【1】オンライン広告とは
オンライン広告、意味とは、インターネット上に出稿できる広告のことです。パソコンやスマートフォン、SNS、アプリなど様々なチャネルに配信できます。
オンライン広告が人気を集める理由は大きく2つあります。
1つ目は認知広告やブランディング広告としての利用から、ダイレクトレスポンス広告まで幅広く対応できる事。
2つ目は、費用対効果の高さです。オンライン広告では、詳細なターゲティング設定が可能なため、自社に最適なユーザーに広告を届けられるのです。
そして、その効果を最大化するためには、自社に最適なオンライン広告サービスを選定する必要があります。
認知広告の説明はこちら!
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オフライン広告との違い
オフライン広告とは、新聞や雑誌、テレビなどのインターネット上で配信しない広告のことを示します。
オンライン広告とオフライン広告の主な違いを下記図表にまとめました。
項目
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オンライン広告
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オフライン広告
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予算
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広告主が自由に設定できる
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高額
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広告の配信量
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確実に掲載できる保証はない
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確実に掲載可能
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ターゲティング設定
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詳細に可能
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一部可能
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効果測定
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簡単
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難しい
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運用コスト
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発生
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発生しない
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専門知識や経験
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必要
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不要
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マーケティング手法
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インバウンド
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アウトバウンド
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オンライン広告とオフライン広告の重要な違いがマーケティング手法です。
テレビや新聞などのオフライン広告は、企業から顧客にアプローチを行うアウトバウンドマーケティングに分類されます。
アウトバウンドマーケティングは、多くの顧客にアプローチできるため、即効性が高いメリットがあります。その一方、顧客の事情を考えずに自社が発信したい情報を伝える性質上、強引な印象を顧客に与えてしまうのです。
顧客が望まないコンテンツを、強引に見せつける機会が多々あるため、ネガティブな印象を持たれる傾向にあります。消費者の広告離れや購買行動の変化を受けて誕生したのがインバウンドマーケティングです。インバウンドマーケティングとは、顧客が求める情報を発信し、顧客に選ばれるブランドを築くマーケティング手法です。
オンライン広告はインバウンドマーケティングに該当します。インバウンドマーケティングにおいては、顧客が能動的に広告を見るため、広告嫌悪が生じるリスクが低いです。
オンライン広告を運用する上では、インバウンドの思想に基づき、顧客にとって価値ある広告を作成しなければいけません。
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【2】オンライン広告の市場規模
電通株式会社の調査「2021年 日本の広告費」によると、2021年のオンライン広告費は2兆7,052億円であり、初めてマスコミ四媒体(テレビメディア・新聞・雑誌・ラジオ)広告費を上回っています。インターネット広告の主な構成比は以下の通りです。
- 検索連動型広告(リスティング広告):37.0%
- ディスプレイ広告:31.8%
- ビデオ(動画)広告:23.8%
- 成果報酬型広告:4.4%
リスティング広告とディスプレイ広告だけで、全体の約7割を占めるほど、大きな人気を集めています。注目したいのが、前年比132.8%と大きな成長を遂げている動画広告です。
動画プラットフォームが世界的に流行しているため、今後は短時間で多くの情報を伝達できる動画広告が主流になるかもしれません。
【3】オンライン広告のメリット4つ
オンライン広告を活用するべき理由は、以下4つのメリットにあります。
- 予算に合わせて出稿できる
- 費用対効果が高い
- 多くのユーザーにアプローチできる
- PDCAを回しやすい
ここからは、4つのメリットについて見ていきましょう。
1.予算に合わせて出稿できる
リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などは広告主が自由に予算を設定できます。
1日当たり数百円からの出稿も可能かつ上限費用を設定できるため、予算の限られた企業でも取り組みやすいでしょう。
しかし、オンライン広告で成果を出すためには、ある程度の予算が必要なのも事実です。
例えば、リスティング広告で本格的に成果を出したい場合は、少なくとも月30万円は確保したいところです。それでもオフライン広告と比較すれば、格安で出稿できるのはオンライン広告のメリットでしょう。
2.費用対効果が高い
オンライン広告は、特定のユーザーにピンポイントでアプローチできます。
例えば、リスティング広告は課題やニーズが明確な顕在層にリーチできるため、高いコンバージョンを見込めます。
ディスプレイ広告は、多くの潜在層にアプローチし、認知拡大やブランディングに貢献します。このようにオンライン広告の種類は多々あり、詳細なターゲティング設定が可能なため、高い費用対効果を見込めるのです。
3.多くのユーザーにアプローチできる
総務省の調査によれば、消費者の平日のインターネット平均利用時間は168.4分で、テレビの平均視聴時間である163.2分を上回っています。
この調査結果から、多くの消費者がインターネットで情報を収集しており、オンライン広告は多くの潜在顧客との接点構築に有効な施策と言えます。
また、一部種類を除けば、オンライン広告は24時間配信され続けるのも魅力です。
オフライン広告の場合、広告配信時間が決められており、潜在顧客を取りこぼす懸念があります。オンライン広告なら、自社に最適なユーザーがインターネットを利用するたびに配信されるため、配信機会の損失を防止できます。
4.PDCAを回しやすい
オンライン広告の種類を大きく分けると、運用型広告と予約型広告の2種類に分けられます。
運用型広告とは、広告パフォーマンスを測定しながら、広告費や出稿キーワードなどを調整するタイプの広告であり、リスティング/ディスプレイ広告やSNS広告などが該当します。
一方、予約型広告はあらかじめ定められた期間や量を配信する広告タイプであり、出稿後の運用は必要ありません。運用型広告を選択すれば、PDCAを回して広告効果を最大化し、高い費用対効果でビジネスの目標を達成できます。
【4】オンライン広告のデメリット4つ
オンライン広告は数多くのメリットがある一方、クリック単価の高騰やブランド嫌悪のリスクなどもあります。ここからは、オンライン広告の4つのデメリットを解説します。
1.クリック単価が高騰する可能性がある
株式会社電通の調査が示すように、オンライン広告の市場規模は成長し続けています。
オンライン広告の需要が高まるほど、広告費が高騰する可能性があるのです。特に、検索連動型広告は競合の入札状況によって、広告費が大きく変動します。
自社が狙うキーワードに対し、多くの競合が入札していれば、必然的にクリック単価が高まるのです。今後もオンライン広告の出稿をする企業が増加すると、クリック単価が高騰し、資金が潤滑した企業がアドバンテージを持つようになる懸念があります。
2.炎上やブランド嫌悪のリスク
インターネット上に出稿するという性質上、どうしても炎上リスクは避けられません。
広告主が意図していなくとも、オンライン広告が炎上し、ブランド既存や信頼の低下につながる懸念があります。だからこそ、広告担当者は正しい炎上理解やネットリテラシーの向上をしたうえで、クリエイティブを作成しましょう。
また、オンライン広告にもブランド嫌悪のリスクはあります。運用型広告には、自社サイトやアプリに訪問したユーザーを追跡し、広告を再配信するリターゲティング機能があります。
リターゲティング機能を上手く使えば、自社に興味あるユーザーに再アプローチできるため、成果を上げやすいです。
しかし、何度もしつこく広告を配信した場合は、ブランド嫌悪につながってしまいます。運用型広告におけるブランド嫌悪を防ぐためには、フリークエンシーキャップ(同じユーザーに広告配信する上限回数を定める機能)の設定が有効です。
3.リターゲティング機能が使えなくなる
オンライン広告が人気の理由の一つに、リターゲティング機能がありますが、今後はリターゲティング機能が利用できなくなるかもしれません。
リターゲティング機能は、サードパーティCookieというユーザーが訪問しているサイトとは別のドメインが発行するCookieを活用することで、同一ユーザーを追跡しています。
しかし、個人の特定につながる情報を含むサードパーティCookieがユーザーが知らぬところで流通しているのは、プライバシー侵害になるのではないかという懸念が生じました。
この結果、AppleのSafariやMozillaのFireboxなどのブラウザは、サードパーティCookieをブロックしています。
そして、2024年後半からは国内ブラウザシェアの50%以上(2022年9月時点) を占めるChromeが段階的にサードパーティCookieを廃止する予定です。自社で顧客情報を保有していない企業は、オンライン広告で成果を出すのが困難になる可能性があります。
4.専門知識が必要
オンライン広告は、誰でも簡単に運用を始められます。
しかし、運用するのと成果を出すのでは、難易度が大きく異なります。オンライン広告で成果を出すためには、知識やノウハウなどが必要です。
インハウスでオンライン広告を運用する場合、最適な人材の獲得もしくは育成を行う必要があり、担当者は定期的に最新情報やトレンドを取得しなければいけません。
人的リソースがない場合は、広告代理店への運用代行依頼が現実的な手段となるでしょう。代理店への運用代行費用は、原則広告費の20%です。
【5】オンライン広告の種類と特徴
オンライン広告の種類は多岐にわたります。各広告の特徴を理解したうえで、自社に最適なオンラインサービスを選びましょう。以下では、主なオンライン広告の種類をご紹介します。
1.リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)とは、検索結果画面の上部に配信する広告のことです。
ユーザーの検索ワードに応じた広告が配信されます。例えば、ユーザーが「メール配信ツール」と検索すると、メール配信ツールに関する広告が配信されるのです。
リスティング広告のメリットは、高いコンバージョン率を見込めることです。
ユーザーは課題や悩みの解決法を求めて、検索サービスを利用します。顕在層のユーザーに、最適な解決法を広告で伝えれば、クリックやコンバージョンに期待できるのです。
リスティング広告の広告掲載位置は、オークション形式で決まります。
しかし、通常のオークション形式では資金力のある企業が有利であり、ユーザーに最適な広告を届けられない懸念があります。
