【保存版】リード獲得に必要なKPI設定方法とは?施策ごとのKPIもご紹介!
リード獲得
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平 [2022.05.31]
【1】リード(見込み客)獲得とは?
そもそもリード獲得とは、マーケティング用語で「リードジェネレーション(Lead Generation)」とも言われ、Lead(きっかけ)をGeneration(生み出す)する施策全般を指します。
リード獲得は、リード(見込み客)の情報をさまざまな方法で獲得・管理し、ビジネスにおいて営業力を強化していくための重要なプロセスです。リードを獲得するためには、その目標となるKGIやKPIの設定が欠かせません。
▼リード(見込み客)獲得ついては下記の記事で詳しく解説しています。
リード獲得とは?効果的にリードを獲得する14の方法を解説!
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【2】KPIとKGIの違い
KPIと合わせて検討される指標として「KGI」という指標があります。2つの指標の大きな違いとしては、KPIが「中間目標」であるのに対し、KGIは「最終目標」を指しています。
KGI、KPIについてそれぞれ解説します。
KGIとは?
KGIとは「Key Goal Indicator」の略語で、日本語では「重要目標達成指標」と訳します。KGIは、組織の売上や利益のような最終的な数値目標が達成されているかを計測する指標を指します。
KPIが業務プロセスを評価基準とするのに対して、KGIは組織が目指すゴールを数値化した指標です。
KPIとは?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略語で、日本語では「重要業績評価指標」と訳します。
KPIは、目標を達成するために必要なプロセスが、適切に実施されているかの進捗具合を数値化して評価する指標を指します。
KPIを具体的に設定することで、目標達成に向けたプロセスの進捗を正確に把握し評価することが可能です。
【3】リード獲得のKPIの設定方法
では、リード獲得のための目標では、具体的には何をどのように設定すればよいのでしょうか。
KGIでは受注転換率、目標金額といった最終目標、KPIでは受注数、商談数、リード数といったKGIを達成するための中間目標を設定していきます。
いずれも設定する際は、以下のような事項に注意して設計することが大切です。
- 定量的な数値であること
- 実現可能な数値であること
- KPIとKGIに関連性があること
- 達成期限があること
施策実施後は各指標を計測し、達成できていない部分は改善に向けた対策を実施していきましょう。また、KGI→KPIの順に決めていくことで、目標達成のための道筋を明確化することが可能です。具体的な設定方法については、例を交えながら解説していきます。
1.受注までの転換率の目安を決める
まず、見込み顧客が実際の受注に至るまでの各フェーズにおける転換率の目安を決めましょう。
商談率(リード→商談化)は40〜60%程度、受注率(商談化→受注)は20〜40%程度を目安に転換率を決定していくと良いでしょう。
各フェーズの転換率は商材の単価や実施する施策によって大きく異なるため、自社に合った転換率を決定していくことが重要です。
2.KGI(目標金額)を決める
目標を決める際は、誰もが公平に判断できるような数値目標を明確に決定することが重要です。
ここでは仮に「5,000万円の売上」としておきます。
KGIを決める際に注意したいのが、「受注数を増やす」といった抽象的な目標は、KGIとしては不適切であるということです。
「受注数を増やして利益を上げること」が目的であるとした場合、KGIは「1年後までに受注数を40件から60件にし、1年間で5,000万円の売上を作る」といったように具体的な数値を設定するのが望ましいでしょう。
3.KPI(受注数)を決める
目標金額を達成するためには何件の受注が必要なのかを逆算して計算しましょう。
例に挙げたように、「1年間で5,000万円の売上を作るためには60件の受注が必要」といった形で設定していきます。
4.KPI(商談数)を決める
目標受注数を達成するためには何件の商談が必要になるのかを逆算して計算しましょう。
商談から受注への転換率が30%だとすると、60件の受注を達成するためには200件の商談が必要となります。
5.KPI(リード数)を決める
目標商談数を達成するためには何件のリードを獲得する必要があるのかを逆算して計算しましょう。
リードから商談への転換率が50%だとすると、200件の商談を達成するためには400件のリードが必要となります。
6.採算の合うリード獲得費用なのかを確認する
受注1件あたりにかけられる費用を確認したうえで、リード獲得にかけられる費用を逆算して確認しましょう。
例えば、1受注あたりの粗利益が100万円、受注率を20%とした場合、受注1件にかけられるリード獲得費用は最大で20万円です。
リード獲得単価は、施策によって金額が大きく変わります。
主なリード獲得施策の単価相場は以下の通りです。
施策名 | リード獲得単価 |
メディア広告 | 5,000~10,000円 |
展示会 | 8,000~10,000円 |
1,000~10,000円 | |
ホワイトペーパー | 3,000~5,000円 |
セミナー開催 | 8,000円~ |
上記のように、リードの獲得には最低でも1件あたり1,000円程度は必要となります。まとまったリードを獲得するにはかなりのコストを要すると言えるでしょう。
効率的なリード獲得のために、都度施策の結果や現行プロジェクトの運用を見直し、削減できるコストをカットすることで期待値の高いリード獲得手法に集中して投資を行っていきましょう。
また、リード獲得単価の安さだけで施策を選んでも、施策が商材に合っていなければ受注に繋がりません。顧客の質を把握するためには、リード獲得単価だけでなく、最終的な受注率も見たうえで施策を評価すると良いでしょう。
▼下記の記事でリード獲得の単価・相場について詳しく解説しています。
【リード獲得単価の抑え方】相場、意識する6つのポイント、注意点、この記事で全部まるわかり!リード獲得とは?効果的にリードを獲得する14の方法を解説!
【4】各施策ごとのKPI
実施する施策によっても設定するKPIは異なります。
ここでは、以下の施策におけるKPIの設定例を紹介します。
- 自社サイトのKPI
- オンライン広告のKPI
- ウェビナーのKPI
