また、広告を配信している最中も各種データに基づいた分析や効果測定を行う必要があるため、やはり知識や経験が欠かせません。
自社で広告運用ができる人材を育てるとなると時間とコストがかかります。また、運用を外注することができますが、外注するとコストがかかります。
運用型広告の主な種類
ここでは運用型広告の主な種類を4つ紹介します。
運用型広告の利用にあたっては、それぞれの種類の特徴を理解しておくことがポイントとなるため、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果の上部もしくは下部に表示される広告のことです。
ユーザーの検索キーワードに対して自動的に関連サイトが選ばれて配信される仕組みとなっており、例えば、「●●市 賃貸」と調べた場合、不動産会社のサイトが広告として表示されます。
一見すると他の検索結果と同じように見えますが「広告」とついているため判別することができます。
リスティング広告は検索結果に連動する形で表示されるため、「検索連動型広告」と呼ばれることもあります。
自然検索結果よりも先に表示されることに加え、検索キーワードに関連した広告が表示されているため、ユーザーの目につきやすいという特徴を持ちます。
下記の記事でリスティング広告について詳しく解説しています。
・リスティング広告とは?特徴や運用のやり方、成功事例を全て解説!
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、WEBサイトやアプリなどに画像や動画、テキスト形式で表示される広告のことです。
さまざまなサイト、アプリに広告が配信されるため、自社商品やサービスを認知していないユーザーにリーチすることも可能です。
ディスプレイ広告は、ユーザーの興味・関心、購買意向などに基づいて配信されるため、ミスマッチが発生する心配もありません。
下記の記事でディスプレイ広告について詳しく解説しています。
・ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットなどの特徴、効果を解説!
SNS広告
SNS広告とは、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSに配信する広告のことです。
SNSのユーザーは日本だけでも非常に膨大であるため、多くのユーザーにリーチしたいときなどに適しています。
また、SNSは性別や年齢、居住地域などの属性が登録されているケースが一般的であるため、セグメントを絞った広告配信も可能です。
そのほかにも、「いいね」「シェア」「リツイート」などユーザーの反応が確認でき、注目を集めれば広告が拡散される可能性がある点もSNS広告の特徴です。
アドネットワーク
アドネットワークは、広告配信ができる複数のメディアをまとめたネットワークになります。1つ1つのメディアの広告に出向する手間がなく、一度で複数のメディアに出向することができるのが特徴です。
ただし、媒体の選定を行う事はできないので注意が必要です。
下記の記事でアドネットワークについて詳しく解説しています。
・アドネットワークとは?仕組みやメリット、代表的な媒体を6選ご紹介!
動画広告
動画広告は、YouTubeなどの動画プラットフォームで動画が再生される前や再生中に流れる動画形式の広告のことです。
InstagramストーリーズやTwitterのタイムラインなど、SNS上で動画広告が流れることもあります。
画像やテキストのみの広告に比べてより多くの情報を伝えられる点が特徴です。また、短時間でも視聴されればユーザーに印象を与えられるでしょう。
下記の記事で動画広告について詳しく解説しています。
・動画広告とは?種類ごとの特徴とメリット、成功ポイントまで徹底解説
運用型広告を導入するときのポイント
運用型広告をより効率よく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここではこれから運用型広告を導入しようとしている企業の担当者に向けて、基本的なポイントを紹介します。
1.配信状況をこまめにチェックする
運用型広告を利用する際は、広告の配信状況をこまめにチェックすることが大切です。
ユーザーの反応をリアルタイムで確認することで、広告の差し替えや配信頻度の変更、入札額の調整などが可能となります。
例えばリスティング広告において「キーワード●●で検索した時に表示される広告はコンバージョンにつながっているので入札額を増やす」「キーワード××は競合が少ないから入札額を減らす」といったことは、配信状況を把握していればできるでしょう。
そのほかにも、広告の表示回数やクリック数、配信された広告など、さまざまなデータをチェックすることができます。
これらのデータをこまめにチェックし、蓄積していくことで効果が高い配信パターンが見えてくるかもしれません。
運用型広告は配信したら終わりではなく、配信してからがスタートという気持ちで取り組むことが大切です。
2.PDCAサイクルを回す
配信状況のチェックと共通する部分となりますが、PDCAサイクルを回しながら、広告の改善に取り組むことが大切です。
ターゲットとしている層が広告に対してどのようなアクションを取っているのか、狙い通りのアクションを起こしていない場合は何が原因なのか、原因を解消するために何をするべきなのか、など常に検証と改善に取り組み、少しずつ改善を図る必要があります。
例えば、YouTubeに30〜40代の男性をターゲットにした動画広告を出稿していて、以下のような状況だったとします。
- 30代は動画広告をクリックする
- 40代は動画広告をあまりクリックしない
このような状況が確認できれば、30代のみにターゲットを絞る、40代向けの広告の内容を変更するといった改善策を実行することができるでしょう。
実際に広告を配信しないとわからないこと、見えてこないことも多いため、PDCAを常に回しながら広告運用に取り組むことが大切です。
よりPDCAを回すためにはツールを導入するのがオススメです。運用型広告ではよくDSPというツールが利用されています。DSPを利用することによって、ターゲティングの精度や各広告の一元管理をすることが可能になるので、是非一度検討してみてください。
下記の記事でDSPについて詳しく解説しています。
・DSPとは?仕組みやメリットからおすすめのDSP広告までご紹介!
3.遷移先のWEBサイトの改修する
広告運用をする場合、どうしても広告ばかりに注目してしまいがちですが、広告から遷移するWEBサイトやLP(ランディングページ)の改修も運用にあたっては重要なポイントです。
いくら魅力的な広告を配信しても、遷移先のWEBサイトの作りがイマイチだとユーザーがすぐに離脱する恐れがあります。
運用型広告を導入する目的は、広告を配信することではなくその先のコンバージョンを獲得することにあるはずです。
そのため、広告の効果検証をするだけでなく、遷移先のWEBサイトでユーザーはどのくらい滞在しているのか、どのページで離脱しているのかといった情報もチェックし、必要に応じて改修しましょう。
まとめ
今回は運用型広告の概要やメリット・デメリット、導入時のポイントなどについて解説しました。
運用型広告は、予算やサイト、広告内容などとの関連性を踏まえたうえで最適な広告枠に広告が出稿される方法のことです。
柔軟性を備えた広告手法ですが、その分手間がかかり、専門知識も求められます。
運用型広告の導入に当たっては、配信状況をこまめにチェックし、PDCAサイクルを回しながら広告の改善を図ることが大切です。
また、必要に応じて広告だけでなく遷移先のWEBサイトも改修することもポイントとなります。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。