そこで、上限クリック単価と広告品質をかけ合わせた広告ランクで掲載位置が決まる仕組みです。広告品質を高めれば、予算が限られた企業でも、広告配信できる可能性は十分にあります。
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2.SNS広告
SNS広告とは、FacebookやTwitterなどのSNSプラットフォーム上で配信する広告のことです。リスティング広告が顕在層にアプローチできるのに対し、SNS広告は主に潜在層にアプローチします。国内における主なSNS広告の特徴は以下の通りです。
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Twitter
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Facebook
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Instagram
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LINE
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TikTok
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ユーザー数
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4500万人
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2600万人
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3300万人
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8600万人
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950万人
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ユーザー層
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● 20代の利用率が高い
● ビジネス層が多い
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● 30代の利用率が高い
● ビジネス層が多い
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● 10~20代の利用率が高い
● 女性が多い
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● 全世代の利用率が高い
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● 10代の利用率が高い
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特徴
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● 拡散性が高い
● ツイート形式で広告を配信
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● 実名制のクローズドなコミュニティ
● 精細なターゲティングに強みを持つ
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● ビジュアルで訴求できる
● BtoC商材と相性が良い
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● 他のSNSを利用していない層にもリーチできる
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● 音楽と動画の組み合わせた広告を訴求できる
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SNS広告の利用にあたっては、各SNSのユーザー属性を理解したうえで、自社に最適なプラットフォームを選定しなければいけません。例えば、10代のユーザーが多いTikTokで、BtoB商材や不動産などの高額商材のプロモーションをしても、期待した成果にはつながらないでしょう。
3.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に配信するオンライン広告です。テキストと画像や動画を組み合わせた広告を配信できるため、ユーザーの視覚に訴えられます。
ディスプレイ広告がリーチできるのは、未認知層と潜在層のため、自社認知の拡大や製品/イベントプロモーション、ブランディングに有効な施策です。
ディスプレイ広告は、ターゲットだけではなく、配信サイトを指定して広告配信ができます。そのため、自社の顧客となりうる潜在層に効率よくリーチできるのです。
ディスプレイ広告の2大ネットワークが、Googleディスプレイネットワーク(GDN)とYahoo! ディスプレイネットワーク(YDN)です。GDNとYDNでは、設定可能なターゲティングや配信サイトが異なるため、事前に配信サイトなどを確認しましょう。
ディスプレイ広告は詳細なターゲティング設定ができるからこそ、明確な目標とペルソナを設定したうえで、運用に取り組むことが重要です。
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4. タイアップ広告
タイアップ広告とは、メディアの一般記事と同じように表示する記事形式の広告のことであり、ネイティブ広告の一種です。
広告を掲載するメディア(第三者)が主体となって制作するため、信頼を獲得しやすい特徴があります。
例えば、自社で作成した事例記事よりも、第三者制作の事例記事のほうが説得力が増すのではないでしょうか。
タイアップ広告は、ストーリー性のあるコンテンツを作成できるため、ブランディングや高い閲覧率などを見込めます。一方、費用相場が100万円以上とまとまったコストがかかります。タイアップ広告は、高単価商材を扱うBtoB企業におすすめです。
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5. 純広告
純広告とは、多くのPVや会員数を誇る有名メディアの広告枠に掲載する広告のことです。