- ナーチャリングのKPI
- リード獲得サービスのKPI
それぞれ解説していきます。
自社サイトのKPI
自社サイトにおいては、以下のようなKPIを評価していくとよいでしょう。
- サイト訪問数
- 回遊率
- 重要ページ到達率(問い合わせフォーム遷移率)
- コンバージョン率
- コンバージョン数
KPI設定後は、定期的に各指標の推移を観測していきましょう。自社サイトのKPIを追う際に重要なのは、「サイト内だけで完結しない」ことです。
問い合わせ数だけを目標に置くのではなく、コンバージョン率(問い合わせから売り上げに繋がった確率)を観測することが大切です。自社サイトから問合せが来た後のリアルでのプロセスも含めてKPIを設定していきましょう。
オンライン広告のKPI
オンライン広告においては、媒体やクリエイティブ、リスト、キーワードなどの細かいセグメントごとに、以下のようなKPIを評価していくとよいでしょう。
- インプレッション数
- クリック率
- コンバージョン率
- コンバージョン数
- コンバージョン単価
オンライン広告出稿の費用は、広告の種類によって費用相場が大きく異なります。
各種広告の費用相場目安は以下を参考にしてください。
広告出稿先
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費用相場
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PPC広告
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クリック数に応じて料金が発生
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リスティング広告
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10円~500円/1クリック
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ディスプレイ広告
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月予算に応じてクリック単価の変更が可能
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SNS広告
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1円~200円/1クリック
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タイアップ広告
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100万円/2万PV
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BtoBメディアの純広告
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10万~7,000万(メディアによって掲載期間が異なる)
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広告出稿の際にまず考えるべきなのは「ターゲット」です。ターゲットを適切に選定しなければ、本来の目的を果たせずに無駄な広告費がかかってしまいます。
以下の図のようにターゲットの層を分け、明確にぺルソナ設定をすることで、ターゲットごとに刺さるメッセージや使用媒体をイメージし、最適な広告を出稿しましょう。
ターゲット層
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ターゲットの状況
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受注率
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潜在層
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課題は抱えているがはっきりと認識していない、または漠然とした悩みを抱えているが解決法を知らない(探そうとしていない)
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低
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純顕在層
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課題を解決したいというニーズはあるが、具体的な解決策は明確になっていない
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中
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顕在層
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課題の解決方針が明確になっていて、具体的な製品やサービスの検討に入っている
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高
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下記の記事でオンライン広告について詳しく解説しています。
・【完全版】オンライン広告7種を比較!費用やメリット・デメリットも解説
下記の記事でタイアップ広告について詳しく解説しています。
・タイアップ広告とは?メリットや活用が有効なケースを解説
ウェビナーのKPI
ウェビナーにおいては、以下のようなKPIを評価していくとよいでしょう。
- 申込率
- 出席率
- 満足度
- アポ率
- 案件化率
- 受注率
ウェビナーは、参加者の動きを可視化し、データドリブンな運営をしていくことが重要です。
開催することで獲得したいものは何なのか、それをどの程度獲得できれば成功と言えるのか等の目的を設定した上でウェビナーを開催しましょう。
ただ開催して終わるのではなく、継続的にセミナーの開催と改善をおこなう中で、目的やKPI自体が適正かどうか、定期的に見直すこともおすすめします。
下記の記事でウェビナーについて網羅的に解説しています。
・ウェビナーとは?メリットやツールの選び方から、効果的に行うコツまでをご紹介!
ナーチャリングのKPI
リードナーチャリングとは、「見込み顧客の育成」を意味します。
具体的には、まだ商品やサービスの購入までは考えていない潜在顧客に対し、適切なタイミングで有益な情報を与えることで、購入へのモチベーションを高めていくプロセスのことを指します。リードナーチャリングの手段としては、メルマガやSNS運用、セミナー開催等があります。
リードナーチャリングにおいては、以下のようなKPIを評価していくと良いでしょう。
- アプローチする人数
- アプローチ後の返信率
- アプローチ後に興味を持った数
- アプローチに対する反応(いいね数、シェア数等)
- アプローチ後に問い合わせ、資料請求、商談など各フェーズに繋がった数
施策別に上記の数値を追うことで、リードナーチャリングの課題が分析しやすくなるほか、具体的な成果も確認することが可能となります。
▼リードナーチャリングのKPIについては下記の記事で詳しく解説しています。
リードナーチャリングのKPI設定方法!設計例付きで今日から使える!
下記の記事でリードナーチャリングについて詳しく解説しています。
・リードナーチャリングとは?メリットや効果的な手法、プロセスをご紹介!
インサイドセールスのKPI
インサイドセールスとは、顧客に対して電話、メール、オンライン会議システム等の非対面でのコミュニケーションを用いた営業活動を意味します。
インサイドセールスにおいては、以下のような数値をKPIとして設定すると良いでしょう。
- コール数
- コネクト率
- コネクト数
- アポ率
- アポ数
- 案件化率
- 案件化数
- 受注率
- 受注数
上記のように細かく指標を設定することで、課題を発見しやすくなります。発見した課題はチームと共有し、改善していくことが重要です。
必要に応じて営業チームにもフィードバックを行いましょう。
▼インサイドセールスのKPIについては下記の記事で詳しく解説しています。
インサイドセールスでリードナーチャリングを行う方法と成果を出すためのコツ!
【5】まとめ
ここまでリードを獲得するためのKPIの設定方法と、施策ごとのKPI例を紹介してきました。今回紹介した方法でKPIを設定することで、最終目標であるKGIに到達するための道筋が把握しやすくなるだけでなく、目標達成に向けての改善点が発見しやすくなるでしょう。
KPIは商材やサービス内容だけでなく、採用する施策によっても大きく異なります。効率的にリードを獲得するためには、リード獲得サービスのようなツールを積極的に使用するのも良いでしょう。
自社にとって最適なKPIは何かを考えたうえで、質の高いリードを最大数獲得するための目標設定を行いましょう。
【TECH+マーケティング責任者】武本 大平
2021年からTECH+ のマーケティング部門立ち上げを推進。現在はTECH+マーケティング担当として、 各プロダクトの販促や各種マーケティングアクティビティの立案・実行を担当。マーケティング実務検定3級、SEO検定1級、ネットマーケティング検定を保有。