ページ上部や側部などの目立つ位置に掲載できるため、短期間での認知拡大や製品/イベント、ブランディングなどに期待できます。
純広告とディスプレイ広告の大きな違いは、運用コストの有無です。
ディスプレイ広告は、担当者が細かな調整をしながら、運用しなければいけません。その一方、純広告は掲載位置や期間などが事前に決まっているため、運用コストはかかりません。
運用担当者の設置や知識/経験は不要なため、非常に運用しやすい特徴があります。ただし、純広告の出稿費用は高額です。また、出稿後にクリエイティブの変更はできないため、慎重なクリエイティブの制作が求められます。
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6.動画広告
近年、存在感を高めているのが動画広告です。動画は、テキストや画像よりも情報伝達量が多く、認知度拡大や購買意欲の醸成などに貢献します海外企業wyzowlの調査によると、消費者は週に平均19時間オンライン動画を視聴しており、73%がショート動画で製品について知りたいと回答しているのです。
この調査結果からも、消費者はテキストのみの複雑な製品説明よりも、簡単に理解できる動画コンテンツを求めていると言えるでしょう。動画広告の主なプラットフォームは、SNSとYahoo!ディスプレイ広告です。各プラットフォームの特徴や違いを理解したうえで、戦略的に施策を推進するようにしましょう。
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7.アプリ広告
アプリ広告は大きく、アプリインストール広告とアプリ内広告の2種類に分類できます。>アプリインストール広告とは、検索結果画面やアプリストアなどに配信する広告のことです。
ユーザーが広告をクリックすると、アプリのインストールページに遷移されるため、インストール数を伸ばしたい場合に向いています。
アプリ内広告とは、アプリ内に設置された広告枠に配信する広告のことです。ディスプレイ広告のアプリ版とイメージすれば分かりやすいのではないでしょうか。
アプリ広告は、GoogleやYahoo!、各種SNS、App Storeなどで配信可能です。アプリ広告は設定項目が少ないため、比較的楽に運用できます。自社アプリのプロモーションをする場合は、アプリ広告を検討してみましょう。
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【6】オンライン広告の主な課金方式・費用相場
オンライン広告の費用相場は、業界や出稿するキーワードなどによって異なります。
運用型広告を利用する場合は、Googleキーワードプランナーなどのツールを使い、推定予算を算出してみましょう。下記表は、オンライン広告の主な課金方式をまとめたものです。
オンライン広告種類
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課金方式
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リスティング広告
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● クリック課金
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SNS広告
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● インプレッション課金
● エンゲージメント課金
● フォロワー課金
● 動画再生課金
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ディスプレイ広告
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● クリック課金
● インプレッション課金
● 動画再生課金
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タイアップ広告
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● 記事制作+掲載:100~200万円
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純広告
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● インプレッション課金
● クリック課金
● 成果報酬方式
● 期間契約
● 配信量契約
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動画広告
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● CPV:再生1回あたりで課金
● クリック課金
● インプレッション課金
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アプリ広告
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● クリック課金
● インプレッション課金
● エンゲージメント課金
● 期間契約
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【7】TECH+が支援したオンライン広告の成功事例
TECH+がセキュリティコンサルティング系企業様(SIer)に対して実施したブランディング広告の事例です。
こちらの企業は、情報システム部門だけではなく、現場部門(LOB)の認知度も向上させ、「セキュリティに強い会社」というブランディングを行いたいと考えておりました。
そのため、TECH+でセキュリティ有識者との対談記事を掲載し、「セキュリティに強い会社」というブランディングの出発点を作ることができました。
これにより、企業の信頼性が向上し、商談の進行がスムーズになりました。
参考文献:『タイアップ広告の導入事例 ~セキュリティ業界への認知拡大~』
【8】まとめ
オンライン広告は急速に拡大し続けている市場です。
2021年のオンライン広告費の総計がマスコミ四媒体の広告費を上回った点を考慮すると、すでにオンライン広告はマスメディアの1つになったと言えます。
オンライン広告の種類は多岐にわたるため、まずは自社商材や目的に合ったオンライン広告サービスを選定しましょう。
どのオンライン広告種類を選ぶとしても、ターゲットが求める価値の提供するインバウンドの思想を忘れてはいけません。
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